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ちぃさんのランボーフィールド観戦記

■ はじめに

私が初めてPacker Zoneの存在を知ったのは、アメリカ駐在中の2003年の終わりごろだったと思います。グリーン&ゴールドをあしらったサイトの美しさ、構成のセンスの良さ、驚くほどの情報量と情報の早さ、そして管理人NPBさんの適度な“締め”具合で高い質を保っている掲示板・・・一目でファンになった私は早速お気に入りに登録して、毎日訪れるようになりました。それ以前に他の掲示板でちょっと嫌な思いをしたこともあって、しばらく書き込みは控えていたのですが、我慢しきれず、2004年の春先くらいからは時々掲示板の方におじゃまさせていただくようになりました。

2004年はNPBさんのご都合もあって現地観戦ツアーがなかったのですが、私が当時住んでいたバージニア州からほど近いワシントンDCにパッカーズがやって来ることが分かり、私はこれを観戦し、Packer Zone “米国東部特派員”として観戦レポートを書こう、などと思っていたのでした。

また、私が軽い気持ちで「どなたかワシントンに来ませんか」と掲示板で声をかけたところ、Packer Zoneでおなじみのけんちゃんがそのプランに前向きに反応してくださり、パッカーズ・ファンと一緒にパッカーズ観戦ができるなんて!と私は本当に楽しみにしていました。観戦前夜祭と観戦後の祝勝会を我が家でやろうとか、その時には私が持っているパッカーズの株券をお見せしようとか、半年くらい先の話なのに、もう頭の半分以上はいつもこの観戦のことで占められていたのでした。

ところが、こともあろうに2004年の5月末に無情の帰国指令。しかも7月に帰ってこいと。この短期間で帰国準備をしなければいけない大変さよりも、初のパッカーズ観戦が流れてしまったことのショックの方が私にはずっと大きかった・・・。せめてあと3ヶ月、そうすれば10月末のパッカーズ@ワシントンを観ることができたのに。

こうして後ろ髪をひかれる思いでアメリカを後にしてから、1年と3ヶ月。Packer Zoneの皆さんのおかげで遂に初めてのパッカーズ観戦が実現することになったのです。もう“米国東部特派員”ではなくなったけれど、以下はその観戦記です。興奮していてなんだかよくわからないところもあるかもしれませんが、現地観戦経験者の方は、どうぞあたたかい目で見て(読んで)やってください。現地観戦未経験の方には、少しでもその興奮を感じていただいて、いつかは自分も、と思っていただければうれしいです。

■ 9月某日

都内某所で、今回の現地観戦ツアーのアレンジをしてくださったジャスティンさんとお会いし、チケットを受け取りました。初対面にもかかわらず、聞き上手のジャスティンさんにのせられ、何だか浅はかな知識でずいぶんしゃべってしまいました。考えてみれば日本でパッカーズの話をするのはすごく久しぶりです。

私は海外関係の仕事をしているので、自分も含めて周りにはアメリカにしょっちゅう出かけている人も多いのですが、誰ひとりとしてNFLには興味がないんです。つまらんなぁといつも思いながら、日本時間の月曜日にはこっそり一人でNFL結果速報をチェックしています。

私はアメリカの約半分の州には足を踏み入れたことがありますが、実はウィスコンシン州には一度も行ったことがないんです。ジャスティンさん曰く「ダラスはカウボーイズがいなくてもダラスだけど、グリーンベイはそうじゃないんです」と。パッカーズなしのグリーンベイはあり得ないってことか。また、アメリカには“NFL Cities”という言葉があります。これは、NFLのチームを持っているくらいの大都市という意味なんですが、決して大都市とは言えないグリーンベイは、この“NFL Cities”ともチョット違う。ますます楽しみになってきました。

■ 10月7日(金)

今回の現地観戦でご一緒したのは、NPBさん、ジャスティンさん、ぐんさん、がんたんさんの四人です。NPBさん、ジャスティンさん、ぐんさんの三人は6日にグリーンベイ入り、がんたさんと私が一日遅れの7日です。そのがんたさんとは成田空港で待ち合わせました。予め連絡をとりあい、がんたさんは目印としてパッカーズのスウェットを着てくるとのこと。私はパッカーズのキャップをかぶっていくことにしました。すぐに見つかるだろうと思ったら、案の定すぐにがんたさんを発見です。一緒に昼食をとりながら、自己紹介やらパッカーズの話やら。本当に行くんだなぁとだんだん実感がわいてきました。なんとも言えないわくわく感です。

がんたさんが外貨両替をしている間ぼけっと突っ立って待っていたら、アメリカン・エクスプレスのキャンペーンお姉さんが近づいてきました。スクラッチ・カードで当たりが出れば景品を差し上げます、とおっしゃる。どうせ当たりしかないんでしょ、などと憎まれ口をたたきながらカードを削ると、なんと当たりマーク。もらったのはボールペンだったけど、こりゃあ何だか幸先がいいぞ。開幕四連敗中の身としては、ついつい幸運を拾い集めてしまうのでした。

乗ったのはユナイテッド航空のシカゴ行き。最近出張ではアメリカン航空ばかりで、ユナイテッドに乗るのは久しぶりです。アメリカンはエコノミークラスではアルコールは有料なので、きっとユナイテッドでもそうだろうと思って、小銭をポケットに入れて機内へと乗り込みました。ところが、これが無料。あとでジャスティンさんに聞いたところ、ユナイテッドは有料にはしていないとのこと。おぉ、それは知らなかった。やや強引に、これもラッキー!と、幸運にしてしまいました。なんとしても開幕五連敗はやめてくれ。(尚、その後アメリカン航空もエコノミークラスのアルコールは無料に戻りました。)

シカゴに到着し、ここで入国です。はたして係官の反応は?私が並んだ列は新米と思われる女性係官と、その後ろに陣取るベテラン男性係官という二人組みでした。何しに来たの?ときかれ、「パッカーズ観に来た」と歯切れよく回答。さすがに新米さんは反応してくれなかったのですが、ベテランさんはニヤッと表情が緩みました。それ以上の質問はなく、チケットは持ってんのか?と問われて「もちろん」。入国手続きが済んだ後は、いいゲームだといいな、と送り出してくれました。

アメリカ駐在中に実感したこと。それは、話題に困ったらフットボール、です。特に相手が男性ならその効果は絶大です。ビジネスマン、ホテルのフロント、車のセールスマン、ガソリンスタンドのおっちゃんなどなど、大抵の人とはすぐ友達になれます。月曜日なら「昨日のゲーム観た?」 これで話が展開して場がもちます。運よくパッカーズ・ファンに出会ったら、それはもう盛り上がるのみ!

シカゴでグリーンベイ行きの飛行機のゲートを探すと・・・あったあった、F4だ。すかさず、がんたさん「Favre 4ですよ!」 おぉ、本当だ。こりゃ運がいい。またしても幸運の拾い集めです。これで今回の勝利は確実だ、と妙な確信をここでもったのでした。  シカゴからグリーンベイまでは一時間ほどのフライトでしたが、離陸の記憶がないんです。爆睡。

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updated : 2006/05/17