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けんちゃんの第32回スーパーボウル観戦記 (その8)

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第32回スーパーボウル
オフィシャルプログラム

1998年1月25日。サザエさんじゃないけれど『今日もいい天気〜』です。毎日、毎日いい天気で、雨、雪もないから、全く屈託というものがない(ような気がします)。こんなとこに住んでたら人間ぱあーになってしまいそう。引退後はサンディエゴのラホヤだな、やっぱし。僕、ぱあーになりたいの。しかし、引退後はともかく、今日はそんな呑気な事言っちゃおれんて。そう、言うまでもありません、今日はスーパーボウル当日なんです。

試合開始は午後3時過ぎですが、朝早くから目が醒めました。寝てられる訳がありませんよね。大丈夫、枕の下に敷いておいたチケットはちゃんとあります。ふと、気がつくと枕元の電話の横の小っちゃなランプが点灯しています。昨日の夜は気がつかなかったけれど、どうやら留守中に私に電話が入っていたようです。「はてな、ここに私がいることを知っていて電話をかけて来ると言えば、奥田秀樹さんか、さもなくばブレットファーヴぐらいしか考えられんが・・」

フロントにメッセージを聞き出す方法を聞いたのですが、何度やってもうまくいきません。どうも最近のアメリカンは英語が下手で困る。アメリカの餓鬼ときたら、しょっちゅうhaveとhasは間違えるし、大人だってCheyenneなんてよう書かんだろ(インディアンだよ)。だって、Faverなんて書くんだもの、Favreだっつうの。私はこの国の国語(英語のことです、勿論)教育の将来を憂れうるものであります。

アメリカの将来はおいといて、現実に帰るとチェックアウトタイムです。仕方がないので、そのまま出発しました。実は今晩もサンディエゴに宿泊はするのですが、スーパーボウル当日までとそれが終わった後では宿泊料金に雲泥の差があるので同じインに続いて宿泊するのは得策でない・・と、これは貧乏人の生活の知恵であります。(後日、奥田さんからのTELであったことが判明。饅頭のお礼でありました。義理堅い人でおます)

今日はクアラコムスタジアムには無料のトラムが送迎を繰り返していますが、私は例によってMさんに送ってもらいます。スタジアムに着くとまだ9時前だと言うのに周辺はもう大変な人手です。昨日も見た「Need Ticket」のプラカードをぶら下げたのもいます、図々しい。今日はさすがにブロンコスもいます、生意気に。Mさんは駐車場の入り口で私を下ろすとまた、アメリカ海軍に挨拶に行ってしまいました。

試合開始は3時過ぎ、開場ですら12時ですから、まだ3時間以上あります。しばらくスタジアム周辺をウロウロしてから、また性懲りもなくエクスペリエンスへ。エクスペリエンスはちっとも退屈はしないけれど、今日の私はテレスコープにビデオカメラ、そのうえMさんが貸してくれた馬鹿チョンでない望遠付きのごっつう重たいカメラまで持っています。そうなんです、普段は触らせもしない商売道具をMさんが『これ』って言って、貸してくれたんです。即席で取扱い方法のレクチャーまでしてくれてね。でも、正直に言うと「猫に小判」で、じゃまっけなだけでした。私なんぞに使いこなせる訳ないじゃないですか。でもね、せっかくMさんがそうまで言ってくれてるのに、断るような勇気は私、持ち合わせておりません。で、恐らくは役に立たないであろう重たいカメラも持ってたんです。

そう言えば、カメラにまつわる後日談がありまして、この観戦記の資料にと、管理人さんに原稿と一緒にアルバムをお送りしました。管理人さんが褒めてくれました。『写真がキレイですねえ。スタジアム内のは制約が多いのでともかく、その後の風景写真がどれも素晴らしかったです。上手いんですね』って。言うまでもなく私が撮ったのは「ともかく」です。

エクスペリエンスは何度来ても愉しいし、買いたいものはいくらでもありますが、NFL全チームのヘルメットを買おうか、とも思いましたが、そんなことしてたらトラックがいりそうでしたから、ピンやらバッチ、カードと言った物理的に軽い物ばっかり少しだけ買いました。冬だと言うのに(とは言え、こちらは20度近くあるんですが)もう汗だくです。

それに、今日の私は物理的に重たい物も持っていますが、それ以上に精神的に極めて重い物を持っています。言うまでもありません、スーパーボウルのチケットです。物理的な重さは5グラムにも満たないものですが、心理的には極めて思い。「万一、落とすか誰かにホールドアップでもされたら・・」そう思うと、私は何度も何度も胸のポケットに手をやりました。金銭的にも重いけれど、でも、もしものことがあれば、お金はまた稼げばいい。幾らでも取り返しがつきます(惜しいけど・・)。でも、ここまで来て、もしも、もしも何らかのアクシデントでスーパーボウルが見れない、なんてことにでもなったら、それこそ泣くに泣けない、取り返しがつかないじゃないですか。日本を出る時旗振って見送ってくれた家族や仲間達にあわせる顔がないじゃないですか。そう思うと実は愉しいエクスペリエンスも気もそぞろだったのです。

やっと12時近くになりました。エクスペリエンスを出てスタジアムに逆戻り。試合開始3時間以上前だというのに周囲は人、人、人です。勿論、パッカーズもブロンコスも一杯。時々、ほんのまれに何を間違えたか、カウボーイズやヴァイキングスもやってきますが、無論、小さくなっております。ま、運命共同体だ、仲良くしてやろう。『しっかりやれよ』なんて王者の余裕であります。お決まりのセレモニー、何ちゃらパーティもそこかしこでやってます。

やっと、12時になりました。でも、まだ開門しません。入り口が「L」だということは、無論チケットでわかっています。で、スタジアムをグルッと半周ほどしてゲートLまでやってきました。もう既に100人ばかり並んでいますが、まだ開きません。12時15分、やっと門が開きました。ぞろぞろ、ぞろぞろ人々が入場し始めました。チケット切りのおばさん、いやおばあさんがチケットを受け取っています。その、遅いこと、遅いこと。やっと、私の順番が来ました。「たのむから、ビリビリってやらないでね。この半券は記念に、一生の想い出に取っておくんだから」と私は心の中でお願いしました。すると、そのいかにも目の悪そうなおばあさんは丁寧に、丁寧にチケットを切り取って、ゆ〜っくりと反券を返してくれました。遅いはずです。

アメリカ人って、こういう時って極めてビジネスライクにパッ、パッと破いちゃって「はい、どうぞ」かと思ったら、意外と神経、細かいんです。そう言えば、チケットホルダーなるものも売っていて(私も買った)、大事にする人はちゃんと保管しているようです、やっぱりね。
「良かった、にせものじゃなかった(当たり前だっつうの)」

こうして、私はスタジアムの中に入りました。もう安心です。こうなったら、もうこっちのもんです。まさか、もう追い出されることもあるまい。これで、たとえ、ブレットとエルウエイの区別がつかん(んな馬鹿な)ような席であっても、とにもかくにも試合を見ることはできる。安心したら、どっと疲れが出ました。でも、実はこの後に飛んでもない事が待っていたんです。

本題とは関係ありませんが、そのころランボーフィールドでは雪・・・
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updated : 2002/06/01