2007年6月13日
Game, Team, Organization
フットボール英語の2回目は、いくつかの基本的な名詞のニュアンスを、NFLに関係する範囲で取り上げてみたい。
カタカナ英語との違いが意外と面白いのが game という単語。「試合」のほかに、「競技」「種目」といった意味でもしばしば使われるので、注意が必要だ。多くの場合 this がくっついて「この競技」という意味になる。たとえばNBAのキャッチフレーズ I love this game! は「この試合が大好き!」という意味ではなく、「バスケ大好き!」という意味だ。
He is one of the greatest quarterback ever to play this game. といったら、「彼はフットボール史上最高のQBの1人だ」と訳すことができる。故ラマー・ハントの追悼文 Lamar had a great impact on this game. なら、「ラマーはフットボールに大きな影響を与えた」となる。この場合、全く同じ文章でも「この試合の勝敗に大きな影響を与えた」と訳すことも可能なので、そこは文脈しだい。
Game は「得意なプレー、プレースタイル」といったニュアンスで使われることがあって、訳出が難しいことがある。これも多くの場合 my game とか his game と所有格を伴う。Julius Peppers has continued to expand his game in each season from pure pass rusher. は「ジュリアス・ペッパーズは純粋なパスラッシャーからシーズンごとにプレーの幅を広げてきた」となる。
また、アメリカのスポーツ選手が大災害などのとき決まって口にするのが、「僕らがやっているのは所詮は game であって、犠牲者の苦しみとは比べようもない」といった趣旨のコメントだ。この場合は「競技」よりも「遊び」に近づいたニュアンスになっていて、何ごとも精神修養と結び付けたがる日本スポーツの精神世界とは大きく異なっている。
彼らアメリカのスポーツ選手がチャリティ活動やファンサービスに熱心なのも、「自分たちはたかがこんなゲームで大金を手にしている」ということへの感謝、謙虚さ、もっと言えば後ろめたさのようなものがあるのではないかという気がしている。
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Team はカタカナ英語の「チーム」とさほど変わらないが、選手が使う場合、「今年のチーム」「ロッカールームにいる仲間たち」といったニュアンスが強くなる。コーチが含まれるのかどうかよくわからないが、こういった場合はGMはじめフロントは入らないようだ。
オーナーから裏方さんまで全て含める場合は、team でなく organization という言葉が使われるので、その場合は「球団」と訳し分けることにしている。移籍してきた選手がパッカーズのことを This is a first class organization. などとおだてて言ってくれることがあるが、サラリーだけでなく練習施設から家族の待遇などに至るまで、全てにおいて一流の球団組織、といった意味合いになる。
チーム関連で独特な言葉が return だろう。前回ファーヴ現役続行の例文でも出てきたが、現役復帰でなく現役続行なのに Favre will return. と表現するのが興味深い。また、米大学フットボールチームの話題でよく出てくる表現だが、引退(またはプロ入り)する4年生が少なく来年も期待できる、という場合に 9 starters return from last years defensive squad. という。つまり「昨年のディフェンスのスターターのうち9人が残っている」という意味だ。
日本の学校では一年中ひとつのスポーツをするのに対し、アメリカでは複数のスポーツをするシーズン制だからなのだろうと思う。フットボールのシーズンが終わればそこでいったん解散、しばらく別のスポーツをやって、来シーズンにまた会おう、という感じがある。大学でも1年中フットボールのチーム練習をすることが許されておらず、NFLは労使協約でオフシーズン練習はかなり制限されている。だから return という言葉がぴったりくる。
大学のついでに言えば、プロ球団の organization に対し、大学のフットボール部(別の競技でもいいが)のことは program と呼ぶのが独特だ。After the 1989 season, the Wisconsin football program was one of the doormats of the Big Ten Conference. は「1989年シーズンのあと、ウィスコンシン大フットボールはビッグ10カンファレンスのドアマットのひとつだった」となる。
あれだけの収入を稼ぎ出すビッグビジネスなのに空々しい気もするが、まあ教育の一環という建前なのだろう。この program は最初に見たときは面食らうが、カレッジ関連では頻出単語なのですぐに慣れるし、さほど難しくない。
投稿者 nagoyapackerbacker : 06:52

