グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2002年5月10日

ルーキー紹介 その1 WRジャヴォン・ウォーカー

ドラフト1巡20位,フロリダ州立大,190cm,95kg

経歴

高校時代は野球とフットボールの両方で活躍したマルチアスリート。マーリンズからドラフト8巡指名を受け、高校卒業後は2シーズンをマイナーリーグでプレー。しかしバッティングで芽が出ず、2Aどまり。そこでフットボールに戻る決心をしてジュニアカレッジで2年間過ごし、2000年にフロリダ州立大に編入。1年目から期待されたが、足首のケガなどで20キャッチ、311ydsにとどまる。そして翌2001年は、45回944yds、7TDと、平均20yds超の活躍。ヴァージニア工科大とのゲイター・ボウルではなんと195ydsの大活躍で、最後のシーズンを締めくくった。

セールスポイント

スピード(40ヤード走を4.4秒弱)とサイズの理想的なバランス。ストライドが大きいが、動きが柔らかい。ディープスレットとしてのビッグプレー能力にも事欠かない。手が大きく、腕が長く、パスキャッが上手い。サイドライン際の高く難しいボールも巧みにキャッチする。2001年になってから急成長したため、粗削りの反面、まだまだ伸びる余地を残している。

弱点?

1部校での経験が2シーズンしかなく、まだまだ粗削り。特にルート取りや、相手のカバーを読む能力などを磨く必要がある。難しいボールを捕るかわり、集中力を失って簡単なボールを落とすことがある。恵まれた体の活かしかたをまだわかっていない、との声も。

メンタル面

大学3年時に"Wonderlic Test"(知能・一般常識テスト)でわずか9点しか取れなかったことから、「頭が悪い」とか「注意力障害では?」という噂があった。そのためドラフト前にグリーンベイに呼んでみっちり面接。プレーブックを見せたり、ホワイトボードを使ったりなどして複雑なウェストコーストオフェンスを学習する能力があるかどうかをチェック。これなら大丈夫、との結論に至った。

野球のマイナーリーグで大人に混じって苦労した経験があるせいか、「人間として成熟している」とパッカーズ首脳は高く評価。マイナーリーグと契約した時の金をちゃんと投資してあるように、金銭面でも堅実。明るく人懐っこいタイプで、ヘイトリー副社長が「カリスマ性がある」と評するほど首脳陣は彼の性格に惚れ込んでいる。警察沙汰を起こしたことは一度もない。一人っ子で、父の顔は知らない。

指名の経緯

4年生時は頼りないQBのせいで、それほど際立った数字を残したわけではない。その後のスカウティング・コンバインや大学での公開ワークアウトで素晴らしい動きを見せ、大幅に評価を上げた。パッカーズは「スタルワースに次ぐ今ドラフト2番目のWR」と評価し、ブロンコスが19位でWRレリーを指名した時点で、シアトルのホルムグレンHCとトレードを敢行。2巡指名権を投げ出し(5巡をもらったが)てまでウォーカーを獲りに行った。「確かにいいWRだが、トレードアップしなくても28位で指名できたのでは?」と疑問視する声も多い。

パッカーズにとって

1988年のスターリング・シャープ以来、パッカーズがWRを1巡指名するのは初めて。「QBファーヴが全盛期のうちに、十分な武器を与える」という首脳陣の決意の表れだろう。しかし大豊作と言われた昨年のドラフト1巡WRたちが苦しんだように、WRが1年目から活躍するのは難しい。彼が即戦力になれるかどうかは、いかに早くウェストコーストオフェンスに習熟するかにかかっている。

現時点ではテリー・グレンがエースWRとなるのは確定的。4月末のミニキャンプでは、2年目のファーガソンが急成長を見せ、評価がうなぎ上りで今のところ2番手。ウォーカーは3番手をドナルド・ドライバーと争う、といったところか。もちろんフリーマンが減俸を承諾して残留すれば、フリーマンが2番手に入り、ファーガソンやウォーカーは順位が一つずつ下がることになる。また、ウォーカーはパントリターナーの候補でもある。

カテゴリ : Draft, Player