グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2002年1月26日

マイク・シャーマンHCの記者会見から

マイク・シャーマンHCの今季のまとめとなる記者会見が行われ、今シーズンの総括、来季への展望、オフシーズンの強化ポイント、期待の選手、などについてヘッドコーチ自らが語った。以下はその重要ポイント。

力の差は小さい

90年代半ばのパッカーズが優勝を目指す過程で、常に立ちはだかったのがダラス王朝だった。シャーマンHCも、ホルムグレン元HCやロン・ウルフ元GMが、いかに苦労してカウボーイズとの差を縮めようと努力したかを知っている。しかしラムズに大敗したとはいえ、今のラムズとパッカーズの力の差は、当時のカウボーイズとの差と比べればわずかなものだ、とシャーマンHCは主張する。

「当時ウルフ元GMやホルムグレン元HCは、カウボーイズとはかなり力の差があると感じていた。しかし今のラムズとの間にはそんな差はないと私は感じている。我々が自滅したせいであれほどの点差になったのであって、ラムズ自身があの点差を作り出したのではない。だからそれほどかけ離れた力の差はないと思う」

試合前に危惧されていたように、ラムズのタレント軍団に対してパッカーズのディフェンスはまずまず良くやった、と一応の評価。「それほどのスピードの差があるとは思わなかった。もしあるとすれば、彼らのディフェンスのフロント7に対してだ」

今オフの補強のポイント

レポーターたちが聞きたがったのは、WR陣の大幅な入れ替えはあるのか、という点だ。なぜなら、WRフリーマンはサラリーが跳ね上がるため解雇の危機であり、シュレーダーとブラッドフォードはこの3月にFAになってしまう。しかしシャーマンHCは、補強ポイントとして特にWR陣を挙げることはなく、「まず残したい選手と再契約した上で、FA市場に積極的に乗り出す」という方針を明らかにした。もちろんWRフリーマンには、大幅なサラリーカットを求めることになるだろう、ということは認めている。

WR陣のパフォーマンスについて、シャーマンHCはシーズン中ずっと擁護してきた。しかしRBグリーンの話題に触れたときに、WR陣への不満を、間接的にせよ認めることになった。「多くの対戦相手がRBグリーンのランを警戒する。WRへロングパスを投げられるよりもむしろランによるロングゲインを警戒して、フロントに7人、8人を集めるのだ。それが毎週のように起きていた」

またシャーマンHCは、実力の割に値段の張る大物FAよりも、トレードで比較的無名の選手を獲得したい、という考えを述べた。まだダイヤの原石だったRBアーマン・グリーンをシアトルからトレードで獲得したように。「目の前に現れるFA選手たちだけを見ていてはならない。どこかのチームのどこか隅っこに、我々に貢献してくれる選手がいるかもしれないからだ」

通常のトレードとは別に、今季は別の形でのトレードのチャンスもある。エクスパンション・ドラフトを通じて、テキサンズとトレードする、という形だ。テキサンズと合意の上、2月のエクスパンション・ドラフトでテキサンズがパッカーズの欲しい選手を指名し、その後、トレードを行うということが可能なのだ。明らかになりつつあるエクスパンション・ドラフトの選手リストには、KCのWRアレクサンダー、JAXのWRマッカーデルも含まれている。

ドラフト上位指名組への期待

WR陣と同じく、シーズン通してシャーマンHCが擁護してきたのが、昨年のドラフト上位指名組の貢献度の低さ。CB/Sのバウ・ジューはバトラーのケガによって活躍の機会が与えられたが、期待されたDEレイノルズとWRファーガソンは、今季のパッカーズにほとんど貢献できなかったと言ってもいいほどだ。

「彼らが先週のラムズ戦の8ターンオーバーに関係しているとは思わない」というシャーマンHCだが、来季の活躍への期待の大きさはハンパではない。シーズン終盤に出場のチャンスが与えられたDEレイノルズだったが、軽量とパワー不足はいかんともしがたく、プロのOT相手に苦戦が続いて、結局3rdダウン専門のパスラッシャーとしてしか出番はなかった。

「彼は毎ダウン出られるDEにならなくてはいけない。ドラフト1巡10位指名の選手が、3rdダウン専門でベンチから出てくる、なんて余裕はウチにはないんだ。彼には優れた嗅覚があると私は思うし、ランにも素早く反応し、ボールキャリアーを追うスピードもあると思う。彼はこのオフに、より大きく、より強くならなければ」と強い調子で語った。

シャーマンHCによると、シーズン終了時のDEレイノルズは体重251ポンド。それを来季までに262か263ポンドまでバルクアップしてほしいとHCは言う。「練習で彼のプレーを見ていると、彼はいい選手に成長するチャンスがあると思う。しかし彼がこのオフ、母校のフロリダ州立大に戻って、のんびり腰をおろしていたら、それは起きないだろう。レイノルズはグリーンベイに残って?そうなると思うが?トレーニングを続ければ、きっといい選手に成長する」

WRファーガソンはプロのシステムを習得するのに手間取って、トレーニングキャンプでは間違ったルートを走ることが重なり、結局ほとんどチャンスは与えられずじまい。「我々はファーガソンに(シュレーダーのポジションである)スプリットエンドのポジションしか勉強させなかったことを後悔している。3つのポジション全てを教えていくべきだったと思う」

シャーマンHCはシーズン終了後にファーガソンと話し合ったと言う。「彼は私に、『昨年はもっといいスタートを切らなければならないのにキャンプで出遅れてしまって、チームの最高のレシーバーではなかった。僕は今ではチーム最高のレシーバーだ。来季はそれを証明するつもりだ』と決意を話してくれたんだ。私は本当に嬉しかった」と語っている。

カテゴリ : Coach/Front Office