DT ジェームズ・リー James Lee | |||||
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ドラフト5巡(147位) | 背番号64 | 195cm | 147kg | Oregon State | 1980年 3月 12日生 |
経歴 : オレゴン州セーラム出身。高校時代はフットボール(DT)のほかに、砲丸投げや円盤投げも。おそらく成績が足りず、2年間はジュニアカレッジへ。そこでの最後の試合で前十字靭帯を断裂してしまい、オレゴン州立大への編入一年目はトレーニング不足からオーバーウェイト。大学4年時でさえも、先発させてもらえず、ローテーション起用されるに留まった(ただしディフェンスの全スナップのうち60%でプレー)。これまでは常に、怠け者のファット・ガイ、という評価がつきまとった。 セールスポイント : 典型的なノーズタックル。パスラッシュよりも、ブロッカーを2人受け止めてLBを自由に動かせるようにするランストッパー。巨体のわりにフットワークが軽く、荒削りだが潜在能力は高い。体重327ポンドで40ヤード走をなんと4.88秒で走ったらしい。スカウティング・コンバインで、40ヤード走をはじめとするドリルで優秀な数字を記録して注目を集めた。腕は長い。 弱点? : 2年間ジュニア・カレッジに行っていたため、トップレベルでの経験が少ない。技術的に未熟な点が多く、恵まれた身体能力だけに頼りがち。プロのランストッパーとしてやっていくには、手の使い方などテクニックを磨く必要がある。下半身のエンジンは強力だが、上半身の筋力をもっと鍛える必要がある。225ポンドのベンチプレス23回は、DTとしてはかなり不満が残る。 リー自身、 かつては怠け癖があり、ウェイトルームよりもテレビゲームばかりしていたことを認めている。しかもオレゴン州立大に編入した時には、ヒザの大ケガでトレーニング不足だった。オレゴン州立大で先発させてもらえなかったのは、やはり練習熱心でないとみなされたため。「みんなが僕を見るたび、『お前は太っている。遅い。もっと走らなきゃ』 ばかり言われるのには飽き飽きしている」とリーは語り、今ではwork ethicも向上し、ハードに筋トレに励んでいると主張している。 メンタル面 : 明るく陽気で、人懐こい。よく喋ってくれるので、ロッカールームで記者が集まってくるタイプ。上で紹介したように、自分への甘さを克服し、work ethicを向上させることが求められている。普通、指名当初は甘い言葉ばかり言われるもので、最初からこれほど厳しく球団から釘を刺されるのは珍しい。 指名の経緯 : ドラフト2日目、パッカーズには4巡指名権がなく、6巡指名権が3つあったので、ほしい選手がいたら積極的に獲りに行くことは予定の行動だったのだろう。シアトルに6巡指名権を譲渡して、5巡30位から5巡12位にトレードアップ。ただ、スターターでもなかった選手、しかもメンタル的に問題がありそうな彼を獲るのは、ちょっとしたギャンブルだ。そのリスクは首脳陣も認めている。 5巡指名を目前にして、シャーマンHC本人がDTリーに電話をかけた。過去の怠け癖を決して繰り返さず、しっかり体を作ることを本人に確認してから、指名に踏み切ったのだという。「私は彼に、『君はもっと徹底して体を絞る必要がある。約束してもいい。君には、これまで経験しなかったほどしっかり体を作らせるからな』 と言ったんだ」とシャーマンHC。リーの返答も十分満足いくものだったため、「おめでとう、君はパッカーだ」とシャーマンHCは言い渡した。ドラフト外も覚悟していた本人は狂喜し、記者会見では卒倒しかねないほどだった。 パッカーズにとって : ケガの多いDTギルバート・ブラウンの負担を減らす、または取って代わるノーズタックルをパッカーズが必要としていたのは周知の通り。DTリーはまさにそのような選手だ。ただし、まだ未熟な点が多いため、即戦力とは言い難く、一年目からどれぐらいプレータイムをもらえるかはわからない。さしあたって、ロッド・ウォーカー、スティーヴ・ウォーレンあたりとロースター枠を争うか。 |