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Packers Draft Notebook
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2004年4月27日
- CBアマド・キャロルは1巡指名を受けた翌日の日曜日に、グリーンベイにやってきた。ランボーフィールドやパッカーズ・ホール・オブ・フェイムを見学(写真)し、記者会見に出席。壇上で彼と並んで写真を撮るとき、シャーマンHCはアドリブで少し身を屈めてみせ、会場に笑いが起こった。キャロルの身長の低さを懸念する声があるため、彼が小さく見えないように、という意図のジョークだ。
- CBアマド・キャロルはやや小柄だががっちりしており、以前にウルフGMが失敗したCBテレル・バックリーのようなことはない、というのがパッカーズ首脳の考え。バンプ&ランに習熟している、というのもパッカーズのニーズに合致している。サイズよりスピードを重視した指名をしたのは、先月のオーナー会議で「レシーバーに対する接触プレーを、もっとルールに厳格に取り締まろう」という申し合わせがあったのと無関係ではない。本当にこの申し合わせの通りに判定されることになると、「大きくて遅い」CBたちには少し不利になるはず。
- キャロルの両親は、2人ともノースウェスト航空の客室乗務員を30年以上も務めている。2人はミネアポリスのコミュニティ・カレッジで出会ったとのこと。社員の特権で飛行機に乗れるのでこれまでのキャロルの試合にはほとんど観戦に来たが、もちろん今年もそのように手配する予定。また、キャロルの姉はミルウォーキーに住んでいる。
- バンプ&ランに習熟している、という点では3巡7位指名のCBジョーイ・トーマスも同じ。トーマスはやや傲慢なタイプで、それをマイナスと考えるチームもあったようだ。しかし2巡クラスと評価するチームも多く、パッカーズもその1つだった。「自信満々なやつだが、相手への敬意を欠くようなタイプじゃない」というのがパッカーズの見方。
- CBトーマスに関する懸念は、ディビジョンI-AAでの周囲のレベルだ。「彼がシニア・ボウルに出たとき、高いレベルのWRたちを相手にプレーしたわけだが、彼のプレーは際立っていた。特別な才能を持っていると我々は感じた。面接を行って、彼が我々のディフェンスにフィットしていることもわかった」とヘイトリー副社長。
- 3巡9位指名のDTドネル・ワシントンは、クレムソン大のコーチたちのアドバイスを振り切ってアーリー・エントリーした。オークランドに移って個人トレーナーを雇い、減量しつつワークアウトを続けた。その甲斐あって、キャンパスでの"Pro Day"では、コンバインよりも大幅に数字が良くなった。シーズン終了後に350ポンドまで膨れ上がっていた体重が、今は320ポンド台になっている。
- DTワシントンの最大の懸念は人格面だが、十分に調査はしたとヘイトリー副社長。「一度のワークアウトで決めたわけじゃない。ジェトロ・フランクリンDLコーチが彼を訪問して、ずいぶん長い時間話し合った。我々も長いこと一緒に過ごした。彼には大きな可能性がある」
- 3巡24位のP B.J.サンダーは、全米最高のパンターに与えられる、レイ・ガイ賞を受賞している。わざわざトレードアップしての指名について、「さほどリスキーだとは思わない。むしろ、彼を獲らない方がリスキーだっただろう。4巡のままで待つ手はあった。でもこれでスターターを獲れたかもしれないのだから、さほどリスキーだとは思わない」とシャーマンHC。ボナメイゴSTコーチは、「彼は明らかに今年最高のパンターだ。パンターを欲しがるチームはいくつもあったから、4巡まで待って、他に獲られてしまうのが怖かったのだ」と説明している。テクニックがしっかりしていて寒さや強風にも強いことは、3月のオハイオ州立大でのワークアウトで確認済み。その日はグリーンベイよりも寒く、氷点下で、風も強い日だったらしい。また、左利きのパンターは回転が逆になるためにキャッチしにくいこともプラス材料とのこと。
- 6巡指名のDTコーリー・ウィリアムズは、パワー・エンド、3テクニック・DT、ノーズタックルの3ポジションをこなせるヴァーサタイルな選手。3年生の時は9サックを挙げたが、昨年はヒザや足首やふくらはぎなど、たくさんの細かいケガをこらえながらプレーしたこともあり、わずか1サックに留まった。それが示すようにケガに強く、ハードワーカー。現在は100%健康な状態。ケガのために、2つのカレッジ・オールスターゲームからの招待を断ったことも、指名順位を下げた理由かもしれない。「僕はケガさえもモーティベーションのもとと考える。ハングリーな気持ちがいっぱい自分の中にあるんだ。昨年はケガのせいでかなり出番を逃したから、誰かを相手にその鬱憤を晴らすのが楽しみだ」と本人。
- 現在は310から315ポンドほどあるDTウィリアムズだが、高校時代は250ポンドほどでFB、LBに加えパンターやキッカーも務めたという。そのほかに野球と陸上。砲丸投げと円盤投げの他に100mや200mも走ったというが、それにしては現在の40yds走5.18秒というのはあまり速くない。
- 7巡指名のCスコット・ウェルズは、テネシー大での1年目、最初の試合の途中から先発センターの座をつかみ、4年の最後までそれを離さなかった。49試合連続先発は、大学フットボール史上3人目とのこと。「彼が指名できるかどうか、7巡では固唾を飲んで見守っていた。彼が獲得できて嬉しい。彼は特別なタイプの若者だ。パッカーズに来てOL陣の中で生き残れるかは挑戦だが、彼ならできると思う」とシャーマンHC。
- ウェルズはしっかりしたリーダーシップの持ち主で、大変なハードワーカー。ベンチプレス545ポンドはチーム記録。すでに結婚し、初めての子供(男児)が昨年生まれたばかり。歴史と社会学の両方で学位を取得しており、プロがダメなら地元の学校で教師をしながらフットボールのコーチをするつもりだった。実際にそのようなオファーがあったそうだ。
- ウェルズは高校時代にはOLとDTの両方をプレーし、スター選手だった。レスリングではグレコローマンとフリースタイルの両方でテネシー州のチャンピオン、全米でもトップクラスの選手。通算175勝11敗、高校最後の2年間は無敗だった。
- 187cmと身長がやや低いのがウェルズの低評価の原因のひとつ。また、「すでにポテンシャル一杯の能力を出し切っており、これ以上の成長は期待しにくい」という見方も多い。「自信ならある。大学に入るときも、自分は通用しないといわれたけれど、なんとかしてスターターになり、49試合連続先発した。ランボーフィールドに行き、チームに貢献できる自信はある」とウェルズ。「(なかなか指名されないことに)僕は心配になり始めていた。でもグリーンベイが指名する前、僕はエージェントに言ったんだ。"ドラフト外でもどこかのキャンプに参加させてくれ。そうすればチームに残ってみせる"ってね」
- ウェルズが開幕ロースターに残るにはセンターだけでは不十分で、ガードもこなせなければならない。シャーマンHCもそのように明言している。「ガードもできる。1年生の時以来やってないけど、大学に入るときはガードだったんだから」とウェルズ。