グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2001年9月 5日

ルーキーたちの現状

昨年よりも全般に選手層が厚くなってルーキーの出番が少ない、という楽観的な見方も出来る。しかし「今年優勝を争うには、インパクト・プレーヤーが1人か2人欲しい」とシャーマンHCがドラフト前に話していたことを考えると、即戦力という点では今年のドラフトは失敗であったと(現時点では)認めざるをえない。優秀な控えQBだったハッセルベックをトレードに出してまでレイノルズを獲得する価値があったのか、という疑問符はもうしばらくは消えそうにない。最も長期計画になるだろうと予想されていた6巡指名のTEマーティンの出番が一番多そうなのは皮肉。

DEジャマール・レイノルズ

プロのオフェンシブラインたちのパワーとテクニックに圧倒されて、残念ながら即戦力にはほど遠い。それでもキャンプ中盤にはかなり成長し始めていただけに、ヒザの捻挫は痛かった。捻挫の程度も、当初考えられていたよりも重かったようだ。ただしREのポジションではバジャ=ビアミラが急成長してシエリーに続く2番手の座を確保しているため、レイノルズが復帰しても3番手でしかなく、良くてもパスシチュエーションでしか出番はなさそうだ。それだけにシャーマンHCはレイノルズの復帰には慎重で、「状態が90%なら、試合に使うつもりはない」と明言している。

WRロバート・ファーガソン

ポテンシャルの高さは誰もが認めるものの、懸念された通り大学での経験の少なさ(一部校では1年間だけ)がネックとなって、プロのオフェンスを身に付けるのにかなり手間取っている。パッカーズが2巡指名を見送ったWRクリス・チェンバースがドルフィンズで活躍しているだけに、「地元ウィスコンシン大出身のチェンバースを指名するべきだったのでは?」という声もファンの間で大きくなりつつある。しかしあちらは一部校で4年の経験があり、即戦力として比較することは気の毒かもしれない。去年のWR陣であればファーガソンも3番手になれたかもしれないが、今のところフリーマン、シュレーダー、ドライバー、ブラッドフォードの4人に続く5番手の座をチャールズ・リーと争っている形。レイダーズ戦では初めて多くのプレー機会が与えられ、かなりの活躍を見せていただけに脳震盪は残念。開幕戦は欠場の可能性が高いが、シーズン中に4番手、3番手と上昇する可能性はある。それが無理でも来年以降の成長に期待。

CBバウ・ジュー

キャンプ中盤にヒザを痛めて2週間ほど休んだが、全般的にはまずまず期待通りの働きを見せているようだ。ただしパッカーズのDB陣はタレント的に層が厚いため現状ではCBの4番手。しかし3番手CBマクブライドがプレシーズンゲームで馬鹿げたパーソナルファウルを連発して信頼を失っている上にポカが多いため、ジューが3番手に上がる可能性は十分ある。先発のタイロン・ウィリアムズもケガがちでプレーが不安定なため、ひょっとしたらひょっとするかも。

LBトランス・マーシャル

彼もやはりプロのディフェンスに関しては勉強することが山ほどあり、進歩のペースはゆっくりとしたものだ。ただし着実に成長はしている。本来はミドルだけでなくアウトサイドも出来るとされていたが、首脳陣としては当面はMLBに専念させてハリスの下で成長を待つ方針のようだ。まだまだ考えながらプレーしている状態で本能的なプレーからは程遠いが、最近のプレシーズンゲームでは強烈なタックルを見せ始めている。

OGビル・フェラリオ

情報が少ないので何とも言えないが、最初は危なっかしかったパスプロテクションも大幅に向上し、LGのマイク・ウォールの控えを十分務められるようになっているようだ。スターターを争えるほどかどうかは不明。

TEデヴィッド・マーティン

ロン・ウルフ元GMの最後のドラフト指名は、大当たりだったかもしれない。WRからTEに転向させるということもあって、ルーキーたちのなかでは最も時間がかかると見られていたマーティンだったが、苦戦する上位指名選手たちを尻目に、しっかりと2番手TEの座を確保してしまった。元よりパスキャッチの正確さやルート取りの上手さでは高く評価されていたが、問題のブロックもかなりよくやっている。「彼に期待していたことはすべてこなしてくれいるし、予定をはるかに上回る進歩を見せている」というのがシャーマンHCたちの一致した見方。タイロン・デイヴィスの大ケガの後に慌ててトロイ・ドレイトンと契約したが、そのドレイトンを解雇したのはマーティンへの信頼の証。パッカーズは2TEフォーメーションを多用するものと見られるため、ルーキーの中では最も出番が与えられることになるだろう。レッドゾーンでB・フランクスへのマークがきつくなった時、するするとマーティンがフリーになり、タッチダウンパスが・・・というシーンが意外に早く見られるかもしれない。

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