グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2006年9月 4日
最終ロースターカット期日、各チームとも20人前後を解雇して53人のロースターを編成した。75人から53人に減らすため、単純計算で704人のフットボール選手が一挙に失業したことになる。
パッカーズは19人を解雇して3人をインジャリーリザーブに入れた。53人枠のところ現在51人となっており、空いた枠を使って補強することになる(詳細は表の下に)。ポジションごとにかなり人数のデコボコがあり、「無理に各ポジションの人数を揃えるよりも能力の高い選手を残す」という方針がうかがえる。
Packers 2006 Final Roster Cuts |
Pos. |
Name |
College |
Exp. |
備考 |
RB |
Najeh Davenport |
Miami |
5 |
スターターにはなれずケガばかり |
FB |
Ben Brown |
Tabor College |
R |
ドラフト外ルーキー |
WR |
Rod Gardner |
Clemson |
6 |
元1巡指名WRもジャーニーマンに |
WR |
Cory Rodgers |
Texas Christian |
R |
4巡入団のリターナーだがパントがキャッチできず大失敗指名 |
WR |
Chris Francies |
Rice |
R |
ドラフト外ルーキー チャンスあったが |
WR |
Carlton Brewster |
Ferris State |
R |
ドラフト外ルーキー トレード入団だがもう少し時間があれば |
TE |
Zac Alcorn |
Black Hills State |
R |
ドラフト外ルーキー |
OG |
Siitupe Peko |
Michigan State |
4 |
キャンプ中の加入だが若手に敗れる |
OG |
Pete Traynor |
Iowa |
|
NFLヨーロッパ帰り |
DE |
Kenny Peterson |
Ohio State |
4 |
DT/DE兼用の便利屋も足首のケガに泣く |
DE |
Dave Tollefson |
Northwest Missouri St. |
R |
7巡指名入団も粗削りすぎ |
LB |
Roy Manning |
Michigan |
2 |
昨年は先発もしたが成長見られず |
LB |
Tim Goodwell |
Memphis |
R |
ドラフト外ルーキー |
CB |
Patrick Dendy |
Rice |
2 |
昨年はPSからロースター入り |
CB |
Antonio Malone |
Toledo |
R |
ドラフト外ルーキー |
S |
Atari Bigby |
Central Florida |
1 |
NFLヨーロッパ帰り 手を骨折 |
S |
Tra Boger |
Alabama State |
R |
ドラフト外ルーキー 惜しかった |
S |
Jeremy Modkins |
Texas Christian |
R |
ドラフト外ルーキー |
K |
E.J. Cochrane |
Montana State |
R |
わずか4日間の在籍 |
To Injured Reserve |
Pos. |
Name |
College |
Exp. |
備考 |
RB |
Arliss Beach |
Kentucky |
R |
プレ第3戦では活躍したが肩をケガ |
OT |
Josh Bourke |
Grand Valley State |
R |
控えLTとしてチャンスあったが |
CB |
Mike Hawkins |
Oklahoma |
R |
体ができておらずケガばかり 解雇の予定 |
- RBナジェ・ダヴェンポートがプロ5年目にしてついに解雇。今年はゾーンブロッキングスキームへの適応に苦しみ、またケガばかり多い自己管理能力の低さ(毎年体重オーバーでもある)にも愛想を尽かされたのだろう。今春1年契約を結んでいるが、契約ボーナスはゼロでロースターボーナスがわずか$25,000ドルだったため、サラリーキャップへの痛手はない。「トレードに関して数チームから問い合わせがあったが、けっきょく交渉は実を結ばなかった」とトンプソンGM。
- グリーン、ガドー、ヘロンのRB3人体制。人数的にはこれが普通だが、補強して入れ替える可能性はある。
- FBは昨年と同じくヘンダーソンとヴォンテ・リーチの2人体制。
- WRロッド・ガードナーが解雇されたのが今回最大のサプライズ。振り返ってみるとミニキャンプやOTAから出席率が悪く、キャンプやプレシーズンゲームでも先発陣をプッシュできる内容では全くなかった。元1巡指名選手という看板だけになっていたのは確かだが、それでもWR陣を4人にしてまで解雇するとは予想されていなかった。
- 4巡指名のWRコーリー・ロジャースの解雇は大方の予想どおりで、むしろ残したら批判が集中しただろう。すでにミニキャンプからパントのキャッチがしっかりできずにファンブルの山を築き、レシーバーとしても活躍できず、いいところはほとんど見せられなかった。「選手の能力を評価するのが私の仕事だ。その点で、このドラフト指名では私がもっと上手くやるべきだったのは確かだ」とトンプソンGMは語り、ドラフトの失敗を認めている。ただし失敗を認めて解雇したところは、一昨年にマイク・シャーマンHC/GMがP B.J.サンダーをロースターに残したことよりマシ、という見方が多い。
- ドライバー、ジェニングス、ファーガソン、ルヴェル・マーティンとWR陣は4人体制。WRは少なくとも5人いるのが普通で、4人だけでは1人ケガしただけでゲームプランに支障が出てしまう。もう1人補強する可能性は?と聞かれたトンプソンGMは、「あるかもしれない」
- WRクリス・フランシスやWRカールトン・ブリュースターはプラクティス・スクワッド候補。プレーブックに習熟した選手をそこに入れておけば、負傷者が出たときにロースターに引き上げてすぐに使うことができる。
- フランクス、マーティン、ドナルド・リーに加えてNFLヨーロッパ帰りのトリー・ハンフリーも生き残り、TE陣は通常より1人多い4人体制。スペシャルチームでの貢献を考慮したのかもしれないが、トレード材料として残してあるのかもしれない。
- 先発の5人に加え、3人しか控えがいないOL8人体制になってしまっている。OLは9人か10人が普通なので、WRと同じく今後の補強が予想される。控えは出場経験のない若手ばかりということもあり、ある程度経験のあるベテランを獲るのではないか。
- インジャリーリザーブに入ったドラフト外のRBアーリス・ビーチとOTジョシュ・バークだが、来年にはチームに加わるかもしれない、とトンプソンGMと語り、これはCBホーキンズ(下記)の扱いとは大きく異なっている。RBビーチは足首の重度の捻挫、OTバークは背中のケガが脚にまで痛みを及ぼしているとのこと。
- DE陣は通常どおりの4人体制。プロ4年目のDE/DTピーターソンと7巡のDEトルフソンが解雇され、DEジェイソン・ハンターがドラフト外から見事にロースター入りを果たした。敗れたトルフソンはプラクティス・スクワッドの有力候補となるだろう。
- 6巡指名のDTジョニー・ジョリーは生き残り、DT陣は普通より1人多い6人体制となった。いくらローテーションするといっても6人は多く、トレード材料として仮に残してあるのではないか。
- LB6人体制は予想どおり。キャンプ中から指摘されていたとおり、伸び悩みを見せていたプロ2年目のロイ・マニングが解雇された。3巡ルーキーのホッジが期待どおりの動きを見せ、ポピンガは大ケガから復帰するだけでなく先発を争う勢い。トレイシー・ホワイトはスペシャルチームでの能力があるため、マニングの居場所はなくなってしまった。LB陣が昨年よりも質・量ともに向上したせいだ、と喜んでいいかもしれない。
- CBマイク・ホーキンズはインジャリー・リザーブに入ったが "injury settlement" に合意できれば解雇するつもりだ、とトンプソンGMは明言。体ができておらずケガが多いこと、ケガを乗り越えるタフさがなくフィールド上でもケガを恐れること、粗削りさが抜けないプレー内容などが、見切りをつけられた原因として指摘されている。慢性的なヒザ痛に悩まされた今夏は昨年のようなスピードが見られず、体重を10ポンド増やしてもフィジカルなプレーができなかった。
- CBジェイソン・ホートンが生き残って、CB陣は5人体制。それ自体は普通だが、5番手のルーキーCBブラックモンは足の骨折でまだ練習に復帰できておらず、当分は試合では使えない。ニッケルとダイムを含め4人のCBが試合には必要で、現状では1人ケガしただけでパス守備に支障が出てしまため、補強の可能性は残っている。
- Sトレイ・ボーガーが解雇され、セーフティは通常より少ない3人体制。Sアンダーウッドがインジャリーリザーブ入りしたこともあって、控えは6巡ルーキーのSタイロン・カルヴァーだけになっており、こちらも補強の可能性は十分ある。
- キッカーはデイヴ・レイナーが逃げ切ったが、今後の入れ替えもありうる。パンターのジョン・ライアンは本番の試合でミスが続いた場合にのみ再検討の対象になるだろう。