2002年2月15日

パッカーズ 2001 総括 (前)

シーズン開幕前の時点で、パッカーズの"Strength Of Schedule"は.531でNFLの上から4位。それだけスケジュールが厳しいと見られていたわけだ。ところがシーズンを終えてみれば、その対戦相手の合計は.433。つまり、今季になって成績の落ちたチームとの対戦が多かったということになる。

また、それぞれのチームと対戦したタイミングにも比較的恵まれていた。開幕ダッシュが必要なところで、まずDETに快勝。テロ事件のために難敵NYGはあとまわしになり、第2週は調子がどん底だったWAS(その後調子を取り戻して5割に)に完封勝ち。第3週もCARだったため、スムーズに3連勝して貯金を作ることが出来た。これで波に乗れたのが大きかった。

シーズン終盤にも、試合のタイミングに恵まれた。15週のCLEは、その前の週に審判の不手際でいやな負け方をしてプレーオフの望みが消えた上に、ファンがビール瓶を投げ込むなどの騒ぎがおこり、グリーンベイに来たときにはモーティベーションが下がっていただろう。次のMINはエースQBカルペッパーに続き2番手QBバウマンまで欠場してくれたために勝てたようなもの。最終週のNYGも、前週の敗戦でプレーオフが消えていた。予定通り第2週にニューヨークで戦っていたら勝てたかどうか。

それではパッカーズ自身について考えてみよう。パッカーズは2000年、プレーオフは逃したものの終盤に4連勝してシーズンを終えた。ロン・ウルフ元GMら首脳はそのチーム力を本物だと判断し、大幅にチームを作り変えるよりも"Continuity"(継続性)を重視して、現有戦力と(サラリーカットをお願いして)再契約する方を選んだ。そしてその方針が功を奏したわけだ。2000年ドラフト組を中心とした若手の成長もあって、黄金時代を知るベテランたちとのバランスが取れてきた。昨季からの残留メンバーが多くコーチ陣も変わらなかったため、他チームと比べてそれほど熟成が必要ではなかったことも前半の6勝2敗につながった。

シャーマンHCは、基本的にケミストリー(まとまり)重視のチーム作りをしているが、2000年の後半あたりから、それがかなり上手くいくようになった。シャーマンHCにはカリスマ性などかけらもないが、選手に対し「君がそう思うのはもっともだ。しかしこちらの立場としてはこうなんだ」と常に正直かつフェアに話し合うことで物事を解決していくタイプ。それによってベテランの中心選手たちを甘やかすことなく、良好な関係を築くことに成功しているようだ。オフェンスのQBファーヴ、ディフェンスのFSバトラーのリーダーシップには以前から定評のあるところだが、彼らが一貫してシャーマンHCを強く支持していることが、このチームの重要な軸になっている。

対戦相手に恵まれたとはいえ、連敗が一度もなかったのは賞賛に値すると思う。何度かいやな負け方をしたが、そのたびにうまく立て直してショックを長引かせなかった。物事が上手くいかないときにはお互いを責める気持ちがどうしても出てくるものだが、今季のパッカーズはそのフラストレーションをうまく前向きの力に変えて前進することが出来たと思う。フットボールにおいて試合中のモメンタムが重要なのは言うまでもないが、シーズンを戦っていく上でもモメンタムというのは無視できない。その点で、ズルズルと行ってしまいそうになる苦しい時に、しっかり踏ん張れたことが、12勝という夢のような数字につながった。

若手の成長も見逃せない。特に2000年ドラフト組が素晴らしいではないか。ドラフト1巡のTEフランクス、2巡のLTクリフトン、4巡のLBディッグス、5巡のDEバジャ=ビアミラ、7巡のRTタウシャー。どれも中心選手に成長してきており、ロン・ウルフ元GMにとって最も成功したドラフトと言ってもいいだろう(それに比べると2001年組は?)。TEフランクスはプロボウルに選ばれたし、DEバジャ=ビアミラはシーズン前半にサックを量産して話題になった。あまり目立たないが、RTタウシャーはかなり評価が高く、評論家によってはオールNFCに選んだ人もあったほど。LTクリフトンもLBディッグスも今季はケガに悩まされたが、この連中はまだまだ成長の余地を残しているはず。

オフェンス陣で一番良かったのは、なんといってもケガ人が少なかったことだ。WRシュレーダーがBAL戦で足首を痛めて2試合欠場。LTクリフトンも足首を痛めて数試合欠場。あとはRGリヴェラが手を骨折したぐらいで、プレーオフには開幕と同じメンバーで臨むことができた。ケガ人がつきもののNFLにおいて、シーズン通してこれだけケガが少ない、というのはそれだけでアドバンテージになるものだ。熟成の必要なウェストコーストオフェンスではなおさらそうだと思う。

逆にディフェンス陣にはケガ人が続出。DL陣では、シエリーがシーズン後半に戦線離脱、G・ブラウンはシーズン通して細かいケガに悩まされた。ただしDLは傑出した選手こそいないものの層は厚かったため、なんとかカバーすることができた。LB陣も先発全員がケガを抱えながらプレー。DB陣ではFSリロイ・バトラーのケガがとにかく痛かった。ディフェンス全体のリーダーであり、相手の陣形を見て瞬時にオーディブルをコールする彼の仕事は、他の選手にはなかなか真似できない。ルーキーCBのバウ・ジューがコンバートされて奮闘したが、結局この穴だけは最後まで埋めることが出来なかった。

こうして見てくると今季の好成績は、シャーマンHCの就任を含め、2000年にその種が蒔かれていたといっても良さそうだ。ここまでで相当長くなってしまったので、オフェンス・ディフェンスの細かい点については、また来週ということにしよう。

投稿者 nagoyapackerbacker : 00:00