2001年5月28日
ロサンゼルス問題
2002年からの地区再編成がついに決定した。ヒューストンに新チームができるため合計32チームに増えるのに伴って4チームx 8地区に分かれたわけである。チームによっていろいろな不満はあるのだろうが、伝統のライバル関係を保ちつつ、地域的な矛盾(アリゾナが東部地区でアトランタが西部地区、というような)をできる限り減らす、という目的はかなり達成できているように思う。
ただNFLの課題として残っているのはLA問題、つまり全米第二の市場規模を誇るロサンゼルスになぜNFLチームが一つもないのかという問題である。今回のエクスパンションチーム選考でも、当初はロサンゼルスのグループが有力だったようだが、結局ヒューストンに軍配が上がった。
また、現存するチームがロサンゼルスに移転する場合も、やはり問題はあるようだ。現在の球団経営では高額のボックス席からの収入が大きな柱となっていて、贅沢で現代的なボックス席がたくさんないと収益が上がらないのが実情なのだが、LAのスタジアムはやや旧式で多くは望めないのだ。
そうなると大幅な増改築をするか、新球場を建設するかしかないわけだが、100億円単位の金をポンと出せるチームはそうない。かといって州や市からの資金援助は望めない。「税金からの拠出は住民の理解が得られない」と言って議会が承認しないからだ。住民投票をしても、否決されるのは目に見えている。だから、ロサンゼルス市としては「NFLチームが移転してきてくれるのは歓迎ですよ。ただしゴージャスなスタジアムが欲しければご自分でどうぞ」という姿勢なのである。
「NFL最大のジレンマ」といえるLA問題の原因はここにある。結局のところロサンゼルスの人々は贅沢に慣れているのだ。別にNFLチームがなくても趣味に困るようなことはない。LAにはレイカーズ(NBA)もあるし、名門ドジャース(MLB)やキングス(NHL)がある。近郊のアナハイムにまでエンジェルス(MLB)などがある。もちろん熱狂的なフットボールファンもいるのだろうが、住民投票で新球場の建設を承認するほどの多数になるとは考えられない。
いつもLAレイカーズの試合を見ていて思うのだが、大変な強豪であるにもかかわらず(プレイオフは別として)観客の雰囲気がどうも散漫なのだ。うまく言えないが「さあ最高の見世物を見せてくれ。いいプレイ見せてくれたら応援してもいいよ」というような。同じNBAでもユタ・ジャズやサクラメント・キングスなどは観客も一体となって「なんとか選手を後押しして勝たせるぞ」という執念が感じられるのだが、LAではそこまでの雰囲気になることは少ない。盛り上がったとしても一時的、刹那的な熱狂のように思えるのである。
とはいっても、パッカーズが全てといってもいいようなグリーンベイの街でさえ、スタジアムの大幅改修に関する昨秋の住民投票は、僅差での可決だった。まあ住民の数が少ない分、増税による一人あたりの負担が大きくなるのでやむをえないところはあるかもしれないが。
70年代に建てられたようなスタジアムは軒並み老朽化してきていて、屋根の修理などかえって維持費がかかるようになってきている。また膨れ上がる選手のサラリーを賄って競争力を維持するためにも、オーナー側はより近代的で設備が充実したスタジアムを求める。しかし地元の市や州は、100億円単位の負担には耐えられない。受け入れ先の施設さえしっかりしていれば、チームを移転させたいと密かに考えているオーナーは何人もいるはずだから、今後もチーム移転はあるだろう。ただし残念ながらそれがロサンゼルスとなる可能性は低そうだ。
投稿者 nagoyapackerbacker : 00:00

