グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2003年1月16日

ルーキー総括 その1

ロン・ウルフ元GMが去って初めてのドラフトとなった2002年。このドラフトの最大の特色は、2巡指名権を投げ出して1巡20位にトレードアップし、WRジャヴォン・ウォーカーを指名したことだった。これが当たりだったかどうかは、来季以降を見てみなければわからない。また、LBを指名せず、FA市場で大ベテランのハーディ・ニッカーソンを獲得しただけだった昨オフの補強は、完全に失敗に終わった。今年のドラフトではミドルLBの上位指名が確実視されている。

飛び抜けた活躍をしたルーキーはいなかったものの、全体としてみればルーキーたちの貢献は大きかった。ケガ人続出のチーム事情の中、必ずしも即戦力として期待されていなかった選手までも実戦投入され、堅実なプレーを見せてチーム崩壊を防いだ。精神的にもしっかりした選手が多かったのも特徴だ。もし今季のルーキーたちが2001年組のように不甲斐なかったら、今季のパッカーズの成績は9勝7敗ぐらいだったかもしれない。今季のもう一つの特色は、ドラフト外ルーキーたちが何人も(ロースター入りを果たしただけでなく)チームに大きく貢献したこと。

WRジャヴォン・ウォーカー

ドラフト1巡20位。トレーニングキャンプでファーガソンを上回り、3番手WRとしてシーズンへ。開幕戦でパスキャッチ4回56ヤードの活躍を見せて期待されたが、その後は50ydsの試合が一つあっただけで、1巡指名としては不満の残るシーズンだった。シーズン終盤には4番手WRに降格となり、レギュラーシーズンの最終成績は23回319ydsに留まった。

スピードを買われてキックオフリターンを任されることが多かったが、あまりリターナー向きの走り方でもなく、ビッグプレーはほとんどなかった。シーズン終盤には完全に「ルーキーの壁」にぶつかり、11週以降の7試合ではパスキャッチわずか10回109yds。時おり光るものを見せるが、集中力に欠けるのかイージーな落球が多く、毎試合のように凡ミスがあった。しかし両先発WRの途中退場したプレーオフでは、キャリア最高の5回104ydsの活躍。

確かにドラフト1巡としては物足りない成績だったが、ルーキーWRというのはえてしてこういうもので、2年目以降にブレークすることも多い。プロのオフェンスに習熟し、考えなくても体が動くようになれば、集中力不足による凡ミスも減るはず。もちろんファーヴの剛速球にも慣れてくる。サイズがあって競り合いにも強いので、本来ウェストコーストオフェンスに向いたタイプ。来季は、グレンやファーガソンと2番手WRの座を争うことになりそうだ。

Sマーカス・アンダーソン

ドラフト3巡。第2週までは出場機会が全くなかったが、A・エドワーズが腕を骨折した第3週の@DETで、78ydsのINTリターンTDを決めてラッキーボーイに。第6週からは先発に昇格し、そのままシーズン終了までスターターを務めた。シーズン中盤までに4INT、2ファンブルリカバーを記録し、中盤の7連勝の原動力の一人だった。ビッグプレーメーカーとして、新人王の有力候補に挙げられたほどだった。

今季のルーキーの中で最もチームに貢献したアンダーソンだったが、終盤には完全に失速。ボールへの嗅覚は優れたものがあるが、まだポジション取りやアサインメントのミスが多く、終盤はミスタックルも増えた。最後の4試合でわずか合計5タックル。INTもファンブルフォースorリカバーも一つもなかった。相棒のダレン・シャーパーがカバーしてくれるうちはあまりボロが出なかったが、シャーパーが欠場した第17週とプレーオフでは、ディフェンス陣のウィークポイントになってしまった。今では、「中盤の活躍は単なるラッキーだった」と酷評する記者もいる。

来季も同じように、彼とエドワーズ、ボウエンの3人が先発の座を争うことが予想されるが、エドワーズは運動能力こそ高いがアンダーソンのような嗅覚やセンスに欠ける。ボウエンは堅実だがややスケールが小さい。というわけで、来季もアンダーソンがスターターとなる可能性は高い。今季はアンダーソンがスクリメージ近くで実質ストロング・セーフティとなることが多かったが、シャーパーは前に上がった方が活きる、という意見も多い。アンダーソンはCBの経験もあってパスカバー能力も高いから、フリーセーフティとして安心して使えるようになれば、シャーパーももっと自由自在に動き回れるようになるはず。

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