2002年6月24日

WR陣の大改造

今年のパッカーズオフェンスは、WR以外全てのスターターが残留した。控え選手まで見渡しても、変わるのはRBとLTぐらいのものだ。ところがWR陣だけは物凄いことになっている。ここで今年のWR陣についてまとめておこうと思う。

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WRテリー・グレンの獲得には全く度肝を抜かれた。そしてシュレーダーとブラッドフォードとの再契約を見送り、2年目のファーガソンを2番手に昇格させ、ドラフト1巡では2巡指名権を犠牲にしてまでWRジャヴォン・ウォーカーを獲りに行った。そしてサラリーカットに応じなかったフリーマンを解雇。ほとんど「総入れ替え」と言っていいほどの大改造で、普通なら12勝のチームのすることではない。

そのカギはRBアーマン・グリーンの成績にあったと思う。相手ディフェンスは「まずグリーンを止めろ」とばかりに8メンフロントでランを止めに来る。それなのに、マンカバーされているレシーバー達がまるでフリーになれず、相手DBをカモにすることができない。WRフリーマンはスピードもクイックネスも衰え、WRシュレーダーはトップスピードまで時間がかかる上に、スクリメージ上でのジャムが苦手。

3rdダウンでも状況は変わらず、結局アーマン・グリーンへのショートパスでお茶を濁さざるを得ず、彼のパスキャッチ回数ばかりが増える。そのような状況を打破しなければ、QBファーヴもRBグリーンも宝の持ち腐れになりかねないという強い危機感が、今オフのスピード重視のWR再編成に表れている。とにかくフィールドをストレッチせよ。人工芝でスピード負けしていてはラムズを倒せない。

テリー・グレンについては3月にも書いたので参照してほしい。トレードから3ヶ月、「心を入れ替えた」というお手本のような優等生ぶりで、練習態度、チームメイトとの関係、メディアへの応対など、出来すぎと言って良いぐらい。本来は鬱病傾向のある引きこもりがちのタイプで、ペイトリオッツでは常にチームメイトから孤立していた彼だが、グリーンベイに来てからはゴルフコンペからヨガ教室に至るまで、誘われればどこにでも出かけていく。フリーマン説得のためにフロリダを訪れた面々の中に彼もいたと聞いて「無理しすぎでなければいいが」と心配になるほどだ。

肝心なプレー内容の方は、ミニキャンプの練習を見た記者たちからは絶賛の嵐だ。易々とCBを振り切り、パスキャッチ能力もずば抜けている。ぎりぎりまでその素振りを見せず、ボールが来た瞬間に素早く引き寄せる技術はさすが。ウェストコーストオフェンスへの習熟が多少の障害になりうるが、ルーキーじゃなし、彼の能力をもってすればそう問題にはなるまい、というのが大方の見方だ。

問題は、精神面だけ。試合でミスが続いたり、ケガをしたりした時にポジティブな姿勢を保てるかどうか。とはいえ、この調子なら今年1年は全く問題なく行けるのではないかと私は思っている。問題が起きるとしたら、多少気の緩む2年目以降だろう。トレード条件はドラフト4巡プラスαだし、契約ボーナスはわずか$1ミリオンだったし、これでエースWRとして活躍してくれれば安いものだ。ファーヴが投げるのだから、フル出場できれば1200ydsは決して高望みではない。

一番心配なのが仮の2番手、ロバート・ファーガソンだ。2年目とはいっても、昨年は一つもファーヴのパスをキャッチしていないのだから。タイプとしてはテレル・オーウェンスのようなガッチリ型。テリー・グレンのように一瞬で抜き去るようなスピードはないが、パワフルでランアフターキャッチに優れた、ウェストコースト向きのWRだ。ちょっとぼんやりしていたルーキー年と比べると、今オフはまるで別人のように練習している。CBS Sportslineの記事で「今年ブレークしそうな無名の若手」の7人に選ばれているのはうれしい。グレンの心配が減ったので、ファーガソン(またはウォーカー)が2番手WRとしてどれくらいやれるかが、今年のパスオフェンスのカギを握ると思っている。

ドラフト1巡ルーキー、ジャヴォン・ウォーカー。ドラフト2巡を犠牲にした価値はあったのか、答えは1年では出ないと思う。毎年ドラフトでもてはやされるWRたちも、1年目から大活躍するなんてことは滅多にない(その数少ない例がランディ・モスとテリー・グレンだ)。複雑なプロのオフェンスを覚え、プレーコールを聞いただけで自然に体が動き、相手ディフェンスの動きを見てスムーズにアジャストできるようになるまで、どうしてもシーズン半ばまではかかってしまう。サイズもスピードも素晴らしいが、開幕の時点では良くて3番手、というのが妥当なところではないか。

同じく2番手を争うのが、ドナルド・ドライバー。制限付きFAだった彼は、チーフスからの3年$3ミリオンのオファーを蹴って再契約した。今年のメンバーなら先発を狙える、という読みもあったのだろう。49ersとのプレーオフで素晴らしいキャッチを見せたように、とにかくジャンプ力はすごい。大学時代は走り高跳び、走り幅跳び、十種競技で活躍したそうだが、特に高跳びでは2m30というワールドクラスの記録を持っている。まあこれはマメ知識の部類だが。まだかなり細いので、もう少し力強くなってほしい。

今のところ5番手がチャールズ・リー、6番手がカーステン・ベイリーということのようだが、実際4番手までに入らないと、試合でプレーする機会は大幅に減るだろう。昨年のWRのロースター枠は6人だったが、今年は5人で行くかもしれない。パントリターンが出来れば大きな武器になるのだが、この2人にはそういう特技もない。開幕までにリターナー兼WRと契約するようなことがあれば、ロースターからはじき出される可能性もある。

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以上とても長くなってしまったが、一言で言うと、2番手WR次第、というのが結論だ。そう言い切ってしまっていいほど、テリー・グレンのことは楽観視している。本当はフリーマンが残って2番手になり、ファーガソンとウォーカーが3番手争いをしてくれれば理想的なバランスだった。しかし残念ながら世の中そう上手くいかない。とにかく潜在能力だけならメチャクチャ高い若手たちが、”Pleasant Surprise”を見せてくれるようなら、スーパーボウルへの道も開けるのではないかと期待している。

投稿者 nagoyapackerbacker : 00:00