グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2003年4月29日

ドラフト指名選手情報

1巡 LBニック・バーネット

土曜日の夕方に指名を受けて、早くも日曜日の朝8時にグリーンベイ空港に降り立つ。ランボーフィールドを含めたチーム施設の見学、そして記者会見(トップページ写真)。1巡指名選手として即先発を期待されることについて、「プレッシャーのことは心配してない。フィールドに出て、ハードにプレーする。心をこめてプレーすれば、それ以外のことはなんとかなる、そう考えている」 とバーネット。

まだ決まったわけではないが、大学時代もあまり経験のないミドルLBを、とりあえずプレーすることになった。オレゴン州立大では、特定のスキームではインサイドLBをプレーすることもあったが。 「新しいポジションだけど、似たポジションだ。なにも、WRやRBをやるってわけじゃない」

40ヤード走のタイム(4.64秒)はそれほどではないが、コンバインで記録した、20ヤードのシャトルラン(4.07秒)は全LB中最速。225ポンドのベンチプレス32回も、全LB中最多だった。極めて練習熱心で、work ethicは申し分ない。彼の精神面にも球団首脳は惚れ込んだらしい。

1stダウンと2ndダウンだけで引っ込むようなLBなら、1巡指名はしなかった、とシャーマンHC。バーネットのパスカバレッジ能力を高く買っている。昨年は、LBディッグスだけを残すダイム隊形を使うことが多かったが、それも変わるかもしれない。「これまでは、ウチは早目からダイム隊形(4-1-6)を使うことが多かったが、彼のカバー能力があれば、もっとニッケル隊形(4-2-5)を使うかもしれない」とシャーマンHC。

3巡 DT/DEケニー・ピーターソン

指名順位が3巡まで落ちたのは、ハムストリングを痛めて、40ヤード走を走れなかったことが大きかったらしい。「確かに、3巡の半ばで指名されたことは驚いた。しかし、何事にも理由があって起きるのだと、神は仰っている。だから、僕が3巡で指名されたことも、神がそう考えられたことに違いない」とピーターソン。

彼は高校でも大学でも全米チャンピオンになっていて、「NFLでチャンピオンになれば、"trifecta" を達成できる」と、馬券の三連単に例えた。そうなるのも神の思し召しだと考えているらしい。「素晴らしい伝統のあるオハイオ州立大を出て、さらに素晴らしい伝統のあるグリーンベイでプレーできるなんて最高だ」

チームとしてはいまのところ、DTとパワーDEでの兼用を考えている様子。

5巡 DTジェームズ・リー

学業に問題があったのか、最初の2年はジュニア・カレッジ。その最後の試合でヒザの前十字靭帯を断裂してしまったため、オレゴン州立大での1年目はトレーニング不足からオーバーウェイト。大学4年時でさえも、先発させてもらえず、ローテーション起用されるに留まった(ただしディフェンスの全スナップのうち60%でプレーしている)。これまでは常に、怠け者のファット・ガイ、という評価がつきまとった。

5巡指名を目前にして、OTを獲るかDTリーを獲るかという選択になった時、シャーマンHC本人がDTリーに電話をかけた。過去の怠け癖を決して繰り返さず、しっかり体を作ることを本人に確認してから、指名に踏み切ったのだという。「私は彼に、『君はもっと徹底して体を絞る必要がある。約束してもいい。君には、これまで経験しなかったほどしっかり体を作らせるからな』 と言ったんだ」とシャーマンHC。リーの返答も十分満足いくものだった。

リー自身、 かつては怠け癖があり、ウェイトルームよりもテレビゲームばかりしていたことを認めている。しかもオレゴン州立大に編入した時には、ヒザの大ケガでトレーニング不足だった。「みんなが僕を見るたび、『お前は太っている。遅い。もっと走らなきゃ』 ばかり言われるのには飽き飽きしている」とリーは語り、今ではwork ethicも向上し、ハードに筋トレに励んでいると主張している。

ドラフトで指名されるかどうか確信のなかったリーは、パッカーズに指名されて大喜びだった。指名直後の記者会見では、 "Oh my gosh," を何度も何度も繰り返し、過呼吸になりかねないほどだった。

5巡 LBハンター・ヒレンマイヤー

パッカーズはドラフト6巡指名権に7巡指名権を足して、この5巡指名権をイーグルスから手に入れた。スカウティング・コンバインに招待されなかったことが、彼が5巡まで落ちてきた理由らしい。チームとしては彼をミドルLBとして考えている。

6巡 OTブレナン・カーティン

もしレギュラーシーズンでプレーしたら、球団史上最高身長となる206cm。

いかにも未完の大器、というタイプ。にもかかわらず、彼がアーリーエントリーしたのには理由がある。昨秋、彼は大学のドラッグ・テストの際、髪のサンプルをチームメイトのものとすりかえて提出したのだ。そのために大学側から出場停止を喰らい、大事なボウルゲームに出場できなかった。これでノートルダムに居づらくなるとともに、ドラフトでの評価も下がることになった。能力的には、彼を6巡で指名されたのはラッキーだった。

本人は、「検査の1週間前のパーティで、マリファナを吸っているヤツがいた。その煙が髪の毛に残っているんじゃないかと心配で、すりかえてしまった」と明かしている。 チーム側は、その点についても、大学側の関係者に十分に調査をし、彼は決してそのようなタイプの人間ではないとの確信を得て指名に踏み切った。「彼があそこまで残っているなんて、信じられなかった。思わず息をのんだよ」とベクトルOLコーチ。

上体のパワー不足は、チーム首脳も認めている。昨シーズン中に肩の関節を痛めて、十分な筋トレができなかったせいもあるらしい。225ポンドのベンチプレスで18回しか上げられなかったのは、OLとしてはかなり不満が残る。「欠点があるとしたら、その部分だ」とベクトルOLコーチ。

7巡 CBクリス・ジョンソン

来年のドラフト6巡指名権と交換に、この指名権を獲った。40ヤード走で4.23秒(4.18秒という説も)という驚異的なスピード。今年のドラフトでは最速らしい。大学3年時にはリターン・スペシャリスト、4年の時もハムストリングを痛めて欠場するまではリターナーだった。

彼もジュニア・カレッジ経由であり、CBとしてはまだまだ未完成。CBとしての将来性と、リターナーとしての可能性を買っての指名。パッカーズのコーチがルイヴィル大を訪れて彼をテストした時、レイダーズの代表も次に控えていた。シャーマンHCはOAKに先を越されることを恐れ、トレードアップしたらしい。「典型的な"アル・デイヴィス指名"じゃないかと思ってね」

ルイヴィル大のコーチによると、彼はルイヴィルの"read-and-react"スキームには合っておらず、本来はバンプ&ランや、WRと密着して走る方が得意とのこと。つまりパッカーズの方が向いている、ということらしい。

7巡 WRデアンドリュー・ルービン

これもリターナー。サウスフロリダ大では、大学記録となる29回432yds(平均14.9yds)のパントリターンを記録。キックオフリターンでも、15回平均26.8yds、1TD。7巡指名のリターナー候補としては申し分のない実績。

ただし、開幕ロースターに残るには、リターナーとして認められるだけでなく、第5WR、悪くても第6WRの座を確保しなければならない。最近パッカーズに加わった、WR/KRガリ・スコットなどライバルは多い。

7巡 WRカール・フォード

身長183cm、スモールカレッジ出身、同じ7巡指名、性格の良さなど、シャーマンHCは彼をWRドナルド・ドライバーに例えている。40ヤード走4.43秒というスピードはまずまず優秀。4年時はパスキャッチ79回1062yds。彼もまたリターナーの候補のようで、「シャーマンHCに、『ロースターに残るには、スペシャルチームでのプレーも重要な要素になる』 と言われた」 とWRフォード自身が明かしている。

7巡 LB スティーヴ・ジョシュー

テネシーにあるカーソン - ニューマン大からは11年ぶりのドラフト指名。40ヤード走4.4秒というのは、LBとしては非常に速い。少なくとも8チームが彼に興味を示したというが、本人は最後までドラフトされるかわからなかった。「彼は非常に速いラインバッカーだ。まだ粗削りだが、いっしょにやってみる価値はある」とシャーマンHC。

カテゴリ : Draft, Notebook