グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2003年5月 9日

LBディッグス中心の再編成

この春、LBナイル・ディッグスがDETに移籍するかどうかでモメた時、彼本人の不満は「パッカーズがRFAとして最低額のオファーしかしてくれなかった」 ということだと報道された。しかし、金額面での評価はともかく、実際は低評価なんてとんでもない話だ。昨年12月に月間MVPに選ばれた彼を、パッカーズはディフェンス陣の中心に据えようとしている。

これまでの3年間、比較的負担の少ないストロングサイドで実績を残してきたディッグス。ミスが少なくシュアなタックル力、正確な判断力、安定したパスカバーなどオールラウンドな能力を発揮し、スピードこそあれ不安定なネイト・ウェイン(PHIへ移籍)とは対照的だった。堅実さだけでなくプレイメイカーとしても、昨季のディッグスはポテンシャルの高さを見せた。第14週のMIN戦の残り5分、RBベネットへのスクリーンパスを彼は一発で仕留め、その後の逆転勝ちにつなげた。翌週の@SFでも、残り37秒でのRBハーストのドロープレーを3ydsゲインで止めたことが、きわどい逃げ切り勝ちにつながった。

ウェインを解雇し、ニッカーソンとの再契約を見送ったパッカーズは、ディッグスを中心にLB陣を再編成するという方針で一貫していた。移籍問題でそれが揺らいだことは大誤算だったが、結果的に長期契約を結ぶことが出来て、言ってみれば「雨降って地固まる」。彼本人は契約問題について、「全ては過去のことだ。大事なのは今であって、今僕は幸せだし、チームの全ての人がそれをわかってくれている。報道してほしいのは、僕がここグリーンベイでとても幸せだってこと。コーチも僕がいてハッピー、家族も僕がここにいてハッピー、回りの選手たちも僕がここにいてハッピー。ここが僕の場所なんだ」

彼が新しく担当するのは、ウェインの抜けたウィークサイドLB。現在のスキームでは、このウィークサイドLBが最も多くタックルを決めることができる。 「これまで、ビッグプレーを最も決められるポジションに、彼を置いてはいなかった。だから、今オフのひとつの目標は、彼をもっとプレイメイカーとして使う、ということなのだ」 とシャーマンHC。 これまでのようにTEに対するのではなく、自由に動けるスペースが増えることによって、より良いプレイメイカーになれると、コーチたちは考えている。オープンサイドからブリッツをかけられるのも魅力だ。

ディッグスがウィークサイド、1巡ルーキーのバーネットがミドル、FA移籍のネイヴィーズがストロングサイドを担当することになった、注目のミニキャンプ。ディッグスの感触は上々だったようだ。「コーチたちは、僕のフィーリングや動きをすごく心配していた。『もしやりたくなければ・・・もし少しでも不安を感じるなら、君にはやらせない』 とコーチたちは言っていた。僕の答えは、完全にイエスだ。やってみようじゃないか。僕のフィーリングや動きに対し、コーチたちは満足したようだし、僕も満足いく出来だった」

とはいえ、現在のポジションで開幕を迎えると決まったわけではない。バーネットはミドルの経験が少なく、サイズがやや小さい。フィジカル面で苦戦するような場合、ディッグスをミドルに移すと予想されている。「まだ何も決まったわけではないし、必ずしも計画どおりに行くものではない」 とドナテルDCも認めている。 「どんなポジションであれ、プレーを決めるだけのことだ。プレーヤーがポジションを作るのであって、ポジションがプレーヤーを作るんじゃない」 とディッグス。「僕は自分のゲームをワンランク引き上げることを期待されている。それにLB陣で一番のベテランの僕が、ディフェンスの中心として指示を与え、仲間をモーティベートすることを期待されている。その用意はできているよ」

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