2002年7月15日

ランニングバックとケガ

ドーシー・レヴェンズがイーグルスと契約し、またひとり'96シーズンの優勝メンバーがチームを去ることになってしまった。フリーマンと違って、彼の場合はパッカーズと喧嘩別れというわけではない。現状ではアーマン・グリーンが良すぎて、出番があまりにも少ないため、「キャリアはもう残り少ないのだから、もっとチャンスのあるチームで」という意思が固かったようだ。なにしろ昨年はラン44回、パスキャッチもわずか24回だったのだから不満に感じるのも仕方がない。

レヴェンズはそのタフなプレーぶりだけでなく、性格も良くてファンに非常に好かれていたから、あちらの掲示板の書き込みを見ても、「寂しいが仕方がない。幸運を祈る。プレーオフで会おう」というのが非常に多い。私も全く同じ気持ちだ。あの優しそうな、少し照れたようなシャイな笑顔がもう見られなくなると思うと、胸にぽっかり穴が空いたようで、なんとも言えず寂しい。

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それにしても、ランニングバックというのはどうしてこうもケガが多いのだろう。使い減りする、と言ったらいいのだろうか、何年か大活躍した後には、必ずと言っていいほどケガに見舞われる。ヒザの靭帯を断裂して、まる1年を棒に振ることもあるし、そうでなくても細かいケガが続いてスランプの年になることも多い。レヴェンズの場合、’97年に1435ヤードの大ブレークをしてからはケガ続きで、ついにエースRBの座を取り戻せなかった。

テレル・デイヴィス(DEN)はプロ入りして4年間、驚異的な活躍でスーパーボウル連覇に貢献したのに、その後は大小のケガが続き、この3年間は合計しても1200ヤードほど。ジャマール・アンダーソン(ATL元)はスーパーボウルに出場した’98年に1846ヤードという驚異的な数字を残したが、その後は二度のヒザの靭帯断裂で、現在は引退の危機にある。エジャリン・ジェームス(IND)も、3年目の昨季後半はヒザのケガに泣いた。5年間1200ヤード以上を続けてきたタフなエディ・ジョージ(TEN)さえも、昨年はつま先を痛めて、ついに1000ヤードを割った。

そうしてみるとエミット・スミス(DAL)の偉大さは際立っている。カウボーイズを3度の優勝に導いたことも素晴らしいが、その成績を「太く長く」続けるところに彼の価値がある。ダラスは人工芝でありながら、なぜあれほどコンスタントなプレーを続けることができるのだろう。若い頃は小柄なスキャットバックのタイプだったが、年を経るごとにバルクアップして、今はパワーランナーのような体格になっている。

いつも思うのだが、エミット・スミスは無理な体勢で倒れることが少ない。ギリギリのところで無理をしないように見える。たとえば普通のRBなら3ヤードで倒れるところを、彼の能力なら5ヤード走ることができる。無理をすれば5.5ヤード走ることができても、彼は無理せずに5ヤードで倒れ、0.5ヤードは次のために取っておく。本来ならば、1インチでも先へ進むのがランニングバックの仕事であり本能のようなものだが、彼の場合、RBとしての並外れた能力の一部分を身を守るために使うことによって、過酷な消耗から免れているのではないか。あまり根拠はないけれど、そんな気がしてならない。手抜きだと責めているのではない。そうすることが結局はチームのためにもなるからだ。

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普通ランニングバックは、実際に活躍できる期間が短い。契約でモメることが多いのも、働ける期間の短さを考えれば、「稼げるうちに稼いでおこう」という気持ちになるのも無理はない。また、契約でモメるほど活躍するということは、その時点ですでに金属疲労のようなものが相当に蓄積しているということも言えるわけで、大型契約をした途端にケガをして働けなくなる、というパターンが多いのはそのせいではないかと思う。大金を手にしたとたんにケガをすると「いい気になってコンディショニングを怠ったからだ」という論調になりがちだが、本人のせいばかりにするのは気の毒だ。

最近は、複数のRBにキャリー数を分散させるよりも、信頼するエースRBに徹底して持たせる、という傾向のコーチが多いのではないか。最近は1000ヤードラッシャーがやたらと多いのはそのせいだと思う。しかしそれをやっていてはエースRBへの負担は増えるばかりで、エミット・スミスのような例外的な選手でない限り、結局ケガは避けられない。パッカーズも、レヴェンズと入れ替わりでアーマン・グリーンという宝石を手に入れたが、もう少し彼の負担を減らす工夫をしていかなければ、来年あたり壊れてしまわないか少し不安だ。

投稿者 nagoyapackerbacker : 00:00