グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年7月19日

ロースター展望 OT編

オフェンスでは最も安定しているポジションのひとつ。左タックルのクリフトンと右タックルのタウシャーはプロボウルの一歩か二歩手前の実力者で、控えの層もまずまず。5月のミニキャンプでバリーが大腿四頭筋腱を断裂してしまい今季はプレーできないことになったが、ドラフトでOLを3人(タックル経験者は2人)指名したことを考えれば、かえって若手にチャンスを与える結果になるかもしれない。

ロースター枠はOL全体で通常9人で、10人になることもある。OTは控えが2人ずつで計4人になるのが普通だが、ガードとのかけもちもいるので流動的。2巡ルーキーのダリン・カレッジは大学では左タックルだったがパッカーズ入り後は先発左ガードなので、ガードの項で紹介する。バリーが今季終了となったことで、左右両方の経験があるクレムのロースター入りがほぼ確実になり、最後のイスをウィティカーとモールとバークが争うか。

チャド・クリフトン Chad Clifton

プロ7年目の30歳。テネシー大から2000年のドラフト2巡で入団し、ルーキーシーズン半ばでスターターに昇格して以来、不動の先発左タックルとなっている。理想的なサイズとアスレチック能力を併せ持ち、特にパスプロテクションに優れる。ここ2年連続でプロボウルの補欠に選ばれているように、ウォルター・ジョーンズ(SEA)やオーランド・ペイス(STL)といった超一流どころと比べれば明らかに劣るものの、スターターとしてまず申し分のない能力を発揮している。

今オフはヒザと足首の手術を受けてミニキャンプ練習を全休しているが、トレーニングキャンプ開始には間に合うものと見られている。2004年春に6年契約を結んだため、2009年まで契約は残っている。今年の2巡指名でダリン・カレッジ(今はLGだが大学ではLT専門)を獲ったのは、30歳になったクリフトンの将来の後釜ということも考えてのことだろうか。

マーク・タウシャー Mark Tauscher

プロ7年目の29歳。クリフトンと同期で地元ウィスコンシン大からドラフト7巡で入団。1年目からケガのアール・ドットソンに代わってスターターとなり、それ以来不動の右タックルとなっているのもクリフトンと同じ。プロボウルは左タックル選手ばかり選ばれるので縁がないが、リーグ屈指の右タックルとの評価も多い。見た目は地味だが非常に器用で、手の使い方や角度、ボディバランスがよい。崩されることが滅多になく、ホールディングもOL陣で最も少ない。

その気になれば右ガードも左タックルもこなせる器用さがあるが、できるだけ右タックルから動かしたくないのは新首脳陣に代わっても同じだろう。

エイドリアン・クレム Adrian Klemm

プロ7年目の29歳。ハワイ大から2000年の2巡指名でペイトリオッツに入団したものの、ケガが多いためにスターターに定着できず、昨年春に新天地を求めてFAでグリーンベイへ。左ガードとして期待されたが振るわず、シーズン途中でウェルズに先発の座を譲った。今年は表示がガードからT/Gに変更されているように、先発ガード候補から外れ(そのぶんドラフトで補強)、本来のタックルに戻っているようだ。

ペイトリオッツでの5年間で最も経験豊富なのは右タックルだが、昨年はクリフトンが途中退場した試合で左タックルを大過なく務めたように、重要な左タックルの控えとして期待されている様子。そのうえ右タックルのバリーが今季終了となってしまったため、実質的には両タックルの2番手を兼ねることになるかもしれない。

ケヴィン・バリー Kevin Barry

地元ウィスコンシン出身、アリゾナ大から2002年のドラフト外で入団して以来、ずっと右タックルの控えを務めてきた。スターター級の能力があると言われながら、タウシャーが磐石なため逆転のチャンスはなかなか来ないまま、5月のミニキャンプで大腿四頭筋腱を断裂してしまい今季終了となった。今春には2年の契約延長をしており、来年も契約は残っている。

ウィリアム・ウィティカー William Whitticker

昨年のドラフト7巡指名。FA流出のリヴェラに代わって先発右ガードとなり14試合に先発出場したが、出来は芳しくなかった。しかも今年はゾーンブロッキング・スキームへの変更により、巨漢ガードの彼は先発右ガード候補から外れ、クリフトンとクレム不在の左タックルをミニキャンプではプレーしている。昨年のスターターから一転して、今年はロースター入りさえ危うくなっているわけだが、ミニキャンプでの左タックルの出来はまずまず悪くなく、またバリーの戦線離脱でチャンスも出てきた。今夏のキャンプが正念場となる。

トニー・モール Tony Moll

ネヴァダ大出身、今年の5巡指名ルーキー。ルーキー紹介のページを参照のこと。タイトエンドから転向わずか1年でOL経験が乏しいが、アスレチック能力の高さを買われての指名だった。ミニキャンプ練習ではプロのレベルの高さに苦労している様子で、左タックルから右タックルに移されたりしていた。開幕ロースター入り争いに敗れたらプラクティス・スクワッドの有力候補。

ジョシュ・バーク Josh Bourke

ディビジョンIIのグランドヴァレー大(ミシガン州)出身のドラフト外ルーキーで、昨年はディビジョンIIのオールアメリカン1stチームに選ばれている。チーム最長身の6フィート7(200cm)だが40yds走5.21秒と十分なスピードがある。ミニキャンプでは上記トニー・モールよりもむしろ評判がよかったようだ。右タックルで1年、左タックルで2年の先発経験がある。カナダ・オンタリオ州出身で、2004年にはCFLから全体23位指名されたこともある。

カテゴリ : Player