グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年7月18日

ロースター展望 TE編

よくも悪くも変わり映えがしないポジション。今年もFA補強がなく、ドラフトでは1巡5位でTEヴァーノン・デイヴィス(メリーランド大)を指名するという予想もあったが結局LBホーク指名となり、下位での指名もなかった。ただ昨年はケガで半分しか出場できなかったフランクスが復帰することを考えれば、多少の上積みはある。新コーチ陣に代わって起用法がどうなるのか、ゾーンブロッキングに変更されることもひとつの要素となりそうだ。

TE陣全体のパスキャッチ成績は2003年が63回542yds、2004年は43回491ydsだったが、昨年はWR陣のケガ人続出が影響して85回725ydsと大幅に数字を伸ばした。フランクスの欠場はあったがドナルド・リーが活躍できたことも大きいようだ。ロースター枠は通常3人。フランクスのスターターは確定で、2番手をマーティンとリーが争う。NFLヨーロッパ帰りのハンフリーがそれを追うが、上位3人を脅かすまではどうか。

ババ・フランクス Bubba Franks

プロ7年目の28歳。3年連続でプロボウルに選出されたこともあるが、主にNFCのスターTE不足によるもの。身長6フィート6(198cm)の高さと非常に安定したパスキャッチ能力で通算29TDを記録しているが、彼の能力の限界は年度別スタッツに表れている。明らかなスピード不足、加えてランアフターキャッチ能力がないために平均ydsが低く、1回平均10ydsを超えたことが2シーズンしかない。NFL全体のTEのスタッツを見ると、平均12yds以上がゴロゴロいる。

サイズとパスキャッチの上手さに加えて、彼の魅力はその安定性にある。地味で目立たない個性だが非常に真面目で、体調管理も万全。昨年は序盤にヒザ、終盤に首と背中を痛めて8試合しか先発できなかったが、それまでの5年間は全試合出場しており、完全復活にさほどの問題はないと見られている。ただランブロッキング・スキームの変更は不利に働く可能性がある。

デヴィッド・マーティン David Martin

2001年のドラフト6巡指名、プロ6年目の27歳。全てにおいてフランクスとは対照的で、元WRらしいスピードはあるがプレーぶりが不安定で、イージーなキャッチミスがなかなか減らない。ぬるま湯体質なのか自己管理能力に問題があり、毎年ケガが多い。フランクスが負傷した昨年は8試合に先発してキャリア最高の27回224ydsを記録したが、33回294ydsのドナルド・リーには劣っていた。

今夏はドナルド・リーとの2番手争いとなる。2人のどちらを上と見るかは記者によって異なっているようだ。

ドナルド・リー Donald Lee

プロ4年目の25歳。ミシシッピ州立大から2003年のドラフト5巡でドルフィンズに入団、2年間で全試合に出場したが不安定なプレーぶりで伸び悩み、3年目の昨季開幕前に解雇。直後にパッカーズと契約した。しだいにQBファーヴから信頼されるようになり、フランクスの欠場時にはマーティンを上回る活躍でレシーバー不足を補った。248ポンドと軽量でクイックネスがあるだけに、ゾーンブロッキングへの変更はプラスかもしれない。

トリー・ハンフリー Tory Humphrey

セントラル・ミシガン大から昨年のドラフト外でコルツに入団したが6月半ばに解雇され、8月初めにパッカーズと契約した。開幕ロースターには残れなかったがシーズン半ばにプラクティス・スクワッドに加わり、マーティンの負傷した終盤にロースターへ昇格。最終戦だけ出場してスタッツなし。今春はNFLヨーロッパに派遣されてアムステルダムでスターターとなり、パスキャッチ19回206ydsを記録している。

ギャレット・クロス Garrett Cross

QBアーロン・ロジャースのカリフォルニア大での同僚で、それ以前のジュニアカレッジ時代から2人は一緒だった。昨年のドラフト外でパッカーズに入団したが、7月のキャンプ入り直前に「どうしても気持ちが入らない」としてチームを離れた。今春には再び気が変わってパッカーズに復帰している。ロースター入りは望み薄だが、プラクティス・スクワッドなら可能性はある。

ザク・アルコーン Zac Alcorn

NAIAに属するブラックヒルズ州立大(サウスダコタ州)出身のドラフト外ルーキー。身長6フィート4(193cm)、体重260ポンド(118kg)の標準的なサイズで、40yds走4.62秒とスピードもある。昨季は43回689yds、7TDの活躍で、NAIAのオールアメリカン1stチームに選出されている。これまでのミニキャンプではパスキャッチの上手さを見せており、プラクティス・スクワッドの有力候補か。

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