グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2004年5月 6日

DTコーリー・ウィリアムズ

「サイズとスピード、粗削りだが大きな潜在能力がある」などといった、よくあるドラフト下位指名選手の評価記事。6巡指名されたDTコーリー・ウィリアムズもその1人だが、1つだけ大きな違いがある。彼の乗り越えてきた悲しみの大きさだ。極貧の中で育った彼は、15歳で父を肺炎で失い、20歳の時、最愛の母を脳卒中で失った。 さらに、スカウティング・コンバインを目前に控えた今年の2月、ガールフレンドのアンドレアとの間に産まれた娘が、超未熟児のためにわずか数週間でこの世を去った。

「彼がそのような悲劇の中にいたことを、気が付かないスタッフも多かった。彼はいつもと変らず、毎日笑顔でオフィスにやってきていたから」とアーカンソー州立大のケヴィン・ピープルズDLコーチは3ヶ月前のことを振り返る。しかしもちろん、DTウィリアムズの内面は大きく傷つき、コンバインどころではなかった。まだ悲しんでいたかった。「でも、強くならなくては、とガールフレンドに言われたんだ。本当に、本当につらかったけど、両親を亡くした経験があったから、なんとか乗り切る方法はわかっていた。コンバインに行った時は、それをモーティベーションの元にしたんだ」

「彼はお母さんに育てられたから、そのお母さんが亡くなった時には、彼はどれだけ傷ついたことか。先日のドラフト直前の月曜日に彼は、"母の誕生日だからこれから花を買いにいく"と言っていた。お母さんの墓前に花を供えに行くんだ」とピープルズDLコーチ。 「彼はたくさんのことを乗り越えてきたが、"なぜ自分にばかりこんなことが・・・"と言うようなヤツじゃない。毎日そばにいない限り、彼がこれほどのことを経験したとは気が付かないだろう」

「彼は運動能力が極めて高い。ディビジョンIIなら、どこのバスケットボールチームでもプレーできただろう。それは保証する。去年だってケガがなければ、数字はもっとずっとよかったはずだ」とピープルズDLコーチ。「粗削りだが、才能に溢れたアスリートだ。ヴァーサタイルで、インサイドもアウトサイドもプレーできる。なかなか見つかるものではない。どれだけ良い選手になるかは、見守っていくしかない。しかし、もしプロで成功したら、彼の物語は良い話題になることだろうね」とパッカーズのヘイトリー副社長。

「あの年で、あれほどのことを乗り越えるのは大変なことだ。よほどの内面の強さがなければならない。それは間違いなく言えるよ。彼はプロでやっていけるだけの内面的な強さを持ってる。チームを最優先にすることや、責任を負う、といったことを彼は理解している。つらい経験は、プロでやっていくために必要なたくさんのことを、彼に教えてくれると信じている」とプロ人事部長のレジー・マッケンジー。

「いろいろなことがあったけど、僕は何かを心に決めたら、必ずやり遂げる人間だ。成功のためのモーティベーションの元にするよ。フィールドに出たら、その怒りを対戦相手にぶつけるんだ。そうして、良い試合ができたら、少しだけ気分がよくなる。僕は自分の力で必ず両親の夢を実現してみせると、母と父に約束したんだ。もし開幕ロースターに残れたら、それが第一歩になる」

カテゴリ : Draft, Player