2001年3月26日
現役への執念
カウボーイズの黄金時代を担ったトロイ・エイクマンが現役続行を模索している。度重なる脳震盪により、チームからは「カウボーイズのエイクマンとしてキレイに引退してほしい、そうでなければ解雇せざるを得ない」という勧告を受けたにもかかわらず、である。49ersのジェリー・ライスも、チームからはサラリーキャップ上もう雇えないと言われても他チームで現役を続けることを目指している。
昨年の今ごろはドルフィンズのダン・マリーノが似たような状態だったし(結局移籍は諦めて引退)、49ersのスティーヴ・ヤングも脳震盪で引退を余儀なくされたものの、最後まで迷いに迷っていた。彼らはすでに輝かしい実績を挙げ、マリーノを除いては優勝経験もあり、やり残したものなど何もないように見える。ファンからすれば、「カウボーイズのエイクマンとして美しく引退してほしい」と思うところである。
ところが本人達にとってはそうではないらしい。むしろ超一流の選手になればなるほど、現役へのこだわりは強いのではないか。特にQBというポジションはフィジカル能力の占める割合が低く、能力の急激な低下は認識しにくいのかもしれない。また引退生活の退屈さを想像するとたまらなくなるということもあるだろう。
どのスポーツでもそうかもしれないが、NO.1になる選手の競争心というのは凄まじい。マイケル・ジョーダンが良い例である。勝っても勝ってもまだ勝ちたい、相手を打ちのめしたい、良いプレーを決めたい。「これで満足」ということなど彼らにはなさそうだ。この並外れた競争心があるからこそ、彼らは苦しい練習に耐え自己管理に努め、超一流にまでなれたのではないか。つまり一流と超一流の違いはここにあると思うのである。
彼らにとって、現役を続けるのはやり残したことがあるからではない。まだやれると思うからやるだけのことである。何度優勝しようと、衰えたプレーをして「晩節を汚す」と言われようとこれは仕方がない。まわりから見るとそれは「執念」ということになるのかもしれないが、本人にとってはむしろ当たり前のことなのかもしれない。
ジェリー・ライスは今年もどこかのチームで素晴らしいキャッチを見せてくれるだろう。エイクマンは彼の健康のこともあるし、まだどうなるかわからない。ボロボロだった昨年のプレーを見ると契約するチームがあるかどうかは微妙かもしれないが、彼はぎりぎりまで移籍先を探すだろう。これ以上脳震盪に苦しむ彼を見たくないと思う一方で、鮮やかな復活を遂げて冷淡な連中を驚かせてほしいとも思う。
投稿者 nagoyapackerbacker : 00:00

