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2003年8月31日

WRカール・フォードはMCL断裂

タイタンズ戦で右ヒザを痛めたWRカール・フォードは、詳しい検査の結果、内側側副靭帯(MCL)の部分断裂と判明。ドクターの診断によれば、4週から6週の欠場とのこと。ミニキャンプからトレーニングキャンプを通じて評価が高かったWRフォードは、ドラフト7巡ルーキーにもかかわらず、すでに5番手WRの座を確保。リターナーとしてもチャットマンに次ぐ2番手と目されていた。

インジャリー・リザーブに入れてしまえば、その分のロースター枠は空くが、そのかわり今シーズンは使えなくなってしまう。キャンプで見せた才能を考えれば、もちろん解雇などできない。となれば、10月始めごろの復帰を目指して彼をロースターに残し、それまではリターナー兼任のチャットマンを5番手WRにしてしのぐしかないかもしれない。

8人を解雇

パッカーズは、下表の8人を解雇した。このうち、WRホラセックを除く7人はNFLヨーロッパ帰りの選手。これでロースターは65人となったが、チームにとって難しいのは、ここから先だ。日曜日午後3時(グリーンベイ時間)までに、開幕ロースターの53人を選ばなければならない。つまり、あと12人が解雇されることになる。特にOL、DL、そして3番手RBとして誰が勝ち残るかが注目だ。

Mike Horacek WR またアリーナリーグへ戻るか
Jorg Heckenbach WR NFLEで活躍したドイツ人選手。腎臓を悪くした
Adam Tate RB キャンプはじめにヒザをケガ
Jermaine Petty DE ヒザを痛めてここ3週間はプレーできず
Isaac Keys LB  
Jeremy Unertl S 地元ウィスコンシン大ラクロス校出身。いい線行っていたが
Bobby Jackson S 先週の試合でヒザのACLを断裂
Tim Morgan P やはりPビドウェルにはかなわなかった

2003年8月30日

Packers 3 - 27 Titans

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
Titans (4-0) 7 10 7 3 27
Packers (2-3) 0 3 0 0 3

強い雨が降り続き、時おり雷も光っている。第2Qには雷がひどくなってついに中断。このまま中止かと思われたが、2時間半の中断の後に再開。両チームのヘッドコーチはさほど乗り気ではなかったものの、NFL側の意向で試合続行となったようだ。

第1Q、パッカーズはQBピダーソンが2回の攻撃でどちらも3&アウト。フィールドポジションで有利に進めるタイタンズは、最初の攻撃こそ反則2回でパントに終わったものの、次の攻撃ではQBオドネルからWRベネットへの17ydsパスなどでボールを進め、最後は16ydsのパスで先制のタッチダウン。パッカーズの3回目の攻撃は、RBフィッシャーへのスクリーンパスでようやく1stダウン。QBピダーソンが自陣42でファンブルロストするが、相手には1stダウンを許さずパントに。次のパッカーズはRBラマー・スミスが初登場するが、やはり3&アウト。タイタンズはTEキニーへの24ydsパスでGB陣33に進んだところで第2Qへ。

第2Qのはじめ、DEジョー・ジョンソンがロスタックルを決め、Kネドニーは46ydsのFGを失敗。パッカーズはRBラマー・スミスへの21ydsパスで敵陣に入るが、反則もあって結局パント。タイタンズの攻撃をTEN陣深くで3&アウトに抑えたパッカーズは、GB陣44からのチャンスだったが、また3&アウト。逆にタイタンズはスクリーンパスで68ydもげインし、一気にGB陣9へ。そこでSアンダーソンがゴールラインでインターセプト。GB陣4からの攻撃、WRベイリーに24ydsパスが通るが、あとが続かず。両者パントの後、QBヴォレックからWRキャリコへの42ydsパスが通り、一発でタッチダウン。チャットマンの47ydsリターンでGB陣47からのパッカーズ攻撃。前半残り2分05秒、雷雨のため試合は中断となり、2時間半の中断のあとようやく再開。RBフィッシャーへのスクリーンパスで14yds。2ミニッツ明け、またRBフィッシャーへの15ydsパスでTEN陣23に進み、40ydsのFGが成功。タイタンズはWRバーリンへの45ydsパスで一気にGB陣18へ進み、33ydsのFGが成功して再び14点差に。

長い中断があったため、第2Qの終了後すぐに第3Qへ。両者パントの後、GB陣に入ったタイタンズは、4thダウンギャンブル成功のあと、WRマイアーに41ydsのTDパスが成功。パッカーズは、QBノールからRBフィッシャーへの16ydsパスで敵陣へ。WRベイリーへの15ydsパス、TEマーティンへの8ydsパス、RBグッドマンの5ydsランでTEN陣11へ。4thダウン2でのギャンブル失敗で得点ならず。TEN陣3からのタイタンズは3&アウト。

第4Q、またもやタイタンズの好パントリターンでGB陣に入られるが、TEヘイズのファンブルをパッカーズがリカバー。しかしパッカーズは3&アウト。タイタンズは15ydsパス成功とラフィングザパサー反則でGB陣へ。WRシフィーノへの10ydsパスとRBサイモンの11ydsランでGB陣18へ。しかしDTピーターソンのサックでTDは許さず、45ydsのFG成功で24点差に。パッカーズはWRホラセックへのパスでTEN陣37へ。しかし今度も4thダウン失敗。タイタンズ攻撃は3&アウトの後、WRウォーカーに57ydsのロングパスが通ってTEN陣10。2ミニッツ明け、またもや4thダウンギャンブルを失敗。

2003年8月29日

2つの銅像の除幕式

新ランボーフィールド完成にあわせて、カーリー・ランボーとヴィンス・ロンバルディの銅像が造られ、このたび除幕式がとりおこなわれた(写真はこちら)。 2つの像が仲良く"ミラー・ゲート"の前に立っている。

1957年に完成したシティ・スタジアムは、カーリー・ランボーが亡くなった1965年に、ランボー・フィールドと改名されました。しかし当時のロンバルディHCは、ランボーの名前を付けることには反対だったそうです。

Notebook: 健康が最優先

2003年8月28日

LBマーシャル: 出場停止期間中の生活

二度目の薬物違反を犯し、4試合の出場停止処分を受けたLBトランス・マーシャル。プレシーズン最終戦の翌日、つまり今週の金曜日から停止期間が始まり、その間はチーム施設への立ち入りは許されず、(チームメイトを除き)チーム関係者と連絡を取ることさえも禁止されている。練習やミーティングに参加することはもちろん不可能だ。

シャーマンHCは、4週間のあいだマーシャルをスポーツ・キャンプに送り、規律正しい生活の中でトレーニングを続けさせることにした。薬物違反を犯すような、精神的な弱さのある若手選手を、ただ自由にさせたのでは、かえって問題を悪化させてしまいかねない、という考えからだ。ちょうど2年前、DTクリディアス・ハントが同じ処分を受けた時も、全く同じやり方で成功を収めた。そうしてキャリアを立て直したDTハントは、DLの中核として頭角を現し、この春には大型契約を手に入れている。

詳細は秘密だが、彼の行くキャンプはピッツバーグ周辺のものらしい。どのようにそのキャンプを過ごすか、と聞かれたマーシャルは、"Working out, working out, working out." 。妻タマラとの間には、6歳の息子と5歳の娘がいるが、「子供たちは学校があるし、妻は仕事があるから、一緒には過ごせないね。電話で話したり、週末には家に帰ったりするだろうけど」とのこと。「できれば、より良い選手になって戻ってきたい。少なくとも今の力を落とさないようにするつもりだ」

大きな回り道をすることになったマーシャルのキャリアだが、ひとつ心強いのは、キャンプやプレシーズンゲームでの評判が、かつてないほど良いことだ。春頃には、「ロースターぎりぎり」と見られていたが、今では「出場停止さえなければ、ストロングサイドの先発LBネイヴィーズをプッシュできたのに」という記者も出てきている。マーシャル本人は、処分明け直後から使ってもらえるよう、最後のプレシーズンゲームでコーチに強い印象を与えようと頑張っている。

Day 36: RBラマー・スミス最後の頑張り

2003年8月27日

第1次ロースターカット

ロースターを80人から65人に絞る期限が近づき、パッカーズは14人の選手を解雇した。主だったところでは、QBアキリ・スミスTEタイロン・デイヴィスDTスティーヴ・ウォーレン。ドラフト組からも、7巡指名のWR/KRデアンドリュー・ルービンが早くもチームを去ることになった。

また、ドラフト5巡指名のDTジェームズ・リーはインジャリー・リザーブ(IR)に入り、今年はこのまま出場できないことになった。彼は腰/ヒップのケガでキャンプ初日の練習から途中退場して以来、一度も練習に参加できていない。

DTリーをIRに入れたため、これで65人(プラスNFLヨーロッパ組)の制限はクリア。次は、8月31日までに開幕ロースターの53人を選ばなければならず、今度はNFLヨーロッパ帰りの特典もない。

Akili Smith QB やはり甘くなかった 三度目のチャンスはあるか?
Tommy Collins FB/TE なかなか良い感じのドラフト外ルーキーだったが
DeAndrew Rubin WR/KR ドラフト7巡指名だったが、ミニキャンプからケガばかりだった
Tyrone Davis TE TEウォールズの加入で、ついに引導を渡された
Luther Broughton TE ベテランTE
Cory Geason TE ベテランTE
David Porter OG/OT ドラフト外ルーキー
Reggie Coleman OT ヒップのケガに泣いた
Steve Warren DT 2000年のドラフト3巡。ルーキー年の大ケガが響いた
Eric Powell DE ドラフト外ルーキー
Cullen Jenkins DE/DT ドラフト外ルーキー
Terdell Sands DT 注目の巨漢NTだったが、足首のケガに泣いた
Jacoby Shepherd CB/S 先日のパンサーズ戦で親指の腱を断裂
Keith Burnell CB/RB ドラフト外ルーキー

Day 35: フェラリオが右ガードに

2003年8月26日

Sスコット・マギャラハンをトレードで獲得

ドルフィンズとの間でトレードが成立し、パッカーズは控えセーフティのスコット・マギャラハンを獲得する、との正式発表があった。トレード条件は、2006年のドラフト7巡指名権(条件付き)。背番号は43。月曜日から練習に参加する。

元はといえば、マギャラハンは1998年のパッカーズのドラフト5巡指名。4巡のWRブラッドフォード、6巡のQBハッセルベックの間で指名されている。グリーンベイでは3年間プレーしたが、なかなか芽が出なかった。そして2年前の夏、パッカーズはクリス・エイキンズとマギャラハンの間で迷ったあげく、エイキンズをロースターに残した。ところがエイキンズはシーズン中にシャーマンHCとトラブルを繰り返し、けっきょく解雇(その後ブラウンズへ)。

いっぽうドルフィンズに拾われたマギャラハンは、スペシャルチームのエース格として2シーズンにわたって活躍。期待を裏切ったエイキンズのことを考えれば、パッカーズの選択は裏目に出たことになる。ただし、このマギャラハンも、本職のセーフティとしては、ほとんど出番はなかったようだ。セーフティ陣の層が厚いドルフィンズではもうチャンスはない、と判断したマギャラハンは、先週の日曜日に「トレードに出してくれ」とチーム側に頼み、ドルフィンズはその願いを聞き入れた。

今オフのパッカーズはセーフティ陣の補強が進まず、ようやく台頭したCB/Sウェストブルックも、アキレス腱断裂で戦線離脱。マギャラハンならスペシャルチームの強化にもつながり、トレード条件も安価のため、理想的なトレードと言えるかもしれない。さしあたって4番手セーフティの座を(CB兼任の)ジャコビー・シェパード、ジェレミー・ユナートルあたりと争うことになる。ただし、すでに29歳で上がり目があまり見込めないことは、開幕ロースター入りへのネックになるかもしれない。

RGリヴェラは2週から4週欠場

MRI検査の結果、RGマルコ・リヴェラの左ヒザは、当初の診断どおり内側側副靭帯(MCL)の捻挫とわかった。シャーマンHCは、「2週間から4週間」と言っているが、「これがリヴェラであること、そして彼の前歴を考えると、開幕戦の出場もないとは言えない」と付け加えている。「彼は出場のつもりでいる。しかしそのためには、ヒザがある程度の強さを取り戻していることが必要だが」

RGリヴェラ本人は、この診断に心底ホッとした様子。負傷した直後の痛みはかなりのものだったため、今シーズンは絶望かと恐れていたためだ。しかしその痛みは、同時に断裂した筋肉から来ているもので、MCLに関しては手術は必要なく、前十字靭帯(ACL)にも半月板にも損傷はない。彼がMCLを痛めたのはこれで4回目のこと。1998年には1試合欠場したが、昨年は両ヒザのMCLを痛めながら全試合先発を果たしている。我慢強いオフェンスラインマンの中でも、彼は究極のタフガイなのだ。

彼が開幕のヴァイキングス戦を欠場した場合だが、RGの2番手はフェラリオ。しかしフェラリオは、昨年ヴァイキングス戦でリヴェラが途中退場した際に、相手DTクリス・ホーヴァンに一方的にやられている。ルーガマーやブラントは(そしてもちろんウィンタースも)、センターが得意でガードとしてはイマイチという評価。そのため、ガードが欠場の場合はRTタウシャーをそちらに回し、バリーをRTに入れるかもしれない。つい先日そのようなプランを、ベクトルOLコーチが披露した矢先のRGリヴェラの負傷だった。

2003年8月25日

パンサーズ戦のまとめ

ケガ人

一番心配なのは、RGマルコ・リヴェラの左ヒザ内側側副靭帯(MCL)の捻挫。ただし、昨シーズン中も、両ヒザの靭帯をもっとひどく断裂したまま、彼は一度も欠場しなかった。とにかく、詳しい検査待ち。

Sダレン・シャーパーの鼠蹊部は、リヴェラと比べれば軽そう。その他のケガ人は、CB/Sシェパード(親指の靭帯断裂)、RBナジェ・ダヴェンポート(ハムストリング)、QBクレイグ・ノール(手の打撲)。

ノーズタックル

ギルバート・ブラウンは合計9スナップをプレー。特に自陣ゴール前での踏ん張りは彼ならではのもの。「あれはまさに、"ヴィンテージ" ギルバートだった」とDTハント。ギルバート本人は、「少し痛みはあったけど、手に負えないようなものじゃない。これはまだ第一歩だし、これからどうなるか、だよ」と語っている。開幕ロースター入りに大きく前進したのは確かだ。

2番手として出場したのは、プレシーズン初登場となるロッド・ウォーカー。肩には痛みはない、とのこと。3番手としてノーズタックルをプレーしたのは新加入のラリー・スミス。彼は後半まるまる出場し、スティーヴ・ウォーレンとターデル・サンズは全く出番なしだった。解雇される前触れだろうか?

LB陣

ラインが良くなったせいか、若いLB陣の出来も満足いくものだった。先発陣だけでなく、控えのLBハンター・ヒレンマイヤーLBスティーヴ・ジョシューもポテンシャルの高さを見せた。

オフェンスライン

強力なパンサーズDL陣が相手だったが、RTマーク・タウシャーLTチャド・クリフトンが、QBへのプレッシャーを(ブリッツなしでは)あまり許さなかったのは評価できる。

3番手QB争い

QBクレイグ・ノールは、株を上げることも下げることもなかったが、QBアキリ・スミスは「こりゃあ、やはりダメだろう」という見方が固まりつつある。

アウェーチーム用ロッカールーム

昨シーズンのランボーフィールドでは、パッカーズ用ロッカールームはゴージャスに完成していたものの、アウェー用は(なかば故意に)完成が遅れたため、トレーラーホームなどを利用した、手狭な仮住まいだった。狭く寒く汚く、シャワーやトイレも少なかった。しかしようやく新ロッカールームが使えるようになり、昨年苦しめられたパンサーズの選手たちは大喜び。「ケツが凍えそうになったんだよ。外はたいして寒くもないのにさ。去年はホントひどかったよ。このロッカールームは素晴らしいね。あんなトレーラーなんか、ゴミ箱に捨てちまえばいいんだ」とCBカズン。

2003年8月24日

Packers 7 - 20 Panthers

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
Panthers (3-0) 0 0 6 14 20
Packers (2-2) 0 0 7 0 7

今シーズン初めてのホームゲーム。気温は20℃ほどで、非常に過ごしやすい夜だ。注目のDTギルバート・ブラウンが元気に先発で登場し、大きな歓声が上がる。いきなり自陣1ヤードでのピンチにロスタックルを決めるなど、十分に存在感を見せつけた。パンサーズは3番手で登場のQBウィンキの活躍で逆転勝ち。

第1Qはターンオーバーの嵐。パッカーズの最初のパスで、FBヘンダーソンがファンブルロスト。自陣1ヤードに迫られたところで、DTギルバート・ブラウンがロスタックル! 1stダウン1からのランを3回しのぐが、パンサーズはギャンブル。なんと4回目も止めて4thダウン失敗に。両者3&アウトのあと、ようやくパッカーズが初めての1stダウンを獲得するが、敵陣に入ったところでインターセプト。しかし最初のパンサーズのプレーで、QBピートのロングパスをCBハリスがインターセプト。そしてまたもやQBファーヴがインターセプト。

第2Qはパントの嵐。最初のパッカーズは、2つ1stダウンを更新するが結局パント。CAR陣17からのパンサーズ攻撃も、DEバジャ=ビアミラのサックで3&アウトに。次のパッカーズもリバース不発や反則などで大幅にロスし、3&アウト。パンサーズはWRスミスへのパスで1stダウンを取るが結局パント。パッカーズはRBダヴェンポートとグリーンのランで1stダウンを2回更新し、さらに相手反則やWRウォーカーへのパスでCAR陣29に。ロングウェルの47ydsFGが決まったと思った瞬間、ホールディングで取り消し。両者無得点のままハーフタイム。

後半は、パンサーズ(QBデロームに交替)が51ydsのキックオフリターンでGB陣30から。CBバウ・ジューのパスインターフェアでGB陣10へ。しかしTDはならず、26ydsのFGでパンサーズがようやく先取点。パッカーズはWRウォーカーへの18ydsパスとWRドライバーへの10ydsパスでCAR陣45へ。そこでRBグリーンの45ydsTDランが飛び出して逆転。パンサーズの攻撃はRBフーヴァーのランやWRムハマドへのパスなどでGB24まで攻め込んだが、WRプロールの落球で1stダウンならず。42ydsのFGが決まって1点差に。QBピダーソンに替わったパッカーズは、連続サックを浴びて3&アウト。パンサーズ(QBウィンキに交替)は、WRヤングへの29ydsパスなどでGB11に迫ったところで第4Qへ。

第4Q最初のプレーで、WRヤングへの11ydsTDパスが決まって逆転。パッカーズはQBアキリ・スミスが登場するが、3&アウト。次のパンサーズ攻撃もGB陣12まで攻め込むが、3回の反則で大幅に後退し、44ydsのFGも失敗。交代したQBノールは3回連続パス失敗でパント。パンサーズの攻撃は、再登場のQBデローム。RBスマートのランを中心にしてGB陣25に。しかしリバース失敗でロスし、52ydsFGも失敗でパッカーズはGB陣42からのチャンス。残り3分13秒、QBアキリ・スミスが再登場するが、パス失敗とアキリ本人のフォルススタート、サックで3&アウト。パンサーズ攻撃はなんとか3&アウト。残り1分35分、GB陣14からのパッカーズ)は、QBアキリ・スミスがインターセプトリターンTDを喰らって万事休す。

Day 32: ランボーとロンバルディの銅像が完成

2003年8月23日

TEウェスリー・ウォールズの存在感

移籍してわずか3週間でしかないが、TEウェスリー・ウォールズは、若手たちにとって良きお手本となっている。「めったに落球しないが、落球した時には自分に腹を立て、悪かった点はコーチが指摘する前に修正してしまう。他の選手たちも、彼がなぜプロボウラーなのか、自ずとわかるはずだ」とシャーマンHC。TEチュムラと入れ違いで入団したTEババ・フランクスにとっても、ウォールズの存在は心強いようだ。「僕にとって指導者はコーチだけだった。全てはプレーしながら覚えていくしかなかったんだ」

今年のパッカーズオフェンスの特徴となりそうなのが、TEフランクスとTEウォールズを左右に並べた、"タイガー"・フォーメーション。「プロボウルTEが2人いたら、TE陣全体のタッチダウン数は必ず増える。保証するよ。相手にとってみれば、僕を重点的にカバーするか、彼をカバーするか、それともランを警戒するのか。これまでは、僕がセットしたサイドが警戒されたけど、今年はそれに新たな次元が加わることになる。きっと面白いことになるよ」とフランクス。

それでも、ウォールズの出番が増えれば、フランクスのキャッチ数やTD数はやはり減ってしまうだろう。すでにその兆候はプレシーズンゲームに表れている。しかしフランクス本人はあまり心配していない。「チームのためになる限り、僕は富を分け合うつもりだ。もしそうでないなら、(スタッツ面でも)欲張りになるかもしれないけど。でも2人がこうして一緒にやることは、チームにとって大きなメリットがあるんだ。間違いないよ」

今日のDTギルバート・ブラウン

注目のDTギルバート・ブラウンは、初練習から一夜明けても腫れやひどい痛みはなく、午後の練習だけフル参加した。パッドなしの軽めのメニューだが、プレー時間そのものは昨日よりもかなり長い。パッドなしではあまり参考にはならないが、今日も良い動きを見せている。シャーマンHCは、先発はともかく、今週のパンサーズ戦に彼を出場させることに決めたようだ。

彼は、右の上腕二頭筋の、ヒジにくっついている側を断裂している。ベンチプレスのような、前にプッシュする動きは全く問題ないが、腕を横に広げようとすると、鋭い痛みが走る。右横を走り抜けようとするボールキャリアーを掴んだり、ブロッカーを止めようとする時が問題だ。彼の能力がそれによってどの程度制限されるのか、首脳陣は見極めなければならない。対面でプレーしたCフラナガンは、「今でも良い動きをしてるし、今でも重たい。彼を動かすのは容易じゃないよ。ケガの前と変わらない。正直言って、ケガする前との違いなんて分からない」と証言している。

Day 31: RBグリーンのファンブル問題は

2003年8月22日

DTギルバート・ブラウンが練習復帰

DTギルバート・ブラウンが、負傷して初めて練習に参加した。上腕二頭筋を断裂したまま高いレベルでプレーができるのか、そして負傷した箇所は大丈夫なのか注目されたが、どちらの点でも良い感触を得たようだ。最初の関門を乗り越えたのか、と聞かれた本人は、「まだ校長から成績表をもらったわけじゃないけど、自分ではそうだと思う。すごくいい感じだ。フィールドに出てプレーできるだけで、もう言うことはないよ。あとはシャーマンHCが決めることだ」

最初は、ヘッドトレーナーが特別に用意したブレースを着用してプレーしていたが、それが煩わしくなったのか途中から自分で外してしまい、厳重なテーピングだけになった。プレー回数そのものはまだ少ないが、「驚くほど効果的なプレーができている。ひょっとしたら、本当にこのままいけるのかも・・・」というのが記者たちの雰囲気だ。「明日の朝まで待って、腫れが出るかどうかチェックしてみないと」 とシャーマンHCは慎重な姿勢を崩さない。彼はチームを助けようと必死でやってくれている。まさに称賛に値するよ。それでも我々は、彼にとって、そしてパッカーズにとって正しい判断をしなければならない」

ギルバートのこのような姿勢が、チームメイトに良い影響を与えないわけがない。「ギルバートのしてることを見て、奮い立たないヤツがロッカールームにいると思うかい? 腕に永久にダメージが残るリスクを承知で、彼はやってる。こんなケガをしたら、99.9%のヤツが手術を受け、家に帰って振り返ることもしないだろうに」 とQBファーヴは語っている。

Day 30: ノールが3番手QB争いをリード

2003年8月21日

バスケの名将ボブ・ナイトHCが登場

カレッジバスケットボールの名コーチ(現役最多勝。インディアナ大が長く、現在はテキサス工科大)、ボブ・ナイトがシャーマンHCの招きに応じ、火曜日の朝のミーティングで、パッカーズの選手たちの前で30分にわたって話をした。「ちょうど9時にボビー・ナイトが入ってきたんだ。『あれっ、この人どっかで見たことある』と思ったら、みんなが拍手を始めた」と驚きを語るQBファーヴ。

「勝利のためには何が大事か」というのがボブ・ナイトの話のテーマだった。「才能なら他の連中だって持っている。才能よりも必要なのは何か。4つあると思う。(耳に入るだけでなく)ちゃんと聞けるかどうか。(目に入るだけでなく)ちゃんと見ているかどうか。まわりとコミュニケートできるかどうか。どのようなコンセントレーションを持てるか。そのようなメンタル面の重要さは、フィジカル面に対して、4対1だと私は固く信じている」とボブ・ナイト。

QBファーヴは「全くその通りだと思う」と感銘を受けたようだ。「シャーマンHCはこれまでに、ビル・ラッセル(NBAの伝説的名センター)、ジョー・フレイジャー(元ボクサー、アリのライバルだった)、ファジー・サーストン(元パッカーズの名ラインマン)、そして今回はボビー・ナイトを招待して、話を聞かせてくれた。普段同じことを自分のコーチから言われたにしても、彼のような人から出た言葉は、違って聞こえることがあるものだ」

Day 29: Sエドワーズ先発当確

2003年8月20日

2番手WR争いが決着

シャーマンHCは、ロバート・ファーガソンが先発WRだと明言し、これで2番手WR争いには一応の決着がついた。「ファーガソンは素晴らしいキャンプを過ごした。彼の成長は本当に嬉しい。彼が優れた選手になることは全く疑っていない。よく勉強するし、とても成熟してきた」とシャーマンHC。やや伸び悩むジャヴォン・ウォーカーについては、「彼もよくなってきてはいる。彼はまだ若い。私は全く失望などしていない」

また、カーステン・ベイリーを7巡指名ルーキーのカール・フォードが追い上げてきた4番手WR争いは、今では五分五分だとシャーマンHCが認めた。ベイリーは先日のブラウンズ戦でも15ydsのTDパスを落球。線は細いがキャッチが上手く、効果的なプレーができるフォードに期待が集まってきている。

DTギルバート・ブラウンはプレー続行へ

上腕二頭筋を断裂したままでプレーすることを望んでいるDTギルバート・ブラウン。ドクターたちやシャーマンHCと話し合った結果、さしあたって手術はせず、リハビリを続けながら復帰を目指すことに決まった。まずは、水曜日の練習に参加して状態を探ることにしている。「たやすい道でないことは分かっている。でも是非そうしたいのだ。フットボールを愛しているし、なんとかトライしてみて、様子を見たい」

無理してプレーすることの影響について、「将来にわたって、ある程度の筋力が失われることになるだろう」とチームドクターのパトリック・マッケンジーは説明する。「ただ、これ以上筋が断裂してしまうリスクはない。すでに完全に断裂してしまっているからだ。悪くなるとしたら、本人の痛みの方だ」とのこと。ヘッド・トレーナーのペッパー・バラスは、今では驚くほど回復している、と証言している。1993年には、カウボーイズのLBケン・ノートンJrが同じようなケガ(11月のことだが)をしたままシーズン最後まで戦ったことがある。

ギルバート本人にしてみれば、契約でゴネた直後にこのようなことになり、チームメイトに対して申し訳ない気持ちも強いのだろう。すでに32歳、仮に手術をして回復しても、来年パッカーズが契約してくれる保証はない。これが自分にとって現役最後のチャンス、そしてチームにとっても優勝への最後のチャンスと考え、やや無謀な挑戦をする気になったのかもしれない。

チームとしても、来年33歳になる彼を温存するメリットは少ない。ダメでもともと、本人の望むように挑戦させて、無理ならそれで仕方がない、と考えてこの挑戦を許すことにしたのではないだろうか。開幕前に、「やはり無理」と結論が出ればそれはそれでよい。問題は、開幕ロースター入りしたとしても、彼がどれぐらいもつか。そのような選手をロースターに残しておく余裕がチームにあるかどうか。しかしノーズタックル陣の惨憺たる現状からすれば、「片腕のギルバートでも他の選手よりマシ」ということになるのかもしれない。

Day 28: FSシャーパーがINT連発

2003年8月19日

DTラリー・スミスと契約

日曜日にグリーンベイを訪れたDTラリー・スミス(元JAX)は、そのままパッカーズと契約を結んだ。詳細は不明だが、ベテラン最低額の$530,000と見られている。もちろん、パッカーズにとっての急務だったノーズタックルの穴をふさぐことが目的だ。いっぽう、ダン・ウィルキンソン(元WAS)の獲得競争からはパッカーズはすでに撤退しており、噂どおりライオンズがウィルキンソンと4年契約した。

ラリー・スミスはフロリダ州立大出身の28歳。高いアスレチック能力を買われ、1999年のドラフト2巡でジャガーズ入りしたが、なかなかスターターの座はつかめず、ローテーション起用されるに留まった。昨年はようやく先発に昇格し、なかなか良いプレーを見せていたが、足首のケガのために、シーズン中にスターターの座を失ってしまった。

彼はむしろトラブルメーカーとして知られている。コフリン元HCの時代から遅刻が多く、チームメイトとの喧嘩も4回を数える。1999年シーズンのAFC決勝のハーフタイムではファンブルロストしたリターナーと喧嘩を起こし、2001年にもチームメイトをぶん殴って出場停止処分を受けている。デル・リオ新HCに代わった今年の夏も、オーバーウェイトでキャンプに参加したことが響き、キャンプ初日に暑さで体調を崩して病院送りになっている。そして先週、30分の遅刻がとどめとなり、ついに解雇されてしまった。

契約を済ませた日曜日の午後、DTラリー・スミスはチーム練習には参加させず、ポジションドリルだけにとどめた。フロリダの暑さと比べ、「ここの気候は素晴らしいね。これなら一日中でも走れそうな気がするよ」とラリー・スミスは上機嫌。ジャクソンヴィルでのさまざまなトラブルについての質問には答えず、「もう過去のことだ。今はグリーンベイにいる。前に進むことに集中したい。これは新たなスタートだと思っている」

確かに問題児であるが、ギルバート・ブラウンを失ったパッカーズにとって、リスクは承知の上。プレシーズンは残り2試合、彼がチームに貢献できないと判断したら、カットすればよいだけのことだ。もちろん補強はこれで完了ではなく、今後もトレードを含めてノーズタックル獲得の方策を探ることになるだろう。

Day 27: 主力組は休養

2003年8月18日

Day 26: 合宿生活は打ち上げ

2003年8月17日

DTラリー・スミスと契約か

DTダン・ウィルキンソン(元WAS)との契約は近い、と見られていたが、最新情報ではライオンズが契約の目前まで来ているようだ。JS Onlineによると、ウィルキンソンの代理人はライオンズとの交渉に集中しており、早ければ今週中にも契約はまとまりそうだ、とのこと。パッカーズにとってのネックはやはりサラリーキャップで、ここに来て金額をアップしたライオンズの提示額とは、かなりの差があるのは間違いない。ただ、ウィルキンソンは"怠け者"だとの定評もあり、キャリアを通じての"underachiever"。無理してまで獲るつもりはない、とパッカーズ側は見ているのかも。

それでもギルバート・ブラウンを失った今、大型のノーズタックルがどうしても必要なことは、プレシーズンゲームの内容からも明らかだ。ウィルキンソン獲得失敗の場合に備え、パッカーズは元ジャガーズのDTラリー・スミスとの交渉を進めている(Press-Gazette紙より)。彼の代理人は、「すでに契約書は私の目の前にある」とまで語っている。

実はこのラリー・スミスも、ウィルキンソンに輪をかけて?評判の悪い選手。フロリダ州立大から1999年のドラフト2巡でジャガーズ入りしたが、4年間で先発はわずか7試合。一昨年にはシーズン中にチームメイトを殴って、コフリンHCから出場停止処分にされている。今年のトレーニングキャンプにはコンディショニング不足で到着してデル・リオ新HCの怒りを買い、しかも暑さで体調を崩して病院に。最後は練習に30分も遅刻して、ついにジャガーズから放り出されるハメになってしまった。

今の時期、FA市場に出ている選手となると、残念ながらこのような選手ばかり。それでもDT不足に悩むチームは多く、少しくらい評判が悪い選手でも、背に腹はかえられない。そのような事情を見越してか、ブロンコスのシャナハンHCが「DTライオネル・ダルトンをトレードに出す」と明言して注目されている。DTダルトンはロッカールームでも人気のある選手のようだが、ノーズタックルを任せるにはサイズ不足だとパッカーズは考えている。しかもサラリーが高いため、仮にトレード条件(ドラフト4巡指名権あたり?)が折り合ったとしても、サラリーキャップ的に無理のようだ。

いっぽう、上腕二頭筋を断裂したDTギルバート・ブラウンの近況。Wisconsin State Journal 紙によると、彼はなんとか今季プレーしようとリハビリを始めており、シャーマンHCに対し「インジャリー・リザーブ(今季は出場不可)に入れないでくれ」と働きかけているとのこと。ドナテルDCは、「シャーマンHCと、チームドクターと、本人が決めることだ。ギルバートがヘッドコーチを説得できるかは分からないが、彼が心底プレーしたがっているのは確かだ」と認めている。Sシャーパーは、「ギルバートは、片腕でもすごい選手だと思う。(筋断裂を抱えたままプレーすることは)結局は、どれだけ痛みに耐えられるかにかかっている。もちろんパワーも落ちる。でも、もし今季プレーすると決断したのなら、彼は真の戦士だよ」

2003年8月16日

Packers 38 - 31 Browns

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
Packers (2-1) 7 10 14 7 38
Browns (0-2) 14 7 7 3 31

昨夜の大停電にもかかわらず、無事に試合が行われた。RTタウシャーとLTクリフトンにとっては、久しぶりの実戦だ。パッカーズオフェンスはパスプロテクション、ランブロックとも良く、順調に得点を重ねた。反則も3回と少なく、キッキングのカバーチームもビッグリターンを許さず、先週の反省は活かした。しかし問題はディフェンス。1stチームがビッグプレーをいくつも許し、簡単に3TDを許したのは不甲斐ない。後半はRBグッドマンの大活躍で、終わってみればタイムオブポゼッションは35分40秒。

最初のパッカーズ攻撃は、ポンポンとパスを通し、最後はWRドライバーへの22ydsTDパス。ところが、次のブラウンズの攻撃で、RBウィリアム・グリーンへのスウィングパスを82ydsのTDにしてしまい、わずか2プレーで同点に。次のブラウンズ攻撃でもWRモーガンへのロングパスなどで攻め込まれ、最後はTEヘイデンへのTDパスで逆転を許す。

第1Q終わりから第2Qにかけてのパッカーズは、ラン中心で14プレーのドライブ。最後はRBアーマン・グリーンのTDランで同点。ここまでやられ放題だったパッカーズ守備だが、CBアル・ハリスがインターセプト。しかし代わったQBピダーソンが、3回連続パス成功のあと、インターセプトのお返しをされる。QBカウチに代わってもブラウンズ攻撃を全く止められず、WRケヴィン・ジョンソンへの20ydsのTDパスを許す。前半終了直前、QBピダーソンからTEウォールズへのパス3回などで敵陣15ヤードまで迫るがTDはならず、FGで4点差に追い上げてハーフタイム。

第3Q、ブラウンズのパントのあと、QBノール率いるパッカーズ攻撃は、RBグッドマンがラン・パス両面の活躍で逆転TDを挙げる。直後のブラウンズ攻撃、最初のプレーでDTマーティンがインターセプトし、敵陣17ヤードでのチャンス。FBルーチーがTDランを決めて10点差に。次のパッカーズ攻撃は、自陣7ヤードでQBノールがファンブルロストして大ピンチ。RBブランチャードへのTDパスを許し、リードは3点に。

第4QはQBアキリ・スミスが担当。RBグッドマンとFBルーチーのランを主体に、最後はRBグッドマンへのシャベルパスでTD。ブラウンズ攻撃は、CBクリス・ジョンソンのパスインターフェアなどで大きくゲインし、39ydsのFGで7点差に。しかしパッカーズは、RBグッドマンのラン中心に4回の1stダウンを更新し、残り4分を使い切って逃げ切り勝ち。

大停電も試合は予定通り

ブラウンズ戦を明日に控えたパッカーズは、午前中、ランボーフィールド内でフォーメーションチェックなど軽い練習をしたあと、クリーヴランドへ。

午後4時過ぎ、選手たちがクリーヴランドのホテルにチェックインして10分も経たないうちに、大停電が起きた。ヘッド・トレーナーのペッパー・バラス、ストレングス・コーチのバリー・ルービンとマーク・ロヴァット、ドラフト外ルーキーのDEエリック・パウエルの4人は、30分近くにわたってエレベーターに閉じ込められた後、ようやく救助された。

ミーティングなどは多少の変更(ビデオが使えない)を強いられたが、ホテルは全般的に平穏で、選手たちの食事や水分補給には問題ないとのこと。「ほとんどのヤツは問題なくやってるよ。話をしたりカードゲームをしたりね。自由時間がちょっと長くなったようなものだ」とFBヘンダーソン。同じホテルには、試合が中止になった女子バスケWNBAのコネティカット・サンの選手たちもいて、互いの不運を慰めあった。

さいわい、金曜日の未明にはクリーヴランドの電力供給は復旧し、予定通りに試合ができそうだ。それにしても今年のパッカーズにとって、オハイオ州はトラブルが多い。先々週のチーフス戦も雷雨に祟られ、試合が途中で終了してしまった。「このあいだがレイン・アウトだと思ったら、今度はブラック・アウトかよ」とLBディッグス。

2003年8月15日

WRアントニオ・チャットマン: Two-family man

正リターナーの座をほぼ確実にしたWRアントニオ・チャットマンにとって残念なのは、一緒に喜んでくれるはずの一番の親友に、その報告ができないことだ。しかし、親友のキーオン・ハミックは、天国から自分を見守ってくれているのだと、チャットマンは信じて疑わない。ロサンゼルスで一緒に育ち、高校ではQBとして共に活躍したハミックが、不運なオートバイ事故でこの世を去ったのは、昨年12月のことだ。

「今でも彼の死から立ち直れずにいるんだ。もう話ができない。電話して、僕がグリーンベイでどんなによくやっているか、話せないのが本当につらいよ」とチャットマン。そう、彼は本当によくやっているのだ。スピードとクイックネスだけでなく、安定したキャッチ力、ミスの少ない判断力を首脳陣は高く評価している。「まだ競争は続いている。しかし、チャットマンが大きくリードしたのは確かだ」とボナメイゴSTコーチも認めている。

シンシナティ大を卒業した2年前の夏、49ersのキャンプでは正当なチャンスがもらえなかったとチャットマンは思っている。練習で素晴らしい動きを見せても、プレシーズンゲームでは一度もリターンさせてもらえず、けっきょく開幕前に解雇。それから2年間、彼はアリーナ・リーグで驚異的な数字を残し、再びNFLのスカウトの目に留まった。$10,000ドルの契約ボーナスでグリーンベイと契約した彼は、リターナー不足のパッカーズキャンプでたっぷりとチャンスをもらえることになったのだ。

公称175cmのチャットマンの肩には重い責任がかかっている。フィアンセのミニーシャとはこの秋に結婚の予定で、すでに1歳の娘がいる。それだけでなく、親友キーオン・ハミックの未亡人と3歳の息子まで、彼は養っているのだ。アリーナリーグでの給料の一部も彼女たちに仕送りしていたし、パッカーズからの契約ボーナスも同じようにした。「別に重荷だとは思わないよ。だって、もし僕が死んでいたら、彼も同じようにしただろうからね。僕らには兄弟以上のつながりがあったんだ」

Day 23: FBヘンダーソンがスターターと宣言

2003年8月14日

Day 22: LBバーネットの気合い

2003年8月13日

Day 21: WRドライバー復帰

2003年8月12日

DTギルバート・ブラウンが上腕二頭筋断裂

ファルコンズ戦で上腕をひどく痛めたDTギルバート・ブラウン。グリーンベイに戻って詳しい検査をした結果、やはり上腕二頭筋を断裂してしまっており、今季はもうプレーできないことが確実になった。ただでさえ、若手選手にケガ人が続出して層が薄いDT陣だけに、チームにとってあまりにも手痛い損失となった。

「彼のために本当に気の毒に思う。ギルバートは私のところへ来て、ケガしたことを謝ってくれた。しかしこれは彼の責任ではないのだ。非常に珍しいケガの仕方で、我々はこのような例を見たことがない。彼にとっても我々にとっても不運としか言いようがない。しかし、いつまでも悲しんでいるわけにはいかない」とシャーマンHC。

このケガを受けて、さっそく月曜日にもDTダン・ウィルキンソンをグリーンベイに招くことになった。30歳のウィルキンソンは、高額サラリーカットを拒否して7月29日にレッドスキンズを解雇。それ以来、ライオンズ、ペイトリオッツが興味を示していると言われ、またレッドスキンズも「安いサラリーなら再び契約してもいい」という姿勢らしい。先週はライオンズを訪問したが、$1ミリオン弱のオファーを蹴ったという噂もある。パッカーズが獲得競争に参入することは、ウィルキンソン本人にとっては望ましい状況かもしれないが、パッカーズにとっての問題はやはり金額ということになるだろう。

現在の控えノーズタックル陣は、惨憺たる状況だ。ロッド・ウォーカーはオフに右肩の大きな手術を行っており、キャンプではほんの少ししか練習に参加できていない。スティーブ・ウォーレンはようやく腰が治って復帰したが、サイズもパワーも足りず、ノーズタックル向きではない。5巡指名ルーキーのジェームズ・リーはキャンプ初日にヒップを痛め、それ以来休んでいる。キャンプ開幕週に好評だったターデル・サンズは足首の捻挫から復帰できず。いま使える選手と言えば、新加入のスティーヴ・マーティンだけ。悪い選手ではないが、スターターの器ではない。

2003年8月11日

ファルコンズ戦のまとめ

ケガ人

CB/Sブライアント・ウェストブルックがアキレス腱断裂で今季終了。2000年のアキレス腱断裂からようやく復活しつつあっただけに、全く気の毒としか言いようがない。ただしチームにとっては、彼はもともと拾い物のような存在でもあり、CBジューの成長やルーキーのCBクリス・ジョンソンの予想外の活躍もある。今すぐ補強が必要になるほどの痛手ではないかも。

DTギルバート・ブラウンが上腕二頭筋をひどく痛めた。詳しい検査待ちだが、シャーマンHCのコメントからも、今季絶望という最悪の事態を覚悟した方が良さそうだ。ただでさえノーズタックルは手薄なため、すぐにでも補強が必要だろう。なんとかキャップの余裕を作って、DTダン・ウィルキンソン(元WAS)の獲得に乗り出すのではないか。

それ以外のケガ人はたいしたことはなさそうだ。WRウォーカー(軽い脳震盪)、RBフィッシャー(ハムストリング)、DEジョー・ジョンソン(肋骨の打撲)、DEウォコーリー(肋骨の打撲)など。

よかった人

QBノールが2つのドライブをタッチダウンに結びつけ、アキリ・スミスとの3番手争いを有利にした。

RBダヴェンポート、FBニック・ルーチーのコンビは、ショートヤーデージでパワフルなランを見せ付けた。

WRカール・フォード。5番手WRを確保したというより、4番手のベイリーをプッシュしつつある。

CB陣。相手先発オフェンス陣に立て続けにやられた時も、主にターゲットにされたのはLB陣とセーフティ陣で、CB陣が標的にされることはなかった。

KRアントニオ・チャットマン。今回も良いキックオフリターンを3回見せた。ただし、ひとりで手を滑らせたのか、ファンブルロストしそうになった。

悪かった人

QBアキリ・スミス。インターセプトは1つだったが、相手セーフティが捕り損なわなければ、2つになるところだった。立場は悪くなった。チャンスはあと3試合。

QBピダーソン。ロングパスの際に手が滑り、ヘロヘロのボールが簡単にインターセプトされた。

Sアントワン・エドワーズ。判断が遅く、ポジショニングが悪く、コンテインを怠り、相手先発オフェンス陣にビッグプレーをいくつも許した。アンダーソンはスターター当確だろう。

LBバーネット。良いプレーは随所にあるが、まだ時おりルーキーらしいミスが出てしまう。特に相手先発陣が出ているときはそうだった。LBウィルキンズやLBヒレンマイヤーも同様。

カバーチーム。「KRチャットマンが、パッカーズのカバーチーム相手ならどれだけ走れるか見てみたい」という意地悪な意見も。

2003年8月10日

Packers 27 - 21 Falcons

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
Packers (1-1) 3 7 17 0 27
Falcons (0-1) 14 7 0 0 21

パッカーズは先発のディフェンス陣がガタガタで、ファルコンズの先発オフェンス陣に立て続けに3つのタッチダウンを奪われた。しかし第2Q、3番手QBノールが登場したあたりから盛り返し、相手ターンオーバーを活かして得点を重ねた。控え守備陣の頑張りで後半は無失点に抑え、なんとか逃げ切って格好をつけた。

最初の2回のファルコンズ攻撃は、どちらもKRロッサムのナイスリターンに始まり、あっというまにタッチダウンを許す。パッカーズは2回目のドライブでようやく2つ1stダウンを更新して3点を返す(QBファーヴはここまで)。第2Qのはじめ、QBピダーソンの被インターセプトから、QBダグ・ジョンソンのTDパスでさらに7点追加される。前半残り6分から登場のQBノールは3つの1stダウンをしぶとく重ね、最後はRBダヴェンポートの3ydTDラン。

後半に入ってもQBノール。相手DBのパスインターフェアにも助けられ、最後は再びRBダヴェンポートが4ydsTDランを決めて4点差に。その直後、ファンブルリカバーでチャンスを得たところでQBアキリ・スミス登場。1stダウンは獲得できなかったが40ydsのFG成功で1点差に。両者パントのあと、QBキトナーがエンドゾーンでファンブルし、Sジャクソンがリカバーしてタッチダウン。逆転。その後、アキリが1stダウンを奪えずにいるうちに、第4Qなかば、自陣エンドゾーンでパスインターフェアを犯し、自陣1ydsの大ピンチ。しかしDEキャンプマンがRBタリーからファンブルフォース、Sシェパードがリカバー。QBスミスが苦労しながら2つ1stダウンを更新して時間を稼ぎ、最後のファルコンズ攻撃をDEキャンプマンのサックで止めてなんとか逃げ切り。

トレーニングキャンプ中間報告

キャンプもなかばを過ぎ、期待はずれのベテラン、使えそうなルーキー、ポジション争いのゆくえなど、いろいろなことがしだいにはっきりしてきた。ここで一通りのまとめを。

◆ QB ◆ 控えの序列はピダーソン、ノール、アキリ・スミスの順で変わらず。今年もピダーソンに2番手を任せることはほぼ確実な雰囲気だ。3番手争いは、今後のプレシーズンゲームしだい。

◆ RB/FB ◆ RBグリーン、ダヴェンポート、FBヘンダーソン、FBルーチーまではほぼ確実。あと一人がRBラマー・スミスになるか、RBフィッシャーになるか。どちらもケガで低調な争いとなったことだけが残念。

◆ WR ◆ このところケガ人(大きなケガはないが)が増え、実り多いキャンプとは言えない。ファーガソンとウォーカーの2番手争いはファーガソンがかなり優勢だったが、ケガで一休みしている間にウォーカーが必死で追い上げている。ドライバー、ファーガソン、ウォーカー、ベイリー、そしてルーキーのフォードまでの5人まではロースター入り確実。チャットマンかルービンか、正リターナーになった選手が6番手WRとしてロースター入りしそう。

◆ TE ◆ 2番手候補のマーティンがケガでプレーできず、期待はずれのユニットだったが、大ベテランのウォールズ獲得で状況は一変。攻撃のオプションが増えるとともに、マーティンの成長を待つ余裕ができた。ついにタイロン・デイヴィスとおさらばできそうだ。

◆ OL ◆ 大ケガからの復帰を目指すRTタウシャーとLTクリフトンが極めて順調なことが、今年のパッカーズキャンプの中での最高のニュース。2人が開幕に先発出場できることは確実となった。この吉報と比べれは少々のトラブルは我慢できる。RTバリーの出来は期待はずれだが、OL全体では、昨年よりデプスが充実しているのではないか。ルーキーの長身OTカーティンが左タックルとしてやっていけそうなことも、将来に向けて明るいニュース。

◆ DL ◆ ギルバート・ブラウンと再契約したのはよいが、若手の控えNTたちがケガ人ばかりで頭が痛い。現状では、新加入のスティーブ・マーティンが2番手NT。DTハントもまずまずだが、DEジョー・ジョンソンは「もう並の選手。プロボウラーだった頃のプレーを期待すべきではない」という見方が一般的になってきた。DEバジャ=ビアミラの状態は文句なし。DEレイノルズは相変わらずお荷物。3巡指名ルーキーのDTケニー・ピーターソンは、可もなし不可もなし。

◆ LB ◆ いちばん心配されたユニットだったが、その心配はDL陣の方に移ってきた。1巡指名ルーキーのバーネットが、期待に違わぬ活躍。キャンプ開始当時と同じ、WLBディッグス、MLBバーネット、SLBネイヴィーズの3人で開幕を迎えることになりそうだ。ただ、この3人をプッシュする控えのレベルが低いのは確か。どの3人がロースター入りするかまだ流動的だが、レノン、ウィルキンズ、ヒレンマイヤーが有力か。マーシャルは4試合出場停止なので、処分が明けたときにロースターに入れるかどうか判断すればよい。7巡指名ルーキーのジョシューはプラクティス・スクワッドが有力。

◆ DB ◆ LB陣と同様、ケガ人が少なく、充実したキャンプを送っている。新加入のCBハリスはかなり好評で、昨年までのタイロン・ウィリアムズより少しアップグレードしたと言えるかも。7巡指名ルーキーのCBクリス・ジョンソンは3、4番手をうかがう勢い。アンダーソンとエドワーズの先発争いは、依然としてアンダーソンがリード。CBウェストブルックがセーフティに挑戦して好結果を出しているので、課題だったセーフティ陣のデプスも心配はなくなってきた。DB陣の層の厚さはパッカーズ守備の大きな強みだ。

◆ スペシャルチーム ◆ KロングウェルとPビドウェルは全く心配なし。問題のリターナーは、アリーナリーグ出身のWRアントニオ・チャットマンが最有力で、2番手がWRカール・フォード。ケガで出遅れたWRルービンの巻き返しなるか。

2003年8月 9日

Day 17: 新人WRフォード好評

2003年8月 8日

Day 16: TEウォールズが初参加

2003年8月 7日

TEウェスリー・ウォールズが正式に契約

元パンサーズのTEウェスリー・ウォールズが正式にパッカーズと一年契約を結んだ。契約ボーナスは$25,000ドルで、ベースサラリーは10年以上ベテランの最低額、$755,000ドル。昨年から実施されたベテラン優遇策により、サラリーキャップには$475,000ドルしかカウントされない。水曜日から練習に参加する予定だが、土曜日のファルコンズ戦まで実質的に2日間しか練習できないため、出場できるかは微妙だ。

「グリーンベイのような良いチームでプレーし、チームをさらに前進させる手助けができるのはとても嬉しい。1996年シーズンのことはよく憶えている。パッカーズはTEチュムラがいるところに、TEキース・ジャクソンを獲得し、2人の非常に優れたTEを揃えた。そうなると、オフェンスが良くなることは証明済みなわけだ。私は、チームに新たな側面を加えることができればいいと思っている」とウォールズは期待を語る。「急にチームに加わって、エースになろうなどという幻想は抱いていない。フランクスが毎年成長し続けるのを見てきたし、プロボウルで会ったこともある。彼はとても謙虚で、フットボールに真剣に取り組んでいる。彼と一緒にプレーするのが楽しみだよ」

パッカーズ首脳の前で行ったワークアウトは、タイトエンドとしてのお手本のようなものだったようだ。ジャゴジンスキーTEコーチは、「彼のワークアウトは、"アンビリーバブル"だった。30歳か、27歳ぐらいに見えたよ。彼の走るルートは、これこそ私がTEに走ってほしいと思うようなルートだった」と絶賛する。「他の人がどう思おうと、スピードは衰えていない」とウォールズは強調する。「みんな僕は遅いと言うけれど、僕は相手からフリーになる術を知っている。それがこのゲームのカギなんだ」

現在37歳のウォールズだが、今年限りで引退しようという気持ちはさらさらないようだ。彼は妻と2人の子供を連れてグリーンベイに引越し、新学期までに子供たちを地元の学校に転入させることにしている。ふつうベテラン選手が移籍するときは、元の生活をあまり変えないよう、単身赴任の形をとるのが一般的なのだが。「チームに加わって、思っているようなプレーができれば、来年もきっとチームは僕をほしがってくれるはずだからね」とウォールズは張り切っている。「移籍先を選ぶときに妻にも言ったことなんだけど・・・。ミーティングルームでパッカーズのビデオを見るとき、僕はいつも考えてた。『あんなクォーターバックと一緒にやれたらどんな感じがするだろう』 って。ファーヴが見せるフットボールに対する情熱が、僕は大好きだね」

2003年8月 6日

Packers 0 - 9 Chiefs

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
Packers (0-1) 0 0 0 0 0
Chiefs (1-0) 3 3 3 0 9

第3Qの途中、激しい雷雨のために試合は中断され、コミッショナーの決定により、そのまま終了となってしまった。そのため、注目のQBアキリ・スミスは出番なし。殿堂入りウィークの一環でこの試合を観戦していた元WRジェームズ・ロフトンは、23年前の出来事を思い出していたようだ。1980年8月2日、パッカーズ対チャージャーズのプレシーズンゲームも、雷雨のために途中で中止となっている。「オレのせいにしないでくれよ。93年にここでプレーしたときは降らなかったんだから」とロフトン。

「典型的なプレシーズン初戦だった」とシャーマンHCが振り返ったように、何ともしまらない試合内容だった。試合開始直後から反則(7回)を繰り返した。オフェンス陣は3回のターンオーバーを犯し、1stダウンはわずか5回、トータルヤーデージは125ydsで、けっきょく無得点に終わった。ディフェンスは2番手QBコリンズにかなりやられたものの、LBウィルキンズが3サックでピンチを救うなど、なんとかタッチダウンは与えずにしのいだ。

2003年8月 5日

TEウェスリー・ウォールズが契約に合意

元パンサーズのTEウェスリー・ウォールズがパッカーズとの契約に合意した。競合相手のレッドスキンズが提示額を引き上げ、契約はほぼ確実との噂が出ていただけに、この契約は嬉しい驚きだ。パッカーズの、ベテラン最低額$755,000ドルのオファーを受け入れたのは、スーパーボウルにより近いと判断したこと、LBネイヴィーズ、RBラマー・スミスなど、パンサーズでのチームメイトが何人もいることも有利に働いたのだろう、とパスカレリ記者は分析している。

ウェスリー・ウォールズはミシシッピ大出身の37歳。1989年のドラフト2巡で49ersに指名されるが、ケガもあってサンフランシスコでは芽が出なかった。1994年にセインツに移ってようやくスターターに定着し、才能が花開いた。そして1996年にパンサーズに移ってからは5回のプロボウル出場を果たし、名実ともにNFLトップクラスのレシービングTEとなった。しかし2000年シーズン中にヒザの手術をしてからはパフォーマンスが落ち、またラン重視のチーム方針もあって、数字が大きく落ち込んでしまった。さいわい、今ではかなり状態が良いことを、パッカーズのフィジカルテストでは確認済みだ。

この契約の背景には、パッカーズの控えTEたちの不振がある。期待された3年目のTEマーティンが伸び悩み、今はハムストリングのケガでろくに練習できない状態。3年続けて、「ミニキャンプでは好評だが、トレーニングキャンプになるとダメ」というパターンを繰り返している。そして、ベテランのTEタイロン・デイヴィスは常にオーバーウェイトで動きが鈍く、今度こそついにシャーマンHCから見限られた、ということだろう。

パッカーズはTEウォールズに加えてTEルーサー・ブロウトンと契約した。 通算62試合に出場した6年目のベテランで、8試合に先発した経験がある。ファーマン大から1997年のドラフト5巡でイーグルスに指名され、その後パンサーズ、イーグルス、パンサーズと行ったり来たり。昨年はベアーズと契約するが、開幕前にカットされ、それ以来NFLからは離れていたようだ。TEブロウトンと入れ替わりに、ハムストリングを痛めていたTEジョーイ・ナップが解雇された。

Notebook: いよいよプレシーズン初戦

プレシーズン初戦のチーフス戦は、ホール・オブ・フェイムのあるオハイオ州カントンで行われる。日曜日、選手たちはランボーフィールドで軽い調整を行った後、現地へと向かった。

2003年8月 4日

来年オフの契約状況

かつての弱い時期のパッカーズでは、FAと言えばチームを出て行くものと決まっていたが、幸い今のパッカーズはそうではない。それに、主力選手とはできるだけFAになる前に契約延長を済ましておくというのが基本方針なのだ。早めに契約延長することで、ケガした場合のリスクは増えるが、比較的安い額で長期契約できる。一昨年にはRBアーマン・グリーン、CBマッケンジー、Cフラナガン。昨年はRTタウシャー、WRドライバーとの契約延長がシーズン中に済んでいた。

失敗例の典型と言えるのがWRアントニオ・フリーマン。大型契約を結んだ直後から成績ががた落ちになり、昨年6月についに解雇。$10ミリオンもの契約ボーナスだったため、今年のサラリーキャップには彼の"Dead Money" が$4.2ミリオンも計上されている。不祥事から解雇となったTEチュムラも、高額契約が裏目に出たケースだ。しかし全般的には、このような方針はうまく機能していて、マイナスよりもプラスの方が大きいと、チーム首脳は考えている。

そのような努力の結果、スターター22人の中で、来春FAとなるのはわずかに1人、LTチャド・クリフトンだけ。彼は異例の大ケガだったため、契約延長していないのは、当然と言えば当然だ。また、DEバジャ=ビアミラとLBディッグスも来春にFAとなるはずだったが、今春のRFA市場で人気になったため、パッカーズとしては、予定外の早い時期に長期契約を結ぶ結果になった。もともと最優先と考えていた選手たちなので、まあ結果オーライと言っていい。他に来春契約が切れるのは、Pビドウェル、Sエドワーズあたり。

ここ数年、キャップに破綻をきたすことなく中核選手の引き留めに成功してきたのは、交渉/サラリーキャップ担当のアンドリュー・ブラントの力によるところが大きい。かつて選手の代理人として働いた経験のある彼は、安い額を受け入れるよう説得する、"マジック"でもあるのでは、と言われるほどだ。彼は、その功績から副社長の一人に加えられ、将来の社長(パッカーズの場合オーナーの役も務める)の候補と目されるようになった。

LTクリフトンが戦列復帰に成功すれば、おそらくシーズン中に契約延長交渉が始まるだろう。今はサラリーキャップの余裕が$50万ドルほどしかないので、誰かの契約を見直して余裕を作る必要はあるが。「クリフトンの状態を、よく見ていく必要がある。そして2人のDB、ウェストブルック(1年契約だったため)とエドワーズだね。もちろんPビドウェルも同様だ」と語るブラント。やはりこの中でも、サラリーの相場の高い左タックルのクリフトンが一番大きな問題になりそうだ。

Day 12: 有力選手たちもサイン会に

2003年8月 3日

先発フルバック争い

先発FBウィリアム・ヘンダーソンは安泰と見られていたが、FBニック・ルーチーの追い上げが急だ。270ポンド級の巨体を活かした豪快なブロック、パスキャッチの上手さ、さらにボールキャリアーとして使え、TEもこなせる。ミニキャンプではオーバーウェイトで首脳陣の不興を買ったが、今はその問題もない。クルームRBコーチは、ルーチーの能力の高さをべた褒めしながらも、「ものすごいブロックも見せてくれるが、まだ安定性に欠ける。問題になるのは安定性と信頼性だろう」と釘をさす。

いっぽうFBヘンダーソンの売りは、そのプロフェッショナリズム。コンディショニングも完璧で、ケガを押してプレーを続けるタフさは比類がない。長年の実績に裏打ちされた信頼感があるのだ。クルームRBコーチは「私としては2人とも確保したいが、どうなるかは分からない」と語る。サラリーキャップの問題もあり、比較的高額なフルバックを2人も抱える贅沢ができるかどうか。もしどちらかがカットされるとしたら、32歳のヘンダーソンになってしまうだろう。

Day 11: 名TEウォールズがGB訪問

2003年8月 2日

Sバウ・ジュー: 祖国リベリアの苦悩

昨年の鼠蹊部のケガから立ち直ったCBバウ・ジューは、プロ入り以来最高のコンディションをキープし、3番手CBを争っている。フィールドに出ているときはフットボールに集中できるが、練習が終わったとき、考えてしまうのは祖国リベリアの内戦のことだ。彼が1歳のとき、ジューの家族は略奪が横行するリベリアを離れ、合衆国へ渡った。バウ・ジュー本人はそれ以来リベリアに帰ったことはないが、可愛がってくれた祖母や、たくさんの親戚がいまでもリベリアの首都モンロヴィア周辺に住んでいる。

西アフリカに位置する人口320万人のリベリア共和国は、 合衆国とは密接な関係がある。1820年代に、合衆国の解放奴隷の居住地としてアメリカ人によって開拓され、1847年に独立した国なのだ。この国がクーデターや内戦を繰り返してきたのには、実権を握る解放奴隷の子孫と、それに反抗する土着の人々との争いが背景にある。1980年代のはじめ、バウ・ジューの家族が出国を決意したのも、軍のクーデターの際に親戚が殺されたのがきっかけだった。

「指導者たちがしていることは、権力を握り、国の資源を自分たちのために使い、人民を貧困の中に留めるということだ。大きな軍隊を持ち、その軍隊は略奪し、殺戮し・・・。10歳や12歳の子供がAK-47ライフルを持ってる。そんな状況を、テイラー大統領が作り出してきたんだ」とCBジューは憤りを隠せない。さいわい祖母たち親族は、ジューからの多額の送金もあり、今のところは無事に暮らしていて、食料の不足もない。しかし首都周辺の多くの人々は、戦闘のために救援物資さえ行き渡らず、飢餓と疫病にさらされている。

1989年に支配権を掌握したテイラー司令官は、1997年の選挙で大統領になった。そのテイラー政権を倒そうと反政府勢力が攻勢を強めている、というのがこのところの内戦だ。「テイラーを退陣させたからって、全ての問題が解決するわけじゃない。彼でさえ、軍のすべてを掌握していないからだ。市民社会が平静を取り戻すには、まだ何年もかかると思うよ」

Day 10: 両タックルは引き続き順調

2003年8月 1日

Day 9: WRドライバー夫人がぶじ出産