グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2005年7月 4日

ロースター展望 QB編

アーロン・ロジャースを1巡24位で指名したことで、ようやく一応、ファーヴの後継者問題からは解放されることになった。ロースター枠は通常3人。クレイグ・ノールとJ.T.オサリバンの争いで、敗れた方がチームを去る。といってもロジャースが2番手に決まったわけではなく、ノール/オサリバンの勝者とロジャースの良い方が2番手となる。

ブレット・ファーヴ Brett Favre

今年でプロ15年目となる35歳。レギュラーシーズン205試合連続先発、昨季はキャリア4回目のシーズン4000ydsを達成した。さほどの衰えは感じられず、問題は気力だけと言ってよさそう。現役続行するか否かはシーズンが終った後に家族とともに熟慮して決める、というのが毎年の恒例行事になっている。今春は妻ディアナの乳がん治療のためかなりの引退の危機だったが、さいわい順調に回復したため、現役続行を決断した。

この2年間私生活での不幸に見舞われたファーヴが精神的に燃え尽きないよう、シャーマンHCはいろいろと工夫を凝らしている。ミニキャンプに参加させず、自宅で個人トレーナーとワークアウトをさせたのは、そうした配慮の一環だ。チームのケミストリーを重視するシャーマンHCにとって、このような特別扱いはかなりのギャンブルだが、ファーヴの現役続行の価値を極めて重視していることの表れでもある。

クレイグ・ノール Craig Nall

2002年のドラフト6巡入団で、今年がプロ4年目。2003年春にNFLヨーロッパを経験している。毎年のように解雇の危機を迎えるが、一昨年はアキリ・スミス、昨年はティム・カウチを退けてしぶとくロースターに残ってきた。昨季はピダーソンの戦線離脱で第5週から2番手QBに昇格。4試合でパスを投げ、22/33、314yds、4TD、0INT、レーティング139.4と素晴らしい数字を残した。

今春もオサリバンを一歩リードし、ロジャースもまだ不慣れなため、6月のミニキャンプ終了時に「現時点ではノールが2番手」とシャーマンHCが明言している。2番手QBがFGの際のホルダーを務める可能性が高いため、そちらでの向上も求められている。

J.T. オサリバン J.T. O'Sullivan

ノールと同じくプロ4年目。2002年のドラフト6巡でセインツに入団し、昨年10月にCBマッケンジーのトレードの一部としてパッカーズに移籍してきた。昨年春にはNFLヨーロッパも経験している。ノールと比べると少し肩が弱いが、足があり、動き回りながらチャンスを見つけていくタイプ。今春のミニキャンプで、さほど良くはなかったノールを下回ったということは、期待通りには成長していないのかもしれない。

ノールとオサリバンの争いで敗れた方を、できればトレードに出したいところだが、解雇されるとわかっている選手をわざわざ獲りに来るチームがあるかどうか。

アーロン・ロジャース Aaron Rodgers

この4年にわたってパッカーズはファーヴの後継者候補を探してきた。アキリ・スミスやティム・カウチを試し、ドリュー・ヘンソンに興味を示し、J.P. ロスマンを1巡指名する直前まで行ったこともある。そして今年、1巡24位まで落ちてきたロジャースを指名し、ようやく後継者探しが一段落したことになる。就任早々のトンプソンGMにとっては、自分の評価を将来にわたって左右しかねない大きな人事だ。

ファーヴの下で修業してチャンスを待つロジャースだが、すでに精神面については先輩選手から高く評価されており、地元メディアの受けもよい。6月のミニキャンプでは頭と体がバラバラで正確性を欠いたが、1年目から結果を求められることはないので、じっくりやればいいだろう。

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