グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年6月14日

ドラフト指名選手紹介 6: デヴィッド・クラウニー

5巡20位 WR デヴィッド・クラウニー David Clowney
Virginia Tech Senior 6-0 (184cm) 188lb(85kg) 40yds/4.36秒 1985年7月7日生

経歴 : フロリダ州デルレイ・ビーチ出身。高校ではWR兼Sとして活躍し、シーズン10TDを挙げて無敗シーズンにも貢献。陸上では200mで州大会決勝に進出し、またバスケでもガードとしてプレーした。ヴァージニア工科大に進むと、レッドシャツを経ず1年目から12試合に出場。3年目にスターターとなって34キャッチ619yds、平均18.2ydsの好成績を残したが、4年目は肩のケガや盲腸の手術などで十分に力が出せず、424yds、0TDにとどまった。

Strengths : 優れたスピードとクイックネスを持つアスリート。スリム型だがバルクを増やせる骨格はある。トップスピードへの加速が速く、縦にフィールドをストレッチできる。難しいボールもキャッチできる。体重移動がスムーズで、スピードを落とさずにカットできる。ミドルへのルートを恐れず、ヒットされてもしっかりボールを守れる。細いわりにはブロッキングを頑張る。

Weakness : 華奢で馬力がないため、スクリメージでのリリースで相手DBに押されるとルート取りが乱れやすい。時おり(手でなく)体でボールを受けてしまう悪い癖があり、キャッチ力を疑問視する声もある。ジャンプボールへの対応が不安定。相手のカバレッジのソフトスポットを探すのがまだうまくない。ややケガが多い。大学でのリターナー経験はキックオフリターンが5回(平均23.8yds)あるだけ。

メンタル面 : 練習熱心で、陸上競技の方も大学4年間続けていた。昨年9月には盲腸で緊急手術を受けながら、9日後には試合に出場してタフなところを見せた。体調不十分なのに自ら志願してスペシャルチームのガンナーもプレー。学業優秀な選手の少ないWRというポジションだが、彼はすでに1学期早く卒業を済ませている。

指名の経緯 : 昨季34回424ydsしか稼げなかったのは、ケガに盲腸の手術そしてQBがヘボかったためだと同情する見方もある。シニア・ボウルの練習ではナイスキャッチを連発してアピールできた。コンバインでは、ハムストリングを少し痛めていたが4.36秒を出し、大学での"Pro Day"では4.29秒。各球団スカウトのコメントを聞くと、世間の評判よりもプロの評価が低いといった印象。

周囲も本人も3巡後半あたりを予想しており、5巡指名に不満な様子。「ドラフト初日はとてもがっかりした。待っても待っても他のレシーバーが指名されるばかりで、聞いたこともないような選手がいっぱいいた。4巡を見ているときもイライラが募ったよ。でも今の状況にはとても喜んでいる。グリーンベイに行けて、史上最高のQBの1人である殿堂入りクォーターバックがいて、そこで僕の能力を示すことができる」

パッカーズにとって : あらゆる面で3巡のWRジェームズ・ジョーンズとは対照的なタイプのようだ。素晴らしいスピードはあるが、ミドルへのパスを密集で競り勝つタイプではなさそう。入団後のミニキャンプでも前評判どおり、時おりビッグプレーは見せるが荒削りなところがあり、ジョーンズの方が明らかに評判がいい。スペシャルチームでは、クラウニーはパントリターンはせず(大学でも未経験)、キックオフリターナーの候補となっている。

WR陣では、両先発に加えて3巡のWRジョーンズまではロースター入りが確実。5人枠とすると、残り2つの枠を、このクラウニー、ファーガソン、ルヴェル・マーティン、カーライル・ホリデイ、ショーン・ボディフォードらで激しく争うことになる。昨年は4巡指名のWR/KRコーリー・ロジャースが開幕ロースター入りを逃している。

ヴァージニア工科大 : 同大からは3巡のSアーロン・ラウスに続いて今年2人目の指名。かつてのエース、アントニオ・フリーマン(1995年3巡)が同大の出身で、クラウニーとは以前から連絡を取り合っていたらしい。「僕と彼はメールとかで時々連絡を取り合っていた。僕の働きぶりを常にチェックしてくれてたんだ。ドラフトされたときも、お祝いの電話をくれたよ」

32名の犠牲者を出した同大銃撃事件では、彼はすでに卒業していたため校舎にはいなかったが、ニアミスに近い状況だったようだ。「事件現場からわずか道一本へだてたところがトレーニング施設で、いつもなら僕らはプロ入り準備のために、朝8時ごろから集まって鍛えていたところだった。あの日はたまたま仲間の1人の都合で時間を変更し、事件の時にはあそこにいなくて済んだ」

「僕の出身地のフロリダ州パームビーチ郡は殺人事件発生率が全米3位なんだ。だから、そんなところから家族を連れ出したい、というのが僕の夢だった。ヴァージニア工科大を選んだ理由の1つも、あそこならあんな事件など起きないと思ったからなのに」

陸上競技 : 大学でも4年間続けた陸上競技(60mや200mで活躍)の経験について、「僕は自分のことを『陸上もやるフットボール選手』だと考えている。陸上はフォームやスピードを作る役に立ったし、(フットボールの)オフシーズンにも体を作っておく助けになった」と本人。

カテゴリ : Draft, Player