グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2005年4月23日
ドラフトやカレッジ選手紹介で使われる用語を少しだけ解説。
- "War Room" ? 上記の記事参照。各球団の作戦司令部。一般にGM、ヘッドコーチ、カレッジスカウト部長などが中心となる。その他フロント関係者やアシスタントコーチたちも出たり入ったり。
- "On the clock" ? このチームが指名する番だよ、ということ。Packers is on the clock. などとライブ表示されたりする。
- "Best Player Available" ? 残っている中で最も良い選手。自チームのニーズにとらわれず、一番能力の高い選手を選ぶのだ、というアプローチのこと。ヘッドコーチやGMたちはみなこのように言うが、実際は難しい。秘めた意図を悟らせないためにこう言っているだけかもしれない。
- "Reach" ? もっと下でも獲れるはずの選手を指名してしまう、つまり一般的な評価より高く評価して獲ってしまうこと。「この指名はリーチだろう」というふうに使う。しかし実際にプレーさせてみると、ファンや評論家よりもプロの見る目の方が正しいことが多い。WRウォーカーもLBバーネットも指名時はリーチと言われていた。
- "Steal" ? もうけもの。こんなに良い選手をこんなに下の順位で取れるなんてスティールだ、というふうに使う。有名校の有名選手がこう呼ばれることが多く、一昨年の3巡指名DTケニー・ピーターソンもそう言われていたが、実際は全然そんなことはなかった。上記の"Reach"と同様、ドラフト時の世間の評判など全くアテにならない。評論家は自分が上位予想した選手が下位まで残っていた場合に、自分の眼力が間違っていたと認めるわけにもいかないので、Stealと呼ばざるをえないのだろう。
- "40" ? ドラフトで40と言えば40yds走。たとえば、CBなら4.4秒台が望ましく、4.3秒台なら素晴らしい。上位指名CBが4.5秒台なら、スピード不足を補うサイズやアジリティやタマ際の強さなどがあるはず。以下、S、OLB、ILB、DE、DTの順で少しずつ基準タイムが遅くなっていく。オフェンスは、WR、RB、TE、OT、C、OGの順。QBはいろいろ。
- "Sleeper" ? 無名ながら能力のある選手。記者や評論家たちが「私の選ぶスリーパー候補」といった記事を書くが、彼らに知られている時点でスリーパーではないような気もする。プロのスカウトたちは、はるかに時間と労力をかけて一年中全米を旅していて、メディアの知らない選手でも実際はほとんどの球団が知っているものだ。無名校、二部校、短大のこともある。
- "Upside" ? 伸びシロのこと。サイズや身体能力があるがフィールド上でまだ活かしきれていない選手や、ポジション転向から間もない選手は、「この選手にはでかい"Upside"がある」などとという。ただ、怠け者であるなど、フィールド上で活かしきれない理由はプロに入っても変わらず、未完の大器で終ることも珍しくない。
- "Intangibles" ? 目に見えない、数字で測れない能力を指す。特にQBの場合に重要となるだろう。たとえば肩の強さやコントロールの良さではなく、精神面の強さ、頭の良さ、判断力、読み、勝負強さ、リーダーシップ、カリスマ性などなど。
- "Physical Tools" ? 上記のIntangiblesとは逆の、サイズや身体能力を指す。「この選手はPhysical Toolsには恵まれているが、Intangiblesはさほどでもない」というように使う。
- "Workout Warrior" ? トレーニングに非常に熱心な人、という意味も当然ある。しかしドラフト関連では、「走ったりジャンプしたりウェイトリフティングでは優秀な数値を叩き出すが、フットボールフィールドで身体能力が活かされていない選手」というマイナスの意味で使われることが多い。身体能力があるから伸びシロが大きいと見るか、センスに欠ける使えない選手と見るかは常に微妙。
- "Character Risk" ? 人格面、素行の面でリスクがあること。薬物や暴行など逮捕歴があったり、コーチとうまくいかなかったり。Character Riskを押して強行指名して成功したのはWRランディ・モスやDTウォーレン・サップがいるが、軽視して失敗した例も数え切れないほど。脚の遅い選手を速くすることはできないが、性格を改善することはできる場合もある・・・それが事実だけに難しい。
- "Wonderlic test" ? 知能テストの一種。50問を12分間でどれだけ正解できるか。1問1点で50点満点。NFL選手の平均は21点で、他の職業の人たちと同じぐらいらしい。一般にQBやOLは点数が高い。30点台でも素晴らしいが、40点を超えたら、NFL選手になるのがもったいないぐらい凄い。高いに越したことはないが、点数が低いからといってさほど気にすることもない。むしろ人格面や練習熱心さの方が重視されるはず。
- "Bust" ハズレ、または大ハズレ。ジャマール・レイノルズ。トニー・マンダリッチ。もちろんすぐに結果が出るものではない。一般にドラフトの成果を見極めるのは3年後が妥当だと言われている。それ以下では早すぎるし、4年後ではFAとなって移籍してしまうからだ。