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Packers Draft Notebook 2
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2006年5月 3日
- 指名各選手のハイライトビデオはこちら。(小さなカメラのアイコンをクリックするとCMのあと再生)
- 4巡指名のWR/KRコーリー・ロジャースについての最大の懸念材料は、フィールドでの(特にリターナーとしての)自在な動きに比べて40yds走などのタイムが振るわなかったこと。他チームのあるスカウトは、「タイム計測というものがなければ、彼はもっと上で指名されただろう」と評している。
- リターナー実績のある選手が3人も入ってスペシャルチームコーチはホクホクだが、特にコーリー・ロジャースへの期待は大きく、すでに今年のリターナー最有力候補とマイク・ストックSTコーチは見ている。「彼はキックをブロックでき、カバーができ、タックルができ、リターンができる。恐れを知らず(横に逃げず)縦方向に突っ走る。タックルを破る。キャッチもしっかりしている。短いパントが来てもバウンドさせるのを好まず、突っ込んで捕りに行く。知識も豊富で才能のある子だよ」
- 3年終了でアーリーエントリーした決断について、WR/KRコーリー・ロジャース。「難しい決断だったけれど、僕は確実に家族を楽にしてやりたかったし、みんなそれを100%支持してくれた。大学では大きな実績を挙げることができて、もうTCUで僕が証明すべきことは何もないように感じてもいた。さらに上のレベルに進んで、そこでプレーできることを証明したかった。スペシャルチームは大好きだよ。リターンを担当してそのプレッシャーを引き受けるのは、スペシャルな選手しかできないことだ。試合のモメンタムを変えられる立場というのもすごく好きだ」
- ドラフト2日目、30人以上の家族・友人を集めてドラフト・パーティをしていたWR/KRコーリー・ロジャースだったが、開始からわずか30分ほどで指名されてしまい拍子抜け。40yds走のタイムのために株が下がっているという噂を聞いていただけに、何時間もかかることを覚悟していたらしい。
- 4巡指名のCBウィル・ブラックモンは昨季1年だけWRをプレーして活躍も見せたが、パッカーズはCBとしての将来性に期待している。ショッテンハイマーDBコーチは、「彼には全ての能力が備わっていると思う。大変な才能の持ち主だ。非常に聡明な若者でもある。まだまだ勉強が必要なのは確かだが、早いテンポで向上させていけると私は思っている」
- ポジションについて、CBウィル・ブラックモン。「チームがトップに返り咲くために、必要とされることは何でもやるつもりだ。本当のところ僕はただNFLに入りたかった。今やその願いが叶ったんだから、どこだってやるよ」
- CBウィル・ブラックモンもリターナー実績が豊富だが、「どちらかというとキックオフリターナー向きかな」とストックSTコーチ。
- 5巡指名のQBイングル・マーティンはテネシー州ナッシュビルの出身。高校ではオプションQBとして大活躍し、同州で最高の選手と評価されて、たくさんの誘いの中からフロリダ大を選んだ。スティーヴ・スパリアーHCはQB育成の手腕で知られており、彼の下でパサーとしての勉強をしたかったからだ。ところが入学からわずか1年でスパリアーはレッドスキンズに去って行ってしまった。レックス・グロスマン(現CHI)が卒業した2003年にはいったんスターターになったものの、ロン・ズックHCが勧誘してきたQBクリス・リークに先発の座を奪われてしまった。
- フロリダ大で先発を降ろされてまもなく、QBイングル・マーティンは転校を決意した。「冷静に判断してのことだ。クリス(リーク)はロン・ズックHCに誘われて来た選手だし、僕は前任のコーチに誘われた選手だ。そのことが関係あったのかどうかは分からないし、クリスにチャンスを与えた方が勝てると判断しただけかもしれない。でも僕としては、ただ試合でプレーしたかった」とマーティンは振り返る。同じディビジョンI-A内で転校すると1年間はプレーできない決まりがあるので、ディビジョンI-AAのファーマン大を選び、移るとすぐにスター選手となった。1年目(大学3年扱い)は2792yds、22TD。昨年は2年目は2,959yds、20TD。2年間で21勝6敗。
- 毎年のようにQBを指名するのは師匠のロン・ウルフ元GMと同じやり方だが、ベテランQB獲得の可能性もトンプソンGMは否定しなかった。「今後ベテランQBを獲得したほうがよいと思えば、たぶんそうするだろう。必ずそうすると言っていうわけではない。私はイングル・マーティンを獲得できて非常に満足している。特にマイク・マッカーシーという若手QB育成に長けたコーチがいるのだからね」
- QBイングル・マーティンは、コンバインでのワークアウトの出来が非常によかったらしい。「ジョン・ドーシー(カレッジスカウト部長)によると、今年のコンバイン(上位候補は投げないことも多い)で最も強い肩を見せた、ということだ。ポケットから出て、いいプレーが多い。タフネスもあり、あらゆるパスをこなせる」とマッカーシーHC。
- 5巡指名のOTトニー・モールはメディアにとっては超無名選手。あれほど多くの選手のプロフィールを揃えているNFL.comさえ指名直後はリンクが表示されなかったほどで、またESPNでは"WR"と最初は表示されていた。
- OTトニー・モールはドラフト前にグリーンベイを訪問してワークアウトを行い、パッカーズからの指名があるかもしれないとの感触を得た。しかしパッカーズはOTダリン・カレッジを2巡指名し、モールの可能性は消えたかに見えた。またドラフト2日目の朝6時にカウボーイズから電話があり、指名するかもしれないと聞かされた。「ダラスは次の3つのピックで、僕とレシーバーとセーフティを検討している、と言ってくれた。そして彼らは4巡でレシーバー、5巡でセーフティを獲ったものだから、僕はだんだん落ち込んできた。そうしてウトウトしたところへ、パッカーズが電話をくれた。ポジション経験1年では、ドラフト外で契約する可能性が一番高いと思っていたから、すごく嬉しかったよ。今でも信じられない」
- OTトニー・モールについてトンプソンGMは、「彼は生まれつき骨太で、まだ大きくなる。非常にアスレチックで、タックルに必要な資質は全て備えている。とても面白い素材だよ」と語っている。フィルビンOLコーチは、「確かに勉強すべき点は多いが、彼はOL経験1年にしては技術的に非常にしっかりしたプレーをしていた」
- OTトニー・モールはTEからOTに転向した昨年、50ポンドも体重を増やしたという。
- 6巡指名のDTジョニー・ジョリーは2月末のコンバインの数日前に足首を痛めた。コンバインでは無理して走って40yds走は5.41秒しか出ず、幅跳びも8フィート8、垂直跳びその他のドリルは欠場した。そういったことがドラフト順位に影響したことは否めない。「彼はよい選手で、ケガが順位の落ちた理由だ。フィルムで見た限り、非常にアクティブで優れたバランスを持った選手だ。インサイドのポジションを争う力があると思う」とマッカーシーHC。
- DTジョニー・ジョリーは足首の手術が必要になるかもしれず、今月のミニキャンプ参加は難しそうだ。代理人によると、「関節鏡手術で、決して大きなものではない。プレーできないのも数週間だろう。重度の捻挫と、遊離骨片だ」
- テキサスA&M出身のDTジョニー・ジョリーとDEモンゴメリーとWRファーガソンは、大学だけでなく代理人まで共通。元同僚のDEモンゴメリーについてジョリーは、「僕らは隣で一緒にプレーした仲だ。きっといろいろ教えてもらえると思う。彼はいつでも足を止めずに走り続けるハードワーカーで、僕と同じだ。僕らは互いに刺激し合っていた。また同じチームでプレーできるのが楽しみだよ」
- 6巡指名のSタイロン・カルヴァーは成績優秀な学生で、GPAは3.5点。歯学部進学のためのクラスをあと3つ受講すればいいのだという。「今は歯学部のことは脇へ置いて、フットボールに集中することに決めたよ」と本人。
- Sタイロン・カルヴァーが真面目なのは学業だけのことではない。大学のコーチたちは彼のことを、「フィールド上のコーチ」と呼んでいた。読みや判断がよく、ポジショニングに優れているらしい。「僕はいつもゲームから学ぶことを心がけている。フィールドで正しい判断をして、必要なプレーをしようと努力している」
- 7巡指名のDEデイヴ・トルフソンは変わった経歴の持ち主。高校での学業成績が足りず、1999年に短大に進んで2年間LBとしてプレー。そこで有力校へ移るのが一般的なパターンだが、彼は肩を痛めてしまい、二度にわたる手術で断念せざるをえなかった。フットボールを諦め、1年以上にわたって大工の徒弟修行をしたのだという。しかし友人の強い勧めで大学に戻ることを決意し、ディビジョンIIのノースウェスト・ミズーリ州立大に入った。しかし1年目は足の骨折で全くプレーできず、ようやくフィールドに戻ったのは2004年のことだった。
- DEデイヴ・トルフソンは昨季12.5サックの活躍が認められ、大学オールスターゲームのひとつ "フラ・ボウル" に一部校の選手に混じって招待された。全米中継された2月1日の試合では両軍最多の6タックルを挙げる活躍を見せている。
- 釣りが趣味だというDEデイヴ・トルフソンは、ドラフト当日もオオクチバスのフィッシング大会に出場していて、そこでパッカーズからの指名を聞いたとのこと。釣りを終えて検量に向かいながら、記者たちからの電話取材を受けている。「グリーンベイに行くなら、今のうちからアイスフィッシング(穴釣り)を覚えた方がよさそうだ」と本人。