グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年10月18日

Pジョン・ライアン: 父との1週間

パンターのジョン・ライアンは1週間休みをもらって病気の父を見舞い、故郷サスカチュワン州レジャイナから月曜日にグリーンベイに戻ってきた。2ヶ月ほど前に父ボブの腹部にがんが見つかり、すでに肺などに転移して末期のようなのだ。1週間を水入らずで過ごしたライアン一家は、ジョンの弟スティーブがDBをプレーするレジャイナ大の試合を地元スタジアムで観戦し、終了間際の逆転勝利を喜んだという。

「僕の人生で最高の日々だったと心から思うよ。家族全員で一緒に座って、弟のプレーを応援した。ランク3位の強豪を相手に、試合最後のプレーで逆転勝ちしたんだ。素晴らしい1日だった。一生忘れないよ」とライアンは振り返る。

53歳の父ボブは、勉強の遅れた子供のための非営利組織で、分析医として30年間働いてきた。息子のプレーをグリーンベイで直接観たのは、今夏のプレシーズンのファルコンズ戦のことだった。「スタンドに足を踏み入れただけで目がうるんでしまった、と言っていた。父は子供のころからパッカーズファンだったから」

つらい状況が続くなか、彼ら兄弟のプレーを見るのが家族の数少ない楽しみになっている。「さあグリーンベイに戻ってプレーするんだ、と父は言ってくれた。どれほど僕を誇りに思っているか、と。厳しい日々のなかで、僕たち兄弟のフットボールを見るのが、家族の息抜きになっている。フットボールが家族の『薬』のようなものなんだ。僕を誇りに思ってくれるのが嬉しいよ」

「僕の強みは、フィールドに出たら、目の前の仕事に没頭できることだ。いつだってフィールドに出たら、がんや死のことは頭から消し飛んでしまう。そういった想念が戻ってくるのは試合後のことだ。プレッシャーの大きい仕事だけに、頭の中をしっかりしておかなければならない」とライアンは語る。相棒のKデイヴ・レイナーは、「精神的なつらさを考えれば、彼は素晴らしい仕事をしてると思うよ。どうしてやっていけるのかわからないほどだ。たぶんフットボールに集中することで、病気のことを考えずに済んでいるのだろう。お父さんが彼のプレーを望んでいるだけに、よけいに燃える気持ちがあるだろう」

バイウィークに入ったところで、故郷に帰るよう彼を促したのはマイク・マッカーシーHCだった。「最初は、みんなと同じように練習して、木曜の練習が終わったら帰郷するつもりだった。でもラムズ戦前の金曜に、父の病状を知っているコーチ・マッカーシーが僕のところに来た。試合が終わったら最初の飛行機で帰るように、と言ってくれたんだ。本当に感謝している」

下半身を切断して肺の治療に注力する、という選択肢も提示されたが、「私は生きたい(live)のであって、ただ生き延びたい(survive)のではないんだ」と父本人が断った。「だから僕らは父を家に連れて帰った。父は残された日々を精一杯生きているところだ」

グリーンベイに戻ったら、二度と父に会えないかもしれない。「父に別れを言うのは本当につらかった。だって、あとどれだけ生きられるのか誰にもわからないから。2週間かもしれない、1年、2年かもしれない。だから、これが本当のさよならになってしまったかもしれないんだ」

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