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2007年1月31日

Self-Scouting

いまコーチ陣が進めている作業がセルフ・スカウティング。2006年シーズンに何がうまくいき、何がうまくいかなかったか、何を変える必要があるかをコーチ全員がそれぞれ分析する作業だ。シーズン中は、対戦相手の分析やゲームプランの作成、練習の組み立てなど毎週の仕事に追われて時間が取れないため、シーズン後に時間をかけて徹底的に自チームの評価を行うのだ。

コーチ陣が調べるのは文字どおり全スナップ。オフェンス1117プレー、ディフェンス1044プレー、スペシャルチーム466プレー、合計2627プレーについて、数週間をかけて調べ上げる。「プレーコールごと、ゲインごと、ダウン&ディスタンスごとにビデオを切り分けて、あらゆるシチュエーションを見る。全プレー、全シチュエーション、練習で何がうまく行ったか、本番でどうコールしたか、詳細な評価を行う。練習について、試合について、自分たちが正しいことをしているかを確認するのだ」とボブ・サンダースDC

その作業の中で、来季に向けてどのような変更をすべきかが浮かび上がってくる。何を加えるべきか、何を減らすべきか。「あちこちで新たな変更があることだろう。まあできれば、大きな変更でなく調整程度ですめばありがたいがね。何か加えるべきことが見つかれば、必ず来季にそれを試すことになるだろう」とサンダースDCは語る。「シーズン中はどうしても時間の制約があるから、何かを変えようとするときは、たくさんのことに少しずつ時間をかけるより、いくつかに絞って時間をかけて取り組むのが基本だ。それだけに、こういった機会にはあらゆることを検討しておきたい」

攻・守・STの中で、今の時期の選手評価が最も重要になるのがスペシャルチーム。キャンプでは普通スペシャルチームのフルコンタクト練習を行わないこともあり、控え選手において重要になるスペシャルチーマーとしての能力評価を、今のうちにまとめておく必要があるからだ。

マイク・ストックSTコーチ。「それぞれの選手たちが安定したプレーをしているかどうか、来季の戦力になってくれるかどうかを、我々は正確に知っておく必要がある。一番よく働いたのは誰か、誰を次のキャンプに呼ぶべきか、といったことまで評価を行う。オフシーズンになれば、より徹底的な評価を行える。チーム向上のためどんなドリルを増やすべきか、どんな選手を新たに必要としているか」

オフェンス側ではOL関連コーチ3人がそれぞれ内部昇格したため、新しい仕事に慣れるための良い機会でもある。ジョー・フィルビン新OCは、「以前と似てはいるけれど、今度はOL5人でなく11人全員のことを考えなければならない。いま我々はランニングゲームの分析をしているところだから、オフェンシブラインとランニングバックが焦点となっている。あと1週間か10日したらパッシングゲームの方に移るが、以前と違ってパスプロテクションだけ心配すればいいというわけにはいかない。より広い視野で見ることが必要になる」と語っている。

「いまの作業は、コーチングスタッフの中のケミストリーを作り上げていく良い機会だ。優れたフットボールチームには優れたケミストリーがある。スタッフ同士が結束しているか、考え方が一致しているかは選手には自然と分かるものだし、我々はそうなりたいと願っている。2006年シーズンの分析は重要だが、スタッフが土台を固めることも同じぐらい重要なことだ。よい結果を出すために、どのように仕事を進めるか、どのような協力体制を築くか。我々は選手たちに最善の努力を求めるが、それは我々スタッフ自身についても同じことだ」

2007年1月30日

Ex-Packers Notebook

昨年パッカーズから移籍した選手たちの現況報告。

2007年1月29日

バトラーとブルックスがパッカーズの殿堂入り

1990年代のパッカーズを攻守で支え、スーパーボウル制覇にも貢献した元Sリロイ・バトラーと元WRロバート・ブルックスが、今年のパッカーズ・ホール・オブ・フェイム入りに選ばれた。7月21日にランボーフィールドのアトリウムで、第37回式典が行われることになっている。

フロリダ州立大から1990年のドラフト2巡指名で入団したSリロイ・バトラーは、プロ12年間を全てパッカーズで過ごし、球団史上2位の通算38インターセプトに加え、得意のセーフティ・ブリッツで通算20.5サックも記録。非常に頭がよく嗅覚に優れ、DEレジー・ホワイトに次ぐディフェンスのリーダーとして、スーパーボウル制覇にも大きく貢献した。プロボウル4回、オールプロは5回。1990年代の All-Decade Team にも選出されている。

通算181試合出場はディフェンシブバックとしては球団史上最多。全ポジションでは、QBファーヴ(239)、QBバート・スター(196)、LBレイ・ニチキ(196)、OTフォレスト・グレッグ(187)、FBウィリアム・ヘンダーソン(187)に次いで球団史上6番目となっている。

1993年12月26日のレイダーズ戦で、バトラーはRBランディー・ジョーダンのボールを叩き落し、それを拾ったDEレジー・ホワイトがラテラルパス、受け取ったバトラーが左サイドライン際を走り抜けてタッチダウン。その勢いでスタンドに飛び込んだのが、史上初のランボーリープだった。

◆ ◆ ◆

クリックすると拡大しますWRロバート・ブルックスは、サウスカロライナ大から1992年のドラフト3巡指名でパッカーズに入団。3年目からスターターとなり、スターリング・シャープが去った1995年にはパスキャッチ102回(球団史上3位)、1497yds(球団史上1位)、13TDの大活躍を見せた。背中のケガのため29歳で引退を強いられるまで、実質プロ7年間で通算パスキャッチ306回4225yds、32TDを記録している。プレーオフで通算パスキャッチ45回651ydsは球団史上2位。またプレーオフでの通算パントリターン平均15.3ydsはNFL記録として残っている。

ファーヴ時代のエースレシーバーは、最初がスターリング・シャープ、そしてロバート・ブルックス、アントニオ・フリーマン、ドナルド・ドライバーと続いている。上記のバトラーが始めたランボー・リープを、(DBでは機会が少ないこともあり)パッカーズ名物として定着させたのも、1995年に13TDを挙げたブルックスだった。

2007年1月28日

Notebook: プロ人事部長がタイタンズと面談

2007年1月27日

シニアボウル・ウィークの仕事

シニアボウル・ウィーク(23日の記事参照)の練習を視察するため、パッカーズからもトンプソンGMをはじめとする総勢13名のチームがアラバマ州モービルに乗り込んでいる。「選手たちにとってはビッグ・ウィークだよ」と語るのはティム・テリー。NFLでは主に控えLBとしてプレーし、2004年秋からパッカーズのプロ・スカウト部門に加わった32歳の若手だ。「僕が出たときも、カレッジ最大のオールスター戦だった。プロのスカウト全員が集まる才能の見本市だ。大きなスポットライトにどう対処するか。うまくやれる者もいるが、プレッシャーに負けてしまう者もいる」

パッカーズは非常にシステマティックな方法で選手評価を行っている。全スタッフが、LBやOLなど決められたポジションをそれぞれ担当し、ノース・チームとサウス・チームの両方を毎日見て、詳細なレポートを書く。1日が終わると全員がそれを持ち寄って、その日に観察してきたことについて話し合いを行う。今週末にグリーンベイに帰っても仕事は続き、今回の練習や試合のフィルムをチェックしてさらにレポートを充実させる。

ドラフトに向けたイベントとしては2月末のスカウティング・コンバインが最もメディアの注目を集めるが、シニアボウル・ウィークの重要性はコンバインに勝るとも劣らないとスカウトたちは言う。「この機会が貴重なのは、(コンバインとは違って)実際のフットボールを観察できるからだ。練習を見ることによって、彼らがどのように戦い、どのように反応するかがわかる」とエリオット・ウルフ。ロン・ウルフ元GMの息子で、スカウティング部門に加わってもうじき3年になる。

普段のカレッジ練習とは違い、トップ・タレントを相手に毎日練習するのがシニアボウル・ウィークの良さだとエリオット・ウルフは言う。「全てがフットボール中心の環境になっていて、彼らがコーチングをどのように受け入れるか、黒板に書かれたことをフィールドで実行できるかを見ることができる。離れたところから、そういったことをできる限り観察するのが我々の仕事だ。優れた選手が優れた選手を相手にどれだけやれるかを見たい。月曜から木曜の間で変化するかどうか。出だしは良くてさらに良くなっていくのか、最初は良くてもだんだん悪くなるのか」

一昨年のSニック・コリンズは、ディビジョンI-AA校ながらケガ人の代役として繰り上げ出場し、有力校の選手相手に全くひけを取らないプレーを見せてドラフト2巡指名につなげた。「彼のプレーは、全米のトップレシーバー相手にアスレチック的に負けていないことを示していた。あれで彼の株が大きく上がった。彼がいい例だ。僕はその場で見てはいなかったが、練習のフィルムを見て、『OK、こいつはやれる』と思ったのを憶えている」

2007年1月26日

ファーヴ: 「結論に近づいている」

QBブレット・ファーヴは長女ブリタニーの高校バスケットボールの試合を応援したあと、地元のハティスバーグ・アメリカン紙との短いインタビューに応じた。引退問題についてまだ結論に至ってはいないものの、結論に近づいてはきている、と語っている。「締め切り期日というものがあるわけではない。12月31日の最終戦のあとで、『2週間のうちに』と僕は言ってしまったが、それはちょっと早まった考えだった」

「今朝マッカーシーHCから連絡があったようだから、今夜(火曜)こちらから電話をする予定だ。昨年のように長引かせたくはない。今はできる限りフットボールから離れようと努めているところだ。いつ引退すべきなのか、自分ではっきりわかる時が来るのかどうかはわからないね」

2007年1月25日

WRコーレン・ロビンソンの司法取引が成立

WRコーレン・ロビンソンは、ヴァイキングス在籍中の昨年8月に起こしたカーチェイス事件について検察との司法取引に応じ、検察側は逃走罪を除く飲酒運転などの訴追を取り下げることになった。今回の司法取引"Alford plea"というのは、被告が有罪を認める必要はなく、「有罪につながるかもしれない証拠があることを認める」というものらしい。量刑の言い渡しは2月20日に予定されており、最大で禁固3年の可能性がある。

昨季序盤にパッカーズと契約して4試合に出場したロビンソンだが、シアトル時代からアルコールの問題を繰り返し、10月半ばにNFLから1年間の出場停止処分を受けている。順調に復帰できたとしても来季の第6戦からとなり、それまではキャンプに参加することも、パッカーズの施設でトレーニングすることも許されない。保有権はパッカーズにあるが、彼がアルコール依存症を克服して生活を立て直せるのか、フットボールのできる体を自力できちんと作れるのか、戦力としてアテにするには不安要素が多い。

2007年1月24日

Ex-Packers Coach Notebook

昨年他チームへと移った元パッカーズコーチたちの現況について。

2007年1月23日

Senior Bowl week

毎年スーパーボウルの前週に開催されるのがシニアボウル。大学4年目を終えた優秀選手だけが招待され、いくつかある大学オールスター戦の中でも最もレベルが高い、スカウトする側にとっての最重要ゲームだ。月曜から始まるシニアボウル練習を見るため、NFL各球団からGMやヘッドコーチやスカウトがアラバマ州モービルに集まり、多いチームは20人以上のスタッフを送り込んでくる。4月末のドラフトに向け、2月のスカウティングコンバインと並んで最も注目されるイベントと言ってよく、当然こういったドラフト関連サイトも特集を組んでいる。

このイベントの特徴は、土曜日の本番よりも練習の内容が注目されること。カレッジはプロと比べて選手個々の力の差の大きいが、ここに来ると高いレベルで揃うため、そういったハイレベルな選手相手にどれだけやれるかが、ドラフト評価に大きな影響を与えることになる。「今日はCBの○○がWRの△△についていけなかった」とか、「OTの▲▲がDEの××のパスラッシュを完封」といったことがシニアボウル・ウィークの話題となる。

この試合では、NFLから2球団がコーチングスタッフを提供する。今年は"North" がバッカニアーズ、"South"は2年連続で49ersのスタッフが担当することになっている。ミーティングをはじめとしてドラフト候補選手の精神面・頭脳面を間近で観察できる機会なので、両軍のコーチにとってはむしろ役得といってもいい。各選手は普段とは違うスキームの下でプレーしなければならないため、シニアボウルは適応力を見る機会でもある。

NFLシーズンが終わるまでは、カレッジ・スカウティングはGMをはじめとする人事部門の仕事だったが、このあたりからはコーチたちも加わって次第に熱を帯びてくる。球団首脳だけでなく代理人も多数集まるため契約交渉を進めるにも都合がよく、またアシスタントコーチの職を求める人たちの売り込みの舞台でもある。こうして大きな賑わいを見せるメキシコ湾岸の街だが、金曜の練習が終わると、「試合なんかテレビで見ればいい」と引き上げてしまう関係者も少なくない。

なお、ここはミシシッピ州ハティスバーグのブレット・ファーヴ邸から近いため、昨年のシニアボウル・ウィークにはトンプソンGMとマッカーシー新HCが相次いでファーヴを訪れて話し合いを持った。

2007年1月22日

LGダリン・カレッジの1年

先日オール・ルーキー・チームに選ばれたLGダリン・カレッジ。2巡上位指名の期待を背負いながらキャンプ半ばで先発の座を失い、そこから盛り返して15試合先発出場、という興味深いルーキーシーズンを送った。全米の子供たちから「サンタクロースへの手紙」が送られてくるアラスカ州ノース・ポール(北極の意)出身という物珍しさも手伝って、放送中でも彼のことが取り上げられる機会が多い。

オフシーズンに入ってもパワーアップのためトレーニングを続ける彼が受賞の知らせを聞いたのは、やはりウェイトルームでのことだった。「プレーさせてもらえるだけですごく楽しい。ウチはいいラインメンがたくさんいて、いいコーチングスタッフがいる。賞をもらえるのは名誉なことだけど、他にも賞に値する選手たちはいるよ」

OLコーチとして彼を指導したジョー・フィルビン新OC。「最も喜ぶべきことは、期待されて入団しながらプレシーズンで壁にぶつかり、それでも彼の姿勢がグラつかなかったことだ。コツコツと努力を続け、頑張り続けて、逆境から這い出した。これはチーム全員にとって最高の教訓となるだろう。我々がこのチームの選手に求めるもの、地道な努力を続けて決して自分を信じることをやめない、という良きお手本となる」

故郷アラスカからの取材に応えるLGダリン・カレッジ。「左タックルから左ガードへのコンバートは、テクニックや体の使い方がいろいろと違うし、メンタリティそのものから変えなければならなかった。時間をかければ必ず成功できると思ってはいたけどね。大学時代と違うのは、プロでは全スナップですごい選手と対戦しなければならないことだ。大学ではすごい選手は各チームに3、4人しかいないものだけど」

いったんは先発の座を失いながら取り戻した経験について。「僕なんか先発すべきじゃない、プロでは通用しないと多くの人が思っているときも、僕は自信を持ってフィールドに出なければならなかった。自分を信じて、彼らが間違っていることを証明するだけだ。誰にも負けないよう彼は最善の努力をしている、と言われたい。自分が高いレベルで競争できたことを、今回の受賞は示していると僕は思う」

2007年1月20日

Brett Favre Watch

Notebook: シャーマン前HCはテキサンズでOCも兼任

2007年1月19日

パッカーズから3人がオール・ルーキー・チームに

ポジションごとに優れたルーキーを選ぶオール・ルーキー・チームに、パッカーズから3人の選手が選ばれた(全員のリストはこちら)。LB A.J.ホーク(1巡)、LGダリン・カレッジ(2巡a)、WRグレッグ・ジェニングス(2巡b)の3人で、ドラフト指名上位3人が順調に1年目から結果を残したことになる。

LBホークは16試合全てに先発出場し、チーム最多の155タックル、3.5サック、2INT、2ファンブルリカバーを挙げた。LGカレッジはキャンプ中盤で先発の座を失ったものの第2週からスターターに復帰し、15試合連続先発出場。代役で左タックルを務めたとき以外はサックを許さなかった。WRジェニングスは逆に中盤から足首の捻挫で苦しんだものの11試合に先発し、パスキャッチ45回632yds、3TDを記録している。

3人がオール・ルーキー・チームに選ばれたパッカーズは、セインツと並んでNFL最多。チームから複数が選ばれたのは、1993年にLBウェイン・シモンズとSジョージ・ティーグ(どちらも1巡指名)が選ばれて以来とのこと。昨年はSニック・コリンズ1人だけだった。

今季のパッカーズはNFL最多の12人をドラフト指名し、最も平均年齢が若いチームだった。Dallas Morning News紙の調べによると、ドラフト入団選手が先発した延べ試合数でもパッカーズの66試合がNFL最多。2位はテキサンズの62試合で、以下ビルズ(58)、レイダーズ(51)、ジェッツ(47)と続いている。8試合以上先発したドラフト入団選手の数でも、5人のパッカーズがNFL最多。(LGカレッジ、RGスピッツ、RT/RGモール、WRジェニングス、LBホーク)

「この受賞は彼ら選手たちだけでなく、コーチングスタッフへの賛辞でもある。彼らは進んでルーキーを先発に起用し、選手もよく結果を出した。それ以外のルーキーたちもまずまずよくやったと思う」とテッド・トンプソンGMは語っている。「本当は、たくさんのルーキーを獲って何年か鍛え、それから実戦で使いたいものだ。しかし今のNFLではそうも言っていられない」

2006年のドラフトがチームの流れを変えるものだったか、と聞かれたトンプソンGMは、「そう願ってはいるが、そこまで言うのはまだ早い。3年経ってから振り返れば、そういった類のことも言えるかもしれないが。長きにわたって中核となってくれる選手がこの中にたくさんいるだろう、と我々が予想しているのは確かだ。今後どこまで行けるかは、コーチと選手自身にかかっている」

2007年1月18日

Assistant Coach Notebook

2007年1月17日

ジョー・フィルビンOLコーチがOCに昇格

ボストン・カレッジのヘッドコーチに就任したジェフ・ジャゴジンスキーOCの後釜として、ジョー・フィルビンOLコーチがオフェンシブ・コーディネーターに昇格することが発表された。空いたOLコーチにはジェームズ・キャンペンがアシスタントOLコーチから昇格、空いたアシスタントOLコーチにはジェリー・フォンテノーが昇格している。

意外なのは、ウィンストン・モスLBコーチに「アシスタント・ヘッドコーチ」の肩書きが加えられたこと。「他チームから誘いのかかったコーチを引き留めたいがコーディネーターに昇格させる空きはない」といった場合にこのようにして昇格と昇給を与えることが多いので、水面下でどこかから誘いがかかっていたのかもしれない。また単に、(LB陣改造がうまくいった)指導力が高く評価されただけなのかもしれない。1年前、就任直後のマッカーシーHCがDCを決める前にLBコーチに指名したように、次代の有力コーチとしてもともと評価が高く、すでに昨年の時点でDC就任の噂もあった。

Joe Philbin - Offensive Coordinator

ジョー・フィルビンはマサチューセッツ州出身の45歳。ワシントン&ジェファーソン大でTEとしてプレーしたあと、その母校でコーチの道へ。ウォーチェスター工科大、国立商船大、アレゲニー大、オハイオ大、ノースイースタン大、ハーヴァード大、アイオワ大でOLコーチやOCを歴任した。優れたOLを多数輩出した実績を認められ、2003年にパッカーズのアシスタントOLコーチとなり、2004年からはTEコーチも兼任。昨年OLコーチに昇格し、若いOL陣を指導した。

パッカーズオフェンスはマッカーシーHC自身がプレーコールを出し、パスオフェンスやQB指導を担当するため、OCに求められるのは(ジャゴジンスキー前OCもそうだったが)、ゾーンブロッキングによるラン攻撃の構築。フィルビンはアイオワ大でもゾーンブロッキングを経験しており、昨年からの路線を継続するには最適と見られている。

Winston Moss - Assistant Head Coach/Defense

ウィンストン・モスはマイアミ大出身の41歳。1987年のドラフト2巡でNFL入りし、バッカニアーズで4年、レイダーズで4年、シーホークスで3年、合計146試合にLBとして先発出場している。引退の翌年からシーホークスでコーチのキャリアをスタートし、2000年途中から2005年までセインツでLBコーチ。そこでマッカーシーHCとのつながりができた。昨年パッカーズに移って若いLB陣を指導し、シーズンが深まるにつれてプレー内容が大幅によくなって改造は成功したと言えそうだ。

マイアミ大ではジミー・ジョンソンHCのもと全米王座も経験しているが、そこでは現スカウトのアロンゾ・ハイスミスがチームメイトだった。また、レイダーズ時代には現CBコーチのライオネル・ワシントンが同僚だった。

James Campen - Offensive Line Coach

ジェームズ・キャンペンはテュレーン大出身の42歳。Cフランク・ウィンタースの前に先発センターを務めていた元パッカーズ選手だ。1986年にドラフト外でセインツに入団、1989年にはFAでパッカーズに移り、翌年ついに先発センターに昇格。ケガのためウィンタースに先発の座を譲って引退するまで、通算42試合に先発出場した。1992年9月27日、初先発のファーヴにスナップしたセンターも彼だった。

彼をテュレーン大に誘ったのは、当時同大のOLコーチだったマイク・シャーマン前パッカーズHC。1993年限りでNFLを引退すると故郷カリフォルニアに戻って高校のヘッドコーチを務め、好成績を残した。2004年に古巣のパッカーズから声がかかり、これまで3年間アシスタントOLコーチを務めていた。

Jerry Fontenot - Assistant Offensive Line Coach

ジェリー・フォンテノーはテキサスA&M出身の40歳。1989年のドラフト3巡指名でベアーズに入団し、4年目から先発センターに定着。ベアーズで8年、セインツで7年、ベンガルズで1年、合わせてプロ16年で239試合に出場した。38歳までプレーして2004年限りで引退し、2005年にはシカゴ地区で解説者をしていた。

コーチ志望のフォンテノーは、セインツ時代の縁を頼って彼の方からマッカーシーHCに連絡を取り、昨年のキャンプからパッカーズでインターンに。現役選手に近い立場でのリーダーシップや指導力が認められ、早くも8月末からフルタイムのアシスタントコーチとして契約し、豊富な経験を活かして若いOL陣のアドバイザー役を務めていた。

2007年1月16日

Packers Statistics Notebook

主にJournal Sentinel紙の記事から、チーム内のさまざまなスタッツを紹介する。多くは同紙独自の集計によるもので、NFLが公式に記録していないジャンルばかり。

2007年1月15日

2006年スタッツ集 オフェンス・ターンオーバー編

パッカーズの2006年レギュラーシーズンスタッツのまとめ。今日はオフェンスとターンオーバーの数字を紹介する。今季前半終了時2005年2004年 のスタッツも参照のこと。 

オフェンス
Total 得点 ラン ラン(1回) ランTD FumLos パス パス% パスTD INT サック 3rd%
341.1 18.8 103.9 3.9 9回 15回 237.2 55.6% 18回 18回 24回 39.2%
9位 22位 23位 19位 23位T 25位T 8位 27位 20位T 19位T 5位 12位

ヤードは稼げるのにタッチダウンが少なく点が獲れない。つまりディフェンス側の問題を裏返したようなものだ。後半戦8試合でわずか7TDパス、4TDランしか挙げられないというレッドゾーンでの不振から抜けられないままシーズンが終わってしまった。

前半は平均4.3ydsと頑張っていたラン攻撃が中盤ごろからスランプ気味となり、RBモレンシーの一発ロングゲインで補ったものの、後半8試合でRBグリーンの100ydsラッシングゲームは1回しかなかった。ファーヴのパス3885ydsは例年並だが、成功率は彼のキャリア最低で、20TDを下回ったのも1993年以来のこと。前半には7つに抑えていたインターセプトも後半には11回。昨年もそうだったが、WRドライバー以外は若く経験の浅いレシーバーばかりで、ルート取りのミスからインターセプトになるパターンが非常に目立つ。

被サック24回は昨年(27回)よりは改善されNFL5位の好成績だが、若く不安定なOL陣を助けるためTEやRBやFBの多くをパスプロに残し、7メンプロテクションを多用してようやく達成した数字。QBファーヴを守るのと引きかえにオフェンスの攻め手が減ったのは明らかで、相手守備はブリッツを入れずに多人数で少人数のレシーバーをカバーするために、どうしてもオフェンスは手詰まりになった。それでも3rdダウン成功率12位をキープ(例年よりは悪いが)できたのは、QBファーヴとWRドライバーの奮闘によるところが大きい。

ターンオーバー 反則 相手反則
Takeaways Giveaways DIFF 回数 ヤード 回数 ヤード
Total Int FumRec Total Int FumLos          
33 23 10 33 18 15 ±0 90回 689yd 97回 710yd
5位T 3位 22位T 26位 19位T 25位T 13位T 10位T 8位 10位T 22位

昨年はターンオーバーレシオ-24(NFL31位)が不振の原因だったが、今季のとくに後半はCBウッドソンらがインターセプトを連発して±0でシーズンを終えることができた。逆に言えば、昨季は「あのターンオーバーさえなければ」という試合がいくつもあったが、今季の8敗は地力で負けていた、と言えるのかもしれない。NFLで最も若いチームながら反則が97回でNFL10位だったのは立派。

ファーヴのインターセプト18回は昨年の29回よりはずっとマシだが、決して少なくはない。RBグリーンのファンブルロストはスターターになって最少の数字だが、Cウェルズのスナップミスなど痛いミスが相手レッドゾーンで多かった。

ディフェンスのインターセプト23回は申し分ない数字で、シーズンが深まるにつれて捕り損ないも少なくなった。CBウッドソンがNFL3位タイの8INTを記録、CBハリス、Sコリンズ、CBデンディが各3回、LBホーク、LBバーネットが各2回。ファンブルフォースはCBウッドソンとDEキャンプマンが3回ずつ。

2007年1月14日

2006年スタッツ集 ディフェンス・ST編

パッカーズの2006年レギュラーシーズンスタッツのまとめ。今日はディフェンスとスペシャルチームの数字を紹介する。今季前半終了時2005年2004年 のスタッツも参照のこと。

ディフェンス
Total 失点 ラン ラン(1回) ランTD FumRec パス パス% パスTD INT サック 3rd%
320.9 22.9 114.1 4.1 12回 10回 206.8 55.5% 25回 23回 46回 32.6%
12位 25位 13位 15位 11位T 22位T 17位 2位 27位T 3位 4位 4位

シーズン前半は21位(失点29位)だったディフェンスだが、3試合連続1ケタ失点など終盤に持ち直したおかげでトータル12位、失点25位で終わることができた。サックは前半からずっと好調だったが、特に後半だけで16インターセプトを記録してNFL3位にジャンプアップしたのが4連勝の原動力となった。

後半だけ見ればよくやったディフェンス陣だがシーズンを通して見ると、相手のパス成功率が低いわりにパスTDが非常に多い、つまり一発ビッグプレーを許し過ぎなのは明らかだ。シーズン中盤に崩壊していたラン守備は、第14週のDEバジャ=ビアミラ先発降格から改善された。4勝12敗の昨季は、リードした相手が後半にラン回数を多くするためにラン守備成績が悪化したが、今年はその点がマシになっただけでラン守備力としては横ばいか。

インターセプトを量産したのと対照的にファンブルリカバーは非常に少なく、計10回のうちQB以外から奪ったのは第4週イーグルス戦のRBバックホルターのみ。

スペシャルチーム
Kickoff Punt Kickoff Ret Punt Ret Field Goals
Avg. Coverage Avg. Coverage Net     成功率 回数
65.1 22.8 44.5 9.1 35.7 19.7 7.8 74.3% 26回
10位 14位 9位 18位 25位 31位 25位 25位 8位T

WRファーガソンの負傷でRBモレンシーが担当したキックオフリターンは目も当てられない出来で、非力なオフェンスを助けることがまるでできなかった。今季最長のリターンがわずか35ydsというのはNFL最下位。パントリターナーのCBウッドソンはハンドリングミスがないのは立派だが、キックオフリターンよりは見所がある、といった程度か。シーズン半分以上を肩のケガを押してプレーしていたせいもある。今年もまたリターナー補強に失敗したうえ、両ユニットともブロッキングチームの働きが悪い。

Kデイヴ・レイナーはシーズン前半は成功率80%だったが、気候が寒くなるにつれ不安定に。後半は50yds以上のトライが一度もなかったにもかかわらず、最終的に4分の3を割り込んだ。PATと30yds未満を1回ずつ失敗、30から39ydsも3回失敗したのはいただけない。実質プロ1年目ということを考えればぎりぎり合格点かもしれないが、シーズン後半の寒さや風や足場の悪さへの対応が課題となりそうだ。

NFL1年目のPジョン・ライアンは、飛距離はいいが滞空時間が不安定。ラインドライブを蹴ってしまうためにビッグリターンを許すパントが目立った。相手インサイド20に落とした回数がわずか17回(29位)、またタッチバック12回もNFLで3番目に多く、微妙なコントロールは今後の大きな課題。

カバレッジチームはまずまずよくやっている。昨年までのKロングウェルよりもKレイナーは飛距離が出るため、相手リターンを差し引いた相手攻撃開始位置が昨年と比べて平均3ydsほど後ろに下がっている。パントカバレッジは、Pライアンの滞空時間が改善されればもっとよくなるはず。

2007年1月13日

Pジョン・ライアンの2006年

「人生を変えるような4ヶ月間だった」と語るのはカナダ人パンターのジョン・ライアン。CFLからNFLに移ってパッカーズの正パンターの座をつかんだが、シーズンの真っただ中に父を失った。8月のプレシーズンの頃に末期がんの宣告を受け、闘病の末に12月1日に父ボブはこの世を去ったのだった。亡き父の希望もあって、彼は欠場することなく最後まで出場を続けた。(記事1記事2記事3

滞空時間などまだかなり不安定だが、パント平均44.5ydsはパッカーズ史上3位の成績だった。「今シーズンの出来を自分で評価するなら"B"をつける。アップ&ダウンがたくさんあった。フットボールのことだけじゃなくてね。私生活であのようなことがあって、プレーに影響しないつもりでいても、実際はそうはいかなかった。人生最悪の時には、フィールドでも最悪の出来になってしまったんだ」

長いシーズンを終えたライアンは、今は故郷カナダのサスカチュワン州都レジャイナに戻り、非常に仲のよい家族に囲まれて過ごしている。そばで最期を看取った家族たちとは違い、今になって父の不在が身にしみるのだと彼は言う。「2ヶ月かけて心構えができていただけに、父が死んだときもショックはさほどではなかった。でも父がいなくなったここに帰ってくれば、以前と全く違った感じがやはりするよ。今でもときどき、『オヤジにこれ言わなきゃ』 とか 『どうやるのか聞いてみよう』 などと思ってしまう。そうして、もう二度と父から何かを教わることはできないことを悟るんだ」

2月4日には弟スティーヴと一緒にマイアミでスーパーボウルを観戦する予定だが、今は久しぶりの故郷レジャイナで、毎日スポーツクラブに通ってトレーニングを続けている。ただ、どうしても帰宅が遅くなってしまうのは、あのグリーンベイ・パッカーズでの暮らしがどういうものか、誰もが話を聞きたがるからだ。

「NFLでプレーするのは長いあいだ僕の夢だった。かなえたのは自分の夢だけじゃない。レジャイナのアマチュア・アスリートたちが夢に見てきたことを、彼らを代表してかなえたんだ。ホッケーチームや少年フットボールのチームメイトのみんなと話をした。『試合をいつも見てるよ。オレはこいつを知ってんだぞ、とみんなに自慢してるんだ』 と言ってくれる。みんなが自分の試合を見てくれて、夢を共有してくれるのは素晴らしいことだと思う」

2007年1月12日

Notebook: ランボーフィールドの工事始まる

2007年1月11日

Notebook: DEキャンプマンがオールプロ2ndチーム

2007年1月 9日

娘のきもち

ファーヴの長女ブリタニーはもうじき18歳。高校に入る頃から、NFLシーズン中はグリーンベイの両親と別れて叔母夫婦とミシシッピで暮らし、何試合かはグリーンベイまで観戦に来る。この秋からは大学に進む予定で、第1志望のデューク大のほか数校に願書を出しているところだ。

「もう本当に、どこに行くにも父のファッションは最悪。見た目を全然気にしない。1995年から着てるような破れた短パンやTシャツを着てくるから、こっちは『パパ! いいかげんにしてよ!』って感じになる」 

彼女が生まれたとき父ブレットはまだサザンミシシッピの大学生。父ブレットと母ディアナはそのまま結婚せずにいろいろなことがあり、2人がようやく結婚したのは1996年、ブリタニーが7歳になってからのことだった。「私が生まれたとき両親はまだ若くて、父のキャリアがうまく行くまで、母と私は2人だけで暮らしていた。生まれたときからメイドや執事に世話されて育ったように思われがちだけど、私はそんなふうじゃない。私はごくふつう」

普通の感覚を持つ子に育てたい、というのは両親とくに母ディアナの強い方針だった。「小さいときからブリタニーは独立心が強く、常にその年齢よりも大人でした。きっと成功してくれると思う。あの子のことはとても誇りに思っているんです」と母は言う。グリーンベイとハティスバーグを行ったり来たりの不安定な学校生活にもかかわらず学業成績は優秀で、バレーボールでも昨年は地区大会優勝に貢献した。ゴシップ誌からトルーマン・カポーティまで幅広く本を読み、ショッピングをし、ボーイフレンドと付き合い、ファーストフードを食べ、遅い運転者にイラついている。

「フィールドで父が倒れると怖いけれど、私も他の人たちと同じように、父がまた平気で立ち上がるのを当たり前のように思ってしまってる。深刻そうなケガをした時でさえ、『あーパパがケガした!』 とはなかなか思えない。また立ち上がってプレーを続けることがわかっているから。両親は2人ともとてもアスレチックでタフで、それと比べたら私なんか普通の小娘という感じ」

ファーヴの父の急死、ディアナの弟の事故死、ディアナの乳がん、そしてハリケーン被害とファーヴ一家にはつらい時期が続いてきた。「誰にとってもつらいことだけど、それがESPNで大々的に報道されるのだからよけい大変になってしまう。家族に起きていることを世界中が知っているのだから。(苦難を乗り越えて頑張っていると)称賛されるのはいいけれど、全てを知られてしまっているのはね。そっとしてほしい、何も答えたくない、というときもある」

父の引退問題について。「私が答えを知ってて黙っている、と世間では思っているみたい。私としては、知らないものは教えようがない。父が正しい判断をできるのは、自分のことだけを考えていないからだと思う。 『自分はチームに迷惑をかけているか? チームの助けになっているか』 と父はいつも考えてる。引退すべきときが来たら父にはわかるはずだし、そのときが来れば父はそうする、と私は信頼してる。私たち家族はそのときにそばにいるだけ。まあ違いはクリスマスのときに父がどこにいるか、だけだけど」

2007年1月 8日

ルーキーOL3人の尻を叩く

LGダリン・カレッジ、RGジェイソン・スピッツ、T/Gトニー・モールの3人は、ルーキーながら多くの試合に先発出場し、貴重な経験を積むことができた。2005年シーズンは左ガードでエイドリアン・クレムが失敗、右ガードでウィリアム・ウィティカーが失敗し、「両ガードとも新たな先発を探さねば」といったチーム状態だったが、今年は彼らルーキーの成長を見守れば十分、という見方がほとんどだ。

「今季成し遂げたことの価値はずっと先にならなければわからないだろうけど、僕らはみんな10試合以上の先発経験を積むことができた。これはものすごいことだよ。そんなチームは他にはないだろう。2巡から5巡のルーキーが実戦に出て、ちゃんとそれなりの仕事をした。よいコーチングとよい選手たちがいることの証明だよ」とLGカレッジは振り返る。

しかしジョー・フィルビンOLコーチは、彼ら3人が慢心することのないよう、「来季は新たな競争が待っている」と思いっきり尻を叩いてからオフシーズンの休暇に送り出している。

「連中にも多少は休息が必要だ。5ヶ月半にわたってここで頑張ってきたからね。しかし私が彼らに強調したのは、来季はまた新しい競争があるということだ。大学フットボールとは違うのだからね。彼らが今季あのように良い仕事をしても、3月20日(オフシーズンのワークアウト開始)に再び集まった時には、全く違った環境が待っていると覚悟しなければならない。だって、わからないだろう。1巡でOLを指名するかもしれないのだから。彼らにもわからないし、私にも予想はつかない。ただ1つわかるのは、来季はまた新しい選手たち、職に飢えた若者たちがロッカールームに集まるということだ」

ゾーンブロッキング用にドラフト指名しただけあって3人ともアスレチック能力は高く、技術的な部分も経験を積むにしたがって安定してくることが期待できる。いま彼らに足りないのは、化け物のようなDTたちに簡単に押し負けないパワーの部分。ゾーンブロッキング向きの300ポンド前後の軽量をキープしたままで、馬力をつけていかなければならない。「オフシーズン・プログラムが始まる3月20日までにも、彼らはトレーニングを積むことになる。それが大事なことだ。みな20代前半と若く、成長の余地は非常に大きいと思っている」

5巡指名入団のT/Gトニー・モールは、右ガードで5試合、右タックルで5試合先発出場を果たした。2005年春まではタイトエンドをやっていたため、3人の中でも最も粗削りで不安定だが、2年目のジュニアス・コストンを押しのけて先発出場を続けたのは潜在能力を評価されたためだろう。「トニー・モールについては、この中では誰よりも筋力トレーニングが必要だろう」とフィルビンOLコーチ。

2巡指名入団のLGダリン・カレッジは、キャンプでいったん先発の座を失いながら、RGスピッツの欠場で第2週から先発左ガードに戻り、二度と手放すことはなかった。LTクリフトン欠場時には(TEたちのヘルプもあったが)代役左タックルもまずまずこなした。パスプロテクションの上手さが特徴で、左ガードとしてはサックを一度も許さなかった。「ダリンについては、我々は何よりもフレキシビリティを注意した。体のバランスをよくして、パッドのレベルをもっと低く保つことだ。ウェイトルームでの努力は、そういった部分の目標を達成する助けにもなっていくと思う」

3巡指名入団のRGジェイソン・スピッツはシーズン序盤で太ももを痛めて3試合欠場したが、LGカレッジが左タックルに入った時には左ガードに移り、試合中には一時的に代役センターを務めたこともあった。うまくハマったときのランブロックは優秀だが、パスプロテクションではまだ不安定なところも多い。「スピッツは上体が非常に強く、下半身のパワーも使うことができる」とフィルビンOLコーチは評している。

2007年1月 7日

来季の対戦相手決まる

パッカーズの来季16戦の対戦相手が全て決定した。来季のNFC北地区チームはNFC東およびAFC西と対戦する順番。それに加え、地区2位のパッカーズはNFCの残り2地区の2位チームと対戦する仕組みになっている。ホームorアウェーについては下表の通り。対戦相手の2006年成績は合計126勝130敗で勝率.492だが、それはライオンズとレイダーズが大きく下に引っ張っているせいで、勝ち越しチームが8つ、5割チームが2つ、負け越しチームは6つ。

なお、具体的な日程は毎年4月ごろに発表される。

Packers 2007 Regular Season Opponents
  Opponent Division 2006 前回の対戦
  Philadelphia Eagles NFC東 10 6  L 9-31 '06
  Washington Redskins NFC東 5 11  W 28-14 '04
  Carolina Panthers NFC南2位 8 8  L 29-32 '05
  San Diego Chargers AFC西 14 2  W 38-21 '03
  Oakland Raiders AFC西 2 14  W 41-7 '03
  Chicago Bears 同地区 13 3  1勝1敗
  Minnesota Vikings 同地区 6 10  2勝
  Detroit Lions 同地区 3 13  2勝
               
@ Dallas Cowboys NFC東 9 7  W 41-20 '04
@ New York Giants NFC東 8 8  L 7-14 '04
@ St. Louis Rams NFC西2位 8 8  L 20-23 '06
@ Kansas City Chiefs AFC西 9 7  L 34-40 '03
@ Denver Broncos AFC西 9 7  W 31-3 '03
@ Chicago Bears 同地区 13 3  1勝1敗
@ Minnesota Vikings 同地区 6 10  2勝
@ Detroit Lions 同地区 3 13  2勝
     計 126 130 (.492)

2007年1月 6日

Notebook: マッカーシーHCはTEフランクスを擁護

2007年1月 5日

マイク・マッカーシーHCが今季を総括

マイク・マッカーシーHCが今季最後の記者会見を行い、シーズンを振り返った。

「今シーズンについては複雑な心境だ。我々が成し遂げてきた数多くの事柄について、私は誇らしく思っている。しかしプレーオフに行けなかったのは残念だ。私がチームをプレーオフに導くことができなかったことに失望している。ここにきてチームの健康状態が非常によく、今季最高のフットボールができるようになっていたからだ。トップに立つまでは完璧に満足することなどできないだろう。だから、今季成し遂げたことに満足してはいるが、我々にはやるべき仕事がたくさん残っている」 

ファーヴに現役続行を説得することについて。 「帰ってきてほしいことはしっかり伝えてある。しかしそのために補強をどうする、といったことを約束はしない。『なあブレット、君が戻ってくれるなら誰々を獲るよ』 などと私もテッド(トンプソンGM)も決して言うことはないのだ。どのようにフットボールチームを作るべきかというテッドの信念は、決して揺れ動いたことがない。我々はあらゆる選択肢を検討はするが、誰を獲ると約束することは決してないし、ブレット・ファーヴが帰ってきてくれるようエサをぶらさげるようなことはしない」

「ブレットは(自分たちが説得しなくても)必要な情報は全て手に入れている。このところかなり話し合いはした。しかし決断のために彼がこれ以上何か知る必要などないのだ。去年であれば、もっと疑問点はあっただろう。新しいコーチ、新しいスタッフ、新しいシステム、新しいオフェンスの用語。今年よりも疑問点がずっと多かったはずだ。今年に関しては、全ての事実は彼の前にもう揃っている。あと必要なのは、ブレットとディアナがここを離れ、感情的なものを取り除き、100%の確信を持てるまでじっくり考えることだけだ」

「テッド・トンプソンと私はブレットとじっくり話し合いをして、純粋にいち選手としてどう評価しているかを彼に伝えた。過去の業績とは関係なしに、今の彼をどう考えているかを伝え、その上で彼に帰ってきてほしいと我々は話した。その後で、どのように考えているかを彼が話した。球団全体が彼をどのように感じているか、ブレットは完全に理解している」

今季もっとも成長した選手としてマッカーシーHCが名前を挙げたのはLGダリン・カレッジ。「トレーニングキャンプ(いったん先発の座を失った)を考えると、若手の中でも彼が最も成長を見せたと思う。彼のパフォーマンスにはとても感心した」

今オフに大きな手術を予定している選手はいない、とのこと。

新オフェンシブ・コーディネーター探しについて、前任者と同じようにゾーンブロッキングの経験のある人物が望ましいということは認めたが、やはり具体的な名前は挙げなかった。 「2、3週のうちには決めたい。昨日にでも決められたら言うことはないが、必要な調査を全て終えてから決めたいからね。リーダーシップをとるポジションであり、その資質が求められることになる。それから私としては、今のパッカーズにフィットする人物、ということを何よりも重視している。というのは、我々オフェンスのスタッフによって確立された方向性というのがすでにあるわけだからね」

ジャゴジンスキーOCを除いて、コーチ陣の変更はないと示唆。「変更は予想していない。しかしコーチ人事も、他の事柄の検討と何も変わらないのだ。あらゆる可能性を検討する。今後4日間は、今季のコーチングスタッフの全ての仕事について、たくさんの話し合いが行われることだろう」

2007年1月 4日

ドラフト順位は16位に

レギュラーシーズン全日程が終了し、パッカーズの今年のドラフト1巡指名順位は16位となった。8勝8敗チームが8球団もあるため、今季の対戦相手の成績を合計した "Strength of Schedule" で順位が決まった。パッカーズの今季の対戦相手は128勝128敗の5割で、並んだ8球団の中ではSTL(全体13位)、CAR(14位)、PIT(15位)に次ぐ4番目で指名する。

ただし2巡目以降はこの順番で固定ではなく、8勝8敗チームの中でローテーションしていくため、13番目から20番目の間で変動することになる。詳細はまだ不明。

2007年1月 3日

Notebook: FBヘンダーソンはこれが最後か

2007年1月 2日

Brett Favre Notebook

Packers - Bears Notebook

2007年1月 1日

Packers 26 - 7 Bears

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
Packers (8-8) 13 10 0 3 26 
Bears (13-3) 0 0 7 0

天気は曇り。気温は10℃。風はやや強いもののこの時期としては穏やかな天候に恵まれた。

最初のドライブでWRドライバーが先制TDを挙げたパッカーズは、ディフェンスが次々とインターセプトを重ねてなんと23点リードでハーフタイム。後半のベアーズは不振のQBグロスマンからQBグリーシーに交代させたが流れは大きくは変わらず、けっきょく合計5INTを挙げたパッカーズが危なげなく逃げ切った。パッカーズはこれで8勝8敗、シャーマン前HCの初年度と同じく4連勝でシーズンを終えることができた。

第1Q、GB陣25からのパッカーズはWRホリデイへの35ydsと12ydsパスでレッドゾーンに入り、最後はWRドライバーに9ydsTDパスが通って先制。ベアーズが3&アウトのあと、パッカーズはWRルヴェル・マーティンへの33ydsパスで敵陣に入るがそこまで。ベアーズは再び3&アウトに終わり、パッカーズはCHI陣45からのチャンスだったがインターセプトに終わる。ベアーズはGB陣に入ったところでSコリンズがインターセプトしてそのままリターンTD(PAT失敗)。ベアーズはRBベンソンの30ydsランでGB陣に入って第2Qへ。

第2Q、ベアーズは3rdダウンでのスナップミスでファンブルロスト。パッカーズはWRルヴェル・マーティンへの34ydsパスでレッドゾーンに入るが、Kレイナーが32ydsFG失敗で13点差のまま。ベアーズはWRムハマドへの27ydsパスでフィールド中央に進むが、今度もCBウッドソンがインターセプト。パッカーズは敵陣に入るが、リバースの失敗が響いて結局パント。CHI陣10からのベアーズはRBベンソンの18ydsランが出るがそこまで。ナイスリターンでGB陣42からのパッカーズは、WRルヴェル・マーティンへの18ydsパス、WRホリデイへの15ydsパスで得点圏に入るがTDならず、25ydsFG成功で16点差に。前半残り43秒からのベアーズ攻撃は、ティップしたボールをCBデンディがインターセプトしてまたもタッチダウン

第3Q、ベアーズはQBグロスマンに交代するが、3rdダウンでサックが出て3&アウト。パッカーズはRBグリーンのランで1stダウンを1つ取ってパント。ベアーズも4thダウンとなるが、パンターがフェイクパントでパスを決めて34ydsのビッグプレーに。しかしレッドゾーンでLBホークがインターセプト。パッカーズが3&アウトのあと、CHI陣32からのベアーズは、WRラシャード・デイヴィスへのパスなどでGB陣に入るが結局パント。パッカーズが3&アウトのあと、ベアーズはWRブラッドリーに75ydsのTDパスが決まってようやく初得点。

第4Q、パッカーズはWRドライバーへの8ydsパス、WRホリデイへの18ydsパスで敵陣に入り、最後は46ydsFG成功で19点差。CHI陣32からのベアーズは21ydsスクリーンとアンネセサリーラフネスで一気に得点圏に進むが、Sコリンズがこの日2つめのインターセプト。パッカーズはRB2人のランとショートパスで時間を使い、最後の8分半を使い切って試合終了。