グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2001年5月 7日

ドラフト指名選手紹介 4: LBトランス・マーシャル

LB トランス・マーシャル Torrance Marshall
ドラフト3巡b(72位) 背番号51 188cm 108kg Oklahoma 1977年6月12日生

経歴 : マイアミ生まれ。いくつもの養親の家に住み、路上生活も経験したというのがオクラホマ大の公式な説明だが、本人は否定している。なにしろ本人がほとんど話したがらないため、高校時代以前については不明な点が多い。オレンジボウルの際に本人が語ったところによると、実の母親には11年間も会っていないという。ともかく、荒れた少年時代の彼をフットボールが救ったことは確か。96年にスカウトされてマイアミ大に入ることになっていたが、学業を怠ったツケが回り成績が基準に達せず、入学することが出来なかった。そのため2年間をジュニアカレッジで過ごしたあとついにオクラホマ大へ。2年目の2000シーズンは急成長を遂げてオクラホマ大ディフェンスのキャプテンとしてチームを全米王座へ導く。99タックル、67ソロタックル、5サック、16ロスタックル。

セールスポイント : 素晴らしいスピード、ジャンプ力を備えた優れたアスリート。ビッグプレイ能力は高い。強烈なタックルなどランディフェンスが優秀なだけでなく、パスカバーも良い。ブリッツが得意。大学ではILBだったがOLBもできるスピードがある。弱点といわれたプレイの読みや嗅覚も、昨年からは試合ごとに良くなってきたとの評価もある。

弱点? : ポテンシャルは高いがまだ未熟な点が多く、ミスも多い。システムに習熟するのに時間を要するかもしれない。読みや判断を磨く必要がある。まだ下半身が弱く、プロのブロックを振り切るにはバルクアップが必要という声も。昨年の開幕戦でチームから出場停止処分(理由は不明)を受けたり、2月のスカウティング・コンバインでマリファナ陽性反応が出るなど、私生活などに問題があるとの懸念から指名順位を下げた。そうでなければ2巡目下位で指名されただろうと言われている。

パッカーズにとって : ブライアン・ウィリアムズが解雇された今、パッカーズLBの中でマーシャルが最も優れたアスリートのようである。層の薄いLB陣の中で、ILBのハリス、ウィークサイドOLBのウェインの控えをつとめることになる。とりあえずはパッカーズのシステムに習熟するのが最優先。それさえスムーズに行けば、早いうちから(例えばシーズン途中から)スターターの座を奪うこともありうる。CBバウ・ジューと同様、スペシャルチーム要員でもある。

私生活のトラブルを越えて : 以前のマリファナ問題に加え、ドラフト指名直後にオクラホマの女性から実父確定訴訟を起こされたりと、私生活のトラブルばかりが取り上げられるマーシャル。しかしチーム側は彼のことを徹底的に調査して、全てを承知の上で彼を指名した。まとめると、「彼は子供の頃から多くの困難を経験し、それを乗り越えてここまで来た。彼は良い人間であって問題児などではない。本人も認めているようにいくつもの過ちを犯したが、それは困難な家庭環境によるところが大きい。さまざまな問題は過去のこととして、グリーンベイでフレッシュなスタートを切らせたい」というのがシャーマンHCたちの考えのようである。もちろん本人の目も現在、そして未来に向けられている。

カテゴリ : Draft, Player