「言い訳はできない。どれほど大事なものがかかった試合だったかは、みんなが知っていた」とQBブレット・ファーヴ。「相手はやることなすこと全てが上手くいった。今日は我々には本当にタフな日だった。チャンスがそこにあることをわかっていながら、それを手から逃してしまった」とDEホリデイ。パッカーズはこの敗戦によってプレーオフの第3シードとなり、ホームフィールド・アドバンテージも、1stラウンドのbyeのチャンスも失った。
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土曜のナイトゲーム(日本時間では日曜の朝10時)にファルコンズを迎え、ワイルドカード・プレーオフを戦うことになった。それに勝てば@タンパベイでのバッカニアーズ戦。「何ひとつ決まったわけじゃない。ホームフィールドアドバンテージが全てを決めるわけじゃない。これまでだってロードでたくさん勝ってきたんだ。毎週毎週、僕らはフィールドに出てハードにプレーしなきゃいけない。もしロードに出なきゃならないなら、そうするまでのことだ」と語るのは、ルーキーのSアンダーソン。
落ち込んでいる暇はない。中5日間で、特にディフェンスを立て直さなければならないのだ。エド・ドナテルDCは、ブロンコス時代に、同じような終盤の大敗から立て直してスーパーボウルを制覇した経験がある。「僕は全く同じシナリオを経験したことがある。やればできるんだ。それができる人格も、タレントも揃っている。道筋が変わっただけで、ゴールは変わったわけじゃない」とドナテルDC。「この敗戦は忘れたいと思うよ。でも、今の僕らの気持ちを忘れたくはない。どんな理由であれ、今日起きてしまったことを、二度と起こすわけにはいかない。僕らには挽回するチャンスがあるんだ」とLBウェイン。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
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Packers (12-4) | 0 | 10 | 0 | 7 | 17 |
Jets (9-7) | 0 | 14 | 14 | 14 | 42 |
気温は4℃。前日にジャイアンツ戦が行われたこともあって、芝の状態が非常に悪い。第1Q途中で、「ドルフィンズ逆転負け」の知らせが入り、スタジアムは大変な騒ぎに。ジェッツは勝てば地区優勝。一方パッカーズは勝てばプレーオフの第1シードが決まる。
両者ともパントの蹴り合いが続いた後、第1Qの終わりごろからジェッツのオフェンスがリズムをつかむ。WRコールズへの43ydsパスでGB陣深くに攻め込み、FBアンダーソンへのTDパスが決まってジェッツ先制。いっぽうパッカーズは敵陣ゴール前まで攻め込むものの、FGによる3点どまり。次のドライブでもWRクレベットへのTDパスを許したパッカーズだが、前半終了間際にWRグレンへのTDパスを通して、なんとか4点差としてハーフタイムへ。
後半冒頭のジェッツのドライブは、 WRコールズへの17ydsパスに始まり、アンネセサリーラフネスなどでGB陣5まで来たところでRBマーティンのTDラン。パッカーズが3&アウトに終わったあと、ジェッツはWRモスへの13ydsTDパスを決めて18点差。次のパッカーズのドライブはレッドゾーンまで攻め込んだところでインターセプト。まだ第3Qながら、ここで勝負ありといった感じ。第4QのはじめにWRクレベットへのTDパスで25点差。残り14分もあるが、パッカーズはQBファーヴもRBグリーンも下げてしまい、完全にあきらめモード。スタジアムが祝福ムードに包まれる中、パッカーズはQBピダーソンがTDパスを決め、ジェッツはQBテスタバーディがTDドライブを指揮した。
パッカーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ジェッツ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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今シーズン、イヤと言うほど繰り返されてきた、QBブレット・ファーヴの引退の時期についての話題だ。「来年は続ける。それ以降はわからない」ということでファーヴは一貫しているのだが、今回は、「もしスーパーボウルに勝ったら?」という部分の微妙なニュアンスに、グリーンベイの外のメディアが飛びついた。下記のような発言をとらえて、『ファーヴは今年優勝したら引退するかも』と書き立てていることに、地元メディアの方は少しあきれている様子。
「来年はプレーすると決心している。もしスーパーボウルに勝ったら? その答えは、これまでも、そしてこれからも、『そんな立場で決断ができたらいいな』ということだ。スーパーボウルに勝ったからって引退するとは限らない。僕の立場で考えてみよう。頂点で引退したいか? その通り。そう思わないヤツが他にいるか? それまでには、たくさんの事が起きなければならない。でも、僕は来年も戻ってくるつもりだ」とファーヴ。 「チームメイトたちは、ファーヴの最後の年だから、と特に頑張っていると思うか?」と聞かれたファーヴは、"No, I don't think so. No. I really don't."と答えている。
パッカーズは、リターナーのJ.J.モーゼスを解雇し、34歳の名リターナー、エリック・メトカーフと契約した。メトカーフは1989年にドラフト1巡13位でブラウンズ入りして以来、リーグを代表するリターナーとして活躍し、プロボウル出場3回。WRとして、また時にはRBとしてもプレーしてきた。ファルコンズに移った'95年には104回1189ydsのパスレセプションも記録している。'00年にはフットボールから離れていたが、昨季半ばにレッドスキンズと契約し、10試合に出場。パントリターン33回で平均12.5yds、1TDの好成績を残している。
昨季終了後、メトカーフはどのチームとも契約せず、引退状態になっていた。リターナー問題に悩んでいたパッカーズはオフに彼と契約することも検討したが、DBと兼任できるダリエン・ゴードンとの契約を、その時は選んだ。メトカーフは今回の契約を、「予期してなかったどころじゃない。連絡があるなんて想像してもいなかった。34歳のパントリターナーにお呼びがかかるなんてそうあるもんじゃない。幸いにも彼らはそうしてくれた」と喜んでいる。クリスマスにメトカーフを呼んでワークアウトを行ったパッカーズ首脳は、RBとしてのテストも行ったようだ。このところRBが2人しかロースターにいなかったパッカーズは、メトカーフをリターナー兼RBとしてロースター登録した。
現在、パッカーズはパントリターンでNFL最下位、キックオフリターンでNFL24位。藁にもすがりたい気持ちだったとはいえ、メトカーフのスピードは錆び付いてはいないのか。「そういう感じはないね。一番きついのは、最初のヒットを受ける時だと思うんだ。でもパスをキャッチしたり、パントをキャッチしたりするのは、自転車に乗るようなものだ。心配要らない、できることは自分でわかってる」とメトカーフ。ただし、錆び付いている以上のリスクもある。彼は通算52回のファンブル歴があり、昨年も4回のファンブルがあった。しかしリスクと言えば、モーゼスを投入したこともリスクを承知の上でしたことだ。「練習では試合と同じように、少しタックルを受けさせてみることにする。メトカーフの経歴は素晴らしい。誰とても完璧ではないが、練習をさせてどうなるか見てみるよ」とシャーマンHC。
パッカーズは、先日OLアルセンダー・ジャクソンを解雇したロースター枠を使って、ベテランOGジェフ・ブラックシアと契約した。ブラックシアは、シーホークス、レイヴンズ、チーフスで、左右両ガードとして通算96試合の先発経験のある33歳のベテラン。今年の7月末にパッカーズと契約してキャンプに参加したが、開幕ロースターに残れずに解雇されていた。
またパッカーズは2つ空いていたプラクティス・スクワッドのスポットに、RBレジー・ホワイトとQBグレッグ・ゾルマンと契約した。オクラホマ州立大出身のRBホワイトは、昨年ドラフト外ルーキーとしてジェッツと契約したが、開幕ロースターに残れずに解雇。タイタンズやスティーラーズのプラクティス・スクワッドで過ごしたあと、ジャガーズと契約して5試合に出場。スペシャルチームでプレーした。
QBグレッグ・ゾルマンはヴァンダービルト大出身。ドラフト外ルーキーとして今年の春にコルツと契約し、開幕ロースターに残れずに解雇されていた。ヴァンダービルト大では、39試合に先発し、成功率54%、7981yds、41TD、40INTの記録を残している。
HOME | AWAY |
Chicago | Chicago |
Detroit | Detroit |
Minnesota | Minnesota |
San Francisco | Arizona |
Seattle | St. Louis |
Denver | Oakland |
Kansas City | San Diego |
Philadelphia | Tampa Bay |
来年の対戦相手は、同地区のホーム&アウェイを6試合、NFC西地区と4試合、AFC西地区と4試合することがあらかじめ決定している(今季はNFC南とAFC南だった)。残る2試合は前年の地区内順位によって、NFC内の同じ順位のチームと対戦しなければならない。今年地区優勝したパッカーズは、同じく地区優勝のイーグルス、バッカニアーズと対戦することが決まった。
地区再編成によってバッカニアーズとは別れたはずのパッカーズだったが、今年に続いて来年もまた、苦手の@タンパベイで試合をしなければならない。また、49ersとは、プレーオフを含めると九季連続の対戦となる。
実際の試合日程は毎年3月下旬か4月上旬に発表されるのが普通だ。
今週はタンパベイが敗れたために、パッカーズは現在NFC2位に上がった。12勝3敗でイーグルスと並んではいるが、あちらはNFC内で11戦全勝のため、パッカーズやバッカニアーズと並んだ場合、イーグルスの方が上になる。以下は、最終週を迎えるにあたっての上位3チームのシナリオ。(引き分けの可能性はとりあえず無視)
(1) | 土曜日の@NYGでPHIが勝てば、PHIのNFC1位が決定。 |
(2) | PHIが敗れた場合、GBが@NYJで勝てば、GBが逆転でNFC1位に。PHIは2位。 |
(3) | 同じくPHIが敗れた場合でも、GBも敗れた場合は、PHIがそのままNFC1位に。GBの順位はTB@CHIの結果次第。 |
(4) | PHIとGBがともに敗れ、TBが@CHIで勝った場合、1位PHI・2位TB・3位GBの順となる。 |
(5) | GBが敗れ、TBも敗れた場合は、PHI・GB・TBの順となる。ただし、SFがSTLに勝った場合は、TBとSFが入れ替わってSFが3位・TBが4位に。 |
ビルズのハイパワーオフェンスを零点に抑え、1プレー平均2.8ydsは1998年のジャイアンツ戦以来の好成績。今季最高のパフォーマンスを見せたディフェンス陣を引っ張ったのはもちろんDEヴォニー・ホリデイ。チーム記録となる5サックは、どれもチームのピンチを救う絶好のタイミングで飛び出した。しかしそのチャンスはDB陣のカバーが良かったために生まれたのだとホリデイは言う。「5つのうち3つは、"カバレージ・サック"だと思うよ。僕はちょうどいいタイミングでそこにいただけだ」。しかしあまりブリッツを入れず、ほとんどが4メンラッシュでこれだけのパスラッシュをかけられたことは価値がある。
悲しみをこらえながらのプレーでもあった。17歳の又従兄弟マーカスが土曜夜のバスケットボールの試合で先天的な心疾患のために倒れ、そのまま亡くなったからだ。その知らせを聞いたのは土曜の夜のこと。「天使が上から見守っていてくれた、と思わないわけにはいかないよ。今日は彼が力を貸してくれたんだ」とホリデイ。ホリデイが卒業した高校に通っていたその少年は、「僕の一族では、バスケかフットボールで将来のスーパースターになる、と言われていたほどのアスリートだった」とのこと。ホリデイは、ノースカロライナ大にいたころ、自分を"Uncle Vonnie"と慕うたくさんの従弟たちをレンタルのバンに詰め込み、大学を案内したことなどを思い出しながらプレーしたのだと言う。5つめのサックで勝利を決めた彼は、サイドラインに引き上げるとタオルをかぶり、涙を流した。
第1Q、自陣ゴール前での大ピンチに、エンドゾーンへのパスをインターセプトしてチームを救ったSダレン・シャーパー。余分だったのは、ニーダウンしてタッチバックにせず、リターンを試みたことだ。14ヤード地点でFBセンタースのタックルをヒザの横方向から受けてしまい、右ヒザを痛めて退場。シャーマンHCは、シャーパーが無理にリターンし、最悪の結果を招いたことに強い不満を表した。つい2週前、ヴァイキングス戦の最後でシャーパーが無意味なリターンTDを狙ったことを叱ったばかりだから尚更だ。「彼はリターンすべきじゃなかった。これは結果論じゃない」とシャーマンHC。
現時点での診断は、外側側副靭帯(MCL)の捻挫。最初は「来週プレーできる可能性は低い」と言っていたシャーマンHCだが、ドクターたちの診断は思ったより良かったようで、「ドクターたちの報告で、彼が来週出られる可能性が十分ある、とわかって勇気づけられた」と上向きになっている。「ドクターたちは普段、試合直後の時点では非常に慎重なことしか言わないもので、もし彼らが『出られる可能性がある』と言ってくれれば、それは可能性が高い、ということだ」
シャーパーの退場で代わりに入ったのはSマット・ボウエン。CBマクブライドも欠場だったため、この日のダイム隊形は、両先発CB、Sアンダーソン、Sボウエン、Sエドワーズ、CBウェストブルックの6人。ボウエンを含めて、DB陣はビルズオフェンス相手によく守った。「僕はシャーパーじゃないし、シャーパーにはなれない。彼はプロボウル・セーフティだ。でも誰かが退いても、ディフェンスを変えるわけにはいかない。誰かが代わりに入って、続けなければ。僕らは毎日このディフェンスを練習してる。一人いなくなったぐらいじゃ変わらない」とボウエンは胸を張る。
開幕から第3WRとしてプレーしてきたルーキーのウォーカーが4番手に下げられ、この試合からWRロバート・ファーガソンが3番手に昇格した。3WRセットではほとんどの場合ファーガソンが入り、ウォーカーがプレーしたのはわずか8スナップだけ。パスキャッチがゼロだっただけでなく、パスが彼に投げられることさえ一度もなかった。一方ファーガソンは1キャッチ11yds。しかしエンドゾーンでのロングパスキャッチがわずかにアウトオブバウンズだった、という惜しいプレーもあった。
この3番手WR交代の理由は、WRウォーカーがこのところルーキーの壁にぶつかっていて、落球が多いということもある。しかし首脳陣はウォーカーの不振よりも、ファーガソンが良くなっているからだと主張する。「ファーガソンは練習でもハードにやっていて、スペシャルチームでの活躍を見てもわかるように、今非常にアグレッシブになっている。プレー機会を増やすのに値する」とロスリーOC。「彼はフィジカルで、ブロック力もあるタフガイだ。そこもいい」
しかし、ロスリーOCもプロ人事部長のレジー・マッケンジーも、先週の練習ではウォーカーが非常に良かったことを認めている。「若いレシーバーというものは、いつ期待したような成長を見せてくれるのか、わからないものなのだ。ファーガソンだって、去年は非難の的になっていた。今ではいいプレーをしているし、それはウォーカーだって変わらない。たぶんウォーカーも、最近は良いプレーが出来ていなかったと自分でもわかっているだろう。この何週間かは彼も練習で良くなってきている。しかしファーガソンはもっと良くなっていると思う」とレジー・マッケンジー。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
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Bills (7-8) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
Packers (12-3) | 0 | 3 | 0 | 7 | 10 |
気温は-3℃。風が強い。最初のドライブでQBファーヴがINTを喫し、自陣9ヤードでのピンチを招いたパッカーズだが、自陣ゴール内Sシャーパーがインターセプトを決めて失点を逃れる。その後は両者ともディフェンスが頑張って、膠着状態に。第2QにFGで3点を先制したパッカーズだが、その後も敵陣に入りながらFG圏内まで進めない。
第3Qは完全にビルズペース。10分近くかけてGB陣ゴール前まで攻め込むが、TDが奪えない上にFGまで失敗に終わる。第4Qに入りると完全にDEホリデイの独壇場で、このQだけで4サックを決める大活躍。彼のファンブルフォースで奪ったボールをWRドライバーへのTDパスに結び付け、10点差。最後も、ビルズのドライブをサック&ファンブルフォースで止めたのはDEホリデイだった。
<第1Q> GB陣26からのパッカーズは、3rdダウン7からWRドライバーへのパスをインターセプトされ、GB陣9での大ピンチとなる。ビルズの攻撃は、RBヘンリーのランが4ydsロスのあと、GBのフェイスマスクの反則で、GB陣6での1stダウン。パス失敗、ヘンリーの2ydsランで3rdダウン。WRプライスへのパスをSエドワーズがディフレクトし、SシャーパーがエンドゾーンでインターセプトしてGB陣14までリターン(シャーパー負傷)。パッカーズはRBグリーンの4ydsラン、2ydsラン、WRグレンへの9ydsパスで初の1stダウン。パス失敗、4ydsランのあと、RBグリーンへのスクリーンパス失敗でパント。BUF陣32からのビルズは、ヘンリーの2ydsラン、パス失敗のあと、WRリードへの17ydsパスでGB陣49へ。FBセンタースの2ydsランのあと、RBヘンリーがファンブルし、BUF陣49でDTハントがリカバー。しかしパッカーズは3&アウト。BUF陣6からのビルズ攻撃は、WRプライスへの5ydsパス、ヘンリーの6ydsランで1stダウン。さらに3rdダウン7から、GBのパスインターフェアで1stダウン。TEリマーズマへの11ydsパスでBUF陣42へ。ヘンリーの4ydsラン、TEリマーズマへの9ydsパスでGB陣45へ。パス失敗、ヘンリーの3ydsラン、モウルズへのロングパス失敗でパント。GB陣10からのパッカーズは、RBグリーンの6ydsラン。第2Qへ。
<第2Q> 2ndダウン4からRBグリーンのラン2回で1stダウン。さらに16ydsランが出てGB陣37へ。RBフィッシャーへの0ydsパスのあと、WRドライバーへの14ydsパスでBUF陣49へ。WRグレンへのパスは2ydsロス。BUFのホールディング反則で1stダウン。グリーンのランはノーゲイン、WRファーガソンへのパス失敗で3rdダウン10、QBファーヴがサックされて結局パント。BUF陣10からのビルズは、3&アウトでパント。パッカーズはGB陣48からのチャンス。3rdダウン7から、WRドライバーへの20ydsパスでBUF陣29へ。エンドゾーンへのパス失敗、グリーンの4ydsランで3rdダウン6。グリーンの8ydsランでBUF陣17へ。3rdダウン8から、フィッシャーのランはノーゲイン。33ydsのFGが決まってようやく先制。BUF陣34からのビルズ攻撃は、3rdダウン3から、DEバジャ=ビアミラのサックが決まってパント。GB陣34からのパッカーズ攻撃は、WRグレンへの12ydsパスでGB陣46。2ミニッツ。グリーンの4ydsラン、ファーガソンへの11ydsパスでBUF陣39へ。WRドライバーへの1ydsパス、6ydsパスで3rdダウン3。スクランブルからエンドゾーンへパスを投げるが失敗。4thダウンギャンブルするがパス失敗。残り29秒。ビルズの最初のパスをLBディッグスがBUF陣45でインターセプト。残り23秒。RBグリーンへの10ydsパスでBUF陣35へ。残り5秒から、FGは狙わず、パスを投げるが失敗。ハーフタイムへ。
<第3Q> BUF陣31からのビルズは、ヘンリーの10ydsランで1stダウン。TEムーアへの7ydsパス、ヘンリーの7ydsランでGB陣45へ。ヘンリーの9ydsラン、RBモリスのノーゲイン、QBブレッドソーのスニークで1stダウン。WRプライスへの9ydsパス、ヘンリーのノーゲイン、プライスへの5ydsパスでGB陣20へ。WRプライスのリバースランは7ydsのロス。しかしWRモウルズへの11ydsパスとフェイスマスクの反則でGB陣8へ。ヘンリーの3ydsラン、ノーゲインで3rdダウン。DEホリデイのサックが決まって10ydsロス。Kホリスが33ydsのFGを失敗してパッカーズの攻撃に。WRグレンへの8ydsパス、グリーンの3ydsランで1stダウン。RBグリーンへの7ydsパス、QBサック、パス失敗でパント。BUF陣32からのビルズ攻撃は、ヘンリーの1ydsロス、モウルズへの13ydsパスでBUF陣44へ。モウルズへのパス失敗、ヘンリーの2ydsロスで3rdダウン12。プライスへのロングパスは失敗に終わりパント。GB陣16からのパッカーズは、RBグリーンが7ydsラン。第3Qへ。
<第4Q> RBグリーンの2ydsラン、TEデイヴィスへのパス失敗でパント。リターナーのCBクレメンツがフェアキャッチをミスしてファーガソンがリカバー。しかし最初のパスをそのCBクレメンツがBUF陣10でインターセプトして結局ビルズの攻撃に。パス失敗、ヘンリーの4ydsラン、パス失敗で3&アウト。パントが追い風に乗った上によく転がり、なんと84ydsのパントでGB陣2へ。パッカーズ攻撃は、グリーンの2ydsラン、2ydsランで3rdダウン6。RBフィッシャーがファンブルするが、なんとかWRドライバーが押さえてパントへ。50ヤードからのビルズ攻撃。ヘンリーの3ydsラン、DEホリデイのサックで7ydsロスして3rdダウン14。さらにDEホリデイがサックしてファンブルフォース。DEレイノルズがリカバーしてBUF陣39からのパッカーズ攻撃に。RBグリーンの28ydsランが出て一気にBUF陣11へ。3rdダウン10から、WRドライバーへの11ydsTDパスが決まって10点差に。ビルズ攻撃はBUF陣16から。WRモウルズへの8ydsパス、TEリマーズマへの11ydsパスでBUF陣35へ。パス失敗、フォルススタート、パス失敗で3rdダウン15。サックされたブレッドソーがファンブルし、かろうじてビルズOLがリカバー。パント。残り4分52秒、GB陣29からのパッカーズ攻撃。RBグリーンの6ydsラン、FBヘンダーソンへの6ydsスクリーンパスで1stダウン。(BUFタイムアウト) グリーンの2ydsラン、5ydsランで3rdダウン3。(BUFタイムアウト) グリーンのランは3ydsのロス。(BUF最後のタイムアウト) 残り3分15秒、BUF陣17からのビルズ攻撃。パス失敗、RBヘンリーへの11ydsパスでBUF陣28。プライスへの7ydsパス、モウルズへの9ydsパスでBUF陣44。モウルズへの4ydsパス。2ミニッツ。WRチャールズ・ジョンソンへの22ydsパスでGB陣30。プライスへの13ydsパスでGB陣17。スパイク。残り1分19秒、DEホリデイが今日5つめのサックを決めてQBブレッドソーがファンブル。DTハントがリカバー。QBファーヴが2回ニーダウンして試合終了。
パッカーズは、プラクティス・スクワッドのCBアーウィン・スウィニーを53人ロースターに昇格させ、入れ替わりにRBモーリス・スミスを解雇した。CBスウィニーはネブラスカ大出身のドラフト外ルーキー。キャンプ中から評判がよく、開幕ロースターには残れなかったものの、今季のほとんどをパッカーズのプラクティス・スクワッドで過ごしてきた。DB陣にケガ人の続出した10月半ばには53人ロースターに引き上げられ、ペイトリオッツ戦でプレーしたあと、再びプラクティス・スクワッドに戻っていた。
RBモーリス・スミスが解雇されるのは今シーズン2回目。これでまたRBはグリーンとフィシャーの2人だけになってしまうため、FBトニー・カーターが3番手RBも兼ねることになるはず。RBグリーンの体調が万全ではないのに控えRBをカットするということは、DB陣のケガ(CBマクブライド、Sシャーパー)の状態と関係があるのだろうか。
パッカーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ビルズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「今年はたくさんの選手が選ばれて、信じられないぐらいだ。去年は僕とグリーンの2人だけ(ファーヴ欠場のため)だったから、ベアーズたちが5人も6人も出てるのを見てるだけだったからね。今年はもっと認めてもらえるよ」と喜ぶのはTEババ・フランクス。
木曜午前の練習後、シャーマンHCが選手たちを集めて、プロボウル選出選手の発表を行った。ファーヴ、フランクス、シャーパー、グリーンの4人の名前を読み上げた後で、シャーマンHCは補欠選手の発表に移った。
WRドナルド・ドライバー (first alternate)
DEカビーア・バジャ=ビアミラ
FBウィリアム・ヘンダーソン
Kライアン・ロングウェル (first alternate)
CBマイク・マッケンジー
LGマイク・ウォール
RGマルコ・リヴェラは、ああ今年もハワイ行きはダメだったかと思った。20年間もパッカーズのOL陣はプロボウルに選ばれていないのだ。シャーマンHCは「一人の選手がチームを代表する」とかなんとか話している。すると、ファーヴがリヴェラの真横に来て、二カッと笑っている。「離れないとぶっ飛ばすぞ」とリヴェラは思った。少し間を置いて、シャーマンHCが茶目っ気たっぷりに言った。「ああ、ところで、マルコもプロボウルに行くことになった」。 リヴェラは息をするのも忘れ、腱が断裂している両膝にはさらに力が入らなくなった。チームメイトが彼を取り囲み、祝福の輪ができた。
すぐに妻ミシェールに電話をかけると、彼女も電話口で泣き出してしまった。「全てのハードワーク。全ての犠牲。ケガを押してプレーしてきたこと。ウェイトルームでの努力。オフシーズンのトレーニング。自分を向上させるため、これまで僕がしてきた全ての狂ったような努力が、ついに報われたんだ。ここまで来るのは長い道のりだった。'96年にドラフト6巡で入ってから、ここに到達するまで」。昨年に延長した契約のなかに「プロボウルに出たら5万ドル」という条項があることなど、すっかり忘れてしまっていた。「ワオ、こりゃあいいね」
ケガを押してプレーする選手は珍しくないが、今年のリヴェラのタフネスぶりは際立っている。 片方のヒザの外側側副靭帯(MCL)は完全に断裂し、もう片方のMCLは部分断裂。両膝にニー・ブレースをつけて全試合先発するなど、尋常ではない。プエルトリコ出身の肉屋の倅としてニューヨークのブルックリンで生まれ、手が血だらけに傷ついても決して休まない父親から、男の仕事とはどういうものかを叩き込まれて彼は育った。「マルコはNFLで最もタフかもしれない」とベクトルOLコーチ。
RBグリーンも、「本当に、本当に嬉しいよ。僕がプロボウルに行けるのも、彼のような選手たちが穴を開けてくれるからなんだ。彼が出られると思っただけで嬉しくて笑えてくる。マルコがライン全部を代表して出てくれるのはいいことだ」と喜んでいる。「スーパーボウルに出た'96年と'97年でさえ、OLからは選ばれなかったんだ。僕が行けるなんて、大変な名誉だと思う」とリヴェラ。
今シーズンのプロボウルに、パッカーズからは下記の5人の選手が選ばれた。ファーヴ、フランクス、シャーパーの3人は確実と言われていたが、ケガが多かったRBグリーンはやや意外。そして最も意外な選出だったのは、もちろんRGマルコ・リヴェラだ。パッカーズから5人も選ばれるのは'98年以来。パッカーズのOLが選出されるのは、'83年のCラリー・マッカレン(現在はラジオ解説でおなじみ)以来とのこと。プロボウルの先発メンバーが発表されるのは1月2日。
QBブレット・ファーヴ 2年連続7回目
RBアーマン・グリーン 2年連続2回目
TEババ・フランクス 2年連続2回目
RGマルコ・リヴェラ 初出場
Sダレン・シャーパー 2年ぶり2回目
11月24日、テネシー州マーティンに住むドッツィー・クリフトンは夫ハロルドと、いつものように息子チャドの試合をテレビ観戦していた。しかし気がつくと息子がフィールドに倒れ、いつまでたっても立ち上がらないではないか。やがて息子はストレッチャーに乗せられて、地元タンパの病院へ。「こんなことがあると、胃がむかむかしますよ」と母は言う。1000マイルも離れていては、どうすることもできない。「あの瞬間は何が起きたのか見えなかったけど、後で繰り返しリプレーしてくれたから、彼がケガしたのがわかった。ひどい頭痛が、ずっとしていました」。夜遅くになってようやく、病院に落ち着いた息子と話をすることができた。「それでようやく気分がよくなった」と母は語る。
グリーンベイに住んでいるチャドの新妻、キャンディ・カーマイケルも似たような状況だった。中学時代から付き合っていた2人は、この6月に結婚したばかり。この日も他の選手の妻たちと一緒にテレビ観戦していた。「最初に倒れたのを見たとき、またヒザを壊したのかと・・・。でもストレッチャーが出てきたのを見て、私は半狂乱になってしまった。選手の妻たちはチームドクターやトレーナーの携帯の番号を知らされているから、そこにかけたんだけど、誰も出ない。45分ぐらい経ってドクターが電話をくれたけど、彼もチャドの状態がわからなくて」。2時間ほどしてようやく、病院のチャドと電話で話をすることができた。彼女はほっとして、飛行機の便を調べたが、その晩はもうタンパへ飛ぶ便はない。また、チャド自身が、家族は誰もタンパに来てほしくないと望んだのだ。
火曜日に特別の飛行機でグリーンベイの病院に移され、土曜日にようやく退院して自宅へ帰った。もちろん母ドッツィーが飛んできた。「予想していたよりも、ずっと元気そうでした。彼のベッドは2階にあるんですが、私が着くと、まだ歩けるなんてとても思えなかったのに、チャドは助けを借りながら階段を下り、しばらく座って、歩行器や松葉杖を使って歩き回ったり。様子を見に来たドクターは、彼の様子を見て、ものすごく驚いていました」
今のクリフトンの状態は、先週水曜日の検査の結果、劇的に回復しているとのこと。左右の骨盤が(つないでいる腱が断裂したために)11センチほど開いてしまっていたのが、8センチにまで戻ってきている。手術は不要で、あとは4ヶ月の集中的なリハビリが待っている。「今週、ドクターは国中の専門家にレントゲン写真を送ったのですが、彼らによると、今後も痛みが残ることはなさそうです」と妻キャンディ。「メディアは少し大げさに心配しすぎていると思う」
投薬治療によって食欲が落ち、9kgほど体重が減ったクリフトンだが、今はもう食欲も回復している。母に好物のフライドチキンを作ってもらったり、夜の9時過ぎから、チョコレートケーキを作るよう妻に頼んだり、一日じゅう"フード・チャンネル"を見たり。4日ほど手伝った母がテネシーに帰ると、小柄な妻キャンディには世話が大変なので、2人は連絡用にトランシーバーを買った。「チャドは数分おきに彼女にかけるんです。会話が終わると『通信終了!』って言うの」と母ドッツィーはおかしがる。
フットボールシーズンなので、クリスマスに彼が里帰りすることなどないが、妻キャンディの家族が2人の新居を訪れる予定だ。「今は、2人で新婚最初のクリスマスを楽しんでいるところね。チャドが出かけられないものだから、クリスマスのギフトは全てネットで注文しているみたい。ケガの方は順調なので、本当に有難いと思っています」と母ドッツィー。しかし彼女がもしサップに近づくようなことがあったら、サップは逃げた方がいいかもしれない。「もしコーチが私にユニフォームを着せてくれたら、彼を麻酔銃で撃ってやる」と母は笑うのだった。
ドラフト1巡のWRジャヴォン・ウォーカーは開幕から3番手WRとしてプレーし、1試合に先発。これはまあ当たり前と言えば当たり前。ドラフト3巡のSマーカス・アンダーソンは第6週から先発に定着してビッグプレーを連発し、4巡のRBナジェ・ダヴェンポートは、第3週にRBグリーン欠場の穴を埋める活躍を見せた。5巡のDEアーロン・キャンプマンはホリデイ欠場のあいだ6試合に先発して大きな綻びを見せなかった。出場ゼロなのは、もうひとりの5巡指名、QBクレイグ・ノールだけ。昨年のドラフト組がいまだに誰も先発に定着できないことを考えれば、今年のドラフトは大成功だったと言える。
さらに驚くべきは、ドラフト外ルーキーたちの貢献だ。RBトニー・フィッシャーは1試合先発を含む13試合に出場し、平均4.1ヤード、2TD。LBウィルキンズも5試合に出場。最も出世の遅れたOTケヴィン・バリーさえ、今回の49ers戦で急きょ先発し、チームのピンチを救った。今はプラクティス・スクワッドにいるCBスウィニーも、一度はロースター入りしてケガ人続出のDB陣を助けた。昨年のロースターにはドラフト外ルーキーは一人もおらず、一昨年もRBグッドマンただ一人。
これほど多数のケガ人を出しながら11勝もできているのは、彼らルーキーたちが期待以上の働きで穴を埋めてくれたおかげだ。下位指名やドラフト外でこれほど使える選手たちを見つけてきた人事部門の功績も大きいが、コーチたちもよく彼らルーキーを仕込んだ。チームに加わった直後から、彼らを子ども扱いせず、ルーキーいじめも許さず、プロフェッショナルとして扱ってきた。もちろんルーキーだから、コーチたちがつきっきりで教えるのは当然だが、要求する水準は高く、「まだルーキーだから」という言い訳は許さなかった。そのおかげで、急きょ実戦投入することになっても、ちゃんと準備が出来ていたのだ。
これまで、タウシャーに代わって先発を務めてきたRTアール・ドットソン。彼はヒザや腰に爆弾を抱えながら、キャリアのほとんどを過ごしてきたと言ってもいい。彼が右タックルの座をタウシャーに譲ったのは'00年第2週のビルズ戦。試合前、脚への痛みを感じたのに先発出場し、試合最初のドライブで椎間板ヘルニアを悪化させてしまいシーズンエンド。そして今回、49ers戦前夜から当日朝にかけてドットソンが感じた前兆も、あの時と同じ痛みだった。プレー出来そうもない、と聞かされたコーチたちは大混乱に。
ドラフト外ルーキーのケヴィン・バリーを投入するしか道はない。「ウォームアップ中に、ベクトルOLコーチが僕の腕をつかんで、『お前が先発だ』と言うんだ。その時初めて聞いた」とRTバリー。「我々みんなが少しナーバスになっていた。でも古参の選手たちはそうでもなくて、ファーヴも落ち着いていた。こうなったら、やらなきゃ仕方ない。全ては上手くいった。バリーには脱帽だよ」とベクトルOLコーチ。バリーはそつのないプレーで、ファーヴとグリーンを守り、反則もなし。十分すぎるパフォーマンスだった。
「実際、考えている間もなく試合だったからね。自分でも十分な働きだったと思うよ。アサインメントも全てキチンとこなしたと思う」とバリー。しかし彼一人で成し遂げたわけではない。隣を守るRGリヴェラが「疑問があったらいつでも俺に聞け」と言い聞かせ、緊密なサポートを提供しつづけたのだ。スナップの直前までバリーと話をし、LBのブリッツで混乱しそうな時には「何番をブロックしろ」と指示することさえあったと言う。「僕の仕事は少しばかり大変だったが、彼がちゃんと働いてくれさえすれば、僕は嬉しい。彼がいい試合をしてくれて嬉しいよ」とリヴェラは後輩の初先発を祝福する。
再び先発の座を譲った形のアール・ドットソンだが、腰の状態がどれくらい悪いのかは、検査を待たなければわからない。今のところ、歩くことには問題ないとのことだが、もし椎間板に深刻な問題が見つかれば、バリーが今シーズン一杯先発を務めることになりそうだ。
「試合が終わって、このようにしてフィールドを去るのは最高の気分だ。勝敗は僕らディフェンスにかかっていた。僕が言いたいのは、いつもオフェンスだけで勝てるってわけじゃない。今回はディフェンスで勝てることを示した試合だった」とSマット・ボウエン。「最後のドライブは、'98シーズンのプレーオフを思い出したよ。QBヤングはもういないけど、ガルシアはとても良いQBだ。時間が残り少なくなって、残り3秒、ヤングは真ん中のWRオーウェンスに逆転TDパスを決めた」とDEホリデイは回顧する。
残り26秒、GB陣11ヤード地点での4thダウン7。4年前のプレーオフを思い出したのはもちろんホリデイだけではない。4年前のフリッツ・シューマーDCはパスラッシュを3人だけにして、あとをパスカバーに回したが、今回のドナテルDCは4人でのラッシュを選択。SシャーパーとCBウィリアムズがオーウェンスをカバーした。DEバジャ=ビアミラがFBビーズリーを押し込み、そのプレッシャーを背後に感じたQBガルシアは、しかたなく近くのTEジョンソンにパスを投げるが、失敗し、勝利はパッカーズの手に。「オーウェンスに投げようとするのはわかっていた。今回も最後のドライブだったし、あの時とよく似ていたよね。あの時も、オーウェンスをシャットダウンして勝利を手にしてフィールドを去るつもりだったんだ」とSシャーパー。今回はその通りの結果になった。
このプレーに限らず、この試合のパッカーズ守備陣はよく守った。悪天候のせいでCB陣が攻められることはほとんどなかったが、その分働いたのが、LB陣。49ers得意のショートパスをその度にタックル一発で倒し、ランアフターキャッチをほとんど許さなかったのが、相手パス攻撃をわずか156ydsに封じ込めた原因。最悪のプレーはもちろんWRオーウェンスの45ydsTDパスキャッチだが、これはCBマッケンジーのミスというよりも、内側からダブルカバーすべきセーフティがいなかった(シャーパーの指示でアンダーソンがTEについた)ため、外側を守ったマッケンジーだけではどうしようもなかった、ということらしい。それ以外のプレーでは、最長のパスが16ydsであり、パス守備は堅実だった。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
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Packers (11-3) | 3 | 0 | 14 | 3 | 20 |
49ers (9-5) | 0 | 6 | 8 | 0 | 14 |
気温は14℃。小雨が降り、風も強い。金曜・土曜とかなりの量の雨が降った模様。パッカーズはRTドットソンに代わって、急きょドラフト外ルーキーのケヴィン・バリーが初先発することになった。契約したばかりのJ.J.モーゼスも同じくNFL初出場だ。
<第1Q> SF陣11からの49ersは、3rdダウン6からTEジョンソンへのパスで1stダウン。次の3rdダウン9はQBガルシアのスクランブルが5ydsどまりでパント。新加入のJ.J.モーゼスの初パントリターンは4yds。WRドライバーが13ydsのジャンピングキャッチ。3rdダウン1からRBグリーンの12ydsランが出てSF陣45へ。しかし1stダウンを取れずにパント。タッチバック。49ersは守備側のホールディングで1stダウンを更新しただけでパント。ミスキックでパッカーズはSF陣46から。TEフランクスへの7ydsパスとRBフィッシャーの5ydsランでSF陣34。3rdダウン5からWRドライバーへの9ydsパスでSF陣20へ。RBグリーンの4ydsロスとパス失敗で3rdダウン14。サックされそうになったファーヴがフィッシャーへパスするが6ydsのロス。Kロングウェルが48ydsのFGを決めて3点先制。49ersはSF陣27から。TEジョンソンへの8ydsパス、RBハーストの2ydsランで1stダウン。しかしWRオーウェンスのキャッチミスやRBハーストの4ydsロスなどでパント。リターナーのモーゼスがキャッチし損なうが、パッカーズ側がGB陣2でかろうじて押さえ、第2Qへ。
<第2Q> ここからGBには向かい風。GB陣2からのパッカーズは、RBグリーンの4ydsラン、2ydsラン、TEフランクスへの6ydsパスで1stダウン。グリーンの3ydsラン、ノーゲインのあとロングパス失敗でパント。49ersはSF陣48からのチャンス。RBバーロウの15ydsランでGB陣37へ。3rdダウン2から、WRストリーツへのパス失敗で4thダウン。Kチャンドラーが47ydsFGを決めて同点。GB陣18からのパッカーズは、グリーンの3ydsラン、RBフィッシャーへの4ydsスクリーンパス、グリーンの3ydsランで1stダウン。グリーンの3ydsラン、3ydsラン、フィッシャーの8ydsランでGB陣42へ。WRドライバーのリバースは2yds止まり、ファーガソンへのパス失敗のあと、RBグリーンへのパスは5ydsロスで止められて、結局パント。SF陣32からの49ersは、3rdダウン3からRBハーストの11ydsランが出て50ヤードへ。ハーストの3ydsランのあと、2ミニッツ。WRオーウェンスへの3ydsパス、5ydsパスで1stダウン。残り57秒でGB陣40。ガルシアの3ydsラン、オーウェンスへの5ydsパス、2ydsパスでGB陣30。パス失敗、オーウェンスへの6ydsパス。残り15秒、3rdダウン4で最後のタイムアウト。パス失敗で4thダウン。Kチャンドラーが42ydsのFG成功。残り3秒でファーヴがニーダウンしてハーフタイムへ。
<第3Q> GB陣21からのパッカーズは、3rdダウン9からWRドライバーへの15ydsパスでGB陣37へ。TEフランクスへのパス失敗のあと、TEデイヴィスへの23ydsパスが通ってSF陣40へ。RBグリーンの2ydsロスのあと、WRグレンへのショートパスがロングゲインとなってSF陣22へ。TEデイヴィスへの11ydsパスでSF陣9へ進み、RBグリーンの9ydsTDランが決まって逆転。49ersはSF陣30からの攻撃。いきなりRBハーストの15ydsランでSF陣45。WRオーウェンスへの6ydsパス、ハーストの14ydsランでGB陣35へ。しかしそこでSFラインマンの背に当たったパスをDEホリデイがインターセプト。ホリデイからラテラルパスを受けたLBディッグスが33ydsリターンして、SF陣29へ。グリーンの2ydsラン、FBヘンダーソンへの8ydsパスで1stダウン。さらにヘンダーソンへの2ydsパス、TEフランクスへの9ydsパスでSF陣8に迫る。グリーンの3ydsランのあと、WRドライバーへの5ydsTDパスが決まって17-6。SF陣27からの49ersは、RBバーロウの1ydsロス、パス失敗で3rdダウン11から、TEジョンソンへの12ydsパスで1stダウン。FBビーズリーへの8ydsパス、バーロウの1ydsラン、QBガルシアの5ydsスクランブルでGB陣48へ。フォルススタート、TEジョンソンへの8ydsパスのあと、WRオーウェンスへの45ydsTDパスが決まる。2ポイントはQBドロー成功で3点差に。パッカーズはGB陣27から。TEフランクスへの15ydsパスでGB陣42へ。RBグリーンの9ydsランが出たところで第4Qへ。
<第4Q> パッカーズは2ndダウン1から、RBグリーンの10ydsランでSF陣39へ。FBヘンダーソンへの7ydsパス、グリーンの2ydsランのあとサックされ、4thダウン4。ギャンブルしてパス失敗するが、パスインターフェアの反則で1stダウン。グリーンの5ydsラン、ノーゲイン、フィッシャーの1ydsランでまたも4thダウン4。Kロングウェルが42ydsFGを失敗。SF陣32からの49ersは、3rdダウン10からTEジョンソンへのパス失敗で3&アウト。GB陣37からのパッカーズは、3rdダウン8でWRグレンへの16ydsパスが決まってSF陣45へ。グリーンの13ydsランでSF陣32へ。RBフィッシャーの1ydsラン、ヘンダーソンへの6ydsパスで3rdダウン3。ヘンダーソンへの10ydsパスでSF陣15へ。グリーンの5ydsラン、パス失敗で3rdダウン5。GBタイムアウトのあと、グリーンへのパス失敗。28ydsFGが決まって6点リード。残り4分29秒、49ersの攻撃はSF陣26から。TEジョンソンへの7ydsパス、バーロウの5ydsランで1stダウン。ガルシアの6ydsラン、ハーストの5ydsランでSF陣49へ。WRストリーツへの1ydsパスで、SF最初のタイムアウト。ガルシアの13ydsスクランブルの際にGBのホールディングもあって、一気にGB陣32へ。2ミニッツ。WRオーウェンスへの4ydsパス、TEジョンソンへの14ydsパスでGB陣14へ。残り44秒、WRストリーツへのTDパスは失敗。ハーストの3ydsランで3rdダウン7。残り30秒で、SFが2回目のタイムアウト。パスがオフェンシブラインマンに当たって失敗し、残り26秒で4thダウン7。TEジョンソンへのパスをSエドワーズがはたいて、4thダウン失敗。QBファーヴがニーダウンして試合終了。
パッカーズは、プラクティス・スクワッドにいたリターンスペシャリストのJ.J.モーゼスをアクティブ・ロースターに引き上げた。これは昨日からほぼ確実視されていたことで、モーゼスは49ers戦のパントリターンを担当することになる。モーゼスはアイオワ州立大出身の23歳。高校時代はRB、大学時代はPR兼WRとして活躍し、昨年春にドラフト外でチーフスと契約。ロースターには残れなかったが、シーズン後半はチーフスのプラクティス・スクワッドで過ごした。今年の春はNFLヨーロッパのスコティッシュ・クレイモアズで、パントリターン1位(11.2yds)、キックオフリターン3位(24.6yds)という記録を残している。
リーグ側からの処分がようやく発表になった。パッカーズからは3人。最後から2番目のプレーで、ニーダウンしてダウンを宣言したWRウォルシュに対してハードヒットしたSエドワーズに$5,000の罰金(審判はプレーを止めなかったのに)。CBマッケンジーは、最後のプレーでプレーに関係のない相手選手をヒットしたとして$5,000。LBウェインも同じプレーでWRモスを背後からヒットして同じく$5,000。
QBファーヴやDTハントには罰金は科せられなかった。プレー中にサイドラインを離れたのにお咎めなしだったDTハントは、「これで他のヤツをからかえる」。シャーマンHCはこの罰金について公に批判することはせず、両チームのライバル関係における見苦しい一章となったこの出来事を、ただ終わらせてしまいたいのだ、と語る。
ヴァイキングスからは、サイドラインを離れてパッカーズの選手をヒットしたTEクラインササーとTEグッドウィンの2人にそれぞれ$10,000。Sアンダーソンを背後からヒットしたWRウォルシュに$5,000の罰金。
パッカーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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49ers | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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木曜日のスペシャルチーム練習では、WRファーガソンではなく、J.J.モーゼスが最も多くのパントリターンをこなし、49ers戦で初出場を果たす可能性が高くなってきた。「モーゼスがリターナーをすることになると思うよ」とWRファーガソンも認めている。彼がまだプラクティス・スクワッド身分のままなのは、もしセカンダリーのケガ人たちの状態が悪化した場合、CBアーウィン・スウィニーの方を優先してプラクティス・スクワッドから引き上げなければいけないかららしい。
「モーゼスが、リターンTDを挙げても驚かないね。練習では、彼はいつもスカウトチームをやるんだけど、僕らが触れることも出来ないぐらい速いよ。まるでリスみたい。指先だけでも触ろうとするんだが、無理なんだ。見ることさえ出来ない。(小柄なので)誰かの影に隠れることも出来る」とSシャーパー。49ers戦では、雨が降りそうなことも首脳陣は心配しているが、ウォームアップの様子を見て、使うかどうかを決める、とのこと。
ダリエン・ゴードンを解雇して、パントリターナーを誰にするか。シャーマンHCは、WRファーガソンで行くか、プラクティス・スクワッドのJ.J.モーゼスを昇格させるか、両天秤にかけているようだ。「ファーガソンは、パワータイプのランナーだ。1人のタックルでは彼を倒せない。常に前に進む。強くてクイックネスもあり、視界も広い」とノヴァックSTコーチ。経験の少ないリターナーを今の時期に投入することにはリスクが伴う。「リスクは常にある。同じことを続けていれば、決して悪くは言われないだろう。しかし誰も誉めてはくれない。欲しい物を手に入れるには、進んでリスクを冒さなければならないと私は思う」とシャーマンHC。
また、これまでキックオフリターナーはWRウォーカーが務めてきたが、ヴァイキングス戦の終わりに一度だけリターンしたファーガソンが、25ydsのナイスリターンを見せた。キックオフリターンをファーガソンに任せることも、「今それを考えているところだ」とシャーマンHC。波に乗ってきているファーガソンを少しでもフィールドに出したいのだが、WR陣が全員元気だとなかなかそうはいかない。せめてスペシャルチームで出番を増やして、彼をホットにしておきたい、という意図のようだ。
パッカーズはベテランのPRダリエン・ゴードンと先月契約したばかりのRBジェイ・グラハムを解雇し、入れ替わりにRBモーリス・スミスと再契約した。RBスミスは昨年、ジャマール・アンダーソンの代役として活躍し、ファルコンズのリーディング・ラッシャーとなっている。今年の9月19日にいったんパッカーズと契約したが、1試合にスペシャルチームで出場しただけで解雇。その後は古巣のファルコンズと契約し、11月22日に解雇されていた。ノースカロライナA&T出身の25歳。身長183cm、体重106kg。
RBダヴェンポートの戦線離脱のため、タンパベイ戦の前に契約したRBジェイ・グラハムだったが、ほとんどプレーする機会もないまま解雇されることになった。ただ、グリーンがヒザを痛めているのに上記のRBスミスと入れ替えたということは、次の49ers戦ではグリーンが十分使える、という見込みがあるのだと想像できる。
実績十分で期待されたゴードンは、開幕からパントリターナーを務めてきたが、記録はNFL全体でも最低クラスの平均5.1ydsと低迷。ブロックの拙さを不振の原因に挙げる意見が多かったが、最近では「穴が出来ている時でも、スピードで抜けられない。TDの大チャンスにも、パンターのタックルをかわせなかった」と指摘されることが多くなっていた。また、元DETのウェストブルックの加入で、ゴードンの控えCBとしての存在価値も薄れてきたのかもしれない。
代わりのパントリターナーだが、チーム内で探すとすればWRファーガソンが最有力候補。またはSシャーパー。プラクティス・スクワッドにいる、リターン・スペシャリストのJ.J. モーゼス(NFLヨーロッパでパントリターン1位)をロースターに昇格させるという手もある。
ヴァイキングス戦の最後の乱闘について、どうやら、両チームの選手にたくさんの罰金が科せられることになりそうだ。Press-Gazette紙の調査によると、ここ数年、出場停止処分を受けたのは、選手が審判を小突いた事件だけであり、それ以外は罰金どまり。今回も出場停止の心配はなさそうだ。今週中にNFL側から発表がある予定。
トラブルの発端になったのは、最後から2つめのプレー。残り11秒、パスをキャッチしたミネソタのWRウォルシュがニーダウンし、ダウンを審判に告げた(もちろん、急いでタイムアウトを取って最後のヘイルメリーに望みを賭けるためだ)。しかし、審判は笛を吹かなかった。ルール上、QBでなくともダウンを宣言すれば審判はプレーを止めなければならない。それを審判が怠ったためにパッカーズのSエドワーズがウォルシュをハードヒットしてしまい、ヴァイキングスのサイドラインが激怒した状態で、最後のプレーに入ることになってしまった。
この不手際については、NFL側が「審判がプレーを止めるべきだった」と認めており、シャーマンHCも、「エドワーズはファンブルフォースを狙ってヒットしたのであり、これ自体は問題ないはず」と語っている。ヴァイキングスのコーチたちも、「これについてはパッカーズよりも審判に腹を立てている」と認めているようだ。
しかし乱闘については、言い訳のしようがない。ヴァイキングスの選手はもちろん、それに反応したパッカーズのDTハントらも、プレーが終わる前にサイドラインからフィールドに飛び出しており、処分は避けられそうにない。パッカーズの選手たちの言い分は、「相手が背後から飛びかかってきたり、よってたかって袋叩きにあった」というものだが、ヴァイキングスの選手たちの言い分は、「INTリターンの最中に、パッカーズの選手があちこちで俺たちをヒットした」というもの。サップとクリフトンの事件があっただけに両者とも神経質になっているようだ。
もみくちゃにされたSアンダーソンは、上記のプレーでWRウォルシュをヒットしたエドワーズと混同されて、被害者になったらしい。また、ファーヴはDTホヴァンに対して中指を立てたことが目撃されているし、退場していくホヴァンに対して、ファンが物を投げつけたことはビデオ映像にも残っている。あまりにも多くの小競り合いがあちこちで起きていて、誰にどれぐらいの処分を科したらいいのか、NFL側も頭を抱えているようだ。
シャーマンHCは月曜日にヴァイキングスのタイスHCと電話で話し合い、月曜日の記者会見では両者とも遺憾の意を表明した。「試合には60分の制限がある。その時間内であれば、挑戦を受けて立つことに何の問題もないが、試合が終わった後はお互い分かれて、また次回に戦えばいい」とタイスHC。シャーマンHCは、INTのあとに無駄なリターンをして、ファンブルや負傷のリスクを冒したシャーパーにお叱りの言葉。
4人のスターターを休ませながら、かろうじてヴァイキングスを下したパッカーズ。シャーマンHCは、4人を欠場させたのは、残り3試合のことを考えてのことだと言う。「一番大事だったのは、もしこの試合に出場させたら、残り3試合に出場できるのか、という点だった。そのような危険を冒したくなかったからだ」とシャーマンHC。逆転勝利によって、かろうじてその賭けに勝ったことになる。
シャーマンHCはまた、DTギルバート・ブラウンは水曜日の練習にも復帰できそうなこと、そしてWRテリー・グレンが「痛み止めの注射を打って出場したい」と直訴してきたが、今後のことを考えて退けたことを明らかにした。ということは、この2人は49ers戦への出場は問題なさそうだ。あとのRBグリーンとCBウィリアムズは微妙だが、「復帰できると期待している」とシャーマンHCは語っている。
ヴァイキングス戦での大きなケガ人はなかった模様。Sシャーパーは以前から痛めているハムストリングの検査をしたが、大きな問題はなさそう。キックオフリターンで足首を痛め、そして乱闘でヒザを痛めたWRウォーカーだが、彼もプレーには支障なし。目を痛めたOTドットソンは、検査を行う予定。
パッカーズは、今季半ばで契約したOT/OGバレット・ブルックスを解雇し、ラムズをカットされたばかりのOTジェリー・ウィズニーと契約した。ウィズニーは水曜日の練習からチームに合流し、右タックルのドットソンの控えを務めることになる。
ウィズニーはノートルダム大出身の26歳。'99年のドラフト5巡でベアーズ入りし、1試合の先発を含む7試合に出場。しかし'01年の開幕ロースターに残れず、その後ヴァイキングスと契約するがすぐに解雇され、そのまま昨年はフットボールから離れていた。今年はじめからテキサンズに加わっていたが、8月末に解雇され、11月末にラムズと契約していた。
氷点下11℃。同地区のライバル。全米中継のサンデーナイトゲーム。第4Qで2点リードされ、残り時間は4分32秒。「これ以上の状況はありえない。これこそ完璧な、ブレット・ファーヴ・ストーリーだよ」と語るのは今日も私服で見学のDEジョー・ジョンソンだ。「我々が逆転のドライブを決めることは、これっぽっちも疑わなかった。彼はこれを何度も何度もやってきたんだ。僕は彼に全幅の信頼を置いている。その信頼は彼自身が勝ち取ったものだ」
「キャリア最高の試合の一つだと思うね。タフな試合だった。あまりこのようなことが多くないことを願うよ」と、大仕事を終えたQBファーヴ。第3Qまで、パッカーズのオフェンスは噛み合わなかった。3rdダウン1を何回も失敗し、レッドゾーンに入ってもタッチダウンが奪えない。しかしファーヴは、負けることを拒んだ。それがチーム全体に伝わるのだ。残り5分、点差は2点。ヴァイキングスの攻撃はGB陣43での3rdダウン15。RBベネットへのスクリーンパスをLBディッグスがナイスタックルで止め、おあつらえむきのチャンスがやってきた。
「点を取るのが最優先だった。TDなら言うことはないけど、FGでもいい。僕はハドルで言ったんだ。ドライブを続けようって」とQBファーヴ。最初の3rdダウンはWRウォーカーへの16ydsパスを通してクリア。そして次の3rdダウン2、ダブルカバーされていたWRドライバーへロングパスで勝負。これまで取ってくれなかったパスインターフェアの反則をついに審判が取ってくれて、一気に敵陣25へ。FGレンジだが、気温は低く、地面は固く滑りやすい。「テレビを見てる人たちは、きっとFGの話をしてただろう。でも何の保証もないんだ。向かい風だし、キックが決まる保証はないのだから、TDを狙わなきゃいけない」
フィッシャーのランは3ydsのロスとなり、WRウォーカーへのパスは6ydsどまりで3rdダウン7。右にロールアウトしたファーヴは、ポンプフェイクをしながらスクランブルに出た。かつてのファーヴのスピードはない。しかしサイドラインに頭から飛び込んで、見事に1stダウン。「僕のランのためにデザインされたプレーじゃないよ。左からプレッシャーをかけてきたから、逆を突いたんだ」とファーヴは笑う。そして次のプレー、左サイドに開いた大きなホールに飛び込んだRBフィッシャーが、14ydsのTDラン。ランボーフィールドは歓喜に包まれた。
WRロバート・ファーガソンは、ドラフト2巡でNFL入りして2年目。今春はスターターになることが期待されていたが、ドライバーの台頭、そしてルーキーのウォーカーにも追い越され、開幕以来4番手WRに甘んじていた。しかし待ちに待ったチャンスが、ついに訪れた。WRグレンの欠場で3番手に繰り上がり、しかもWRドライバーがヒジを痛めて一時ロッカールームに下がったことで、彼にチャンスが回ってきたのだ。
パスキャッチ6回105yds、2TDの数字はどれもキャリア最高。「僕はチャンスを手に入れ、それを最大限活かした」とファーガソン。この日最初のTDパスレセプションは第3Q。QBファーヴがエンドゾーン左隅に少し浮かせたパスを、CBケリーを振り切ってキャッチしたファーガソンは、うまく両足をインバウンズに残してゴールラインを越えた。第4Qの40ydsTDパスキャッチはもっと素晴らしかった。QBファーヴが、強力なパスラッシュを避けて左にスクランブルし、右を走るファーガソンにピッタリのパス。ファーガソンは30ydsを走りきってエンドゾーン右隅に飛び込んだ。実際は2ヤード地点でダウンしていたようだが、タッチダウンが認められた。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Vikings (3-10) | 10 | 3 | 9 | 0 | 22 |
Packers (10-3) | 0 | 6 | 7 | 13 | 26 |
気温は-11℃。天気は晴れ。心配された通り、RBグリーン、WRグレン、DTブラウン、CBウィリアムズの先発4人を欠いたパッカーズ。代わって先発を務めるのは、RBフィッシャー、WRジャヴォン・ウォーカー、DTロッド・ウォーカー、CBマクブライド。最初のドライブで3点を奪われたパッカーズは、その後立て続けに自陣でターンオーバーを犯し、0-13とリードされてしまう。第2Qの途中からペースを取り戻したパッカーズオフェンスだが、前半終了間際にゴール前1ヤードまで迫りながらTDが奪えず、結局FG2本で6-13としてハーフタイムへ。
第3QにはMINのランが止められず、RBベネットとRBウィリアムズに、それぞれランでロングゲインされたのが響き、逆に9点差に広げられて第4Qへ。WRファーガソンの、この日2度目のTDパスキャッチで2点差に追い上げたパッカーズは、試合終了間際にRBフィッシャーのTDランでついに逆転。かろうじて@ミネソタでの完敗の二の舞を避けることができた。
パッカーズは、5勝1敗で今年の地区内対戦が終了。ホームで全勝しているのはNFL全体でパッカーズだけ。QBファーヴは気温が華氏34度(1℃)以下の成績を34戦全勝に伸ばした。ヴァイキングスとの対戦成績は41勝41敗1分けと全くの五分に。
<第1Q> GB陣28からのパッカーズは、3回全てRBフィッシャー。4ydsラン、5ydsパス、しかし3rdダウン1でランを止められてパント。MIN陣30からのヴァイキングスは、2ndダウン11からWRベイツへの24ydsパスが通ってGB陣47。WRモスへの15ydsパスのあと、RBベネットのラン2回でGB陣21へ。ベネットのランとベイツへのパスでGB陣9へ。3rdダウン12から、WRモスへのパスはGB陣5で倒される。23ydsのFGが決まってMINが3点先制。パッカーズは、キックオフリターンで反則があってGB陣15から。フィッシャーの19ydsランが出てGB陣33。TEデイヴィスへの11ydsパスでGB陣44へ。シャベルパスを受けたフィッシャーが4ydsロス。そこでQBファーヴがサックされ、GB陣30でファンブルロスト。ベネットの6ydsランとWRベイツへの14ydsパスでGB陣10。ベイツへの7ydsパスのあと、WRモスへのTDパス成功で10-0。GB陣26からのパッカーズは、フィッシャーのランがノーゲイン、イリーガルフォーメーションで2ndダウン15(WRドライバー負傷)。WRウォーカーへのパスをGB陣23でLBビーカートにインターセプトされる。
<第2Q> INTでGB陣23からチャンスを得たヴァイキングス。RBベネットへの5ydsパス、カルペッパーの8ydsランでGB陣10へ。ベネットの6ydsランのあと、2回続けてパス失敗。22ydsのFGが決まって13点差。パッカーズはGB陣27から。TEフランクスへの9ydsパス、RBフィッシャーの7ydsランで1stダウン。フィッシャーの2ydsランとTEフランクスへの6ydsパス、フィッシャーの2ydsランでMIN陣47へ。WRドライバーへの15ydsパスに続いてフィッシャーの11ydsランが出てMIN陣21へ。RBグラハムの4ydsパスキャッチ、3ydsランのあと、エンドゾーンへのパス失敗。33ydsのFGが成功。MIN陣28からのヴァイキングスは、カルペッパーがファンブルするが自らリカバー。けっきょく3&アウト。パッカーズはGB陣48からのチャンス。3rdダウン8から、WRファーガソンが8ydsパスをダイビングキャッチして1stダウン。フィッシャーの6ydsランと4ydsランでMIN陣32へ。ドライバーのリバースランで17ydsゲインしてMIN陣15へ。WRウォーカーへの11ydsパスでMIN陣4。2ミニッツ。フィッシャーの3ydsラン、ノーゲインのあと、TEデイヴィスへのシャベルパスもノーゲインに止められて、結局19ydsのFGどまり。7点差としてハーフタイムへ。
<第3Q> ヴァイキングスはMIN陣26から。RBベネットのラン2回で1stダウン。さらに11ydsランで50ヤードへ。RBウィリアムズの44ydsランが出て、一気にGB陣6へ。ベネットの3ydsランのあと、QBカルペッパーのTDラン。しかしエクストラポイントはブロック。再び13点差に。パッカーズはGB陣33から。フィッシャーの5ydsラン、5ydsパスキャッチで1stダウン。パス失敗のあと、WRファーガソンへの13ydsパス、15ydsパスが連続成功してMIN陣29へ。フィッシャーの8ydsラン、ノーゲインで3rdダウン2。WRファーガソンへの21ydsのTDパスが成功して6点差に。寒さのせいかキックオフが飛ばず、ヴァイキングスはMIN陣40から。パス失敗のあと、RBベネットに35ydsランが出て一気にGB陣25へ。ベネットの6ydsランのあと2回続けてパス失敗。37ydsのFGが決まって9点差に。ファーガソンのナイスリターンでGB43からの攻撃。しかし3rdダウンショートからフィッシャーのランを止められてパント。MIN陣14からのヴァイキングスは、ベネットの6ydsラン、13ydsランでMIN陣33へ。3rdダウン8、TEクラインササーへのパスは3ydsどまりで、パント。パッカーズはGB陣33から。WRドライバーへのパス失敗はレビューを要求するが覆らなかった。けっきょく1stダウンは獲得できず。
<第4Q> ヴァイキングスはMIN陣24から。3rdダウン9、TEチェンバレンへのパスは5ydsどまりでパント。パッカーズは、ゴードンの22ydsリターンでGB陣46からのチャンス。3rdダウン3から、WRドライバーが10ydsパスをナイスキャッチして1stダウン。フィッシャーのランは3ydsロス、パス失敗で3rdダウン13。WRファーガソンへの40ydsTDパスが決まって2点差。ヴァイキングスはMIN陣27から。3rdダウン4から、カルペッパー自身の13ydsランで1stダウン。3rdダウン10から、WRベイツへの16ydsパスが通ってGB陣38へ。RBウィリアムズの1ydsラン、DTライオンのサック、フォルスルタートで3rdダウン15。スクリーンパスを4ydsで止めてパントへ。残り4分32秒、GB陣15からのパッカーズの攻撃。ファーガソンへのパス失敗、フィッシャーの8ydsランで3rdダウン2。WRウォーカーへの16ydsパスが決まってGB陣39へ。フィッシャーへのパス失敗、ファーガソンへの8ydsパスでまたも3rdダウン2。ドライバーへのパスをCBブリューワにインターセプトされたが、CBチェイバスのパスインターフェアの反則で一気にMIN陣25へ。フィッシャーのランは3ydsのロス。2ミニッツ。ウォーカーへの6ydsパスで3rdダウン7。QBファーヴが8ydsのスクランブルで1stダウン。残り1分11秒、フィッシャーが14ydsのTDランを決めてついに逆転。2ポイントは失敗。残り1分1秒、残りタイムアウト2つのヴァイキングスは、MIN陣34から。ホールディングの反則やサックなどで、残り11秒、3rdダウン18でタイムアウト。WRウォルシュへの17ydsパスを決めて、残り1秒で最後のタイムアウト。MIN陣43からのヘイルメリーパスをSシャーパーがインターセプトして試合終了。
骨盤に大ケガを負って自宅療養中のLTチャド・クリフトン。木曜日には、グリーンベイで2人のスポーツ専門の整形外科医の診察を受け、「来年にはフットボールのキャリアを再開できるだろう」という見通しを得ることができた。ドクターの1人はレイダーズの医療コンサルタントのウォーレン・キング氏。もう1人はNHLサンノゼ・シャークスのチームドクターのアーサー・ティング氏。しかし2人とも、アスリートのこのようなケガは見たことがないと言う。
「復帰の可能性は『間違いなし』から『条件付き』の間だね。キャリアを脅かす可能性がある、とは言わなければならないだろう。痛みに耐えてリハビリすることが出来れば、カムバックできる。特にラインマンならね」とティング医師。クリフトンのケガは、地面に叩きつけられた時の衝撃で、左右の骨盤を結んでいる靭帯が切れてしまう、という深刻なもの。症例があまりに少ないため、復帰までどれぐらいかかるか、判断するのは難しいようだ。
切れた靭帯が自然に治っていくようなら手術は不要だが、そうでなければ、治りを助けるために、プレートを埋め込む手術をしなければならない。今のところ、手術は不要ではないかと医師たちは考えているようだ。長く困難なリハビリが必要になるが、完全に回復する、とキング医師。「これは大きな、長引くケガだ。しかし関節や、筋肉は冒されていない。影響のあった部分は、全て治る部分だ」
RBグリーン、DTブラウン、CBウィリアムズの3人はけっきょく今週の練習をすべて休み。WRグレンは金曜日に少しだけ練習に参加したようだ。かなり気温が下がりそうなことも、彼らの出否に影響しそうだ。母親を亡くしたばかりのDEバジャ=ビアミラは金曜日の練習から復帰。
パッカーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヴァイキングス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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今度のヴァイキングス戦はナイトゲームで、試合開始時の予想気温はなんと-12℃。QBファーヴが華氏34度(1℃)以下の試合で33戦全勝なのは有名で、そのため今回もパッカーズがかなり有利との予想が多い。パッカーズが冬の試合に強いのは、選手たちがグリーンベイの寒さに慣れているからだ、という人もいるが、WRドライバーは決してそうではないと言う。「いや、慣れることなんてない。僕らがここで暮らしていて、寒さに慣れているからだ、と考える人は多い。僕は南部出身だ。慣れることなんて決してないと思うよ」
それぞれの選手が工夫をしている。Kロングウェルはシャツを3枚重ね着をして、そのうち1枚はタートルネック。WRグレンやWRウォーカーはタイツをはく。LBウェインは全身にワセリンを塗りこむ。Sシャーパーは(ヒーター入りの)ベンチの中央に座る。QBファーブは常に右手をハンドウォーマーに入れている。パッカーズ選手だけの特別な対処法があるわけではなく、それぞれ出来る限りの工夫をして寒さに対抗するしかない。「多分に精神的なものだよ。ここでプレーしたことのない選手は、最初から寒さに呑まれてしまうんだ」とWRウォーカー。
寒さに対抗することをあきらめて、受け入れている選手もいる。「ヒーターのそばを離れると、もうすぐに寒さに包まれる。たくさん着込めばいいって言うかもしれないけど、そんなことしてたら、速く走れないじゃないか」とWRドライバー。「手の指先の感覚がなくなり、つま先の感覚もなくなる。それでもフィールドに出て行ってプレーするだけ。最悪なのは、CMタイムアウトだね。フィールドの真ん中に残って、ヒーターの所に走るわけにもいかない」とSシャーパー。また、オフェンシブラインマンたちは、相手に掴まれないよう、基本的にノースリーブ。
ホルムグレン時代から、今の時期になるともう屋外での練習はしない。土曜日の軽い(フォーメーションチェックだけ)練習だけは、芝の感触や滑り具合を確認するためランボーフィールドで行うが、それ以外は全て室内練習場だ。「わざわざ外で練習する意味なんてないよ。実際得るものがないんだ。3枚も重ね着しなきゃいけないし、そうしたら動けやしない」とSシャーパー。
ベアーズ戦のあった日曜日の晩、ロサンゼルスに住むDEカビーア・バジャ=ビアミラの母が、自宅近くで単独の交通事故を起こし、そのまま帰らぬ人となった。帰宅途中の母は、車のコントロールを失ってヤシの木に激突し、車が火に包まれたのだという。まだ53歳の若さだった。息子であるDEカビーア・バジャ=ビアミラに初めての子供が産まれたのは、この日の未明のこと。今週末には孫の顔を見にグリーンベイに来ようと計画していた矢先の事故だった。
バジャ=ビアミラの両親はどちらもナイジェリア出身。ロサンゼルスで7人の子供を育てた。父はムスリムで、母はクリスチャンだった。慈悲にあふれた心の持ち主で、常に人を助けることばかり考えていた母を、息子は誇りに思っていた。そんな母を突然の事故で失ったバジャ=ビアミラのショックは計り知れない。月曜朝、ロサンゼルスに飛ぶ彼を助けるため、ファーヴは自分の自家用ジェットを用意。他のチームメイトたちも、何とかして彼を慰めようと懸命になっている。
とりあえず水曜日の練習は休みを与えられ、今は家族とともにいるバジャ=ビアミラ。精神的なショックがプレーに与える影響を、コーチたちは心配せざるを得ない。「彼とよく話し合って、どうなるかを見守ることになるだろう。ただ、もしもの時のための準備はしているところだ」とドナテルDC。
バッカニアーズ戦で臀部・骨盤の大ケガを負ったLTチャド・クリフトンがインジャリー・リザーブ入り。これでクリフトンの今シーズンは正式に終了ということになった。これはケガの直後から確実視されており、代わりに契約するラインマンが見つからなかったために遅れた、ということだろう。シャーマンHC自身、「今の時期になると、良いオフェンシブラインマンはほとんど見つからない」と愚痴をこぼしていた。
クリフトンと入れ替わりにパッカーズが契約したのは、OT/OGアル・ジャクソン。彼は'00年、ルイジアナ州立大からカウボーイズにドラフト外で入団し、開幕ロースター入り。終盤の3試合に出場したが、翌'01年には1試合も出場できず。今春はNFLヨーロッパに派遣されてライン・ファイアーでプレーしたが、カウボーイズの開幕ロースターに残れずに解雇。10月2日から5日までの間だけ、パッカーズのプラクティス・スクワッドに入っていた。
昨年はわずかパスキャッチ36回322ydsながら、9TDという数字のインパクトでプロボウルに選ばれたと言ってもいいTEババ・フランクス。しかし3年目の今年も着実に成長を続け、すでに昨年を上回る45回355yds、6TDを稼いでいる。キャッチ数ではNFL3位(NFC1位)、TD数ではゴンザレス(KC)に次ぐ2位。自慢のシュアハンドに磨きがかかり、キャッチミスがほとんどなくなっているのは頼もしい限りだ。(上位タイトエンドの成績表はこちら)。ミスの多かったランブロックも、3年目の今年はかなりよくなっている。
ファンにとってどうしても不満なのは、彼のスピードのなさだ。1キャッチ平均7.9ydsは上位TEの中では最低クラス。ゴンザレスやシャープやショッキーのように、フィールド中央を引き裂いて走るビッグプレー能力がないことは、残念ながらはっきりしている。また、かつてのチュムラのように、相手タックルを振り切ってエクストラヤードを稼ぐ迫力にも欠けている。身長198cmのフランクスは、足腰のパワーがないせいか、最初のタックルでいとも簡単に倒されてしまう。
エンドゾーンで2ydsのTDパスを捕るだけが仕事なのか? ジャゴジンスキーTEコーチは、フランクスに「ババ、他人が何と言おうと気にするな。君はこれを2年間続けてきたんだ。もし2ydsのTDパスキャッチがそんなに簡単なら、他のチームだってするはずだろう」と、まだ24歳のフランクスに言って聞かせている。パッカーズ首脳は彼の能力について心配はしていない。 「彼はシュアハンドの持ち主で、ビッグ・キャッチをしてくれる。レッドゾーンでは彼が一番頼りになるレシーバーだ。ゴールラインが近づくほど、ランでボールを進めるのは困難になるからね」とシャーマンHC。
ジャゴジンスキーTEコーチは、今年のフランクスは一つもキャッチミスをしていないんじゃないか、と言う。フランクス本人も、一つか二つしかなかったと言う。「そうそうたくさんパスを投げてもらえるものじゃない。だから一つ一つを大事にしないと。良いパスだろうと悪いパスだろうと、捕らなきゃいけない。見てのとおり、僕はあまりランアフターキャッチを稼いでない。だからこそ、キャッチすることが何より大事なんだ」
ベアーズ戦でヒザを強打して途中退場したRBアーマン・グリーン。月曜日のMRI検査では、幸い、腱や軟骨や膝蓋などに損傷は見当たらなかった。しかしかなり腫れ上がっているため、ヴァイキングス戦への出否は、その腫れを引くのを待って金曜日以降に決めることになりそうだ。今のところ"Questionable"。「膝蓋の裏側の部分のことを心配していたのだが、幸いなんともなかった」とシャーマンHC。もし欠場することになっても、1試合で済むだろう。
グリーンが出られない場合の先発は、ベアーズ戦で活躍したRBトニー・フィッシャー。2番手は先々週に契約したばかりのジェイ・グラハム。控えFBのトニー・カーターが3番手RBを兼ねることになる。層の薄さが心配だが、シャーマンHCによると、新たなRBとの契約は考えていないとのこと。
オフェンシブラインで、開幕時と同じ選手が先発しているのは左右のガードだけ。LTタウシャーに代わってドットソンが先発し、LTクリフトンに代わってフラナガン、フラナガンに代わってウィンタースがセンター。直前のバッカニアーズ戦でクリフトンが長期欠場に追い込まれ、OL全体が「ソフトだ」という一部の批判もあった。今回のベアーズ戦、彼らラインマンたちの心に、秘めた決意がなかったはずはない。「いや、一番大事なのは、勝つことだ。ホームで勝ち、連敗したチームを再び元の軌道に戻すこと。ケガはこの商売にはつきもので、残ったヤツはただプレーを続けるだけさ」と語るのは最古参のCウィンタース。
ベアーズのDL陣がケガで弱体化していることもあったが、この日のパッカーズOL陣は文句なしの働きで、大きな試練を乗り越えた。ラッシングはトータル181ydsで、開幕のファルコンズ戦以来の好成績。被サックも最初のドライブの一つだけ(しかもこの時のパスプロテクションは長時間もっており、相手のパスカバーを誉めるべき)。WRドライバーは証言する。「OLたちは、この2週間のランニングゲームが不振だったことはわかっていた。彼らは集まって、『俺たちがやらなきゃ』と話しあったんだと思うよ」
「僕らは、もう長いこと一緒にやってる。自分たちのオフェンスをよく知ってる。誰がフィールドでプレーしてるかは関係なく、きちんと仕事はやるんだ」と語るのはRGリヴェラ。「僕らは、他のチームとは違う。僕ら7、8人は、フットボールをよく知っているベテランぞろいだ。誰か1人が倒れても、ちゃんとアジャストさえすれば、心配するようなことは何もない」とLGウォール。「まさに逆境だよ。彼らの多くが、開幕の時とは全く違うポジションをこなしている。にもかかわらず安定したプレーを続けて、ファーヴの投げる時間を稼ぎ、RBが走るスペースを作っている。彼らは十分な称賛を得ていないと思うね」とFBヘンダーソンは語っている。
この日の2つのビッグプレーを決めたのは二人のウォーカーだった。
8点リードされて迎えた前半最後、残り5秒でのプレー。CHI陣34から、QBファーヴがエンドゾーンめがけて投げたパスは5ヤード地点でSSムーアにインターセプトされてしまう。しかしCHI陣40までリターンしたところでムーアがファンブル。それを拾ったLTフラナガンがQBファーヴにラテラルパスを投げようとするが、それをCHI陣41でCBルーズベルト・ウィリアムズに奪われ、ウィリアムズがGB陣エンドゾーンめがけて走る。しかし遠くCHI陣エンドゾーンから、素晴らしいスピードで走ってきたWRジャヴォン・ウォーカーがGB陣13で追いついてタックル。致命的なタッチダウンを防いだ。今日はフラナガンがWRウォーカーに晩メシをおごるべき、という声が多い。
後半最大のプレーは、1点差に追い上げて迎えた第3Qの残り7分28秒に起きた。直前にCBウィリアムズがエンドゾーン内でパスインターフェアを取られたのだ。そのプレーでWRブッカーへのパスは不成功と判定され、レビューでも証拠不十分で覆らなかったが、1ヤード地点での1stダウン。絶体絶命のピンチだ。しかしスナップと同時(早かったかも)にDTロッド・ウォーカーが素早く突っ込み、QBミラーの手に渡る前にボールを叩き落し、そのまま自分でリカバー。再びベアーズに傾きかけた流れを変える出来事だった。
相手スナップカウントの読みがぴったり当たった。ほとんどオフサイド気味だったが、イエローフラッグはなし。「高校のチームメイトに、あればかりやってる友達がいたんだ。だから僕もやってやろうと思った。ダイレクトにボールを狙ったんだ」とDTウォーカー。「あんなの全く初めて見たよ。ミラーは何が起きたのかさえ分からなかったんじゃないかな」とDTハント。
トニー・フィッシャーがノートルダム大からドラフト外でパッカーズに入団して7ヶ月。その間に、実績のあるキジャナ・カーター、ジェイソン・ブルッキンズ、モーリス・スミスたちを打ち負かしてロースターに残ってきた。さらに同じくルーキーのダヴェンポートのケガで、ついに2番手に昇格。そしてベアーズ戦の第3Qにアーマン・グリーンが負傷して一時退場し、ビッグチャンスが来た。何度も続けてボールキャリーできるチャンスは、もちろんNFL入りして初めてのことだ。
17回91yds(平均5.3yds)、1TD。最初の見せ場は、自陣2ヤードでのファンブルリカバーでボールを奪った直後のドライブ。ラン4回36yds。パスキャッチで10yds。1人で4回1stダウンを更新し、勝ち越しのFGにつなげた。もうひとつの見せ場は、9点リードした第4Qの残り3分21秒から。逃げ切りを図るパッカーズは7プレー全てでフィッシャーのランをコールし、それに応えたフィッシャーは8yds、16yds、5yds、5yds、4yds、2yds、そして2ydsのTDランで締めくくり、初めてのランボーリープ。
「これまでトニー・フィッシャーのことを知らなかった人たちも、今はもうわかっただろう。彼はアーマン・グリーンじゃないけど、今日は確かに名を挙げたよ」とQBファーヴ。 「アーマンが倒れた時、どんなことになるかはわからなかった。チームは少なくとも30回はランプレーをしたいということは僕にはわかった。プレー機会が多いだろうとは思ったけど、あんなに好調に走れるとは思わなかった」とフィッシャー。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
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Bears (3-9) | 7 | 7 | 0 | 6 | 20 |
Packers (9-3) | 3 | 3 | 10 | 14 | 30 |
今季初めて、雪の舞うランボーフィールド。気温は-5℃。QBファーヴのファンブルロストで得たチャンスに、FGフェイクからのTDパスを成功させたベアーズが7点を先制。パッカーズはCHI陣4での1stダウンにタッチダウンを決められず、FGどまり。第2Qには、パッカーズのギャンブル失敗で得た攻撃を、ベアーズはギャンブル成功でチャンスをつなぎ、TEライマンへのTDパス成功で11点のリード。パッカーズはCHI陣13まで迫るが、またもFGどまりで、結局そのままハーフタイム。
後半最初の攻撃でTEフランクスへのTDパスが通って1点差。直後のベアーズの攻撃でGB陣1ヤードまで迫られるが、そこでファンブルリカバーが飛び出して失点を逃れ、これが最大のターニングポイントとなった。GB陣2からの攻撃をRBフィッシャーの活躍でFGにつなげ、パッカーズがついに逆転。さらにパッカーズは2つのターンオーバーを奪い、FBヘンダーソンへのTDパスで9点差。4Q終盤にはベアーズのギャンブル失敗から、RBフィッシャーが走りまくってダメ押しのタッチダウン。終了間際には元パッカーズのQBバリスが、キャリア初のTDパスをヘイルメリーで成功させるが、時すでに遅し。
<第1Q> 最初のベアーズの攻撃はCHI陣18から。RBトーマスの26ydsランでCHI陣45まで進んだものの、結局パント。GB陣22からのパッカーズ攻撃は、3rdダウン8でサックされたQBファーヴがファンブルロスト。GB陣18からチャンスを得たベアーズだが、4thダウン4。しかしFG隊形からホルダーのPメイナードがTEライマンへパスを通し、タッチダウン。パッカーズの攻撃はGB陣36から。RBグリーンの8ydsランは出るが、1stダウンが奪えずに3&アウト。CHI陣14からのベアーズは、2ndダウンでLBウェインにサックされたQBミラーがファンブルするが、自らリカバー。3&アウト。パントリターナーのゴードンがファンブルするが、DEマッケンジーがリカバーし、CHI陣49からのパッカーズ攻撃。3rdダウン7から、WRドライバーへの42ydsパスで一気にCHI陣4へ。しかしRBグリーンのランは4ydsのロス、WRドライバーへのパス失敗、TEフランクスへの5ydsパスで、タッチダウンならず。21ydsのFG成功。ベアーズの攻撃はCHI陣27から。ホールディングの反則のあと、WRブッカーへの21ydsパスで1stダウン。3rdダウン8からのパスが通らずにパント。パッカーズの攻撃はGB陣27から。RBグリーンへの15ydsパス成功でGB陣42。
<第2Q> RBグリーンの14ydsランでCHI陣42へ。3rdダウン4から、相手パスインターフェアで1stダウン。WRドライバーのリバースで3ydsゲイン、TEフランクスへのパス不成功で3rdダウン7。RBグリーンのランは2yds。CHI陣28、4thダウン6のギャンブルはパス失敗に終わる。ベアーズは、WRホワイトへの5ydsパスとWRブッカーへの12ydsパスでCHI陣45へ。3rdダウン5からWRホワイトへ8ydsパスで、GB陣42での1stダウン。4thダウン1となるがギャンブルを敢行し、TEギルモアへのパスが成功。ラフィングザパサーの反則もあってGB陣11へ。TEライマンへのTDパスが通って3-14。パッカーズの攻撃はGB陣35から。3rdダウン5、WRドライバーへの8ydsパス成功でGB陣48。RBグリーンの12ydsランが出てCHI陣40。QBファーヴの10ydsランでさらに1stダウン。WRドライバーへのパスが通ったところで2ミニッツ。RBグリーンの6ydsランで、CHI陣19での1stダウン。3rdダウン4、RBグリーンのパス落球で結局31ydsのFGに終わる。前半残り59秒、CHI陣33からのベアーズは、RBジョンソンの10ydsランで1stダウン。しかし50ヤード上でRBジョンソンがファンブルし、LBディッグスがリカバー。残り21秒。RBグリーンへの16ydsパスでCHI陣34へ。パス失敗で残り5秒。最後のパスも失敗に終わり(珍プレーだったので下記参照)ハーフタイム。
<第3Q> パッカーズの攻撃はGB陣38から。RBグリーンの7ydsラン、5ydsパスキャッチ、29ydsランでCHI陣21へ(ここでグリーンが負傷退場)。3rdダウン7、WRウォーカーへの12ydsパスが通り、CHI陣6へ。TEフランクスへのTDパスが一発で成功。2点差だが2ポイントには行かず、キックで1点差に。ベアーズの攻撃はCHI陣32から。パス失敗のあと、ホワイトへの18ydsパスで1stダウン。RBジョンソンの11ydsランでGB陣34へ。ジョンソンのラン2回とQBミラーのスニークで1stダウン。エンドゾーンへのパス不成功(レビューするが判定覆らず)にCBウィリアムズがパスインターフェアの反則で、GB陣1ヤードへ。なんとそこでベアーズがスナップミスしてファンブルし、DTウォーカーがリカバー。GB陣2からパッカーズの攻撃。RBフィッシャーの9ydsランと2ydsランで1stダウン。さらにフィッシャーの10ydsランでGB陣23へ。TEフランクスへの16ydsパスでGB陣39へ。フィッシャーの15ydsランでCHI陣46。WRウォーカーのパス落球のあと、WRグレンがの23ydsパスをナイスキャッチしてCHI陣23へ。WRドライバーへのTDパス失敗、TEフランクスへのパス失敗で3rdダウン10、フィッシャーへの10ydsパスでCHI陣13へ。ドライバーへの6ydsパス、フィッシャーのランは1ydsのロス、WRファーガソンへのパス不成功でタッチダウンならず。25ydsのFG成功でついに逆転。ベアーズの攻撃はCHI陣35から。WRロビンソンへのパスをCBウィリアムズがインターセプト。GB陣45からの攻撃。3rdダウン4となったところで第4Qへ。
<第4Q> WRグレンへのパス失敗でパント。タッチバックでCHI陣20からのベアーズ攻撃。RBジョンソンの1ydsランとWRホワイトへの9ydsパスで1stダウン。3rdダウン4からRBジョンソンがファンブルし、SエドワーズがCHI陣35でリカバー。WRファーガソンへの6ydsパス、RBグリーンの1ydsランのあと、WRグレンへの16ydsパスが決まってCHI陣12へ。RBフィッシャーの11ydsランでCHI陣1へ迫る。フィッシャーのランを止められたあと、FBヘンダーソンへのTDパスが成功して9点差。ベアーズの攻撃はCHI陣36から。DTハントのサックなどで1stダウンを奪えず、パント。GB陣14からのパッカーズは、3&アウトでパント。残り4分47秒、ベアーズの攻撃はCHI陣49から。TEライマンへの12ydsパスとRBジョンソンへの12ydsパスでGB陣27へ。2回続けてパス失敗のあと、LBニッカーソンのサックが決まって4thダウン16。52ydsのFGは失敗に終わり、残り3分21秒、GB陣42でパッカーズの攻撃に。RBフィッシャーの8ydsランと相手のアンネセサリーラフネスで1stダウン。フィッシャーのラン2回でさらに1stダウンを更新し、CHI陣9へ。2ミニッツ明け、RBフィッシャーがダメ押しの2ydsTDランを決め、初のランボーリープ。16点差で残り1分6秒。ベアーズはCHI陣32から、TEライマンへの7ydsパスとRBジョンソンへの5ydsパス、WRブッカーへの11ydsパスのあと、控えQBバリスからWRロビンソンへの45ydsTDパス成功。2ポイントは失敗して10点差。残り10秒、オンサイドキックは失敗し、ファーヴがニーダウンして試合終了。
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