グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2005年6月18日

OGエイドリアン・クレム

今春ペイトリオッツからFA移籍してきたOGエイドリアン・クレムは、いまのところ先発左ガード争いで大きなリードを保ち、いくつかあるポジション争いのうちで唯一と言っていい「当選確実」を手にしている。だいいち、今年パッカーズが契約したFA選手の中で、それなりの契約ボーナスを払って複数年契約を結んだのは、彼だけしかいないのだ。

アスレチック能力が高く評価されるクレムに問題があるとすれば、それはケガの多さだけ。2000年の2巡(ベリチックHCにとって就任最初のピック)で指名されたものの、1年目はヒザとヒジのケガで11試合に欠場、先発は4試合。2年目はふくらはぎの筋断裂で全試合欠場。3年目だけは全試合に出場し、先発3試合。4年目は第3週に足首を痛め、インジャリーリザーブ入り。5年目の昨季も、序盤に足を骨折してインジャリーリザーブでシーズンを終えている。

再契約の話もあったが、移籍を選んだのは、フレッシュなスタートを切りたかったからだ。「妻に話したことは -- 彼女はマサチューセッツ出身なんだ -- 自分は何かを変えたい、どこか別の場所でやり直したい、ということだった。僕はベリチックHCの最初の指名選手ということで、プレッシャーも大きかった。僕がしたケガの多くは、ハードにトレーニングしなかったせいではない、ということをメディアは理解してくれなかったと思う。自分にはコントロールできないことで、フラストレーションのたまる状況だった」

ペイトリオッツでは3回もの優勝を経験したクレムだが、チーム独特の秘密主義が残念だったと彼は言う。「移籍してきて、ニューイングランドと全く違っていたのは、メディアに対してのケガ人情報の扱い方だ。あちらでは、メディアに何も伝えないんだ。僕がヒザの大きな手術を受けたのに、捻挫だとしか言わない。2年連続で足の骨折をして、最近のやつはとても稀な骨折だった。チームではそれが診断できず、ニューヨークまで行って手当てを受けた。そのことさえ、メディアには流れない。『彼は足をケガした』と言うだけだ。ケガした選手にとっては、よけいつらいことだ。チーム側がケガ人をロッカールームから隠すみたいなことをするから、メディアの目には触れず、自分からの説明をする機会がない」

幸い、昨年のケガからも順調に回復し、6月のミニキャンプにはフル参加できた。そのことはペイトリオッツのスタッフのおかげでもある、とクレムは感謝している。昨季、足を骨折した直後に契約延長のオファーをされ、クレムはそれを断ってFAとなる道を選んだが、それでもスタッフはしっかりと自分のケガを治してくれた。「あとは時間がたてばわかるよ。僕はスターターになれると予想してる。他の選手を軽く見たりはしていないが、僕は控えになるために来たわけじゃない。スターターの座はまだ決定したわけじゃないし、去年からいた選手はチームのオフェンスを僕よりよく知っている。僕としては追いかける立場だ。それでも、最終的には僕がスターターになると思っている」

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