グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2005年1月16日

テッド・トンプソンが新GMに就任!

ボブ・ハーラン社長は、現シーホークスのテッド・トンプソンを新しいジェネラル・マネージャーに指名する、と発表した。「この改編は、2つの点でパッカーズのためになると考えている。実績のある"talent evaluator"であり、有能な管理者であり、NFLで13年の実績を持つ尊敬されるベテランを、わがスタッフに迎えることができた。これが第一だ。そして第二に、マイク(シャーマンHC)の負担を軽減し、彼がより多くの時間をコーチングに打ち込めるようになる、ということだ」

「毎オフシーズンにロースターが入れ替わってしまうような、サラリーキャップ時代の現代プロフットボールにおいては、GMの仕事も、ヘッドコーチの仕事も、非常に多くの時間と努力を要求される。非常に高く評価されている2人の人物をチーム組織のトップに抱えながら、パッカーズが将来に向かって進んでいくことに、私は大きな満足を感じている」とハーラン社長。

「私は、テッド(トンプソン)はパッカーズにとって、完璧にフィットすると思っている。彼はウチの人事スタッフを知っているし、ここのフットボール部門の運営方法にも馴染んでいる。彼はパッカーズの栄光ある伝統を大事にし、グリーンベイに戻ってくるこのチャンスを非常に喜んでくれている」

ハーラン社長の記者会見の映像 (56k | 300k) / 地元ニュース映像(冒頭CMあり)

テッド・トンプソンはサザン・メソジスト大出身の52歳。1975年から1984年までオイラーズでLBとしてプレーし、引退後はいったん投資ビジネスの世界へ。1992年にロン・ウルフGMの誘いでプロ人事副部長としてパッカーズのフロントに加わった。早くも翌年にはプロ人事部長に昇進、1997年には"director of player personnel"となり、ウルフGMの右腕として経験を積んだ。2000年にホルムグレンHCの招きでシアトルに移り、ドラフト戦略を中心に、ホルムグレンHC/GMを支えてきた。

トンプソンの親しい友人であり、パッカーズとシーホークスの両方のフロントで働いた経験のあるマイク・ラインフェルトは、トンプソンにとってパッカーズのGM職は、"dream job"なのだと証言する。「彼は今、フットボール界で最高の仕事を手に入れた、と感じているよ。彼には本当にぴったりの仕事だ」 「彼とシャーマンHCはよく似たタイプだと言える。どちらも非常なハードワーカーで、細部まできめ細かく、完全主義者と言えるほど注意深い。それに、どちらも物静かで、あまり外向的ではない。たがいにとても尊敬しあっている。どちらも、エゴが強い人間ではない。どちらも、自分の手柄などにこだわらない。高く評価されたらそれを分かち合い、それよりも仕事をやり遂げる方を心配する」

ヘッドコーチとGMを分離させようとハーラン社長が決心したのは、今季第4週のジャイアンツ戦の直前だったらしい。CBマッケンジーのトレード問題が抜き差しならぬところまで来ていた10月のはじめ、大事なジャイアンツ戦への準備に集中できず、マッケンジー問題に苦心するシャーマンHCの姿を見て、やはり彼にGMの仕事まで負わせるべきでない、と結論した。後任GMには、トンプソンの名前が最初からハーラン社長のリストのトップにあり、ロン・ウルフ元GMも彼を強く推薦、さらに多くのNFL関係者がその評価を裏付けたようだ。10月半ばには、「シャーマンHCをGM兼任から解き、トンプソンを第一候補としたい」と、チームの執行委員会に報告をした。

この水曜日にニューヨーク出張から帰ったハーラン社長は、その午後にシャーマンHCと話し合いを行い、新たなGMを迎えることを告げた。「基本的に、今あなたたちに話しているのと同じことをマイクに説明した。この人事はフランチャイズの将来にとって最善の道であり、しかも彼をGMの重責から解放してコーチングにより集中できるようにする、ということだ。テッド・トンプソンのことを話すと、『テッドは非常にいいと思う。彼となら仕事をしていける』とマイクは言ってくれた。これには非常に勇気付けられた」

水曜日の午後、パッカーズ側からシーホークスにトンプソンの面接の許可を求めた。カレッジのオールスターゲームのひとつ、"East-West Shrine Game" のスカウティングのためサンフランシスコに出張していたトンプソンにハーラン社長が連絡を取り、GM職をオファー。木曜日いっぱいかけて契約についての交渉を行った。いっぽうシーホークスは金曜の朝にボブ・ウィットシット球団社長を解任し、トンプソンを引き留めようと最後のオファーをしたが、トンプソンはグリーンベイ入りを決め、朝7時50分にオファーの受諾を電話で連絡してきた。

この記者会見で質問が集中したのが、トンプソンにどれだけの権限を与えるのか、という点だ。ハーラン社長は慎重に言葉を選びながらも、「トンプソンにフットボール関連の全権を与え、シャーマンHCの任免も彼の考えしだいだ」ということを説明している。ただし、トンプソンがただちにシャーマンHCを解任することはない、と確信している様子からすると、すでにその点については合意ができているのかもしれない。しかし、来季以降のシャーマンHCの契約延長に関しては、ハーラン社長は新GMに一任するつもりのようだ。

トンプソンの正式な肩書きは "Executive Vice President/General Manager/Director of Football Operations" という長いもの。契約は5年で、年俸は$1.2ミリオンほどと見られている。GM職を失ったシャーマンHCだが、"Executive Vice President" の肩書きはそのまま。またサラリーも、これまで通り$3ミリオン弱のままのようだ。

トンプソンを迎えるため、パッカーズの執行委員会のメンバーが自家用機でサンフランシスコに飛んでおり、土曜日の11時に改めて就任記者会見が開かれることになっている。また、金曜日午後に予定されていた、シャーマンHCによるシーズン総括の記者会見は、月曜日に延期された。おそらく、トンプソン新GMとシャーマンHCが今後のことを話し合い、注目されるディフェンスのコーチ陣の処遇も含め、今後の方針を決めてから記者会見を開く、ということだろう。

カテゴリ : Coach/Front Office