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けんちゃんの第32回スーパーボウル観戦記 (その7)

チケット在中の封筒(クリックすると拡大します)「へーい、ミスターカワバファワワワア」
か、わ、ば、・・の後は何やら怪しかったけれど、どうやら私のことを呼んでいるようです。それにしても、こんなこともあろうかと昨日あれほど、

「ええか、KA・WA・BA・TAやで。「かわふぁあた」ちゃうで。「かわわはた」ちゃうで。間違えんといてや、な。へてからして、そのKA・WA・BA・TAさんにチケットが届 くんやからな。たのんまっせ」

と、あれほど、言っておいたのに・・・。 何でこんな簡単なハチオンがでけんのよ。(何時ぞやは香港で「カワバカさん」と言われた。尤も、彼等は西洋人ではない、同じアジア人なのだから、あれは意味を知っ た上で意図的に言うたに違いない、と今でも私はにらんでいる。) 香港はともかくとして、アメリカンに限らずどうも西洋人は概ね母音の連続は苦手の ようで、私の数少ない西洋人の友人もまともに私の名前を呼んでくれた事がありません。で、私は普段彼等と話す時は何時も「Please call me Ken」なのであります。これではウチの94番(Kabeer Gbaja-Biamila)なんか発音できる訳がありませんわな。尤も、あれは私も駄目だけど。

でも、今回はそうもいきません。だって、KA・WA・BA・TAさん宛てに封書が届く筈なのだから、ちゃんとそれを私、川端さんに渡してくれなければ困ります。ひょっとして隣の部屋に良く似た名前の、たとえば、カーティス・マーティン(どこが似てるねん)さんとかカワバラミラ何とか言う名前のおっさんがいて、間違えてそっちに届けられでもしたら、大事(おおごと)ですからね。ま、発音はともかく、チケットさえ届けば文句はありません。ごくろーさん。これで、やっと安心してクアラコムスタジアムに乗り込めます。

おお、そうです。今日はサンディエゴのスーパーボウルのもうひとつのメッカ、クアラコムスタジアムに行くのです。言うまでもありません。そこで明日はスーパーボウル、今日はエクスペリエンスがあるのです。Mさんはてっきり撮影かと思ったら、どうした風の吹き回しか一緒にエクスペリエンスに行く、と言うではありませんか。で、チケットを届けてくれたボーイ君にはたっぷり?チップをはずんで、ホテルのスーパーボウルブレックファーストなる朝食も食べずに(『あんなもん、やらずぶったくりの便乗商法ですよ』とMさんが言うもんだから、記念にメニュウだけもらった)一路、クアラコムスタジアムを目指しました。

例によってまた二度ほど道を間違えたけれど、もうそんなこっちゃちっともめげやしません。
着いた、着きましたよ。
目の前には明日の試合を今や遅し、と待ち構えるクアラコムスタジアム。その前の広場がエクスペリエンス会場です。いたるところにブレット・ファーヴやらレジー・ホワイト、マーク・チュムラ(ああ、89番よ!)がうろちょろしております。車を停めるのもそこそこに、思わず駆け足になる私。

でも、入り口のまだその手前で、もうつまずいてしまった。だって、角を曲がったところの屋台でPackersのミニヘル、スーパーボウル記念のホワイトヘル、記念ワッペン、記念・・・要するにPacersグッズ、記念グッズが所せましと並べてあるんです。もしも、いっかな動こうとしない私にブーたれたMさんが袖を引かなかったら私はいつまでそこにいたかわかったもんじゃありません。会場に入る前にもう荷物がいっぱいになっちゃいました。

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やっと、入り口まで辿り着きました。またまた、一杯並んでいるけれど、ちっとも苦じゃありません。大人しく順番を待ちます。入り口には下がPackers、Broncosの人形になっていて上から首だけ出す遊園地に良くある他愛もないやつがあって、子供達は大喜び。無論、私もやりました。入場料$14なりを払って中に入ると、これがまた愉しい。文字通りの「エクスペリエンス」で50ヤード走ったり、弾丸?パスを投げたり、ブロッキングマシーン、タックリングマシーンに挑戦したり、などなど、自由に参加できるアトラクションがいっぱいです。私もブレットファーヴの顔色を無からしめようかと思ったが、どこにPackersのスカウトの目が光っているかわからない。彼等の目に止まって、もしも日本に帰れなくなったら大変なので思いとどまりました。

よく観光地にあるやつです

それ以外にも勿論ここにもPackersのオーセンテックヘルメット、ジャージー、キャップ・・要するに何でもあります。カードショーというブースもあって、カードも一杯あります。わたし、ぐんさんでなくて良かった。ぐんさんだったら、きっと帰れなくなってたでしょうね。それでなくても、両手は持ちきれない荷物でもう一杯、嬉しい悲鳴です。Packersのロッカールームを模したコーナーには31番(名RBのジム・テイラー)のジャージーが。アメリカ人のチビがおとっつあんに聞いています。「おとうちゃん、Packersの31番って誰なん?」 よっぽど、「あのなあ」って教えてやろうかと思いましたが、ためにならんので、黙ってました。

電話屋さんもいて、携帯電話を売ってました。「今、買うと最初の何ヶ月間の通話料がタダ」とか何とか言って断る暇も与えず、一所懸命私に勧めます。あんまり気の毒なので、もう少しで買うところでした。大体、私は自慢じゃないが世界中どこに行っても道を聞かれる。そりゃあ、台北の裏町でランニングシャツにつっかけのアジア人がアンパンかじりながら歩いてたら道尋ねるのも分かるような気もしますが、スイスの山ん中で東洋の青年に道聞くアメリカ人というのは何考えてんだろ、と思ってしまいます。私ってよっぽど、たよりがいがあるように見えるのかしらね。単に声をかけやすそう(阿呆面?)なだけ、という意見もありますが。

閑話休題。てな訳でエクスペリエンスの会場であっちにフラフラ、こっちにふらふら。Mさんがどこにいっちゃったのか、まるで気にならない。ま、そのうち、どっかから出てくるでしょ。

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でも、さすがにお腹が空いてきました。気がつけばお昼はとっくに過ぎて、もうそろそろ晩御飯の時間。人間考える事はみんな似たり寄ったりのようでテーブルはみんな満席。荷物を一杯抱えて途方に暮れていると、「スタッフ」のプラカードをつけた人の良さそうな老夫婦が席を譲ってくれました。この人達はみんなボランティアなんだそうです。ますますアメリカが好きになってしまいました。すると、魔法のようにMさんが現れる。この人の食い物、いや食事に対する嗅覚はホントすごい。「さ、食べましょ、食べましょ。」

日本ではこうしたところでは得てして特別プライスとかで法外な値段がついていていることが多くて嫌な気分になりがちですが、ここはそんなこともなく極めて良心的な価格設定で、お味の方もまずまず、と貧乏かつ食いしん坊な私を充分満足させてくれるものでした。かくて、二人でお腹一杯になるまで食事を堪能しました。

こうして、朝一番から『もうお終いだよ~』の9時まできっちり元をとりました。さあ、いよいよ明日はスーパーボウルです。

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updated : 2002/05/04