もうじき制限つきFAとなるはずだったDEカレン・ジェンキンズは、パッカーズとの長期契約交渉を精力的に進めていたが、このほど総額$16ミリオンの4年契約にサインした。Press-Gazette紙によると、各種ボーナスが計$6ミリオンほどで、ベースサラリーと合わせて今年$7ミリオン弱を受け取るとのこと。詳細は不明だが、ロースターボーナスを多めに設定し、今年のサラリーキャップの空きを活かす内容になっているはずだ。(喜びを語るインタビュー映像)
カレン・ジェンキンズはプロボウルDTクリス・ジェンキンズ(CAR)の弟で、兄とは違ってドラフト外入団からNFLヨーロッパ派遣を経てここまで這い上がってきた選手。プロ3年目の2006年はキャリア最多、チーム3位の6.5サックを記録している。もともとパスラッシュDTとして高く評価されていたが、第14週の49ers戦でバジャ=ビアミラに代わって先発右DEとなると、ラン・パスともにディフェンスがうまく回転するようになり4連勝へとつながった。今回の契約は、チーム側が来季も彼をスターターとして考えていることを示している。
シーズン終了前から左足首を手術する予定だったQBブレット・ファーヴが、ようやく手術を終えた。日曜のうちにグリーンベイに到着した彼は月曜朝にチームドクターの執刀で手術を受け、今後数日はグリーンベイに滞在する予定とのこと。ここ数年の慢性的な痛みの元だった骨棘を取り除くだけの簡単なもので、引退問題とのからみで大きな話題となっていたが、普通ならこれほど大きく報道されるような手術ではない。
先日マッカーシーHCが「回復期間は8週から10週」と語っており、5月20日から始まるミニキャンプには間に合うものと見られている。
この1年間で最も様相が変わったポジション。大改造が成功し、若く速く活気に満ちたユニットに成長してきた。1巡5位指名のA.J.ホークがウィークサイドで期待通りの力を発揮し、これまで孤軍奮闘だったニック・バーネットが、より思い切ったプレーができる余裕ができた。ストロングサイドではプロ2年目のブレイディ・ポピンガが大ケガから復活しただけでなく先発の座まで奪い、シーズンが深まるにつれプレーが安定してきた。
今夏のキャンプで多少の競争があるとすればポピンガのストロングサイドぐらいで、今オフは大きな補強は不要だろう。若手の成長を見守るだけでよさそうだ。
2003年の1巡指名入団以来、ミドルLBとしてディフェンスのリーダーを務めてきた。手の骨折もあってチーム最多タックルはホークに譲ったが、プレー内容がダウンしたわけではなく、プロボウルの補欠にも選ばれている(2回目)。ミスタックル数は前年の20から13に減ったものの、20yds以上のビッグプレーを許したのがチーム最多の8回もあった。ギブスを着けてプレーしたせいもあるが、ややアグレッシブになりすぎたのか。今年が契約最終年なので、早めの契約延長に向け交渉が進められることになる。
ドラフト1巡5位指名にふさわしいプレー内容を見せた。チーム最多の155タックルに加え、3.5サック、ターンオーバー・プレー5回。ド派手なヒットをぶちかますタイプではなく、しっかりと抱え込む堅実なタックラー。序盤はパスカバレッジにミスが多かったが大きな進歩を見せ、2つのINTも易しいボールではなかった。以前はパスシチュエーションではダイム守備(1LB・6DB)が主体だったが、スピードのあるホークの加入でニッケル(2LB・5DB)が主体となり、時おり変則ダイム(3DL・2LB・6DB)を織り交ぜるようになった。
いつでもフットボールのことしか頭にない練習の虫で、グリーンベイの新居の地下に高圧酸素室を作ったことも大きな話題に。トレーニングキャンプではあまりにプレー内容が地味なので、「ひょっとしてハズレだったか」と懸念する声が出てきたほどだが、それも杞憂に終わった。身体能力や嗅覚にまかせて派手なプレーを狙うのではなく、プロのディフェンスを少しずつ着実に消化していこうという姿勢が、キャンプでの動きを地味に見せていたようだ。
2005年12月にヒザの前十字靭帯(ACL)断裂の大ケガを負いながら、わずか8ヶ月で復帰し、開幕直前にベン・テイラーからストロングサイドの先発の座を奪った。デカくて速くてパワフルで激しいプレーをするが、無鉄砲なところがある。シーズン序盤はTEとのマッチアップでカバレッジミスを繰り返したが、シーズン後半になると次第にミスも減り、彼のよさが前に出てくることが増えた。大学3年まではパスラッシュDEをしており、ブリッツ能力も魅力。
決して万能タイプではないが、パスシチュエーションではサイドラインに下がる"2-down player"ということもあり、彼の良さだけを活かす使い方はじゅうぶん可能だと見られている。また、来季開幕にはACL断裂から1年9ヶ月が経過することになるので、アジリティがさらに回復することも期待できる。
ドラフト3巡指名でキャンプの評判はかなり良かったが、先発ミドルLBバーネットの壁は厚かった。バーネットが手を骨折して唯一の先発機会となったシーホークス戦は、INTリターンTDこそあったものプレー内容は非常に悪く、235ydsラッシングを許す元凶となった。強烈なハードヒットが持ち味だが、アウトサイドLBに転向するだけのスピードはないかもしれない。このままだと来季も控えミドルLBに留まりそうだ。スペシャルチームでの働きもイマイチだった。
ブラウンズからFA移籍して先発ストロングサイドとしてキャンプを過ごしたが、大ケガから復帰のポピンガに開幕直前でその座を奪われ、両アウトサイドLBの控えとなった。ハムストリングのケガに悩まされるシーズンでもあったが、スペシャルチームでの働きはまずまず。1年契約だったためもうじきFAとなるが、他所で先発のチャンスを探すかもしれない。
スペシャルチームの中核選手で、ダブルチームを突破して相手リターナーを捕まえるスピードには素晴らしいものがある。控えLBとしてはあまりアテにされていない印象。もうじきFAとなるが、スペシャルチーマーとしての価値を重視すれば再契約の可能性も十分あるだろう。
左DEキャンプマンが15.5サックを挙げて堂々のプロボウル出場を果たした。もともとラン守備がよかっただけに、パスラッシュを磨いてますます穴のない選手に成長してきた。いっぽう右DEのバジャ=ビアミラは終盤になって先発から下げられ、シチュエーショナル・パスラッシャーに降格。代わって先発に昇格したカレン・ジェンキンズは最後の4連勝に大きく貢献し、今は契約延長交渉が進んでいるところだ。
しばらく前に、パッカーズがLBアデイラス・トーマス(BAL)をDEとして狙っているとの噂が流れたが、こうした動きがもし本当だとすれば、首脳陣はバジャ=ビアミラの放出を本気で検討していることになる。今年のバジャ=ビアミラのサラリーは$5ミリオンにもなってしまうが、今年はキャップに余裕があるので、我慢できないほどの高額ではない。プロ2年目のモンゴメリーが伸び悩んだだけにもう1枚加えたいところだが、大型補強をするほど優先順位は高くないかもしれない。FAで大物を獲ったりドラフト上位で指名することがあれば、バジャ=ビアミラ放出の可能性が高くなる。
パッカーズディフェンスのMVPといってよく、昨年春に結んだ4年総額$21ミリオンは安い買い物だった。15.5サックに加えて、2年連続でDL陣最多の113タックルを記録し、これといった欠点が見当たらない。大型契約を結んだ直後の選手はややトーンダウンすることも珍しくないが、彼はその正反対だった。練習の虫、フィルム・スタディの鬼で、慢心とは程遠いのは頼もしい限り。パスシチュエーションにはインサイドからラッシュすることもある。
ドラフト外入団からNFLヨーロッパも経験した苦労人だが、毎年着実に進歩を続け、ついにバジャ=ビアミラから先発の座を奪った。シーズン中盤には崩壊していたラン守備がこの交代をきっかけに立ち直ったようだ。サイズがあってランプレーでも押し負けないので、後ろのA.J.ホークなどLB陣たちが仕事をするスペースが作れる。これまではDTがメインでランシチュエーションになるとDEに入っていたが、今は右DEがメインでパスシチュエーションになるとDTの位置からラッシュする。
ルーキー年以来最低の6サックに終わり、タックル数も大幅に減らした。ジェンキンズに先発の座を奪われ、今は放出の危機にあると言っていい。もう成長の余地がないのは確かだが、ダブルチームされていることも多く、パスラッシュのキレがなくなったわけではない。チーム側が$5ミリオンのサラリーを我慢するか、本人がサラリーカットを受け入れれば、パスラッシュスペシャリストとして存在価値は十分ある。
成長を期待されたプロ2年目だったが明らかに伸び悩み、わずか1.5サックに終わった。11試合出場したところでヒザを負傷してしまいシーズンエンド。
ドラフト外入団からロースター入りを果たしたが、ローテーションに加わることはできなかった。ほとんどがスペシャルチームでの出場で、計8タックルを記録している。軽量でクイックネスに優れた選手で、パスラッシュ技術を磨いてなんとかローテーションに加わりたい。
ケガがちだったノーズタックルのグレイディ・ジャクソンと再契約せず、ライアン・ピケットをFAで獲得したのが期待通りの成果を挙げ、DLぜんたいが非常にケガの少ないシーズンを送った。その相棒のスターターは何度か入れ替わったが、けっきょくコーリー・ウィリアムズに落ち着いた。コリン・コールはラン守備に優れたタイプだが、期待されたほどの成長を見せられなかった。
DTとDEのどちらを補強すれば効果的かは見方の分かれるところ。デプスはあるが、ピケットを除けばそこそこのDTばかりとも言える。もっとインサイドからポケットをプッシュできれば、チーム全体のサックやプレッシャーが増やせるのかもしれない。大型補強をするかどうかは、ウィリアムズがスターターとして十分と見るかどうかにかかってきそうだ。
昨年春に総額$14ミリオンの4年契約でFA移籍。16試合元気に出場して期待通りの働きをしてくれた。前任者のグレイディ・ジャクソンより88スナップ多い計645スナップに出場し、DLではキャンプマンに次ぐ92タックルを記録。ダブルチームをしっかり受け止めることができる。サックはなかったが、パスをティップしたのは5回でDL陣最多。サンダースDCによると、最もコンスタントに働いたラインマンとのこと。
6巡指名入団から3年目、少しずつ成長を続け、初の全試合出場で11試合に先発した。ビルズ戦での3サックを含めてチーム2位の計7サックを挙げるなど、インサイドからのパスラッシュがいい。ただしラン守備は時おり不安定、または怠慢なところがあり、ギャップを空けてしまうことがある。最近は精神的にしっかりしてきたが、来年FAとなってビッグマネーを手にしたらDTクリディアス・ハントのように怠け者になってしまうのではないか、と懸念する声もある。
初めてロースターに定着した2005年は大きな成長を見せたが、先発候補として期待された2006年は伸び悩み、むしろ悪くなったようだ。開幕戦ではスターターだったのに第3週には(ケガはないのに)アクティブ登録さえされなかった。横幅が広く重心が低いランスタッファー。好タックルを決めるときもあるが、安定感に欠ける。来季は再び先発候補に復活できるのか、ロースター枠ぎりぎりを争うのか。
6巡指名ルーキー。層が厚かったので出場は6試合に留まったが、終盤には時おり光るものを見せた。来季はさらにパワーをつけてローテーションに加わりたいところ。
FAで1年契約したが、トレーニングキャンプでの出来は期待外れ。しかも2試合出場したところで足を負傷してシーズンエンドとなってしまった。再契約はなさそう。
インディアナポリスのスカウティング・コンバイン会場でマッカーシーHCとトンプソンGMがそれぞれ記者会見に応じたので、主にその中から話題を紹介する。
なおドラフト候補選手については、各球団とも絶対といっていいほど本音を口にしないので、実のあるコメントなど期待するだけ無駄というもの。FA選手については、交渉を有利にするために球団側や代理人サイドから情報がリークされることも多々あるが、ドラフトについては、情報を漏らして球団側が得をすることはない。噂ばなしはライバルチームをかく乱するためのニセ情報であると疑ってかかるぐらいの方がいい。
2巡・3巡・5巡ルーキーが左右両ガードで先発し、代役左右タックルも務めるという大変なシーズンだったが、QBファーヴを壊されないよう工夫を重ねてなんとか乗り切った。「また新しいガードを探さなきゃ」だった昨年の今ごろとは違い、彼ら若手が育っていけば大丈夫という見方が支配的で、大きな補強はなさそうな雰囲気だ。
実績あるベテランが務める左右タックルは、RTタウシャーが鼠蹊部を痛めて5試合を休んだ他は問題なかった。FA移籍のフラナガンに代わって先発センターに昇格したCウェルズは、合格点以上のプレー内容を見せて、すでに11月に契約延長を勝ち取っている。
複数ポジションをこなせるヴァーサタイルな選手ばかりなのでケガ人には対処しやすいが、控えのデプスには心配がある。クリフトンがすでに30歳でケガがちになってきたことを考えると左タックルの控えを用意しておきたいが、彼が負傷してもLGカレッジがスライドすればいいのでガードの控えでいいのかもしれない。右タックルの控えのバリーは大ケガで2006年を棒に振ったうえ、タイプ的にゾーンブロッキングに向かないので、こちらもFA補強があるかもしれない。
ドラフトではよほどいいのがいれば上位指名もなくはないが、今年はスキルポジションやDB補強が優先されるだろう。
15試合出場(流感で1試合休み)で2サックしか許さず、プレッシャーを許した回数も2005年の17.5回から14回にダウン。相変わらず安定したパスプロテクションでQBファーヴを守っている。ランプレーのバックサイドでのカットブロックもシーズン中に上達し、反則も6回と(彼にしては)減った。先発左タックルとして実力は十分だが、ヒザの慢性的な痛みをかかえており、重要ポジションだけにそろそろ後継者の準備が必要かもしれない。
クリフトンと同じく、こちらも先発右タックルとして実力に何の問題もない。鼠蹊部の負傷のためインジャリーリザーブ入りさせる案もあったが、5試合欠場しただけで復帰。無理しながらの出場だったがT/Gトニー・モールとの実力差は明らかで、終盤の連勝に貢献した。サックを許したのは11試合でわずか1回、キャリア7年間で12回しかない。ランブロックもOL陣で最もミスが少なかった。
プロ3年目、先発昇格の期待に応えて大きな成長を見せ、すでに前任者のフラナガンとさほど差のないプレー内容を見せている。ゾーンブロッキングへの適応も彼が最もスムーズだった。サックを許したのはわずか0.5回。ランブロックのミスがRGスピッツに次いで多かったのが来季への課題だが、両隣のガードが成長してくれば、不安定さも解消されてくるかもしれない。
大学4年間は全て左タックル。2巡指名入団の直後から先発左ガードを任されたが、フルパッド練習の始まるトレーニングキャンプになると力不足が明らかとなり、いったんは控えに下がった。しかし開幕直後にRGスピッツが負傷すると再び先発に戻り、今度はその座を手放すことはなかった。代役左タックルをしたときを除いてサックを一度も許さなかったパスプロテクションは立派。
カットブロックはなかなか上手いが、ドライブブロックはまだ馬力が足りない。ランブロッカーとしてよくなるためにも、またパスプロテクションでブルラッシュに押されないためにも、このオフに全身のパワーをつけることが重要だろう。ドルフィンズ戦で欠場のクリフトンに代わって左タックルを(2サックの後は)大過なく務めており、来季も左タックルの控えを兼ねるかもしれない。将来的にクリフトンの後継者となる可能性もある。
ドラフト3巡指名から即先発右ガードとなり、13試合に先発した。左右両ガードが問題なくこなせて、2番手センターも兼ねる。Cクリス・ホワイトをシーズン中に解雇したのは、スピッツが控えセンターで問題ない、と判断されたためだろう。タフでアグレッシブなブロッカーで、狭いエリアで相手を押し込む馬力はよいが、大きく動いてのブロッキングには課題が残る。ハマったときは素晴らしいランブロックを見せるもののまだ不安定で、ブロックミスがチームで最も多かった。
大学4年目の春までは控えTEだったのが、左タックルに転向して1年でドラフト5巡指名を受け、プレシーズンでのLGカレッジの不振により開幕から先発右ガードに。カレッジの復活で控えに戻るが、RTタウシャーが負傷すると先発右タックルに入った。けっきょくRGとRTで5試合ずつ先発出場。ルーキー3人の中では最も不安定で、サックやプレッシャーを許した回数ではどちらもチーム最多。彼が出ている間はどうしてもオフェンスが苦しかった。反則5回もいただけない。
彼がRTとRGの控え、RGスピッツがCとLGの控え、LGカレッジがLTの控えを兼ねるので、モールが控えにいるだけでOL全ポジションのケガ(2人出てはだめだが)に対応できる体制になっている。スターターとしては足手まといだったとはいえ、プロ2年目のジュニアス・コストンらに出場機会を与えなかったということは、それだけ将来性があると見られているのだろう。大学でやっていた左タックルよりも右タックルが向いているとの見方もあるが、OL転向からまだ2年も経っておらず、全てはこれからの修業しだい。
昨年3月に2年契約を結んだが、5月のミニキャンプで大腿四頭筋腱の断裂という大ケガを負って即シーズンエンド。ゾーンブロッキングに向かない、機動力に欠ける巨漢タイプで、ここ数年の試行錯誤の結果として右タックル以外は務まらないことが判明している。一昨年のRBグリーンと同じケガだが、巨漢ラインマンだけに同じように復活できるとは限らない。順調に復帰できた場合は、キャンプで若手たちとロースター枠を争うことになる。
落球やファンブルなどミスが多く、2006年に最も苦しんだユニットかもしれない。若く未熟なOL陣を助けるため、ブロッキングの負担が大幅に増えたことが影響していたのは確かだ。相手DEを少しチップしてパスコースに出るという通常のプレーよりも、長い時間ブロッキングを手伝わざるをえないため、パスコースに出てもなかなかフリーになれず、またキャッチの際も集中力が落ちてしまっていた。
パス成功数に占めるTEの割合は、2005年に22.1%だったが16%にダウン。TD数に占める割合も30%から11.1%に急落した。上位TE3人とも、地元2紙による2006年シーズン評価は"D"以下に酷評されている。ただ、OL陣が成長してヘルプが不要になってくれば、以前の力を取り戻す可能性はある。
落球・ファンブル・ブロックミス・反則がどれも多かったフランクスには地元メディアもファンも非難ごうごうで、「放出すべき」という意見が多い。しかし2007年のサラリーが$1.4ミリオンほどであるため、早急にカットすることはしないかもしれない。デヴィッド・マーティンとドナルド・リーはどちらもFA予定だったが、リーは先日1年契約を結んだところ。
というわけでRBやWRと並んで今春の重要な補強ポイントとなっているが、今年はFA市場に優秀なTEが多くないようで、自前のベテランを残しつつドラフトで1人指名して育てる、といったところが現実的か。FA予定選手で有名どころは、ダニエル・グレアム(NE)やジェレミー・スティーヴンス(SEA)あたり。また、パッカーズがドラフトでTEを指名すると2001年6巡のデヴィッド・マーティン以来6年ぶりとなる。
全試合に出場しながらTDゼロと、キャリア最悪のシーズン。堅実さだけが取り柄だった彼が信じられないようなミスを繰り返し、オフェンスの足を引っ張った。滅多になかった落球が11.3%に跳ね上がり、反則4回、ファンブル2回。ブロッキングもミスが多かった。これまで堅実無比だった実績があるので、簡単に見放すようなことはしない、とマッカーシーHCは語っているが、トンプソンGMが同じように見ているかはわからない。
2005年夏に7年契約を結んでいて2007年まではサラリーが比較的安いが、2008年から年$3ミリオンほどに跳ね上がることになっている。スターター級のFAが手に入らないのなら、けっきょく今年は放出せずもう1年様子を見ることになるかもしれない。
フランクス(スランプ前の)とは対照的で、アスレチック能力は高いが安定感に欠け、ケガがめっぽう多い。今季も11月まではキャリア最高の成績だったが、わき腹を痛めてしまい5試合欠場してシーズンを終えた。それでも、彼の縦へのスピードがレシーバー不足のパスオフェンスを助けていたのは確かだ。チームがドナルド・リーと再契約したということは、マーティンとはもう再契約の意思がないのか、それともFA市場のつける値を見てから動けばいい、と見ているのか。
軽量でスピードのあるレシービングTE。2005年にはTE陣最多33キャッチの活躍を見せたが、期待された2006年はわずか10キャッチ、TDゼロ、落球率23%と惨憺たる成績に終わった。それでもパッカーズが再契約したのは、スペシャルチームでまずまず貢献していること、26歳でまだ成長の余地がありそうなことを評価したのかもしれない。
ドラフト外から2年目の2006年は、NFLヨーロッパ派遣(19回206yds)を経て、4番手TEとして開幕ロースター入りを果たした。7試合に出場したがパスキャッチの機会はなく、出番はスペシャルチームのみ。11月半ばにハムストリングを負傷してインジャリーリザーブ入りしている。
NAIAに属するブラックヒルズ州立大(サウスダコタ州)出身のドラフト外ルーキーで、ハンフリーが戦線離脱した11月半ばにプラクティス・スクワッドからロースター入りを果たした。40yds走4.62秒とTEにしてはスピードがあり、パスキャッチはTE陣で最も上手いという評判。今夏は3番手の座を争うか。
WRコーレン・ロビンソンがヴァイキングス在籍時の昨年8月に起こしたハイスピード・カーチェイス事件について、先月司法取引(先月の記事)が成立したが、このたび判事から量刑の言い渡しがあった。90日間の服役と80時間の公共奉仕と$1500ドルの罰金、そして3年間の保護観察処分。3月1日までにニコレット郡刑務所に収監されることになっているが、本人が希望すればウィスコンシン州での服役も可能とのこと。
アルコールで何度も問題を起こしてきたコーレン・ロビンソンはその法廷で反省の念を示し、今は断酒会組織 "Alcoholics Anonymous" に参加していることを明らかにした。
もうじき無制限フリーエージェントとなるはずだったTEドナルド・リーが、パッカーズと1年契約を結んだ。サラリーはプロ経験4年選手の最低額$595,000ドルで、契約ボーナスも数万ドルの範囲と思われる。この額であれば、サラリーキャップには$435,000ドルしかカウントしなくてよい、というシステムになっている(用語集へ)。昨年わずか10キャッチと不振だったことを考えれば、ベテラン最低額は妥当なところだろう。
今春のパッカーズTE陣は、エースのフランクスが放出の危機にあり、2番手のデヴィッド・マーティンもフリーエージェントとなる。3人全員を取り替えるのはリスクが高すぎると考えたチーム側と、昨年の不振のためFA市場に出てもろくなオファーは来ない、と考えた本人の思惑が一致したのかもしれない。
今月21日から28日まで、毎年恒例のスカウティング・コンバインがインディアナポリスのRCAドームで開催されている。300人以上のドラフト候補選手がNFL球団首脳の前で、身体検査、40yds走やベンチプレスといった体力測定、ポジションごとのドリルなどを行う。また各球団は注目する選手を最大60名まで面接することができ、メンタル面を直接チェックできるようになっている。
NFL公式サイトの特集ページはこちら。ポジションごとのスケジュールはこちら(PDF)。招待選手リストはこちら。ただし招待されなかった中から有力NFL選手が育つこともあり、2002年のDEアーロン・キャンプマンはここに招待されなかったがプロボウラーに成長した。
3年前の当サイトの記事、「コンバインでのメディカルスタッフの仕事」もご参考に。
2年続けてドライバーの孤軍奮闘ぶりが際立ったシーズンで、彼に通れば1stダウン、ダメならパントの繰り返し。2巡ルーキーのジェニングスは開幕から素晴らしい活躍をしていたが、足首負傷とともにスランプに陥り、ファーヴとのコンビネーションがイマイチのままシーズンを終えた。3番手のファーガソンは第4週で足を骨折してシーズンエンドとなり、ドライバー以外は全員がルーキー(および1年目選手)となってしまった。3番手に昇格したルヴェル・マーティンは時おり光るものを見せた。
第2週には元SEAのコーレン・ロビンソンを獲得したが、10月半ばに1年の出場停止処分が決まり、来年の同時期まで復帰できない。第2週ならそこそこ使えるWRがFA市場に残っていて、そうでなくても若手に経験を積ませる機会だったのに、こんな問題児を獲ったために1ヶ月をまるまる無駄にしてしまった、とトンプソンGMの見通しの甘さを批判する声も多い。
出場停止期間中は球団施設で練習することもキャンプ等に参加することもできないため、ロビンソンが来季の戦力になるかどうかは、アルコール依存症の治療を含めて彼ひとりで努力できるかどうかにかかっている。はっきり言ってアテにはできないので、彼はいないものとして補強プランを立てたほうがよさそうだ。ファーガソンとはまだ契約が残っているが、スターターが務まらない限界ははっきり見えており、高いサラリーを払うよりも解雇するだろうとの見方が強い。
というわけで、オフェンスではRBと並んで最重要補強ポイントとなっている。ドライバーとジェニングスはどちらもショートからミドルを得意とし、フィールドを縦にストレッチするスピードにはやや欠けるため、ディープスレットが1枚ほしいところだ。今年2年目となる若手ばかりなので、ドラフトよりもFAで即戦力が獲れれば理想的。
パスキャッチ数もヤーデージも自己最高。3年連続で1200ydsを達成し、二度目のプロボウル出場を果たした。今月32歳になったが素晴らしいハードワーカーで、衰えるどころか毎年成績を伸ばしているのだから立派のひとこと。あとは少しでも長く活躍してくれるよう祈るしかない。現状ではどうしても彼にマークが集中するので、彼以外の武器を増やすことがチームの課題となっている。
ドラフト2巡指名入団からスムーズにプロに適応し、ファーガソンを退けてスターターとなって45回632ydsの成績を残した。パスキャッチがうまくランアフターキャッチに優れている。しかし第7週で足首を捻挫すると、復帰を急ぎ過ぎたせいかスランプに。プレーが不安定となってファーヴからパスが来なくなり、不満を漏らすこともあった。とはいえ先発で十分やっていける力があることは証明済みで、メンタルがしっかりしているので慢心もなさそう。
2001年の2巡指名入団から毎年のように先発のチャンスを与えられながら、期待に応えることができなかった。練習ではよくてもディフェンダーがいるとダメなタイプで、CBからセパレートすることができず、不思議なほどボールの競り合いに弱い。まだ契約(サラリーは$2ミリオン前後)は残っているが、チームはもう見限って解雇するだろうとの見方が強い。残った場合は下記の若手たちとロースター争いになるだろう。
ドラフト外入団から3年目にしてついにロースター入りを果たし、ファーガソンの負傷とロビンソンの出場停止で3番手に昇格。パスキャッチ21回358ydsを記録し、最終戦では7回118ydsの大活躍も見せた。スピードはないが193cmの長身でパスキャッチが非常にうまいポゼッション型。彼が3番手ではチームとしては物足りないが、4番手・5番手あたりなら面白い存在になりそうだ。
2005年にカーディナルスにドラフト外入団し、昨年12月上旬にカットされたところをパッカーズが獲得。終盤4試合に出場して9回126ydsを記録し、最終戦だけで5回87ydsと貴重な働きを見せた。ノートルダム大では3年まで先発QBを務めたため、WRに転向してから3年ほどしか経験がなく、そのぶん伸びシロはありそうだ。身長188cmのサイズがあり、直線スピードは超一流ではないがアスレチック能力は高い。来季はリターナーの候補にもなるかもしれない。上記のルヴェル・マーティンより良いのではないか、という声もある。
不祥事まみれの問題児で、トラブルの源泉は主にアルコールのようだ。サイズもスピードも十分ある魅力的な選手だが、シアトル時代は落球癖が問題だった。10月半ばに1年間出場停止処分を受けており、復帰が可能になるのも今年のその時期となる。それまでは球団施設でのトレーニングもミーティング参加も許されないので、自力で依存症を克服し、体作りをして復帰に備えなければならない。前歴からしてそこまでは期待できず、「いないものとして補強を考えるべき」とする意見が圧倒的だ。
グリーンが大ケガから復活し、チームのラッシング成績は2005年の平均3.4yds(NFL31位)から平均3.9yds(19位)までなんとか盛り返した。2005年のシンデレラボーイ、サムコン・ガドーをトレードに出してヴァーナンド・モレンシーを獲得したことは、その後の両者の成績を比べれば成功と言えそうだ。ゾーンブロッキング導入は次第に効果を発揮しており、ルーキーOLが成長すればそれだけでラン攻撃の底上げは可能かもしれないが、やはりもうワンパンチほしい。
今オフの課題はまずグリーンと再契約し、さらにもう1人加えること。ドラフト上位で有力RBを指名してグリーンと併用しつつ、世代交代を図るというシナリオが理想的かもしれない。モレンシーはスターターを争うには物足りず、むしろ3rdダウンバック向きと見られている。ヘロンは今年もロースター枠ぎりぎりを争うことになりそうだ。
大腿四頭筋腱断裂の大ケガから復活し、14試合で1059ydsラッシングの好成績を挙げた。ファンブルロストが2回しかなかったのも彼にしては上出来。しかし平均4.0ydsはキャリア最低で、20yds以上のビッグゲインもわずか3回しかなかった。OL陣の未熟さが最大の原因だが、グリーンに全盛期の爆発力がまだあるかというと難しいところ。集中力の問題かパス落球が大幅に増えた(12.7%)のも減点材料だ。
1年契約だったため今年もFAとなるが、30歳という年齢や耐用年数を考えると高額契約は難しいかもしれない。ただ今年はFA市場に有力RBが少ないため、3月2日のFA解禁前に契約延長しないとパッカーズにとって面倒なことになりかねない。
2005年ドラフト3巡指名選手だが、開幕週を終えたところでテキサンズからトレードされ、421yds(平均4.6yds)の成績を残した。第4週と第7週には100yds前後を走り、第15週ライオンズ戦でも貴重な2TDランを挙げて勝利に貢献している。グリーンのような縦へのパワーやスピードはないものの、巧みなステップでロングゲインにつなげるプレーが目立つ。
第5週ラムズ戦では序盤に痛いファンブルを犯して干されるシーンもあったが、その後ふたたび2番手の座を取り戻している。パスキャッチは16回112ydsと地味な数字で、キックオフリターン31回平均21.6yds(最長35yds)の成績は大いに物足りない。パスキャッチやブリッツのピックアップなどを磨いて、3rdダウンバックとして活用したいところだ。テキサンズ入団時の3年契約があと1年残っており、来年RFAとなる予定。
パッカーズで2年目。グリーンが欠場した第5週には20回106ydsの活躍を見せたが、やはり2番手としては物足りず、主に3rdダウンバックとしてプレーした。ブロッキングやパスキャッチが上手い器用な選手なので使い勝手は良いが、あまりにもスピードがなさすぎる。ドロープレーやパスキャッチで10yds前後ゲインするもののわずかに1stダウンに足りないシーンが多く、トニー・フィッシャー(昨春ラムズに移籍)とはかなり力の差があった。
ドラフト外ルーキーとしてベアーズのプラクティス・スクワッドにいたが、10月末にパッカーズに加入。しかし出場はわずか1試合(スペシャルチームのみ)であとは全てインアクティブ。それでも、貴重なロースター枠を使って残したということは、それなりに光るものがあるのだろう。(入団時の記事)
長らくヘンダーソンがスターターとしてニック・ルーチーやヴォンテ・リーチなど若手の挑戦を退けてきたが、ついに先発の座を明け渡すときがきた。ゾーンブロッキングへの適応に加えて開幕直前にヒザを痛め、彼の不調がラン攻撃不振の一因になってしまったからだ。そこでプラクティス・スクワッドからマイリーが昇格して即スターターとなり、まずまずのプレー内容を見せた。FB2人合わせてパスキャッチ21回119ydsしかなかったのもこのシーズンの特徴。
ヘンダーソンの現役続行いかんにかかわらず、今年はマイリーと争えそうな候補を補強するのはほぼ確実。ドラフトでルトガーズ大のFBブライアン・レナードに注目しているという噂もあり、そうでなくても下位指名の可能性なら十分ある。
2004のドラフト7巡でブロンコスに入団し、ゾーンブロッキング経験を買われて開幕直前にパッカーズのプラクティス・スクワッド入り。そしてヘンダーソンの不振でロースターに入って即スターターとなった。ラン攻撃の改善に貢献したが、第7週でヒジを脱臼してしまい、第11週に復帰(以後はブレースを着けながら出場)してからは明らかに馬力がダウンしていた。軽量スピード型フルバックでゾーンブロッキング向きだが、来季も先発確定と言えるほどの働きを見せてはいない。
12年目にしてついに先発の座を失った。中盤のマイリー欠場時には、序盤よりもよいブロックを見せており、序盤の不振はケガの影響があったかもしれない。シーズン終了時には引退が濃厚と見られていたが、マッカーシーHCは現役続行歓迎のコメントをしている。長年にわたるチームへの貢献、リーダーシップや若手の良きお手本としての価値を考慮して、今夏のキャンプで競争の機会は与えてやりたい、という意図かもしれない。
パッカーズはオーストラリア人パンターのデヴィッド・ロニーと契約した。ロニーはカリフォルニア大から昨年のドラフト外でレッドスキンズに入団したが、開幕ロースターに入れずに解雇。開幕直前にパッカーズのワークアウトも受けたが、昨季はフリーのまま過ごした。身長197cmの超大型パンターで、大学では平均41ydsを記録している。敵陣20yds以内に落とすコントロールに優れ、またキックオフも担当していた。
2004年にもパッカーズは、オーストラリア人パンターのネイサン・チャップマンと契約したことがある。オーストラリアンフットボールから直接来たチャップマンとは違って、今回のロニーはアメリカの大学で4年間のパンター経験がある。アイオワ州のコミュニティ・カレッジで2年プレーしたあと、オハイオ州立大とカリフォルニア大から奨学金のオファーを受けてカリフォルニア大に入り2年プレーした。もともとは陸上十種競技の選手で、アメリカの大学に入ったのが遅かったためすでに28歳になっている。
今夏のキャンプでは、カナダ人のジョン・ライアンとオーストラリア人のデヴィッド・ロニーが正パンターの座を争う珍しい状況となった。パンターやキッカーは1年目は解雇されても、2年目でロースター入りを果たすことも多い。ライアンが滞空時間の不安定さを改善できなければ、ロニーがつけ入るスキもありそうだ。
ファーヴの現役続行が決まり、今年もQB陣に大きな補強がないことは確定的となった。ロジャースはまだファーヴを脅かすだけのものを見せていないが、今夏のキャンプやプレシーズンゲームで後継者としての存在感を示すことができるかどうか。ドラフト中位以降でQB指名の可能性はあるが、ケガ人が出ない限りベテランの控えQBを獲ることはないだろう。
2005年ほどではないにしろ、未熟なOL陣とレシーバー不足に苦しめられ、13年ぶりにTD数が20を割り込んだ。ランが出ないために3rdダウンロングが多く、頼りないレシーバーばかりのため投げる相手はWRドライバーばかり。パス試投数はキャリア最多、逆にパス成功率はキャリア最低の56%となった。2005年にはリーグ最多の29INTを喫したが、新コーチ陣の説得が奏功して無謀なプレーが(彼なりに)減り、18INTと落ち着いた。
この2年間の低迷は、脇役たちの力不足によるところが大きいのは衆目の一致するところ。スタッツ的には平凡でも、彼ならではの好プレーを随所で見せていて、QBロジャースへの世代交代を求める声が今年は全く出てこない。将来性のありそうなルーキーOLたちが順調に成長するとして、今オフの課題はスキルポジションの強化。NFL31位だったレッドゾーン成功率を上げるためにも、RB/WR/TEの武器を増やして得点力をアップしたいところ。
1巡指名QBも、控えで3年目を迎える。ペイトリオッツ戦でファーヴが途中退場し昨年唯一の出番となったが、そこで左足を骨折してシーズンエンド。1年目と比べてかなり成長したと言われるが、ファーヴとの実力差が非常に大きいのは確かだ。世代交代論が出てこないのは、ファーヴの偉大さとともにロジャース自身の責任でもある。今年の夏はさらに成長したところを見せて、彼としては来年こそファーヴを引退に追い込まなければならない。
なかなか出番が来ないとはいえ、QBというポジションに限っては控え経験が成長の糧になっていくもの。NFLの歴史が示しているように、QBが早く実戦投入されたために潰れることはよくあるが、遅すぎたために花が咲かないことはない。また、(ファーヴが来年か再来年引退したとして)OL陣が成長したところでバトンタッチを受けられそうなのも、かえって好都合かもしれない。
昨年のドラフト5巡指名選手も1年目はオフェンス習得に手間取り、十分なポテンシャルを見せることができなかった。強肩が売り物だが、コントロールが安定しない。それでも昨季はロースター入りできたが、今年もキャンプでモタつくようだと3番手の座も危うくなる。ドラフトでQB指名の可能性もあり、そうでなくとも若手どうしの3番手争いに勝たなければならないだろう。
第11週でQBロジャースが骨折したため、セインツ時代にマッカーシーHCの下でプレーした経験を買われ、急きょ2番手として契約。さいわい出番は全くなかった。34歳という年齢もあり、再契約はなさそう。
NFCチームは、僕とDEジュリアス・ペッパーズ(CAR)とDEウィル・スミス(NO)の3人がローテーションした。6プレー出て3プレー休む、これを試合じゅう繰り返した。僕は左DEを主にプレーしてOTマット・ライト(NE)やOTマーカス・マクニール(SD)と対戦した。選手が常に入れ替わるのがこの試合の特徴。普段なら特定の相手をどうするかゲームプランを立てるものだけど、今回は相手が何をしてくるかわからず、相手もこちらのことがわからない。それもまた面白い。
僕のタックルの多くはテイルバック相手のもので、サックはなかったけど、何度か良いプレッシャーをかけられてよかった。自分としては絶好調ではなかったけど、それはみな同じだろう。プレーオフ終盤までプレーしていた選手たちもいて、彼らはすごく疲れていた。最高のパフォーマンスを示すような場でなく、互いに親交を深めつつ競い合うための機会だ。
AFCのマット・ライトは本来左タックルなのに慣れない右タックルをプレーしていて、「クソッ、右サイドは最悪だ」と毒づいているのが聞こえてきた。思わず噴き出してしまったら、むこうもそれに気がついたようだ。あるプレーでは、スピードラッシュが来るものと彼は構えたが、こちらがいわゆる"long-arm stab"を仕掛けたので彼は右に倒れてしまい、僕はQBマニングをヒットした。ぎりぎりでボールを投げた後だったのでサックにはならなかった。OTライトを助け起こすと彼は笑って、まるで僕がヒットすべきじゃないかのように「おいおい」とか言っていたのが可笑しかった。マニング自身はノックダウンされたのが不愉快な様子だったので、サイドラインに戻ると仲間からいろいろと聞かれて、それも妙な体験だった。
試合前の2日間はコミュニティ関連のイベント出席が奨励されていたので、僕は海兵隊を訪れることにした。ハワイ、特にオアフ島にはたくさんの軍隊が駐屯しているので、そのうちのいくつかを訪れ、素晴らしい経験ができた。イラクやアフガニスタンに行くために訓練をしている海兵隊員もいて、その多くは10代の終わりか20代の初めといったところ。彼らと握手し、目を見て真剣に話をし、僕らが応援していることを伝える機会が持てたことに感謝している。
実は、そこで大きな名誉を手にすることができた。今回の訪問はある大尉が同行してくれて、とても仲良くなった。大尉の階級章は二本線で、彼の制服の袖にもそれがついている。最後に車で送ってくれたとき、「滅多にしないことなのだが、誰かを本当に称えたいとき、敬意を払いたいときにはこれを渡すんだ」と彼は言って、記章の二本線のうち1つを外して僕の帽子に着けてくれたんだ。僕には非常に畏れ多いことだったし、ありがたいことだった。まさに特別な瞬間だった。
フットボール選手と彼らを比べるのはおかしいが、チームという面では似通った部分もある。陸軍には陸軍の、海兵隊には海兵隊の文化があって、それぞれ大きなプライドを持っている。フットボールチームにもそれぞれの文化があって、パッカーズとかヴァイキングスといったチームに所属できて嬉しいと選手たちはそれぞれ思っている。
今回ここに来られる機会が持てたことをどれだけ感謝しているか、みなさんにお伝えしたい。僕も家族もとても恵まれていると思い、できるだけ楽しもうといろいろトライしてみた。このようにシーズンを終えられるのは素晴らしい。さあ、リセットボタンを押して最初からやり直す時だ。
実力のわりに安いサラリー(CB中でNFL27位)に昨年から不満を示していたCBアル・ハリスが、このたびパッカーズとの契約延長に合意した。もともと契約は2009年まで残っていたが、その3年間のサラリーおよびボーナスが計4ミリオンほどアップし、さらに2011年まで契約が延長されている。ただし契約ボーナスはなく、ロースターボーナスやインセンティブを増やして将来的なリスクの少ない内容となったようだ。
興味深いのは延長部分の2010年と2011年のサラリー設定で、年齢(30代半ばとなる)による衰えを考慮して、$2.4ミリオン、$1.75ミリオンと下がっていく仕組みなのだ。一般に大型契約ほど無茶なバックロード型となりやすく、高額サラリーのために実績あるベテランを放出せざるをえなくなるものだが、この金額なら彼が3番手CBに後退しても無理なく支払える額だ。これはハリス側が提案したプランらしく、「チーム側は 『ワォ、彼は本当にここで最後までプレーする気なのだな』 とわかっただろう」と代理人は話している。
今春FAとならない有力選手の中で、契約延長が課題となっていたのはCBハリスとLBバーネット。昨年は自由参加のミニキャンプを全て欠席し、今年はさらに問題が大きくなる懸念もあったハリスだけに、早く落着したことは補強プランのためにも大きなプラスと言えそうだ。昇給とはいえ契約ボーナスがないため、いつ放出することになってもサラリーキャップ面のリスクが少ないのもありがたいところ。
アル・ハリス本人が電話インタビューに応えたのは、地元フロリダで息子(11歳)を学校に送っていく途中のことだった。「以前から言い続けてきたことだが、僕はとんでもない金額を望んでいたわけじゃない。ただ自分の働きに対して正当な報酬がほしいだけなんだ。契約に合意できて今は満足してる。きわめて満足してるよ。僕はただきちんと評価されていると感じたかった。そしてNFLでは評価とは給料だからね。誰にとってもいい結果になったと思う」
トップクラスのCBとして有力WRたちをシャットアウトしてきたハリスだが、契約期間がまだ3年も残っていたこと、そして32歳という年齢が交渉上大きな不利なのは自覚していた。「(3年も残っている選手が給料で文句を言うのは)不文律に反することではあるけれど、チーム側は常に相手のトップレシーバーに僕をつけてきたんだから。ただ、チームを乱すような騒ぎにはしたくなかった。今度の契約も、シンプルで、控え目で、現実的な数字だ」
「シーズンの初めごろは、正当に評価されていないと感じていた。でもシーズンが進むにつれてコーチたちは、(CBウッドソンと均等ではなく)僕が相手のトップレシーバーを相手にするようにしていった。そしてある日練習に行く途中でテッド(トンプソンGM)が僕を脇に呼んで、『約束はできないが、我々は君の希望を決して忘れたわけじゃない』と話してくれた。そうされたら、こちらも敬意を払わなきゃいけない。(契約が3年残っているからと)知らん顔をすることだって彼はできたんだから」
「自分はフェアにやりたい、という(交渉の)方針を代理人に伝えた。グリーンベイ・パッカーであり続けるために、できるだけイージーな契約にしたかった。いいチームになりつつあると思っているからね。シーズン終盤のようなプレーができれば、ウチはきっとよくなるよ」
昨日リストアップした今年のFA予定選手について、主だったところを紹介する。DE/DTジェンキンズだけが制限つきフリーエージェント(RFA)で、それ以外は全て無制限フリーエージェント。
大腿四頭筋腱断裂の大ケガから10ヶ月で復活し、出場14試合で1059ydsラッシングの活躍を見せた。キャリア最低の平均4.0ydsだったのは若いOL陣の力不足によるところが大きく、簡単には倒されないパワーはさすが。ただプロボウル連続出場時の迫力が完全に戻ったとはいえず、一発ロングゲインも減った。この7年で8000yds以上走ってきただけに、耐用年数の限界も心配になってくる。
パッカーズにとって今年の最重要FAであり、よほど金額でモメない限り再契約するものと見られている。今年のFA市場には有力RBが少ないため、彼を手放す場合はドラフトで必ず先発RBを獲得しなければならない、という制約ができてしまうからだ。グリーンと(できれば安く)再契約した上でドラフト上位でRBを獲得し、今季は併用しつつ世代交代を図るべき、という見方が圧倒的に多い。今季プレーオフのトップ4は全て1巡でRBを指名して実績あるベテランと組ませたチームであり、パッカーズも1巡16位でRBを指名するとの予想が少なくない。
今季最後の4試合はDEバジャ=ビアミラを退けて先発右DEに昇格し、ラン・パスとバランスの取れた活躍で4連勝の一因を作った。これまではDTが本職だったが、今はベースディフェンスでは右DE、パスシチュエーションではバジャ=ビアミラがDEに入ってジェンキンズはインサイドからラッシュする。6.5サックはキャリア最多、チーム2位。兄クリス(CAR)はドラフト2巡入団からプロボウル2回のエリートだが、彼はドラフト外からここまで這い上がってきた。
制限つきフリーエージェント(RFA)であるため、1年契約で引き留めることはさほど難しくない。昨年まではRFA選手への Qualifying Offer(用語集参照)は3段階しかなかったので下位指名やドラフト外入団選手の引き留め方が厄介だったが、今年は「上」と「並」の間にもう1段階増えたのがありがたい。$1.3ミリオンのオファーをしておけば、他チームへの移籍を許す場合に2巡指名権を受け取ることができるのだ。 ただ、残留させても来年には無制限フリーエージェント(UFA)になってしまうため、今春のうちに長期契約を結んでしまう可能性も十分ある。
スピードのあるレシービングTEとして6年間フランクスの2番手を務めてきたが、いかんせんケガが多い。今季も11月まではキャリア最高の成績だったが、わき腹を痛めてしまい5試合欠場してシーズンを終えた。もう彼にはうんざり、という見方は地元メディアにもファンにも多いが、問題はTE陣ぜんたいの動向。エースのフランクスはキャリア最悪のスランプで解雇の危機にあり、3番手のドナルド・リーもFAとなる。誰が残って誰が入れ替わるのか、現時点では全く予想がつかない。
軽量スピード派のレシービングTEとして2005年には33キャッチの活躍を見せたが、期待された今シーズンはパッとせず、わずか10キャッチ、TDゼロ、落球率23%と惨憺たる成績に終わった。スペシャルチームでの貢献(チーム2位タイの15タックル)はまずまず評価されているようだ。再契約の可否は他のTEしだいの部分もあるが、26歳と若いのでもう一度チャンスを与えられるかも。
大型のランスタッファーとしてベテラン最低額で昨年FA加入したが、シーズン序盤で足を痛めてしまい、出場わずか2試合に終わった。6巡ルーキーのDTジョニー・ジョリーが使える見込みが立ったこともあってデプスに問題はなく、再契約は不要ではないか。
先発LB陣を脅かす力はないが、スペシャルチームの中核として活躍。ST最多タックルを挙げ、相手のブロックを破って好タックルを決めるシーンが目立っている。スペシャルチームだけでも存在価値は十分あると言われており、トンプソンGM自身が現役時代はそういった控えLBだっただけに、最低額で引き留めてキャンプで競わせるかもしれない。
今年パッカーズからフリーエージェントになる選手は下表のとおり。無制限フリーエージェント(UFA)は、どことでも好きに契約できる通常のフリーエージェントのこと。いっぽう制限つきフリーエージェント(RFA)は制約があって移籍実現は難しく、所属チームの提示した1年契約にサインして来年UFAとなるのが一般的なパターンだ。詳しくは用語集やオフシーズンの流れを参考のこと。
今年のFA期間は3月2日にスタート。2007年のサラリーキャップ額は、昨年より$7ミリオンほど増えて$109ミリオン前後になるものと予想されているが、まだ確定していない。キャップを超過しそうなチームは、FA期間が始まる前日までにやりくりして必ずキャップ額以内に収めなければならない。ただし、この2年間でキャップ額が$24ミリオンも増えたため、今年はキャップに余裕のあるチームが多い。そのため、FA予定の選手であっても期間前に再契約することが多そうで、実際にフリーエージェントとなる大物選手の数は少なめと予想される。供給が少なくなるため値段も高くなりそうだ。
主力にFAの多かった昨年とは違い、今年のパッカーズのFAリストはかなり地味で、RBグリーンとDEジェンキンズ(RFA)を除けば、さほど重要でない控え選手ばかりだ。個々のFA予定選手については次回くわしく紹介する予定。
Green Bay Packers 2007 Free Agents | ||||
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Name | Pos | 種類 | Age | 備考 |
Ahman Green | RB | UFA | 30 | 大ケガから復活して1059ydsラッシング。RBだけに耐用年数が心配で、契約交渉でモメるとしたらその点。世代交代の時が近づいているのは確か |
Todd Bouman | QB | UFA | 34 | QBロジャース負傷のため急きょ2番手として加入。年齢からして再契約はなさそう |
David Martin | TE | UFA | 27 | シーズン中盤までは好調だったが、結局今年もまたケガで尻すぼみに。ぬるま湯体質の典型 |
Donald Lee | TE | UFA | 26 | 33キャッチを記録した2005年の活躍から大幅に後退。優れたアスリートだが落球率23%は一体どういうわけか |
Tyson Walter | T/G | UFA | 28 | デプス強化のため11月末に加入。どこでもこなせる器用な選手だが、再契約の可能性は低そう |
Kenderick Allen | DT | UFA | 28 | 大型のランスタッファーだが足の骨折でIR入りし、出場わずか2試合。デプスはあるので再契約は不要かも |
Ben Taylor | LB | UFA | 28 | 開幕直前でLBポピンガに先発の座を奪われる。再契約するとしたらベテラン最低額付近 |
Tracy White | LB | UFA | 25 | 先発を脅かす力はないが、スペシャルチーマーとして貴重な戦力になっている |
Rob Davis | LS | UFA | 38 | チーム最年長のベテランロングスナッパー。衰えはあまり見られず、すでに契約延長済 |
Cullen Jenkins | DE | RFA | 26 | DEバジャ=ビアミラを押しのけてスターターに昇格。インサイドからのパスラッシュも魅力で、いずれ長期契約は必至 |
先月にも紹介したスタッツ集の続き。今回も主にJournal Sentinel紙の記事から。
NFL関係の仕事として、フットボール関連のあらゆるものにたくさんサインをした。全選手がそうすることを推奨されているんだ。練習や準備はとても簡単で、さほど激しいものはなく、ひととおりのことを覚えるだけ。とてもリラックスした雰囲気だ。午後にはビーチに出て、サーフィンをする連中もいる。高さ20フィート以上の波が来ていた。夢でしか見たことのないようなターコイズブルーの海だ。
木曜にはホエール・ウォッチングに出かけた。僕らは大きな船に乗って、クジラたちの100yds以内に近づくこともできた。ザトウクジラをあんな間近で見ることができるなんて、そうそうあることじゃないね。ハイキングもすごく楽しかった。ジュラシック・パークに出てくるような緑の生い茂った谷を、滝まで歩いたんだ。その池は高いところから飛び込めるようになっていて、妻のリンデはやらなかったけど、僕はダイブしてみた。滝の流れ落ちる池を泳ぐなんて最高だよ。
試合はとても楽しみにしている。何もかもが楽しそうだ・・・スペシャルチームを除けばね。だって僕らは普段スペシャルチームでプレーする選手がいないんだから。元パッカーズのジョン・ボナメイゴが今回のスペシャルチームコーチ。彼が「しっかりしろ"キャンプ"、やり方はわかってるだろう」などと言うから、こっちは「カレッジ以来だよ!」という感じ。というわけで、キックオフやパントでは、僕らはフィールドじゅうを走り回らなきゃいけない。やってみなければどうなるかわからないね。フィールドに入る直前にプレーカードを確認するのは間違いない。
ファーヴの兄スコットはかつてミシシッピ州立大でプレーした元クォーターバック。 ファーヴ本人はまだ公式の場に姿を現さないが、スコットが取材に応えている。
来季へ向けたチームの見通しについて。「ブレットが良い感触を持っているのは間違いないよ。本人はまだいいプレーができているし、チームの明るい未来が見えている。『あと何人かいい選手が獲れて、みんな元気なら、来年は狙えるかもしれないぞ』 と僕は言ってやった」
11週からの3連敗について。「あんな調子でシーズンが終わっていたら、ブレットが戻ってくることはなかったと僕は思う。いろいろなことがうまく運ばず、彼も精神的に燃え尽きかけていた。『またかよ。また負けだ。またインターセプトを投げちまった』 という風にね。誰もシーズンを楽しめていなかった。ディフェンスはどの相手も止められていなかった。そしたら急に勝ち始めて、次もその次も勝って、ものごとが好転し始めて、チームの雰囲気も変わっていった。最後に4連勝できたことでチームみんなの気持ちが変わったんだ」
現役続行の決断を、全米メディアでなくミシシッピの地元紙を通して発表したことについて。「ブレットはメディアの大騒ぎを経験したくなかったんだ。地元のヤツでもあるし、アル(ジョーンズ記者)に書かせるのはいいアイディアだと僕も思った。彼はずっといいヤツだったし、僕らのいい友人だし」
昨年のファーヴは、妻のディアナや娘たち、その他の家族・親戚や親しい友人たちにも意見を聞いたが、今年に関しては彼ひとりで決めたのだ、とBiloxi Sun Herald紙のアル・ジョーンズ記者。彼はファーヴ家とは20年来の付き合いだという。「ディアナはこの問題に関わろうとはしなかった。まるで自分から部屋を出て行って 『これはあなたが決めることよ』 と言い置いて行ったようなものだ。たぶんそうした方が本人にとっても決断が容易だっただろう」
最終戦後のファーヴの涙について、再びファーヴの兄スコット。「きっとその時の雰囲気に気持ちが流されたんだ。(インタビュアーが聞いたように)もしこれが最後の試合だったら?と考えていたからだと思う。これが最後かもしれないと思えば、誰だって少しは感傷的になる。長い年月のいろいろな出来事を思い返すだろう。そういったことが彼の頭の中をよぎって、あの涙になったんだ。でもインタビューが終わってロッカールームに戻ると平気になり、いつものブレットに戻ったのさ。引退問題について僕らは特に話し合わなかったけど、また戻ってくると僕はずっと感じていた」
「フィジカル的には、ブレットはまだまだやれる。以前ほど脚はクイックじゃないし、昔のようには走れない。しかしQBにとって大事なのは速さやクイックネスじゃない。認識力や、ラッシュを避ける能力だ。ここでワンステップ、あちらでパンプフェイク。僕がこれまで見た誰よりも、ブレットはパスラッシュをかわすのが上手いよ」
もし来季もケガなく過ごせれば、ダン・マリーノの最多TD記録やジョン・エルウェイの最多勝記録を破る可能性が高い。「本人は記録のことなど気にしていない。だって彼がマリーノの記録を破っても、いずれ誰かに破られるだろう。ブレット本人でさえそう言っている。彼が常に誇りにしているのは、やはり連続出場記録なんだと思う」
まず第一に、ウィスコンシン州グリーンベイの厳しい寒さから逃れてハワイに来られたのはとてもありがたい。いまは晴れ時々曇りで、26℃から28℃といったところか、もう少し低いかもしれない。月曜にあちらを出発するときは、クルマを降りて空港の建物に入るまでに耳の感覚がなくなってしまった。とにかく本当に寒かったんだ。
ハワイに着くまでは大変だった。グリーンベイからシカゴへの便がメカニカルトラブルか何かでキャンセルされてしまい、結局アトランタ経由でホノルルまで飛ぶことになった。小さい子供たちには長い1日になってしまったが、彼らにしてはとてもよく頑張ったよ。到着してベッドに入る頃にはウィスコンシン時間の午前4時になってしまい、最初のミーティングには出られなかった。ドナルド・ドライバーと話す機会があったので、どんな内容だったか教えてもらった。彼は奥さんのベティーナとお母さんと子供たちを連れてきてるから、またビーチで一緒に過ごせるだろう。
今のところスケジュールはとてもゆったりとしたもので、昼ごろまでは練習やミーティングがあるけど、それが終われば午後はまるまる自由時間。練習はふだん僕らがしているものとはやはり違う。シーズン中にこんな内容だったらエネルギーが有り余ってしまうところだ。とてもリラックスした雰囲気の中で、練習はむしろオフェンス側がタイミングを合わせることに重点を置いている。ディフェンスはスキーム的にさほど複雑じゃない。誰がどこにラインナップしてどうするか、というぐらい。ストレッチして "walk-through" して、短い個人ドリルをDLコーチとして、ごく簡単なチーム練習。たぶん全部で1時間ぐらいかな。
僕と同じプロボウル初体験の選手もけっこう多い。経験者にとっては慣れたものだろう。仲間の選手たちはとてもいい雰囲気で、みんな楽しい時間を過ごそうとしている。それぞれが苦しいシーズンを乗り越えてきて、互いにそういった話ができる。共通点が多いからね。NFCはニューオーリンズ・セインツのコーチ陣で、僕らを集めて言ったことは、楽しむこと、もっと楽しむこと、たくさん楽しむこと、そして第4Qになったら勝つこと。
火曜の練習後に、妻と両親を連れてパールハーバーまで行き、それから山の方に入って美しい景色を見ながらドライブをした。その後ビーチに出て、それからディナー。特に派手なことはしてないけど、家族とリラックスしていい時間を過ごしている。子供たちも楽しんでる。下の子はまだ9ヶ月だから、まあ場所はどこでも関係ないんだろう。上の子(3歳)はビーチで遊ぶために、いま昼寝をして充電しているところだ。
ここにいられるのは本当に名誉なことだし、恵まれていると思う。プロボウルは投票してくれたファンのみなさんのおかげでもあるのだから、ここでお礼を言いたいと思う。ありがとう、いい1週間になりそうだよ。
LBニック・バーネットは来季いっぱいで契約が切れるため、パッカーズと契約延長交渉を始めていることを、代理人と球団側の双方が認めた。「チーム側はニックを長期にわたって確保したい。ニックの側も、長期にわたってここに残りたい。その点は双方が確認済みで、交渉のスタート地点としては申し分がない。(交渉担当の)アンドリュー・ブラント副社長と話し合った感触として、この契約はまとめられると双方が感じている」と代理人。
LBバーネットは2003年にオレゴン州立大から1巡指名入団して以来、ディフェンスのリーダーとして優れた実績を残してきた。「3巡指名ルーキーのLBアブドゥル・ホッジで代わりが務まるのでは」という見方も開幕前にはあったが、ホッジが唯一先発出場したシーホークス戦での出来が非常に悪かったこともあり、世間でのバーネット不要論もほぼ鎮静化。まだ25歳と若いバーネットだけに、パッカーズが高額契約で引き留めるのは確実と見られている。
問題は金額。ヴァイキングスのLB E.J.ヘンダーソンは昨年12月、契約ボーナス$10ミリオンを含む総額$25ミリオンの5年契約を結んでおり、実績で上回るバーネットがそれ以上を求めるのは確実だ。代理人は「今春FAとなるベアーズのLBランス・ブリッグスと同じぐらい」とコメントしているが、プロボウル2回のブリッグス並は高望みだろう。
パッカーズはサラリーキャップに余裕もあり、交渉は慌てず急がず夏までに、といった進め方になりそうだ。また、たとえ交渉が望んだとおりに進まなくても、ミニキャンプやトレーニングキャンプをホールドアウトすることはない、と代理人は明言している。「完璧であろうとなかろうと、本人が契約に(ルーキー時に)サインしたのだし、その契約は来季まで残っている。それに背を向けることはニックはしない。契約は尊重する。契約延長がまとまればそれは素晴らしいが、そうならなくても、何も変わることはない」
いっぽう私生活では、グリーンベイで経営するナイトクラブ"FiveSix"が騒音や暴力沙汰などトラブル続きで市側ともめていたこともあり、バーネットはクラブを閉鎖することを明らかにした。すでに昨年10月にクラブを売却する意思を明らかにしており、先月には酒類の販売も自主的に取り止めている。ダンスやコンサートなど特別なイベントに使うこともあるかもしれないが、再オープンはないとのこと。このビジネスから手を引く理由として、酒類販売許可についての市側との争い、フットボールのキャリアを大事にしたいこと、子供が産まれたことを本人は挙げている。
今年初めてプロボウルに選出されたDEアーロン・キャンプマンによる、プロボウル報告の第1回。
旅行の準備はちょっとした騒ぎだった。妻のリンデと僕は、まず金曜の朝にマイアミに向かい、NFLのOB会から"Pass Rusher of the Year"として表彰されたんだ。素晴らしい名誉だった。実際にプレーした先輩たちが選んでくれたんだから。土曜にグリーンベイの家に戻り、日曜にようやくハワイ旅行の準備ができた。そして子供2人(どちらも男の子で9ヶ月と3歳)と一緒に、月曜にあらためてハワイに出発したところ。
今回は僕の両親とリンデの両親、それにベビーシッターと友人数人を連れてきている。僕たちの人生の重要な一部であることを身近な人たちに伝えられる機会が持てて、本当に素晴らしい。全員を連れてくることはできないが、その人たちには別の方法で感謝を伝えることを僕らは計画している。これまでのコーチや恩師といった人たちだ。
プロボウルに選ばれるのは大変な名誉だ。正直言って、これから何が起こるのか僕にも正確にはわかっていない。渡された資料を読むとともに、レッド・バティ(用具担当)、FBウィリアム・ヘンダーソン、WRドナルド・ドライバーといった経験者たちに話を聞いたりした。
フットボールの世界では、シーズン中は全てがきっちりスケジュールされているものだけど、今回の旅はそういう制約がないのがいい。午前中には練習や行事がいろいろとあるが、午後は自由時間がたっぷりあってリラックスできるようだ。家族と過ごせる時間を楽しみにしている。
ハワイには以前に旅行したことがある。ルーキーイヤーに、リンデと一緒にマウイ島に行った。オアフ島には行かなかったから、パールハーバーなどは今回が初めてになる。予定はしっかり決めてはいないが、一行全員で素敵なディナーをして、記念写真は撮ろう。ルアウ(ハワイ式宴会)もたぶんやるだろう。妻と僕はシュノーケリングをするつもり。今の時期はクジラが来るそうだから、みんなで船で出かけるかもしれない。坊主たちが喜ぶだろう。
身体的にはプレーする準備はできている。室内練習場でトレーニングを続け、体は作っているからね。そういった準備はしてきたけれど、やはりみんなでリラックスする機会の方を楽しみにしている。たとえビーチで寝そべったり砂の城を作るだけだったとしても、素晴らしい休日になるだろう。
金曜の朝、ファーヴは電話でトンプソンGMに現役続行の意思を伝えたあと、友人でもあるBiloxi Sun Herald紙のアル・ジョーンズ記者に短いコメントを伝えた。「戻ってこられることに興奮している。ウチには核となるような若くしっかりした選手たちがいる。昨年は8勝8敗にすることができて大いに勇気付けられた。オフェンスラインはよくなりそうだし、ディフェンスも後半はいいプレーをした。若く才能あるチームでプレーできることを喜んでいる」
金曜午後に記者会見を開いたテッド・トンプソンGM。「今朝ミーティングをしていたら携帯が鳴って、発信者番号通知からブレットだとわかった。具体的に彼が何を言ったかというと、『もう一度やってみようと思う』 といったような内容だったと記憶している。『そいつはいい』 と私は答え、それ以外の事柄についてもいろいろと話をした」
37歳という年齢だけに、急に衰える可能性について聞かれたトンプソンGMは、「みなさんはそういった点を探すのだろうが、彼のフィジカル能力が衰える兆候は私には何ひとつ見えない。彼が非常に高いレベルで長くプレーできるのは、一世代にひとり出るかどうかというごく希な人間なのだろうと思う」
「フットボールを好むのと同じように、ブレット・ファーヴがプレーし続けるという事実そのものを、多くの人々が楽しんでいる。パッカーズにとっても良いことだし、NFLによっても良いことだ。彼が元気で楽しんでプレーしてくれる限り、我々全てにとって良いことだ」
大ベテランのロング・スナッパー、ロブ・デイヴィスは今春フリーエージェントとなる予定だったが、このほどパッカーズと1年契約を結んだことが明らかになった。チーム最年長の38歳ながら安定感のあるロングスナップには衰えは感じられず、来季もまた若手を退けて正ロングスナッパーの座を守ることが予想される。
契約ボーナスは$4万ドルでベースサラリーは$82万ドル。これはNFL経験10年以上の選手の最低額で、この額であればサラリーキャップには$435,000ドルしか計上しなくてよい、というベテラン優遇システムがある。(用語集参照)
ロブ・デイヴィスの価値について、代理人。「球団側としては、いつだって若い選手を育てたいと思うものだ。しかし一方で、リーグ全体を見渡せば今でもロブが屈指のロングスナッパーだろう。40歳までプレーするのがロブの希望だ。『40を超えてプレーできるのはごくわずかだし、それもたいていキッカーやパンターだ』と私は言ってやった。しかし彼が元気で、グリーンベイでいい仕事を続けられたら、可能性は十分ある」