過去の記事 2002年7月 全文表示  (リスト表示はこちら

2002年7月31日

Camp Notebook: DEホリデイが初参加

朝から霧雨が降ったおかげで涼しくなり、この日の最高気温は28℃。練習3日目にして、初めてのフルコンタクトのスクリメージ練習が取り入れられた。QB以外なら試合と同じようにタックルできるのだ。新加入のDEジョー・ジョンソンやLBニッカーソンを加えたディフェンス陣が全般的に優位。シャーマンHCは「新たに加わった選手たちがそれぞれ貢献し、良いオフェンシブライン相手に力を示したことはうれしいね」と認める。

新人FBダヴェンポートはテールバックも

半年以上ぶりの練習復帰で心配されたルーキーFB/RBナジェ・ダヴェンポートだが、なかなか良い動きを見せている。骨折していた左足をまだ少しかばって、鋭いカットを切らないようにはしているが、これまでのところ休みなしで練習に参加。6月のミニキャンプの時には練習ができないために253ポンド(114kg)もあった。「彼はその後かなりハードに頑張って、10ポンド以上絞ってきたよ。今はずいぶんいい体になってる」とヘイトリー副GM。

これまでダヴェンポートはほとんどの時間を、フルバックとして先発のヘンダーソンの下で勉強を重ねてきた。しかし月曜日になって、初めてテールバックとしてフルスクリメージ練習に参加し、ラン3回14ヤード、パスキャッチ1回15ヤード。2番手を争う他のRBたちが好調ディフェンス相手に苦しむのを尻目に、なかなかパワフルなランを見せた。「僕は幅広いプレーができる。もし2番手RBがうまくいかないなら、喜んで僕がやるよ。でも今は、ヘンダーソンに次ぐ2番手FBの座を確保しなきゃ」

スペシャルチームでも彼の活躍が期待されるのは言うまでもない。キックオフリターナーはまだ決まっておらず、若手RBたちがこちらでも出場のチャンスを狙っている。ノヴァックSTコーチも「たぶんダヴェンポートはレヴェンズより速いよ」と認めていて、開幕時に彼がキックオフリターンをやる可能性は十分あるとのこと。

足のケガと同じように心配されるのが法律上の問題。例の事件の裁判がはじまり、月曜の朝には彼の代理として弁護士が無罪の申し立てをした。 ただでさえルーキーにはいろんないたずらがされるものだが、あの逮捕のあと、きついジョーク(彼のロッカーに便器が・・・)が彼を待っていた。「事件については、チームメイトもすごくよく知っていた。彼らはただからかっただけだ。こんなことの後には、なにかと名前が出されるしね。みんなは僕がここにフットボールをするために来ていることをわかっているから、本気で僕を邪魔しようとなんて思ってない。だから僕もいちいち怒ったりなんかしないよ」

2002年7月30日

リロイ・バトラーはTVアナリストに?

引退を発表したばかりのリロイ・バトラー。将来コーチになるつもりでいるのは言うまでもないが、さしあたって今年はリラックスしてテレビの仕事をすることになりそうだ。彼は火曜日と水曜日にESPNを訪れて、オーディションとインタビューを受けることになっている。ESPN側は彼をプリゲームショウのアナリストにすることを考えている。

その他にもCBSは、スタジオでの仕事ではなく、彼に試合の解説者のポストを打診している、という噂もある。また、マンデーナイトゲームのABCは、彼をサイドラインのレポーターとして、来月オーディションをするとか。つまり、引く手あまた。

彼が引退を発表した直後、何人ものヘッドコーチが、彼をコーチに迎えようと電話をしてきた。シカゴのジャウロンHC、タンパベイのグルーデンHC、SFのマリウッチHC、フィラデルフィアのリードHC、デトロイトのモーニンウェグHC、そしてシアトルのホルムグレンHC。全員がグリーンベイ時代にバトラーと一緒に過ごした仲だ。

バトラーは「今年はコーチになることは棚上げしようと思っている。4人の子供たちと一緒にいたいんだ」と語る。シャーマンHCが「しばらくはゆっくりしたら」と勧めたのを受け入れた形だ。「もちろん僕は何をするにも、常にパッカーズが最優先だ。生涯一パッカーだからね」とバトラー。

Camp Notebook: OTドットソンが気を取り直した

昨日は「引退しちゃうかも」とまで落ち込んでいたOTアール・ドットソンだったが、ドクターの説得を受けて、がんばって左ヒザのリハビリを続けることに決めたようだ。「まだ痛みがとれないから、引退のことも考えてしまったけど、ドクターと話したら、これは術後6週間では普通のことだ、と言ってくれたから。実際はまだ5週間だし」と気を取り直した模様。

2002年7月29日

全員そろっての練習初日

土曜日は全体練習の初日。スーパーボウルを狙うチームへの期待を反映して、およそ3000人ものファンが見物に集まった。午前9時からの練習だというのに、8時前から行列ができていたという。ただでさえパッカーズは熱心な地元ファンが多いが、ここまで盛り上がるのはスーパーボウルに連続出場して以来、ここ数年はなかったことだ。

新加入LBニッカーソンの感想

新加入のLBハーディ・ニッカーソンは、このグリーンベイの独特の雰囲気に驚いたようだ。「こんなのは今までに経験したことがないよ。本当にエキサイティングだし、とても楽しい」とニッカーソンは語る。「パッカーズの一員になるとはどういうことか、レジー・ホワイトと何度か話し合ったことがある。彼は『パッカーズのファンは世界一だ』と言っていた。キャンプ初日の練習に出てきて、フェンス沿いにびっしり並んだファンたちを見るのは、本当に格別だね」

もちろん彼は驚いているばかりではない。年を取ったとはいえさすがにニッカーソンで、昨年までの先発ミドルLBベルナルド・ハリスとは違うところを見せ付けた。初日から気合の入ったハードタックルを連発し、真剣勝負のピリピリした雰囲気をチーム全体にもたらしている。「彼は間違いなくエキサイティングな選手だ。36歳だというのに、まるで飛ぶように動き回っている。彼がそこにいてくれることによって、安定感が得られるだけでなく、ビッグプレーももたらしてくれる」とSダレン・シャーパー。

OTアール・ドットソンが引退の危機か

控え右タックルのアール・ドットソンは、6月上旬に行った、ヒザの遊離軟骨を除去する手術からの回復が遅れているようだ。金曜日のフィジカルチェックの結果ドクターたちからのOKは出ず、あと2、3週間は練習に参加できない見込みになった。「彼自身は不都合を感じていないようだが、ドクターによると、ヒザの一部にまだ弱い部分があって、フットボールをする準備は出来ていない、ということだった」とラリー・ベクトルOLコーチ。

ドットソンはこれまでアリゾナでトレーニングを行っていたのだが、そこからのチームへの報告は「順調」というものだっただけに、今回の診断はショックが大きい。タックルが手薄なチーム事情はもちろんのことだが、本人もかなり落ち込んでいるようだ。彼と親しい記者によると「このまま回復が遅れるようなら、引退するかもしれない」とドットソンは漏らしているようだ。

2002年7月28日

DEホリデイがグリーンベイ到着

契約延長交渉の遅れからホールドアウトに入ったDEヴォニー・ホリデイだが、金曜の夜にグリーンベイに到着。2日目のフィジカルチェックには間に合わなかったものの、練習初日となる土曜日からは、チームに合流して練習参加する見込みになった。ホールドアウトが2日間で終わったとはいえ、契約がまとまったわけではなく、両者の隔たりはまだ大きいらしい。

代理人は金曜の朝、ホリデイ本人と長い話し合いを行い、グリーンベイに飛ぶべきだ、ということを決めた。「ホリデイにとって一番の関心は、ここへやってきてフットボールをプレーすることだ。彼は現在も、契約延長交渉がまとまるものと楽観視している」と代理人。「本人がどういう心構えでいるか? それは君たちが本人に直接聞いてほしい」

ホリデイ側の要求する金額はかなり大きなもののようで、今後の交渉が上手く行くかどうかは予断を許さない。契約延長を行わずに今シーズンを戦って、来春チームを去ることのリスクはどのくらいあるのか。また、彼に巨額契約を与えた場合、今年は良かったとしても将来のサラリーキャップを大きく圧迫することにならないか。今後、彼のプレーだけでなく、後釜になりうる選手が現れるかどうか、注目が集まる。

OTケヴィン・ジョーダン

いまのとこと最もデプス面で心配なポジションが、左タックルかもしれない。QBファーヴの背後を守るこの大事なポジションで、先発のクリフトンがもし倒れた場合どうなるのか。'96シーズン、LTジョン・マイケルズがケガに倒れた時、控えのウィルカーソンが上手く穴を埋めて、優勝に大きく貢献した。今年はそのような選手を若手の中から育てなければならない。

最有力候補が、2年目のOTケヴィン・ジョーダンだ。フレズノ州立大でQBデヴィッド・カーの背後を守ったあと、ドラフト外ルーキーとして昨春グリーンベイにやってきた。しかし最初の最初、4月のミニキャンプ初日で彼はヒザの前十字靭帯を断裂する大ケガを負い、1年間まったくプレーできなくなってしまう。信じられないような不運だ。

しかし救いはあった。彼は大ケガをするまでのわずか半日の練習で、首脳陣が惚れ込むほどの素晴らしい動きを見せていたのだ。その日は最悪の一日であると同時に、最高の一日でもあったのだろう。普通であればケガをしたら解雇が待っているはずのドラフト外ルーキーを、パッカーズは1年間インジャリー・リザーブに残してサラリーを払い続けた。「僕はヒザをケガした時、もうパッカーズを去るものだと思ってた。でもシャーマンHCがやって来て、僕のプレーが気に入った、と言ってくれたんだ」とジョーダン。「こんなことを成し遂げたのは彼が初めてかもしれない。たった一度の練習で、コーチたちが彼に恋してしまったんだ」とシャーマンHCも認める。

その後のジョーダンは、その期待に応えようと懸命にリハビリを続けてきた。この春にはケガが再悪化して関節鏡手術を受けたものの今は回復し、ついに今週から練習フィールドに復帰。昨年見せたのと同じような、クイックネスと軽いフットワークを披露している。パス主体のフレズノ州立大でやっていた強みは、やはりパスプロテクションの良さだ。「彼はすでにパスプロテクションでは優れたものを持っている。今後ベテランDLたちと対戦してみなければわからないが、今のところ非常によくやってるよ」とシャーマンHC。

ドラフト6巡指名のホウトンは、本来はガードが得意なのかもしれないが、チーム事情から今のところ控えLTの座をジョーダンと争うことになる。また、2人とも芳しくない場合、新たにベテラン選手を獲得する可能性もある。「これからは大変な競争が待っている。そして上手く行けば、僕とホウトンの2人ともチームに残ることもできる。今後どういうことになるかわからないけど、チームのために出来ることは何でもするつもりだ」とジョーダンは語っている。

2002年7月27日

DEホリデイ現れず

一足先に水曜日からキャンプを始めているルーキーたち以外の選手は、木曜の夜7時のミーティングに集合しなければならないことになっている。しかし7時が過ぎても問題のDEヴォニー・ホリデイは現れず、ホールドアウトの心配が現実のものになってしまった。これが長期戦の始まりなのか、一時的なデモンストレーションに過ぎないのか、まだわからない。契約延長交渉そのものは次第にヒートアップしているのだが。

選手たちはグリーンベイ市に隣接するDePere市のSt. Norbert Collegeの狭苦しい部屋にむさ苦しいチームメイトと二人一組で詰め込まれ、トレーニングキャンプ中の数週間、そこで寝泊りすることになっている。26日(金)には練習は行われず、フィジカルチェックのみ。全員での練習は翌土曜日からとなっている。練習開始までにホリデイの交渉がまとまるかどうか。最初のミーティングを欠席したことで、とりあえずチームからの罰金は受けることになる。

新人FBダヴェンポートが契約して合流、そして謝罪

ただひとり契約がまとまっていなかったドラフト4巡のFBナジェ・ダヴェンポートが3年契約にサイン。一日遅れで他のルーキーたちに合流した。足首の骨折からの回復に手間取り、つい最近になってドクターの許可が下りたばかりのため、体は十分出来上がっているとは言えない。しかし動きはランもパスも動きはまずまずで、シャーマンHCは「動きが非常にスムーズで、今日見た限りでは、我々を失望させるようなことは何もなかった。それは確かだ」

例の逮捕(7月10日のニュース参照)があったため、練習後のインタビューが注目されたが、「係争中だから」ということで個別の質問には答えず、そのかわりに謝罪声明を発表した。「マイアミで起きた事件に関して、自分が巻き込まれたことを謝罪したい。グリーンベイ、コーチたち、選手たちに謝りたい。なぜなら、この件で自分が恥ずかしいだけでなく、グリーンベイのチーム全体にも恥をかかせたことにもなるからだ。いま現在、裁判のこともあるので細かい事柄については話すことができないが、問題が解決され次第、喜んでみなさんの質問に答えるつもりだ」

この謝罪が自分の罪を認めてのことなのか、このような事件で自分の名前が出ただけでも恥だと思ってのことなのか、いまひとつはっきりしないが、まずは殊勝な姿勢を見せた、といったところか。

ゆく人 くる人

ドラフト指名ルーキーと契約するためもあって、水曜日と木曜日で、はやくも4人が解雇された。カットされたのはLBクリス・ギジー、FBケヴィン・マクロード、WR/KRリチャード・ルイス、OGエド・カール。どの選手もケガのため、ということのようだ。昨年、ウェインの控えとしてウィークサイドLBをプレーしたクリス・ギジーは、腰の手術後の経過が思わしくないため、今季はプレーせずに来季また帰ってくる可能性が高い。

入れ替わりに契約したのが、身長188cmの大型WRジャヴォン・グリーン。彼は昨年、ルーキーFAとしてレイダーズのキャンプに参加したが、ロースターに残れずにカットされている。

2002年7月26日

いよいよトレーニングキャンプ始まる

水曜日からいよいよトレーニングキャンプが始まった。しかしまだ参加しているのはルーキー及び一部の若手選手だけ。それ以外の選手たちは木曜日中に集合し、金曜日はフィジカルテスト他。全員での練習開始は土曜日からとなっている。

ドラフト5巡指名のDE/DTキャンプマンも3年契約にサインしたため、初日の練習に参加しなかったのは、未契約のドラフト4巡FBダヴェンポートだけ。そのダヴェンポートも水曜か木曜には契約にサインすることになりそう。

昨夏はキャンプ前半の時期に猛暑に見舞われ、ミネソタのOTストリンガー選手が死亡する事故があったのは記憶に新しい。グリーンベイでも今年から、練習フィールドのすぐ近くに"emergency cooling station"が設置されている。そこには冷水の浴槽などが準備され、熱中症など暑さのために体調がおかしくなった選手の手当てが素早くできるようになった。

また、ストリンガー選手の場合もそうであったように、急激に体重を絞りながら、猛暑の中で練習をした時に事故が起こりやすい。それを避けるためトレーニングスタッフたちは、全選手の体重を練習前と練習後にチェックすることを徹底し、ある程度体重の落ちている選手には水分の摂取を促す。また一定以上体重が落ちている選手には、練習を制限、または休ませることもするようだ。

Notebook: ケガ人情報

DEホリデイはホールドアウトするのか

契約があと1年残っていながら、契約延長を求めてキャンプをホールドアウトするという噂のあるDEヴォニー・ホリデイ。今オフに入った当初から、パッカーズ側もホリデイ側も「契約延長交渉を進める」ということで一致していたのだが、少しずつ後回しにされ、ついにキャンプイン目前になってしまった。本人の希望はオフシーズンのうちに契約延長を済ませることだ。

代理人は今週初めに「本人は、いまだに正式なオファーがないことに非常に苛立っている」と語り、その効果があったのか、その後、正式なオファーではないもののなんらかの提示がチーム側からなされた、という噂。ホリデイがホールドアウトするつもりかどうか聞かれた代理人は、「ノーコメント」

「ホリデイはまだ契約下にある。彼は非常にインテリジェントであり、彼の代理人もそうだ。ホールドアウトなどという事態にもちこんでも、勝者は誰もいない、ということはわかるはずだ」とシャーマンHC。「先週末だったかに彼と話をした時、『交渉とは難しいものなのだ。もっと忍耐強くならなくては』ということを彼に説明したよ」

RBアーマン・グリーンが妻と和解か

5月に、妻シャリリンの要求によって「妻子に近づくことはまかりならぬ」という裁判所からの保護命令がRBアーマン・グリーンに出されていた。しかし今度は妻がその命令を取り下げるように裁判所に訴えたことにより、ようやくその命令は取り下げられた。元のさやに戻ったのかどうか。

グリーンの妻シャリリンはどうも相当激しい性格のようで、かつてはグリーンに切り傷を負わせたこともある。また、3月8日に夫婦喧嘩をした際に、妻シャリリンが「近所の治安を乱した」ということで来月には裁判が予定されている。

2002年7月25日

グリーンベイ・パッカーズ株主総会

毎年恒例のパッカーズ株主総会が火曜日に開催され、2211人の市民株主たちが出席した。マイク・シャーマンHC/GMがスタンディングオベーションで迎えられ、彼のボス ― もちろん株主たち ― に対し、チームの置かれた状況やチーム強化の現状について、約50分にもわたって説明を行った。その中からほんのいくつか。

また、球団副社長兼交渉担当兼サラリーキャップ担当のアンドリュー・ブラントが将来のサラリーキャップについて楽観的見通しを説明したり、会計担当のジョン・アンダーウッドがチーム財政について報告を行ったりした。

ドラフト1巡WRウォーカーたちが契約

キャンプ入りを目前にして、ドラフト1巡指名のWRジャヴォン・ウォーカーが総額$7.485ミリオンの6年契約にサインした。目安となる昨年のドラフト1巡20位、アダム・アーチュレタ(STL)よりもわずかに上で、つまり相場どおり。これでパッカーズのドラフト1巡指名は、'97年にロス・ヴァーバがホールドアウトを行って以後は、5年連続してキャンプ入り前に契約成立している。「トップ指名がキャンプに間に合うのは大事なこと。それがレシーバーならなおさらだ」とブラント交渉担当はホッと一息。

ドラフト5巡指名のQBクレイグ・ノールも3年契約にサインした。$104,000の契約ボーナスを含む総額$1,004,000とのこと。

また、ドラフト6巡指名のOT/OGマイク・ホウトンも3年契約にサイン。 それに加え、まだ正式契約には至っていないものの、5巡指名のDE/DTアーロン・キャンプマンも、3年契約ですでに合意に至っている。これで残るのは4巡指名のFBダヴェンポートのみ。例の事件が影響しているのかもしれず、なんらかの規律に関する条項を契約に盛り込もうとしているのかもしれない。

ブラント交渉担当によると、ドラフト指名6選手全員と契約したあと、サラリーキャップの空きは約$2ミリオンほどになるとのこと。バトラー引退によるキャップへのごくわずかで、過去の契約ボーナスが引退後に計上される"Dead Money"はわずか$40万ドルほど。引退によってベースサラリーの$75万ドルがなくなるため、逆にキャップには余裕が出来るのだ。いかにバトラーがチームのサラリーキャップをよく考えていたのかがよくわかる。

2002年7月24日

新ファシリティをお披露目

新ランボーフィールドの建設が進行するに伴って、球団事務所などの引越しが進んでいるが、このたび、ロッカールームやトレーニング関連の施設などが完成し、記者たちに公開された。落ち着いた雰囲気で、美しい楕円形を描くロッカールームは、当初の予定では巨大な長方形になるはずだったのだが、シャーマンHCの「もっと選手同士が親密な関係を保てるように」との希望で、シャーマンHC自身が設計しなおしたのだという。

ロッカールームに加え、トレーナー室、ウェイトルーム、シャワー室、バスルーム、サウナ、プール、X線室、リハビリ用プールなどなど、すべての施設が大幅に拡張され、きわめてゴージャス(写真集はこちら)。ファーストクラスに生まれ変わったファシリティが選手たちに大好評なのは言うまでもない。選手たちにプライドを与えるだけでなく、魅力あるチーム施設は、フリーエージェント選手を呼び寄せるのにも役立つのではないかと、チーム側は期待している。「この施設があるから勝てるというわけではないが、勝てるチームを作るのに役立つはずだ」とシャーマンHC。

ロースター展望 C編

今オフの補強

センターに関しては、最大のニュースは大ベテランのウィンタースが現役続行を決断したこと。これでデプスは十分。それに加え、ドラフト6巡でセンターの経験もあるマイク・ホウトンを指名。ドラフト外でアンディ・エビーと契約。ロースター枠は2人。

マイク・フラナガン

'96年にドラフト3巡で指名されて以来、ウィンタースの下で5年間耐えた甲斐があって、先発に昇格した昨年も、全く危なげないプレーを見せた。メンタル面も安定しており、スナップミスは非常に少ない。ややスリムなため、ランブロックで時折押し負けるシーンはあるが、その代わりに軽いフットワークで横への動きも非常に良い。NFL選手組合へのチーム代表でもある。

フランク・ウィンタース

先発の座を失って2年目。38歳となり引退を迷ったが、現役続行を決めた。プロボウル経験のある大ベテランが控えにいてくれるのは心強い。ロングスナッパーの控えも彼が務める。QBファーヴの一番の親友でもある。

アンディ・エビー

カンザス州立大出身のドラフト外ルーキー。 ミニキャンプでの評判はかなり良かった。3人目のセンターがロースター入りするのは無理だろうが、今年はプラクティス・スクワッドで修行し、(たぶん)ウィンタースが引退する来年には2番手に昇格する、というシナリオは十分考えられる。

2002年7月23日

ファーヴが禁酒を語る

QBブレット・ファーヴが'99年の3月に禁酒してから3年余り、彼は一滴の酒も口にしていないと言う。その決断に至ったのは妻のディアナさんの「酒を取るか、家族を取るか」という最後通牒のおかげだ。今は酒のにおいだけで吐き気がするぐらいだ、とファーヴは言う。自宅にはアルコール類は全くないし、飲みたいとも思わない。

禁酒するまでの彼は、中毒ではなかったものの、飲む時はかなりの量を飲んだ。試合前夜に飲んだのはただ一度、大学一年で3番手QBだった時だけのこと。しかし前々日に飲むことは多かった。若い頃は週に2度は飲みに出かけていたし、実際もっと多かっただろう。「そのころの酒がプレーに影響していたとは思わない。ただいずれは衰えが出ただろう。僕は年をとったけど、以前のような事を続けていたら、これほど長く成功できたかはわからない」

彼が最も活躍したのは酒を飲んでいた頃だと指摘する人もいるが、ファーヴはそんなのは馬鹿げている、と反論する。「最近は誰も言わなくなったけど、禁酒一年目の頃は、スタジアムに入る時や出る時、『おーい、また酒を飲む必要があるぞ』って言うファンがいたんだ。でもそのころ成績が良くなかったのは他に問題があったんだ。親指やヒジを痛めたり、その他にもね。だから『君は酒を飲んでた頃が一番いいプレーができてた』なんてのは全く馬鹿げた考えだよ」

ミシシッピの家を計画しているころ、ファーヴの関心は素晴らしいバーを設計することだった。しかし家ができるころ、ファーヴは酒を止めていて、もちろん今の家にはバーなどない。パーティライフを満喫するイカレた若手QBは、成熟した家庭人になった。スクランブル能力に多少の翳りが見える他は、彼のプレーに衰えなど見られない。

ミラー社とスポンサー契約

パッカーズは、来年完成する新ランボーフィールドに併設される"タイトルタウン・アトリウム"のスポンサーとして、ビール大手のミラー社と10年間のスポンサー契約を結ぶことを発表した。ミラー社は地元ウィスコンシン州ミルウォーキーに本拠を置き、MLBブリューワーズの新しいスタジアムにもミラー・パークという名前が付けられている。契約金額は明らかになっていないが、ミラー社は、パッカーズの"オフィシャル・ビール・スポンサー"となり、パッカーズ関連のロゴマークを使用することもできるようになるらしい。

"タイトルタウン・アトリウム"は、新ランボーフィールドの一つの大きな目玉である。"Packers Hall of Fame"がここに移され、"Packers Pro Shop"やさまざまなレストランや売店もここにオープンする。全世界からグリーンベイ詣でにやってくるパッカーズファンを、年中無休で受け入れる体勢になっている。(完成予想イラスト集

2002年7月22日

ロースター展望 OG編

今オフの補強

FA移籍するものと思われていた先発LG、マイク・ウォールと再契約できたことは大きい。これで先発OL5人全員が残留することになった。そしてドラフト6巡でOG/OTホウトンを指名。ロースター枠は3人、または4人(オフェンシブライン全体で9人)。昨年は右ガードの控えを先発RTタウシャーが兼任したが、今年はどうなるか。

マルコ・リヴェラ

先発の右ガード。若いOL陣の中では一番の古株、7年目の30歳。相手を圧倒するような力はないが、テクニックに優れ、地味だが安定している。本来はこの春FA化するはずであったが、すでに昨年4年契約を結んでいる。こう見えてもNYブルックリン生まれ。

マイク・ウォール

先発の左ガード。まだ25歳。2000年は先発LT失格の烙印を押されたウォールも、昨年はガードに移って見事全試合先発。安定したプレー振りは期待以上だった。他チームからの評価もかなり高く、数チームから誘いがあったが、パッカーズと再契約。この裏には、WRテリー・グレン獲得が意外に安価で済んだため、ウォールに高額オファーをする余裕ができた、という事情もあったらしい。左タックルで先発の経験があるため、LTクリフトンがケガをしたらウォールがLTに移る可能性も。

ビル・フェラリオ

控え左ガード。地元ウィスコンシン大から昨年のドラフト4巡指名。しかし試合当日のアクティブロースターには一度も登録されず、出場はゼロ。ほろ苦いルーキーシーズンを送った。今年は課題とされたパスプロテクションも向上し、控えLGとしてロースター入りするのはほぼ確実。ただし先発のウォールを脅かすまでは難しそう。

エド・カール

控え左ガードの座を目指し、フェラリオを追っている。ブリガムヤング大時代はDEをプレーしていた。そのため、プロ入りしてからは時間がかかり、すでに29歳。ロングスナッパー兼任として期待は大きく、昨年はプラクティス・スクワッドでシーズンを過ごした。経験を積ませようとNFLヨーロッパに送られたが先発になれず、期待はずれだった。このキャンプが正念場。

OT兼任の人たち

ドラフト6巡のマイク・ホウトン、ドラフト外のケヴィン・バリーはどちらもガードとタックルの両方をこなす。どちらが本職なのかイマイチわからないが、器用さを武器にロースター入りを目指すといったところか。右サイドは先発RTタウシャーがRGもこなすことが立証済み。

その他

NFLヨーロッパに派遣されたティム・ステューバー、ドラフト外ルーキーのクリス・ワットンの2人は、最終ロースターには残れないだろう。

2002年7月21日

Notebook: LBギジーは解雇へ

2002年7月20日

Sリロイ・バトラーの引退会見

グリーンベイにあるブレット・ファーヴ・ステーキハウスのパーティルームで、リロイ・バトラーの引退記者会見が行われた。チームドクターのパトリック・マッケンジーは、彼がバトラーに引退勧告をせざるを得なかった事情を説明した。

「彼が昨年11月に骨折した左の肩甲骨のうち、ある部分はかなりよく治っていて、今後の日常生活や、ゴルフクラブを振ったりすることには問題ない」とドクター。しかし関節の、まだ治りきっていない所に危険があるのだと言う。「心配なのは、もし彼がもう一度、前回と同じようなヒットを受けた場合 ― それはごく普通のヒットであって、決して激しすぎるようなヒットではなかった ― 肩関節が再びバラバラになってしまいかねない。そんなリスクを冒すべきではない、というのが私の意見だった」

バトラーと妻のローデシアバトラー本人の様子は決して悲しそうではなく、満足感に満ちた、明るい話し振りに終始した。高校時代の恩師から、現在のシャーマンHCや用具係に至るまで、感謝の意を表した。「僕はランボーフィールドに出てきて、エンドゾーンの人たちと握手をして回るのが大好きだった。それが僕には何よりも大事だった。そのせいでウォームアップに遅れてしまうぐらいにね」とバトラーは振り返る。決して金のためにプレーしていたのではないのだと。

"It was never, never, never about the money."

バトラーはそのような態度を、ロン・ウルフ元GMとのサラリー交渉の中で学んだのだと言う。ボブ・ハーラン社長も「バトラーはいつでも交渉の最初に、『僕はここにいたい。ここにい続けたい。そうなるような方法を考えよう。僕はFA市場になんて出て行きたくはない』と言うのが常だった。本当に尊敬するよ」と語る。

今後どうするつもりか聞かれたバトラーは、「今いちばんしたいのは、休息をとることだね。キャリアを通じて、たぶん2回しかバケーションを取っていないと思う」 と答える。もちろん今後コーチになりたい気持ちがあるのは明らかだが、今年はどうするかまだはっきりしていない。シャーマンHCも「いったんは、今いるところから離れて、自分が本当に何をしたいのか、客観的に見つめなおすことが必要だと思う」と語る。

バトラーの長年の貢献に感謝するため、シャーマンHCはパッカーズを代表して、バトラー夫妻に記念盾と、ゴルフクラブのセットを贈った。記者会見が終わりに近づき、将来の殿堂入りについて聞かれたバトラーは、「しかし僕の最大の目標はまず"Packer Hall of Fame"に選ばれることだよ。だって僕らには自前の殿堂があるんだから。もし僕がパッカーズの殿堂入りする日がきたら、それは特別な日になるだろう」

Sバトラーの後釜問題

確かにチームリーダーのSリロイ・バトラーを失った痛手は大きい。しかし昨年後半は彼抜きで戦ってきたのだし、シャーパーをはじめとして、そのバトラー不在の間に培った経験は大きい。さらに今年はアントワン・エドワーズがケガから復帰し、ドラフト3巡ではマーカス・アンダーソンを指名した。純粋にタレントレベルだけで見れば、衰えの見えたバトラーが引退しても、それほどのダメージはないとも言える。

Sシャーパーは不動のスターターであり、昨年あたりから、バトラーに代わる、セカンダリーの新リーダーとしての自覚がはっきりと出てきている。問題はもちろんもう1人のセーフティだ。なお、パッカーズでは昨年はじめあたりから、ストロングセーフティ(SS)とフリーセーフティ(FS)の区別をなくしており、 セーフティが2人いるだけである。あえて言えば昨年はシャーパーがSS、 バトラーがFSに下がっていた。

後任のスターター候補筆頭は、4年目のアントワン・エドワーズである。バトラーとシャーパーの後で3年間控えに甘んじてきた'99年のドラフト1巡指名選手。昨年の第3週にヒザの靭帯を断裂する大ケガを負ってその後は全て欠場。しかし今年のリハビリは信じられないほど上手く行き、トレーニングキャンプでは初日から参加できる。かつては「精神的にムラがある」と言われたエドワーズだが、今年の苦しいリハビリを通じて、精神的に非常に成長した、という評判だ。「彼がスターターだということに、もう何も条件を付けることはない。我々は彼を非常に信頼している」とドナテルDC。

エドワーズが先発争いで2歩ほどリードしているのは確かだが、もし彼がケガのためにもたつくようなことがあると、ルーキーのアンダーソンにもチャンスが出てくる。ベアーズ時代、'99年のドラフト2巡でトニー・パリッシュを指名して成功したヘイトリー副GMは、「パリッシュよりもアンダーソンの方がずっと上だ」と自信を見せている。しかも4月のミニキャンプではCBもプレーできることを証明して見せた。「ドラフト指名する時には、CBをあれほどやれるとは期待していなかったんだが。これでウチにはCBもSもやれる選手が7、8人いることになる。こんなチームは他にないよ」

昨年バトラーの代わりにセーフティをプレーしたCBバウ・ジューだが、今年は(よほどケガ人が出ない限り)本職のCBに専念させる、というのがチームの方針だ。ということは、エドワーズとアンダーソンを追うのがマット・ボウエンとスコット・フロストの2人。

2002年7月19日

Sリロイ・バトラーが現役を引退

「今は誰もヒットできないんだ。骨折したあたりには神経が通っている。もしそこで神経が断裂するようなことがあると、左半身が麻痺してしまうことになる。選択の余地はない。バスケも、ソフトボールも、ゴルフも、何だって出来るけど、フットボールだけは出来ないんだ。仮にそれが25歳の選手であっても、プレーは許されないはずだ」

バトラーを引退に追い込んだ肩甲骨の骨折はしかし、いずれは治る性質のものだ。シーズン序盤はプレーできなくても、中盤のどこかで復帰することなら可能だったのではないか? しかし、もし全試合出られないのであれば、彼はプレーする気はなかった。「こんな状態の自分のために、ロースター枠を確保するのはわがままだよ。若い連中にチャンスをやるべきなんだ。たくさんの人が、『引退するな。もう少し様子を見ろ』と言ってくれるけれど、僕はそういうタイプの人間じゃない」

あと2つのインターセプトを決めれば、バトラーは史上初の「40インターセプト・20サック」を決めたNFL史上初めての選手になるところだった。しかし毎年のようにサラリーカットを受け入れてまでパッカーズのために尽くしてきた彼にとって、個人的な目標や、目先のサラリーのためにチームのサラリーキャップを圧迫することは考えられないことだった。

バトラーのキャリア

リロイ・バトラーはフロリダ州ジャクソンヴィル出身。フロリダ州立大では3年間スターターを務め、最終年にはオールアメリカンの1stチームに選ばれている。1990年のドラフト2巡指名でパッカーズ入り。2年目の'91シーズンから先発に定着し、リーグを代表するセーフティの1人として活躍した。プロボウル出場は4回。また、NFLの殿堂が選ぶ「オール'90年代」の1stチームにも選ばれている。

ウルフGM・ホルムグレンHC以前のパッカーズを知る唯一の選手だった。リンディ・インファンテ、マイク・ホルムグレン、レイ・ローズ、マイク・シャーマンの4人のヘッドコーチの下でプレーした。昨年11月の大ケガでシーズン後半を棒に振るまでは、わずか4試合しか欠場せず、116試合連続出場中だった。通算試合出場は181試合。あと16試合で、QBバート・スターの記録を破ってパッカーズ史上1位になるはずだった。

プレースタイルは"頭脳的"ということに尽きる。 身長は6フィート弱で、さほど大きくもなく、スピードもメチャクチャ速かったわけではない。読み・勘・嗅覚に優れていた。全盛期には、絶妙のタイミングで飛び込むブリッツによって相手QBを恐怖に陥れた。やや衰えたこの数年は、そのような派手な役割をダレン・シャーパーに譲ったが、相手の動きを見て的確に指示を出す「ディフェンスのQB」としての存在感は、余人をもって代えがたいものがあった。

常に選手の先頭に立ってメディアに話をする、スポークスマン的な存在でもあった。 もともと話し好きだったこともあって、記者たちからも非常に愛され、また重宝された。常に"We"という言葉を使い、チームの勝利を何よりも優先する態度を貫いた。もちろんファンからの支持は絶大だった。

また彼は"ランボー・リープ"を発明したことでも知られる。 1993年12月26日のLAレイダーズ戦、SSバトラーはRBランディ・ジョーダンをハードタックルしてファンブル・フォース。そのボールをDEレジー・ホワイトが拾い、10ヤード走ったところで相手にサイドラインに押し出されそうになった。素早く立ち上がって再び走ってきたバトラーに、レジー・ホワイトがボールを渡し、バトラーはそのまま左ライン際を駆け上がってキャリア初のタッチダウン。その勢いでスタンドに飛び込んだのが、史上初の"ランボー・リープ"だったのだ。

フォレスト・ガンプ

17日夜、リロイ・バトラーはグリーンベイの自宅に50人の友人を招いて、12年のキャリアを終えたことの"お祝い"をしたのだと言う。「そりゃあ、お祝いだよ。本当に楽しかった」とバトラーは心からの笑顔で答える。その笑顔の理由は、彼の子供時代にある。

子供の頃の彼は、まるで映画の「フォレスト・ガンプ」のように脚をギプスで固め、一生走れずに終わる可能性もあったのだという。脚が弱いため、ごく短い距離しか自力で歩けなかった。車椅子を使うことさえあった。しかし中学1年生になるころから脚は良くなりはじめ、そして多くの困難を克服して、ここまでのキャリアを築いたのだ。これを祝わずにいられるだろうか。

「突然の引退で悲しいなんてとんでもないよ。こんなに長くここにいられるなんて思ってもいなかったんだ。子供のころ、車椅子に座って『キックボールが出来たらなあ』なんて思っていたのを思い出すよ。そしてついにフットボールをやれるようになった時は、ただただ嬉しかった。高校に入って競争できるほどになった時は、自分はなんて幸運なんだろうと思ったよ。これまでプレーできて本当に楽しかった。だから、12年しかプレーできなかったからといって腹を立てるのは、わがままってもんさ。12年も1つのチームでプレーできるなんて素晴らしいじゃないか」

親友ファーヴについて

バトラーがディフェンスのリーダーである間、オフェンスのリーダーがQBファーヴだったのは言うまでもない。「それは僕らにとって競争みたいだった。彼がTDパスを決めると、『さあ今度はそっちがインターセプトを決める番だ』と彼が言い、僕がインターセプトを決めると彼に『今度はそっちがTDパスを決める番だ』と言うんだ」とバトラーは懐かしく振り返る。

「彼は親友だ。僕が引退のことを電話でファーヴに告げたとき、彼はボウリングをしているところだった。彼はまるで兄弟を失ったみたいに悲しんでくれた。彼は僕をとても尊敬してくれた。僕は声を出してチームをリードし、彼はフィールド上のプレーでチームを引っ張る。それは素晴らしかった」

「僕はコンサルタントとして何かチームの役に立ちたいと思っている。それにはまだシャーマンHCと話し合わなきゃいけないけど、それはチームのみんなも望んでくれていることなんだ。ブレットも『チームと一緒にいてくれるんだろう?』と言ってくれた」

2002年7月18日

Sリロイ・バトラーが引退へ!

12年間にわたって、ディフェンスのリーダーとしてパッカーズを引っ張ってきたSリロイ・バトラーがついに引退することになった。昨年11月に肩甲骨を骨折するという大ケガを負った彼は、復帰を目指してトレーニングを続けてきたが、7月5日の検査でもまだ治りきらない個所が見つかり、トレーニングキャンプ初日からの練習参加が不可能になっていた。

「もしトレーニングキャンプ終了時にまだ治っていなかったら? 僕はシャーマンHCといろいろな選択肢について話し合った。最初は僕も、キャンプ終了まで頑張ってそれから決断したいと思ったけど、その時になってもドクターの許可が出ないということも十分考えられるんだ」とバトラーは苦しかった胸の内を語る。

バトラーは、これはまだシャーマンHCの許可は得ていないのだが、と前置きしながらも「今シーズンを、コンサルタントか何かとして、チームのために働きたいのだ」という希望を述べている。「僕は重要なリーダーシップを提供することができるし、若いセカンダリー陣の教育を手伝うこともできる。まだシャーマンHCが、ポストを用意できるかどうかはわからないけど」

引退記者会見は現地木曜日の午後1時半に予定されている。

PR/CBダリエン・ゴードンと契約

パッカーズは元ファルコンズのPR/CBダリエン・ゴードンと契約した。$650,000の1年契約で、契約ボーナスは$10,000。7年以上ベテランの最低年俸のため、サラリーキャップには$450,000しかカウントされない。ゴードンはCBとしてよりも、パントリターンのスペシャリストとして知られ、昨年は平均14.1ydsを記録してNFCの1位。31歳ながら、まだまだ力は衰えていないことを立証した。ただしキックオフリターンは、ほとんどやらないようだ。

ゴードンはスタンフォード大出身の10年目。身長は180cm。'93年のドラフト1巡22位でチャージャーズ入りし、2年目から先発に定着。キャリアを通じてCBとパントリターナーの両方でプレーし、特にPRとしては素晴らしい数字(通算で平均12.3yds)を残してきた。'97年にはFAでブロンコスに移籍し、スーパーボウルを連覇した2年間は全試合に先発。'99年にはFAでレイダーズに移籍したが、そこではほとんど先発の機会はなく、PRで活躍。そして昨春にレイダーズからカットされファルコンズと契約。ファルコンズはこの春ロッサムと契約したため、ゴードンは再契約されなかった。

'93年のドラフト1巡で15位指名権を持っていたパッカーズのウルフGMは、ゴードンを「その年最高のCB」と高く評価しており、もう少しで指名するところだった(結局LBシモンズを指名)。しかしプロ入り後のゴードンは、CBとしては必ずしも一流とはいえない。「CBとしてはそこそこだが、パントリターナーとしては凄腕」というのが一般的な評価のようだ。CBとしての欠点は、インターセプト狙いのギャンブルをしすぎ、また時おり集中力に欠ける、という批判もある。

奇しくも元パッカーズのPR/KRロッサムはこの春ファルコンズと契約しており、両チームはリターナーを交換した形だ。ゴードンはロッサムのようにスピードでぶっちぎるのではなく、タックルをかわすのが上手い。ロッサムはPRとしては「並」であり、むしろKRが得意だったのに対して、ゴードンはPRが本職で、KRはほとんどやらない。また、コーチにとっては扱いにくい選手、ということでも知られ、これまでにも何度かコーチとトラブルを起こしているらしい。

今回の契約で、パッカーズの最大の懸案だったPRの穴がキレイにふさがったことになる。「彼はPRとして非常に経験豊富だ。フィールドポジションを良くしてくれるだけでなく、判断力も良い」とノヴァックSTコーチ。ゴードンと同じくスタンフォード出身のブラント交渉担当は、「スタンフォード出身が1人ぐらいはロースターにいなくちゃね」とジョーク。ゴードンは昨年のロッサムと同じように「5番目(または4番目)のCB兼パントリターナー」という役割を担うことが予想される。

2002年7月17日

ロースター展望 OT編

今オフの補強

昨年わずか22サックしか許さなかったのはプロ入り2年目コンビ、RTタウシャーとLTクリフトンの功績が大きかった。左タックルの控え、バリー・ストークスは、先発のチャンスを求めてブラウンズへ。右タックルの控え、アール・ドットソンも先発できるチームを探したが、腰の古傷などのリスクが敬遠され、結局パッカーズと再契約してくれた。

先発の両タックルはタウシャーとクリフトンで揺るぎないが、左タックルの控えは問題だ。ドラフト5巡指名のホウトンはまだ未知数。昨年4月にヒザの靭帯を断裂して1年を棒に振ったケヴィン・ジョーダンは結構期待されている選手。左ガードのマイク・ウォールも左タックルの経験があるから代役にもなれるが、そうなると左ガードの代役が必要になってしまう。ロースター枠は4人(オフェンシブライン全体で9人)。

マーク・タウシャー

先発右タックル。一昨年のドラフト7巡。コロンとした体格で、見た目は冴えないが、 その安定したプレーは非常に評価が高く、昨季はチーム内でのベストOLに選ばれた。非常に器用なので、RGリヴェラがケガをした時は、タウシャーがRGに入ってドットソンがRTをプレーすることができた。FAになるのは再来年だが、早くも契約延長の話が出ている。DEホリデイとの契約延長が済んだら次はタウシャーだろう、ともっぱらの噂。

チャド・クリフトン

先発左タックル。上記のタウシャーと同期だが、こちらはドラフト2巡。QBファーヴの背中を守るのに十分な働きをすでにしているが、まだそのポテンシャルを出し切ってはいないという評価も。つまりそれぐらい期待は大きい。昨季は中盤に足首を痛め、復帰後もしばらくは動きが良くなかった。

アール・ドットソン

控えの右タックル。90年代後半にずっと先発RTを務めたドットソンも、一昨年のケガの間にタウシャーに奪われたスターターの座を取り戻せず。今オフは先発できるチームを探したが果たせず。ベテラン最低年俸で再契約してくれたのはパッカーズにとって大きい。タウシャーが右ガードも出来るため、これで右サイドのデプスはほぼOKかも。腰やヒザに爆弾を抱えているため、ケガだけが心配。

マイク・ホウトン

ドラフト6巡ルーキー。OLの全ポジションをこなせるらしいが、いったいどこが得意なのかまだよくわからない。とりあえず手薄な左タックルと左ガードをやらせるらしい。控えLTをやってくれれば一番有難いが、1年目ではまだ未知数。

ケヴィン・ジョーダン

昨年のドラフト外ルーキーだったが、入団直後のミニキャンプでヒザの靭帯を断裂する大ケガをして1年を棒に振る。今年はかなり期待されていたのだが、ヒザの関節鏡手術などで少し出遅れ。トレーニングキャンプでの出来次第ではロースター入りも。

ケヴィン・バリー

ドラフト外ルーキー。登録上はガード扱いだが、6月のミニキャンプでは右タックルをやったようだ。大学はアリゾナ大だが、地元ウィスコンシンの出身とあって注目度は高い。評判はなかなか良く、ロースター入りのチャンスも。それがダメでもプラクティス・スクワッドの可能性はある。

2002年7月16日

ロースター展望 WR編

今オフの補強

チーム側はシュレーダーとは最初から再契約するつもりはなかったようだ。ブラッドフォードとは再契約する意図はあったのだが、テキサンズと競り合って敗れた形。そしてフリーマンはサラリーカットを拒否して解雇。これで昨年の上位3人のWRが全てチームを去った。

問題児テリー・グレンをトレードで獲得し、エースWRに。条件は今年のドラフト4巡プラス「今年の成績次第で、来季の4巡か3巡か2巡か、全くなしか」であり、つまりかなりお買い得だった。昨季全く出番のなかった2年目のファーガソンが2番手候補の筆頭に。ドラフト1巡でジャヴォン・ウォーカーを指名し、3番手候補。制限付きFAだったドナルド・ドライバーはチーフスの誘いを断り再契約。2番手・3番手を争う。リターナー不足のため、今後リターナー兼WRと契約する可能性は残っている。ロースター枠はおそらく6人。または5人。

テリー・グレン

「ここで上手くいかないようなら、どのチームへいっても上手くいかないだろう」という評価が多いが、ここまでは完璧な優等生。娯楽の少ないグリーンベイの街も合っているようで、あとはこのまま機嫌よく続けてほしいと願うばかり。ミニキャンプでのプレーはさすがに素晴らしく、別格という声多し。あとはファーヴとのコンビネーションを高めること。

ロバート・ファーガソン

ドラフト2巡ルーキーだった昨年は、腰を痛めて出遅れた上に、プレーブックの勉強もイマイチで、QBファーヴやコーチたちの信頼を得られなかった。今年は1月から必死でやっていて、評判は上々。身長はそれほどでもないが、上体が発達していて非常にパワフル。ランアフターキャッチに強いタイプ。彼が立派なスターターになれるかどうか、キャンプでの最大の注目の的。

ジャヴォン・ウォーカー

ドラフト1巡20位。2巡指名権を犠牲にしてトレードアップして獲りに行くほどパッカーズが惚れ込んだ逸材。サイズ(190cm)もスピード(40ヤード走を4.4秒弱)も素晴らしく、スケールは大きいが、1年目からどれくらいやれるかは未知数。今のところ3番手か4番手。ファーガソンかウォーカーのうち、スターターになれなかった方がパントリターナーになる可能性もある。

ドナルド・ドライバー

プロ入り4年目。ということは来年フリーエージェントなので今年は勝負の年。昨季終盤、毎試合のように、リバースでビッグゲインしたのは記憶に新しい。元ハイジャンプの選手で、どうしても線が細かったが、今年はだいぶバルクアップしたという話。ファーガソンやウォーカーがもたつくようだと、2番手争いに食い込んでくるかも。

チャールズ・リー

スモールカレッジ出身の3年目。サイズはあるが粗削り。ルーキーだった一昨年よりも、昨年は逆に出番が減り、パスキャッチはわずか3回。今年もよほどキャンプやプレシーズンでアピールしないと、出番がもらえないかも。15ポンドもバルクアップしたらしい。

カーステン・ベイリー

'99年シアトルの3巡指名。ケガのために結局カットされグリーンベイに。3巡指名されたぐらいだからポテンシャルはあるはずだが、いまのところ6番手でロースター枠ぎりぎり。

その他

Windrell Hayes、 Kerry Hood,、Travis Williams、Richard Lewisの4人だが、どれもロースター入りする可能性は低い。ドラフト外ルーキーのルイスはディビジョン?でトップクラスのリターン・スペシャリストだった。リターナーとしてロースターに残る可能性はあるが、そうなるにはWRとして合格点に達しなければ。

2002年7月15日

ロースター展望 TE編

今オフの補強

タイトエンド陣にこれほど動きがなかったのは久しぶりのこと。ドラフト指名もなく、FA獲得の噂も全くなしの無風地帯。ロースター枠は3人。タイロン・デイヴィスがキャンプでよほど出来が悪ければ、彼をカットしてFAを探す可能性もなくはないが、フランクス、マーティン、デイヴィスの3人で決まりだろう。

ババ・フランクス

2年目にしてプロボウル出場を果たしたが、それはNFCのタイトエンドに有力なライバルがいなかったことと、9TDという数字のインパクトのおかげ。ルーキー年よりはずいぶん良くなったが、ドラフト1巡指名されたのは、もっと大きな期待があってのこと。エンドゾーンでフリーになれたのは、RBグリーンへのプレイアクションが効いたからで、それ以外の場面ではまだ物足りない。ブロックでもパスキャッチでも、もっと頼れるTEになってほしい。スピードではマーティンに完全に負けている。

デヴィッド・マーティン

プロ入りと同時にWRから転向して、今年で2年目。昨年は予想以上にスムーズにコンバート成功したが、シーズン途中でプロの壁にぶちあたり、尻すぼみになってしまった。最大の課題はもちろんブロック。今年はスピードを殺さずに上手くバルクアップに成功しており、ミニキャンプでの評判は非常によい。天性のパスキャッチの上手さは、ルーキー年から非常に評価が高く、いずれはフランクスを上回るポテンシャルを秘めている。

タイロン・デイヴィス

毎年のようにコンディショニング不足で体重オーバー。それでもシャーマンHCは見放さないのは不思議だ。おそらくデイヴィスが一番良かったシーズンにシャーマンはTEコーチだったからだろう。確かに、ケガがなくて体が絞れていれば、3番手TEには十分な力がある。260ポンドまで落としてこい、と言われている。

その他

2年目のRufus FrenchとルーキーFAのBill Seymour の2人は、最終ロースターに残る可能性はほとんどない。

2002年7月14日

RBドーシー・レヴェンズがイーグルスと契約

RBドーシー・レヴェンズは、結局古巣パッカーズとは再契約せず、イーグルスと契約を結んだ。$850,000プラス・出来高払いの一年契約と見られている。ご存知の通り、イーグルスのアンディ・リードHCは以前パッカーズでコーチをしていたため、レヴェンズとは旧知の仲であり、当然ウェストコーストオフェンスだ。「僕はまだまだ十分やれると思っている。彼らのオフェンスはよく知っているし、イーグルスのRB陣に僕はうまくフィットできると思う」とレヴェンズ。

3月にロースターボーナスを受け取ることになっていたために、パッカーズはレヴェンズを2月にカットせざるをえなかったのだが、その後もパッカーズは彼との再契約に望みをつないでいた。しかし「僕はそう長くプレーしたいとは思わない。だからこそ、この2年間みたいに、ベンチに座ってばかりじゃ嫌なんだ」という本人の意思は固かった。昨季は元気だったにも関わらず、わずか44回しかランを記録していないようでは無理もない。

イーグルスのエースRBはデュース・ステイリーだが、ケガがちだった昨シーズンのステイリーをよく補ったのがルーキーのバックホルターだった。今年は更にバックホルターの役割が大きくなるものと見られていただけに、彼がこの4月にヒザを壊して今季絶望となったのは痛かった。レヴェンズはドラフト3巡ルーキーのウェストブルックと2番手RBの座を争うものと見られている。

ドーシー・レヴェンズは32歳。1994年にドラフト5巡でパッカーズ入り。最初はフルバックだったが、'96年の途中から次第にテイルバックとして頭角をあらわし、RBエドガー・ベネットと2人で優勝に大きく貢献。翌'97シーズンは大エースとなり、トータル1805ydsのパッカーズ記録を打ち立てた。パスキャッチも非常に上手く、'99シーズンには72回583ydsものパスキャッチを記録している。'98年のカウボーイズ戦ではラン33回でキャリア最高の190ydsを記録して、久々のカウボーイズ戦の勝利にチームを導いた。

パワーとスピードを兼ね備え、パス攻撃にも参加できる、ウェストコースト的には理想的なRBだったが、ここ数年は度重なるケガに悩まされた。2000年にヒザのケガで出遅れた時にアーマン・グリーンにスターターの座を奪われ、二度と取り戻すことはできなかった。

2002年7月13日

スターリング・シャープがパッカーズの殿堂入り

ベテランカメラマンの Vernon Biever氏とともに、名WRのスターリング・シャープが、今年の"Packer Hall of Fame"に選ばれた。数々のチーム記録を持つ彼がパッカーズの殿堂に選ばれるのは当然のことだが、問題は彼が、NFLの殿堂入りできるかどうか。相棒だった元QBドン・マコウスキーは「真剣に考慮されればいいと思うね。ボーダーライン上じゃないかと思うけど、彼は殿堂入りに値すると僕は思う」と語る。

1988年にドラフト1巡7位でパッカーズ入りしたWRシャープは、現役7年間でキャッチ数でNFL1位になること3度。プロボウル選出5回。通算595キャッチ、103試合連続パスキャッチはどちらもパッカーズ記録。

惜しむらくは、頚椎のケガのために早期引退を強いられたことだ。あと数年続けてさえいれば、殿堂入りは確実だったはずだ。「彼は非常に誇り高い男で、そんな形でキャリアを終えたくなかったことだろう。気持ちはよくわかる」と語るのは、ヒザのケガのために同じく早期引退を強いられた、パッカーズの現カレッジ・スカウト部長ジョン・ドーシーだ。シャープと同期の'88年組のWRには、現OAKのティム・ブラウンや、元DALのマイケル・アーヴィンがいて、2人とも殿堂入りは確実だが、「シャープだって彼らに全く劣っていない」とジョン・ドーシー。

現役時代はメディア嫌いとして知られたシャープだが、皮肉にも今はESPNのコメンテーターとして働いている。彼自身が現役時代には嫌いだったような質問を、選手に対して投げかける側に回っているのだ。「確かにそれは皮肉だけど、彼は選手の気持ちをわかっていて、扱い方を知っているからこそ意味があるんだ」と元QBマコウスキーは弁護する。「彼は選手に対して敬意を払うということを知っているし、どのくらい突っ込んだ質問をしていいか分かっている」

2002年7月12日

ロースター展望 FB編

今オフの補強

ドラフト4巡で、ダヴェンポートを指名。もちろんヘンダーソンの後継者にするためだ。しかしそのダヴェンポートがドラフト前の不祥事(7月10日の記事参照)で逮捕され、頭が痛い。とりあえずその事件はなかったことにして話を進めるしかないが・・・。

ロースター枠は2つ。昨年はヘンダーソン1人で1年を乗り切ったが、今年は2人で行くだろう。ダヴェンポートが使えなくなった場合、下記のクリス・ゴールやジョーイ・ドジアを残すよりも、ガタイがあってパワフルなRBブルッキンズかRBミーリーをフルバック兼用で使う可能性が高いように思える。

ウィリアム・ヘンダーソン

今年で8年目の31歳。円熟の境地。以前と比べるとボールに触れる回数は減っているが、アーマン・グリーンのランブロッカーとしての存在感はむしろ増している。この春フリーエージェントになったが、FA期間初日に再契約。総額$4.5ミリオンの4年契約。チーム側が彼との再契約を最優先にしたことでも、彼の重要さがうかがえる。

ナジェ・ダヴェンポート

マイアミ大の全米王座に貢献した中心選手のひとり。本来ならもっと上位での指名が予想されていたが、足の骨折の治りが悪いのを懸念されて順位を下げた。これまでのミニキャンプは休んでいたが、幸い再手術は必要ないとのことなので、(逮捕された事件のなりゆき次第だが)トレーニングキャンプの最初から練習に参加できそう。

大学2年までテイルバックをやっていただけあってスピードもあり、パスキャッチも上手い。フルバックとしての経験が少ないため、ブロックに関してはまだまだ向上の余地がある。ショートヤーデージ専門のパワーランナーとして使う手もある。2番手フルバック兼3番手ランニングバックになれればロースター構成を柔軟にできる。スペシャルチーマーとしても期待。

クリス・ゴール

インディアナ大出身の25歳。昨年はプラクティス・スクワッドで1シーズン過ごした白人フルバック。ダヴェンポートがドラフト指名されたため、彼が最終ロースターに残る可能性は低くなっていたが、 ダヴェンポートの逮捕で多少は可能性が出てきたか。

ジョーイ・ドジア

ニューメキシコ州立大出身の25歳。NFLヨーロッパのフランクフルト・ギャラクシーに派遣されていた。スターターだったが、完全なブロッキングFBで、ボールキャリーはなし。パスキャッチ9回62yds。最終ロースターに残る可能性はゼロに近い。

ケヴィン・マクロード

'98年のジャガーズ5巡指名らしい。オーバーン大出身の27歳。情報が少なく、よくわからないが、ロースターには残らないだろう。

2002年7月11日

ドラフト3巡指名のSアンダーソンと3年契約

パッカーズの6人のドラフト指名選手の先陣を切って、3巡指名のセーフティ、マーカス・アンダーソンが3年契約を結んだ。契約内容は明らかになっていないが、契約ボーナス$415,000含む総額$1.325ミリオンあたりと見られている。ベースサラリーは今年が$225,000、以後$300,000、$380,000。

チームの交渉担当アンドリュー・ブラントによると、彼とこの契約を結んだのはタトゥー・ショップでのことだと言う。「これまでいろんな場所で契約書にサインしたけど、タトゥー・ショップってのは初めてだ」とブラント。先週の金曜日、本人がグリーンベイを去る前に細部の詰めを行うため、アンダーソンをつかまえたのがグリーンベイのタトゥー・ショップだったのだそうだ。(また、UCLA時代の写真での髪型はアフロ気味だったが、最新の写真ではスキンヘッドになっている)

ブラントによると、1巡指名のWRウォーカーとの交渉は、まだ両者の隔たりが大きいらしい。また、今のところベテランのフリーエージェントとの交渉には全く関わっていない、とのこと。

FBダヴェンポートは潔白を主張

月曜日に逮捕されたルーキーFBナジェ・ダヴェンポートだが、彼の弁護士はこの逮捕によってダヴェンポートが「屈辱を受けた」と話し、「その犯人がダヴェンポートであるかどうかということ自体が、最大の論争の焦点だ。真実は最後には明らかになるだろう」と主張している。弁護士は「事件の日から逮捕状が出るまでの3ヶ月で、いったいどんな証拠が新たに付け加えられたのか? なぜ逮捕状が出るまでにそんなに時間がかかったのか?」と疑問を投げかけ、最低でもその容疑を軽いものに格下げさせることに自信を示している。

2002年7月10日

ルーキーFBダヴェンポートが逮捕

今オフ最大のバッドニュース。ドラフト4巡ルーキーのFBナジェ・ダヴェンポートが、地元マイアミで、7月8日に逮捕されてしまった。 マイアミの地元警察によると、ダヴェンポートは4月1日の早朝6時、マイアミにあるバリー大学の寮にある女性の部屋に忍び込み、クローゼットの中で洗濯カゴに"排便"したとのこと。罪状は強盗ということになるらしく、もし有罪判決が出た場合、最大で禁固15年の重罪。

目を覚ましたその女性(ダヴェンポートとは面識がないらしい)が驚いて部屋から飛び出して大学の警備担当者を呼んだが、その犯人は警備担当者の制止を振り切って仲間と立ち去った。どうやらマイアミ大のフットボール選手らしいとわかり、被害者と警備担当者が、マイアミ大選手の写真の中から、ダヴェンポートを犯人だと確認。7月1日に逮捕状が出ることになった。

それを知ったダヴェンポートは、グリーンベイでトレーニング中だったのだが、自分からマイアミに戻って出頭し、逮捕された。数時間後には保釈金$6,500を支払って保釈されている。署長によると、「彼は非常に協力的だ」とのこと。この保釈は、州内に留まる義務はないため、グリーンベイに戻って練習することは可能。ダヴェンポートの弁護士は、「すべてが全くの誤解だ。ダヴェンポートは事件となんの関わりもない」と訴えている。

2002年7月 9日

ロースター展望 RB編

今オフの補強

レヴェンズを2月にいったん解雇したのはロースターボーナスの都合と、「他チームでもっと出場機会があれば」という本人の希望のため。パッカーズ側はその後も、経験豊富なレヴェンズとの再契約を第一に考えていたのだが、ついにしびれをきらし、5月末にブルッキンズ、6月にはキジャナ・カーターと契約。 フルバックを除くと、開幕ロースター枠は3つ。多くて4つ。

アーマン・グリーン

もちろんエース確定。昨夏に早め(しかも安め)の契約延長をしたのは、チームにとって大ヒットだった。彼が走るかどうかはもはや問題ではなく、「彼をいかにコンスタントに走らせるか」がチームのテーマ。コンディショニング面でも、今年はいまのところ全く悪いところはないようだ。グリーン本人も嫁さんにケガさせられたほどの激しい夫婦喧嘩もあったが、その後修復中。

キジャナ・カーター

今のところ2番手の最有力。ケガが多いという、悪い面での実績はあるが、昨年のプレーはなかなか良かった。パス攻撃にも貢献できるという点で、ブルッキンズより勝っている。ウェストコースト的には使い勝手が良いかも。

ジェイソン・ブルッキンズ

昨年551ydsも走ったパワーランナーだが、レイヴンズからあっさり解雇。体重オーバーがその理由だというが、他にもディシプリン上の問題があったのかもしれない。パッカーズが彼と契約したのは、$300,000と格安だったため、「とりあえず獲っとくか」という感じだったのか。もし彼がキジャナとの2番手争いに敗れた場合、3番手としてはミーリーが残り、ブルッキンズは解雇されてしまうかもしれない。

ロンデル・ミーリー

プロ入りして2年続けてケガに泣いたミーリーにとって、今年は勝負の年、というか崖っぷち。昨季終盤に骨折した脚の治りも早く、今年は十分トレーニングを積めている。パワータイプでありながら、パスキャッチも非常に上手い。コーチ陣の期待は大きく、カーターやブルッキンズとともに2番手争いをしたいところだが、いかんせんケガのために経験不足。昨季はキックオフリターナーを務めたこともあるが、パッとしなかった。

ハーバート・グッドマン

ドラフト外入団の3年目。小型軽量のスピードタイプ。スモールカレッジ出身、しかもこれまでプレー機会がほとんどなかった経験不足を補うために、今春はNFLヨーロッパでプレー。見事リーディングラッシャーに輝いたが、これはキャリー数が非常に多かったため。平均ヤードはさほどでもなく、ファンブルも多かったことを考えると、ヨーロッパでの成績がどう評価されるかは微妙なところ。キャンプやプレシーズンゲームでアピールできなければ、ロースター枠に残るのは難しそう。キックオフリターナーとしてよほど良ければなんとかなるかも。

トニー・フィッシャー

ノートルダム出身のルーキーFA。6フィート1、222ポンドとサイズはある。上記5人の層が厚く、開幕ロースター入りできる可能性はゼロに近い。

2002年7月 8日

DEホリデイの契約延長は進展なし

パッカーズは、来年FAになる予定のDEヴォニー・ホリデイとの契約延長を目指しているのは以前からお伝えしている通り。このところはルーキーたちとの契約が最優先になっていることもあって、ホリデイとの交渉はあまり進んでいないようだ。チーム側から正式なオファーはまだない、と代理人。

「ホリデイ側は、ストレイハンやジェイソン・テイラー並の、DEトップクラスの金額を高望みしている」という一部の噂があったが、それについては「事実とは非常にかけ離れている」と代理人は強く否定。しかし、昨シーズンは81タックルを挙げてキャリア最高のシーズンを送った彼が強気になっているのはおそらく間違いなく、同僚となったジョー・ジョンソンより上の金額を望むかどうかが注目される。