グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2005年7月 2日

CBアル・ハリスの真価

先日のミニキャンプでのこと。ドッジボール大会のことを取材しようとした地元メディアに対し、「ここはフットボールのロッカールームだ。オレはフットボールの質問にしか答えないよ!」とCBアル・ハリスは言った。彼は常にフットボールに本気で取り組んでいる一本気なタイプで、下積みから一流CBへと叩き上げたカギはそこにあると言っていい。

ジム・ベイツ新DCからも、最も厚い信頼を寄せられているのが、このアル・ハリスだ。自分は数多の有力CBたちを扱ってきたが、そのトップクラスと比べてもハリスは全く遜色がないとベイツDCは強調する。「アルはいい選手だ。本当にいいね。私がこの10年ほどやってきたバンプ・カバレッジに関して、彼はその誰にも劣らぬほど優れている。もちろん、ディオン(サンダース)は別格だ。ケヴィン・スミスは、アキレス腱を断裂する前は凄いコーナーだった。そしてマイアミではパット(サーテイン)とサム(マディソン)が素晴らしかった。アルは、彼ら3人と同じクラスだ。本当にそうなのだ」

このような評価を得るに至るまで、ハリスにとっては長い道のりだった。学業成績の問題で、予定していたフロリダ州立大に進めなかったため、短大を経てディビジョンIIのテキサスA&Mキングズヴィル校へ。1997年の6巡指名でバッカニアーズに入団したものの、開幕ロースターに残れず解雇され、プラクティス・スクワッドで1年目を終えた。2年目の開幕前にバッカニアーズから解雇されてイーグルスへ移り、彼はそこでチャンスをつかんだ。トロイ・ヴィンセント、ボビー・テイラーという豪華プロボウルCBコンビの下で学びながら、ケガ人が出るたびに代役で先発をこなすなど、着実に実績を積んでいった。そして2003年にトレードでパッカーズへ移り、28歳にしてようやく常時スターターとなった。CBというポジションで、このように遅咲きの選手は珍しい。

CBマッケンジーの抜けた昨季は、サイドを固定せずに常に相手エースWRをカバーした。それだけに毎回シャットアウトとはいかなかったが、素晴らしい活躍を見せてプロボウルの補欠にも選ばれた。彼以外のDB陣がガタガタだったため失点が増え、彼の功績もやや霞んでしまったが、(スターCBが少なかった)昨季のNFCならプロボウルに出場してもおかしくない出来だった、と見る向きも多い。

そして今年、ジム・ベイツ新DCの用いるスキームは、ハリスの長所を最大限に活かすものだ。「僕のプレーを見た人は、『彼はゾーン・カバレッジでは苦戦してる』と言うかもしれない。しかしバンプ&ランなら、僕の最も得意とするところだ。人それぞれ得手不得手があるし、僕は大口を叩くタイプじゃない。だけど、毎週毎週プレスカバレッジを僕のようにできる選手はそうはいないと思う」

常に真摯なハリスは、若手揃いのCB陣の中で良きお手本となっている。「どうすれば安定感のある選手になれるか、真のプロフェッショナルは毎日どのように仕事をするか、彼を見ていると勉強になるよ。要は、正しい行動をするってことだ。自分もこんな選手になりたい、というお手本がいるとすれば、それはアル・ハリスだ」とCBジョーイ・トーマスは語っている。

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