グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2003年5月19日
ランボーフィールドの建設は、その一部が地元ブラウン郡の売上税0.5%によってまかなわれている。2000年秋の住民投票が僅差での可決であったことが示すように、熱狂的と言われる地元民でさえ、新スタジアムへの税金投入には反対する人は少なくない。球団側としては、フットボールファンだけでなくそのような人々へも、スタジアム建設の利点や、進捗状況、今後の見通しを説明する責任がある。
球団社長のボブ・ハーラン、副社長のジョン・ジョーンズ、会計担当のジョン・アンダーウッドの3人が、Press-Gazette紙とのロングインタビューで、新スタジアムのさまざまな点について説明を行った。 あまりに長いので、要点だけを紹介。
- 予算面でも、スケジュール面でも、建設は順調である。2年続けて冬が穏やかだったことが、工事を進める上で非常に幸運だった。予算面では、4つのゲートのうち3つのスポンサーが予定より早く決まったことも助けになった。昨年新装成ったPro Shopの売り上げも、単独のショップとしてはおそらくNFLで最も大きいだろう。
- 売上税による税収も順調で、ほぼ毎月のように予想額を上回っている。増税の際に懸念されたような、消費の落ち込みや景気への悪影響などは見られない。予想額を上回っているため、予定よりも早く、この0.5%の増税を終わらせることができそうだ。
- これまでに建設に関して契約した約$280ミリオンのうち、$200ミリオン以上がウィスコンシン州内の企業に支払われている。そのうち、ブラウン郡の企業は$87ミリオンから$88ミリオンである。
- 工事が進むうち、かつて反対した人々の中にも、支持者が増えてきている。
- 2シーズンをホームから離れずに戦いつつ、工事を進めることが出来たのは非常に大きかった。シャーマンHCは我々にすごく感謝していた。もし1年でもホームゲームを他の街に移したら、チームは16週をアウェーで戦うことになり、ファンには長距離の移動を強いることになり、地元経済も大きな打撃を受けたことだろう。
- リーグによる利益分配のシステム、サラリーキャップ、そしてスタジアムからの収入の3つが、NFLチームの財政の柱である。
- '96年シーズンに優勝したころは、パッカーズの収入はNFL9位だったが、他チームが新スタジアム建設を進めるうち、3年前には20位まで下がってしまっていた。スタジアムが完成すれば、再び上位に入ることができ、今後30年は競争力を保つことができるだろう。
- 市民球団であるパッカーズは、困った時にポンと大金を出してくれる大富豪のオーナーがいない。そのような後ろ盾を持たないパッカーズを財政的に安定させるには、手持ちの資金(内部留保)を多く蓄えておく必要がある。新スタジアムはそのためにも必要だった。
- 昨年、フットボール部門の予算は約$100ミリオンで、それ以外の内部留保は約$35ミリオンだった。今後のサラリー上昇を考えると、できれば$100ミリオンの手持ち資金を蓄えておきたい。一年でその額が達成できるとは思わないが。
- 市民球団であるだけに、儲かった分がオーナーのポケットに収まる心配はない。
- 新スタジアムが地元経済に与える恩恵は大きい。特に旅行業。外から来たファンたちが落として行ってくれるお金が、さまざまな形で地元経済を潤してくれる。しかも、これからは年中(ほぼ)無休となるから、観光名所としての価値も大幅にアップ。「ランボー詣で」のファンを一年中ひきつけることができる。
- ランボーフィールドの良さは、まるでカレッジのゲームのような、古きよき雰囲気を残していることだ。日曜の午後だけ車でやってきて去っていくのではなく、木曜や金曜から家族でグリーンベイを訪れ、月曜日まで滞在する。もちろん経済的にも大きい。
- 大リーグではレトロな新スタジアムがいくつかできたが、NFLでは、新ランボーフィールドだけである。また、旧スタジアムの横に新スタジアムを作るのと違い、ロンバルディHC時代と全く同じフィールドで、これからもゲームが行われる。
- スタジアムの命名権売却について。動きが活発だった数年前と比べ、市場が完全に冷え切ってしまっている。いまだに、真剣に検討してくれる企業は現れていない。
- 9月7日のこけら落としに向けて、1週間にわたる祝賀行事を計画中である。6月中には発表したいと考えている。